■バイオーム(生物群系)

バイオーム(生物群系)とは、気候・植生・動物相・土壌生物などに応じて、特定の地域に形成されるものです。
バイオームは人間・動植物の分布を理解する上で重要な概念のひとつとして利用されており、またここでは植物を育てる時の環境づくりのヒントとして利用できるようにしています。
- タイガ:亜寒帯に広がる針葉樹林帯です。ツンドラと温帯林の中間に位置しており、寒さに強い針葉樹が広がるバイオームです。夏は短く終わり冬は長く厳しいため、微生物の活動は弱くて有機物の分解が遅い。
- 国:ロシア・スカンジナビア諸国・カナダ・北アメリカ
- 気候:亜寒帯
- 降水量:少なめ
- 土壌分類(WRB):ヒストソル(Histosol)・ポドゾル(Podzol)・スタグノソル(Stagnosol)・ウンブリソル(Umbrisol)
- 土質:砂質で排水性が高い傾向があり、有機物は微生物の分解が遅いため場所によっては有機物が堆積している。
- 植生:針葉樹林(マツ・モミ・トウヒなど)
- 温帯広葉樹林(Temperate broadleaf and mixed forest):四季の変化が明確で温暖な季節と涼しい季節があり、広葉樹が優勢であり針葉樹が混合する事が名前の由来になっている。
- 国:日本・東アジア・ヨーロッパ・アメリカ など
- 気候:温暖湿潤気候、西岸海洋性気候、湿潤大陸性気候
- 降水量:年間を通して適度な降水がある
- 土壌分類(WRB):黒ボク土(Andosols)・プラノゾル(Planosol)・スタグノソル(Stagnosol)・ウンブリソル(Umbrisol)・レティソル(Retisol)・ルビソル(Luvisols)
- 土質:砂・シルト・粘土がバランスよく含まれ腐植も多い傾向にあり、団粒構造を発達している傾向がある。
- 植生:落葉広葉樹・常緑広葉樹・針葉樹 など
- 亜熱帯湿林(tropical moist forest):熱帯と温帯の中間あたりに位置しており、一年を通して暖かくて気温の変化が少なめで、また降水量が多いのが特徴です。生物の多様性に富み、有機部も多いですが、微生物が非常に活発で降雨により腐植などが流されるため、土壌の肥沃さは低い傾向にあります。
- 国:アマゾン・コロンビア・コンゴ など
- 気候:熱帯雨林気候・熱帯モンスーン気候
- 降水量:多い
- 土壌分類(WRB):ヒストソル(Histosol)・プラノゾル(Planosol)・ニチソル(Nitisol)・フェラルソル(Ferralsols)・ウンブリソル(Umbrisol)・アクリソル(Acrisol)・アリソル(Alisol)
- 土質:多くは肥沃さが低く農業にあまり向かないが、一部では肥沃で団粒構造が発達している土壌もある。
- 植生:常緑広葉樹・着生植物 など
- 地中海性植生(Mediterranean forests):夏は雨が少なく乾燥しており、冬は雨が比較的に多くなります。夏場は基本的に暑いですが、平均気温が22度未満の涼しい特殊な地域もあり、冬は基本的に温暖です。土壌は基本的にあまり肥沃ではなく、石灰岩が風化して出来たテラロッサや岩石の間にある浅い土壌のレプトソルなどが分布している。そのため、この地域の植生は特有の特徴を持っていることが多い。
- 国:地中海沿岸諸国・北アメリカ(カリフォルニア州)・オーストラリア(南部・南西部)、南アフリカ・チリ
- 気候:地中海性気候
- 降水量:夏場は乾燥しており、冬は夏の最も雨の降らない季節と比べて3倍以上の降雨がある
- 土壌分類(WRB):レプトソル(Leptosol)・カルシソル(Calcisols)・ルビソル(Luvisols)・パサムメント(Psamment)・レゴソル(Regosol)
- 土質:砂や礫が多く通気性・透水性が高い傾向にあり、腐植は少なく肥沃さはあまりない。
- 植生:硬葉樹林・乾性植物 など
- モンスーン林(monsoon forest and mosaic):熱帯地域の中で雨季と乾季が明確に分かれた場所にあるバイオームです。熱帯雨林と違い、乾季に落葉する樹木が多く見られ、サバンナと比べて樹木が生い茂り森林を形成します。土壌は基本的に、基本的には痩せた土壌が多いですが、一部の場所では熱帯雨林と違い落葉樹の落葉や雨の少なさなどで肥沃な土壌も見られるため農業に活用されることもあります。
- 国:東南アジア・インド亜大陸・アフリカ・南アメリカ・中央アメリカ
- 気候:熱帯モンスーン気候
- 降水量:雨季と乾季が明確に分かれる
- 土壌分類(WRB):バーティソル(Vertisols)・プリントソル(Plinthosol)・フェラルソル(Ferralsols)・ニチソル(Nitisol)・アリソル(Alisol)・レゴソル(Regosol)・リキシソル(Lixisols)
- 植生:
- 砂漠(arid desert):年間を通して雨が殆ど降らず、土壌は多くが砂質で水分を保持する能力が低いため、土の表面は常に乾いている。そのため植生の範囲が狭く、乾性植物などの一部の植物に限られる。
- 国:アフリカ・中東・中国・モンゴル・オーストラリア・北アメリカ
- 気候:砂漠気候
- 降水量:年平均降水量が乾燥限界以下
- 土壌分類(WRB):レプトソル(Leptosol)・ソロンチャク(Solonchak)・ジプシソル(Gypsisols)・カルシソル(Calcisols)・パサムメント(Psamment)・レゴソル(Regosol)
- 土質:砂質で手で握っても土は固まらない、腐植もほとんどなく肥沃さは低い。
- 植生:乾性植物(多肉・サボテン など)
- 乾燥性灌木地(xeric shrubland):降水量は少ないですが、砂漠ほどは乾燥しておらず草原と砂漠の中間的な環境になります。植生の範囲は狭く、硬葉樹や乾性植物などの一部の植物が自生しています。
- 国:地中海沿岸・北アフリカ・南アフリカ・オーストラリア・北アメリカ南西部・アジア など
- 気候:乾燥帯
- 降水量:乾燥している
- 土壌分類(WRB):レプトソル(Leptosol)・ソロネッツ(Solonetz)・ソロンチャク(Solonchak)・栗色土(Kastanozem)・デュリソル(Durisol)・ジプシソル(Gypsisols)・カルシソル(Calcisols)・パサムメント(Psamment)・レゴソル(Regosol)
- 土質:砂・礫が多い土壌が多く通気性・排水性に優れている傾向にある。腐植も少なく、肥沃さも低い。
- 植生:乾性植物・硬葉樹
- ステップ:年平均降水量が乾燥限界以下にある事もあり、水分量が少なく樹木が育ちにくく、河川や湖からも離れており、イネ科の植物など草丈の低い草が広がる平原です。一方で、草本が何年も蓄積と分解されることで腐植層が厚くなり、また降水量が少ないため腐植の流出が少なく肥沃な土地になっている事も多く、農業で広く活用されている事が多い。
- 国:ウクライナ・ロシア南部・ハンガリー・ルーマニア・カザフスタン・モンゴル・北アメリカ中西部
- 気候:半乾燥気候(Semi-arid climate)
- 降水量:年平均降水量が乾燥限界以下または乾燥限界以下(降水量は少ない)
- 土壌分類(WRB):ソロネッツ(Solonetz)・バーティソル(Vertisols)・ソロンチャク(Solonchak)・プラノゾル(Planosol)・チェルノーゼム(Chernozem)・栗色土(Kastanozem)・フェオゼム(Phaeozem)・ジプシソル(Gypsisols)・カルシソル(Calcisols)
- 土質:腐植が多く団粒構造が発達している肥沃な土です。
- 植生:草本(イネ科・キク科 など)・丈の低い低木
- 草地サバンナ(grass savanna):年降水量がおおよそ900mmから1500mmの範囲にあり、年平均降水量が乾燥限界以上ありますが、明確な乾季と雨季があり厳しい乾季で干ばつになる事もあります。草地サバンナは、類似点のあるステップと違い樹木が育ちますが形成されるのは疎林で森林には至りません。また樹木サバンナと比べて樹木の密度が低めになり、草本(イネ科)が多い草原となります。
- 国:アフリカ・南アメリカ・オーストラリア・南アジア など
- 気候:サバナ気候
- 土壌分類(WRB):バーティソル(Vertisols)・プリントソル(Plinthosol)・フェラルソル(Ferralsols)・フェオゼム(Phaeozem)・アクリソル(Acrisol)・カルシソル(Calcisols)・リキシソル(Lixisols)
- 土質:砂質が多いが粘土質な場所もある。
- 植生:草本(イネ科)・乾性植物・低木・アカシア・バオバブの木 など
- 樹木サバンナ(tree savanna):年降水量がおおよそ900mmから1500mmの範囲にあり、年平均降水量が乾燥限界以上ありますが、明確な乾季と雨季があり厳しい乾季で干ばつになる事もあります。樹木サバンナは、類似点のあるステップと違い樹木が育ちます。ただし厳しい乾季があるため形成されるのは疎林で森林には至りません。また草地サバンナと比べると、樹木サバンナは樹木の密度が高めの草原となります。
- 国:アフリカ・南アメリカ・オーストラリア・南アジア など
- 気候:サバナ気候
- 土壌分類(WRB):バーティソル(Vertisols)・プリントソル(Plinthosol)・フェラルソル(Ferralsols)・フェオゼム(Phaeozem)・アクリソル(Acrisol)・カルシソル(Calcisols)・リキシソル(Lixisols)
- 土質:砂質が多いが粘土質な場所もある。
- 植生:草本(イネ科)・乾性植物・低木・アカシア・バオバブの木 など
- 亜熱帯乾燥林(tropical and subtropical dry broadleaf forest):熱帯および亜熱帯の緯度に位置しており年間を通じて温暖で、長い乾季があります。そのため、殆どの森林では乾季に葉を落とす落葉樹が優勢となり、常緑樹は少ない傾向にあります。
- 国:アフリカ・南アメリカ・中央アメリカ・アジア
- 気候:乾燥帯・温帯
- 土壌分類(WRB):バーティソル(Vertisols)・プリントソル(Plinthosol)・ニチソル(Nitisol)・カンビソル(Cambisols)・アクリソル(Acrisol)・リキシソル(Lixisols)
- 土質:砂質が多い傾向にある。
- 植生:落葉広葉樹・乾性植物・低木・草本
- 熱帯雨林(Tropical forests):年降水量が2000mm以上あり、年間を通じて暖かく最も寒い月でも平均気温が18℃以上ある高温多雨な環境です。そのため、生物の多様性が高く、植生は常緑樹の高木が多く、また雨が多いため着生植物なども多数自生しています。一方で、土壌は微生物・土壌動物の分解と多雨による流出で腐植がたまりにくく、腐植層が浅くなり栄養が少ない傾向があります。そのため、あまり農業は発達していません。
- 国:東南アジア・アフリカ・南アメリカ・中央アメリカ
- 気候:熱帯雨林気候
- 土壌分類(WRB):プリントソル(Plinthosol)・ニチソル(Nitisol)・フェラルソル(Ferralsols)・アクリソル(Acrisol)・リキシソル(Lixisols)・アリソル(Alisol)
- 土質:場所によって変わる。団粒構造はあまり形成せず、肥沃さも低い。
- 植生:常緑樹・着生植物・ツル植物・草本 など
- 高山ツンドラ(Alpine tundra):山岳地帯の中で樹木限界線より高い標高にあるため、樹木が生えず限られた草本類や地衣類や蘚苔類が自生している。土壌は発達が未熟な傾向があり礫や砂が多い。
- 国:世界各地の山岳地帯
- 気候:ツンドラ気候
- 土壌分類(WRB):レプトソル(Leptosol)・黒ボク土(Andosols)・ポドゾル(Podzol)・ウンブリソル(Umbrisol)・レゴソル(Regosol)
- 土質:礫や砂が多くあるため保水性・保肥力が弱く、通気性がとても高い。
- 植生:矮性の潅木・草本・地衣類・蘚苔類
- 温帯針葉樹林(Temperate coniferous forest):夏は暖かく冬は寒冷な気候で、年降水量が300~900mmほどの山岳地帯にあり、マツ・スギ・モミなどの針葉樹類が多く自生しているバイオームです。
- 国:日本・アジア・ヨーロッパ・北アメリカ
- 気候:冷帯
- 土壌分類(WRB):ヒストソル(Histosol)・黒ボク土(Andosols)・ポドゾル(Podzol)・スタグノソル(Stagnosol)・ウンブリソル(Umbrisol)
- 土質:砂質で排水性が高い傾向があり、有機物は微生物の分解が遅いため厚い層になることがある。
- 植生:針葉樹・草本
■土壌の分類(WRB)
土壌の分類(WRB)とは、世界土壌資源参照基準が定めた土壌地図を作成するための国際的な土壌分類システムです。土壌の分類は、特徴・性質に基づいて分類するもので、土地利用・土壌改良の方法などに用いられています。
またここでは、バイオームや植生なども併記しているため、植物が自生している環境を理解しながら、育てる際の土壌改良の参考に出来るようにしています。
ヒストソル(Histosol)
- 国:日本(北海道)・カナダ・ロシア・フィンランド・北アメリカ ・東南アジア など
- バイオーム:タイガ・亜熱帯湿林・熱帯雨林・温帯針葉樹林
- 気候:主に冷帯
- 植生:スゲ・ヨシ・水苔類
- 土壌の特徴:主に湿地にあり、多くは冷帯のカナダやロシア等に分布していますが、熱帯も含めて、その他の場所にも分布しています。有機物が豊富に蓄積しており、泥炭の含有量が高い。
- 土質:腐植質
- 成分:植物遺骸など
- 色:黒色・暗褐色
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):少ない
- 通気性:低い
- 保水性:高い
レプトソル(Leptosol)

- 国:世界各地(山岳でよく見られる)
- バイオーム:地中海性植生・砂漠・乾燥性灌木地・高山ツンドラ など
- 気候:
- 植生:気候などで変わる
- 土壌の特徴:岩石の上や間にある、土層の発達が未熟な浅い土壌です。ふつう岩石の風化物で形成されているため礫や砂が多い傾向にあり、肥沃度が低い傾向にある。
- 色:母材の影響で変わる
- PH:
- 栄養(肥沃度):少ない
- 通気性:良好
- 保水性:低い
ソロネッツ(Solonetz)
- 国:ウクライナ・ロシア・カザフスタン・カナダ・アメリカ・南アフリカ・オーストラリア など
- バイオーム:ステップ・乾燥性灌木地
- 気候:乾燥帯
- 植生:アルカリ性に強い植物
- 土壌の特徴:母材がナトリウムを含んでいるか塩水の影響を受けているため、ナトリウムの含有量が多くなっている。上位の層から溶脱した粘土が下層に堆積しており、下層には15%を超える交換性ナトリウムが蓄積している。
- 土質:粘土質
- 色:暗色・灰白色
- PH:アルカリ性
- 栄養(肥沃度):少ない
- 通気性:悪い
- 保水性:高い
バーティソル(Vertisols)
- 国:オーストラリア東部・インド・アフリカ・南アメリカ(パラナ川下流)・北アメリカ(テキサス州)・メキシコ
- バイオーム:
- モンスーン林・ステップ・草地サバンナ・樹木サバンナ・亜熱帯乾燥林
- 気候:ステップ気候・サバナ気候
- 植生:草原・疎林
- 土壌の特徴:粘土を多く含んでおり、水分量の変化で収縮と膨張を繰り返す。土壌が不安定な挙動をするため、樹木を育てるのに向かず、乾燥すると亀裂が入ったりする。オーストラリアではリンが極端に不足していない土壌として評価が高い。
- 土質:粘土質
- 色:黒色・暗灰色
- PH:中性
- 栄養(肥沃度):高め(養分保持力が高い)
- 通気性:悪い
- 保水性:高い
ソロンチャク(Solonchak)
- 国:中東・オーストラリア・北アメリカ・アフリカ など
- バイオーム:砂漠・乾燥性灌木地・ステップ
- 気候:乾燥帯
- 土壌の特徴:主に乾燥帯で見られ、地表に塩類が蓄積している。そのため、耐塩性のある植物以外は生育が困難になっています。
- 色:灰白色・淡褐色
- PH:アルカリ性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:悪い
- 保水性:悪い
グライ土(gleysol)

- 国:世界各地
- バイオーム:タイガ・温帯広葉樹林・亜熱帯湿林・モンスーン林・草地サバンナ
- 気候:降水量の多い地域
- 土壌の特徴:地下水位が高く水で飽和しているため、土壌中の酸素が少なくなり、還元物質が溜まり還元状態になっている。農業では水田などに利用される。
- 土質:粘土質
- 色:青灰色・緑灰色・灰色
- PH:酸性・中性
- 栄養(肥沃度):低い・高い
- 通気性:非常に悪い
- 保水性:非常に高い
黒ボク土(Andosols)
- 国:日本・インドネシア・フィリピン・ニュージーランド・北アメリカ・メキシコ・チリ
- バイオーム:温帯広葉樹林・高山ツンドラ・温帯針葉樹林
- 気候:熱帯・温帯・冷帯
- 土壌の特徴:主に太平洋側に分布しており、母材である火山灰と、腐植で構成されている。表層は腐植が多いため黒色をしており、下層は火山灰が堆積していて橙色をしている。肥沃ですがリン酸を固定する傾向にあるため注意が必要です。
- 土質:団粒構造が発達している
- 成分:火山灰・腐植質
- 色:黒色・暗褐色・橙色
- PH:弱酸性・中性
- 栄養(肥沃度):高い
- 通気性:良好
- 保水性:良好
ポドゾル(Podzol)
- 国:ロシア(シベリア地方のタイガ)・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・北アメリカ・カナダ・日本(中部以北の山岳地帯)
- バイオーム:タイガ ・温帯針葉樹林・高山ツンドラ
- 気候:冷帯
- 植生:針葉樹
- 土壌の特徴:土壌の表層に鉄やアルミニウムが抜けた白い層があり、その下に鉄やアルミニウムが集積して赤褐色になる層がある。気候は冷涼で有機物の分解も遅く栄養が少ない。
- 土質:砂質
- 成分:漂白層は砂質で、鉄・アルミニウム・腐植の含有量が低い。集積層は鉄・アルミニウム・有機物が集積している。
- 色:表面は腐植・その下は灰白色(漂白層)・更に下層は赤褐色から暗褐色(集積層)
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):少ない
- 通気性:良好
- 保水性:低い
プリントソル(Plinthosol)

- 国:東南アジア・インド・オーストラリア北部・アフリカ・南アメリカ など
- バイオーム:モンスーン林・樹木サバンナ・亜熱帯乾燥林・熱帯雨林
- 気候:熱帯
- 土壌の特徴:plinthite または petroplinthite等を由来とする鉄分を多く含む土壌で、風化して錆びたような赤褐色をしている。
- 土質:粘土質
- 成分:鉄・アルミニウム など
- 色:赤色・赤褐色・黄褐色
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:低い
- 保水性:高い
プラノゾル(Planosol)

- 国:東南アジア・オーストラリア・アフリカ・南アメリカ・北アメリカ
- バイオーム:温帯広葉樹林・亜熱帯湿林
- 気候:温帯・冷帯
- 土壌の特徴:季節的(周期的)に水の停滞がみられる。下層が緻密な粘土質で透水性がかなり悪い。
- 土質:粘土質
- 色:灰白色・黄褐色・赤褐色
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:悪い(下層)
- 保水性:高い
スタグノソル(Stagnosol)
- 国:ヨーロッパ・北アメリカ・アルゼンチン・オーストラリア など
- バイオーム:タイガ・温帯広葉樹林・温帯針葉樹林
- 気候:温帯・冷帯
- 土壌の特徴:下層土が緻密で透水性が悪く、降雨の後などに一時的または長期に水の停滞がみられる。そのため土壌中の酸素が少なくなり、還元物質が溜まり還元状態になっている。
- 土質:粘土質
- 成分:
- 色:灰白色・黄褐色・赤褐色
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:悪い
- 保水性:高い
ニチソル(Nitisol)

- 国:アフリカ・東南アジア・インド・南アメリカ など
- バイオーム:亜熱帯湿林・モンスーン林 ・亜熱帯乾燥林・熱帯雨林・ など
- 気候:熱帯
- 土壌の特徴:粘土の含有量が少なくとも30%あり、安定した団粒構造をつくります。そのため、土は通気性・排水性・保水性に優れている。また肥沃度も高いため農業に広く利用されている土壌です。土は鉄分が多く、風化して酸化鉄になるため赤っぽい色合いをしていることが多い。
- 土質:団粒構造が発達している
- 成分:カオリナイト・ハロイサイト・酸化鉄 など
- 色:赤色・赤褐色
- PH:酸性・中性
- 栄養(肥沃度):高い
- 通気性:良好
- 保水性:高い
フェラルソル・ラトソル(Ferralsols・Oxisol)
- 国:東南アジア・ブラジル・アフリカ
- バイオーム:亜熱帯湿林・草地サバンナ・モンスーン林・熱帯雨林
- 気候:熱帯 など
- 土壌の特徴:高温多雨の影響で、微生物の働きによる有機物の分解が早く、また多雨による流出が多いため、腐植層が浅くなる傾向にある。土壌鉄や酸化アルミニウムの含有量が高いため土の色は錆びたような赤褐色の色合いになる。
- 土質:粘土質
- 成分:鉄と酸化アルミニウムの含有量が多い
- 色:赤褐色・赤色
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):少ない
- 通気性:良好
- 保水性:高い
チェルノーゼム(Chernozem)
- 国:ウクライナ・ロシア南部・ハンガリー・ルーマニア・カザフスタン・アメリカ中西部 など
- バイオーム:ステップ
- 気候:ステップ気候・西岸海洋性気候・地中海性気候
- 植生:草原
- 土壌の特徴:土壌は草本が何年も蓄積と分解されることで腐植層が厚く、また降水量が少ないため腐植の流出も少ない。そのため、非常に肥沃で作物の栽培に適した土壌になっています。土壌の色は腐植が多いため黒色をしており、ロシア語で「黒色」を意味するチェルノーゼムの語源にもなっています。
- 土質:団粒構造が発達してる
- 成分:腐植が多い
- 色:黒色
- PH:中性・弱アルカリ性
- 栄養(肥沃度):非常に高く肥沃
- 通気性:良好
- 保水性:高い
栗色土(Kastanozem・Chestnut soils)
- 国:ウクライナ・ロシア・中央アジア ・北アメリカ中西部・アルゼンチン など
- バイオーム:乾燥性灌木地・ステップ・草地サバンナ
- 気候:ステップ気候
- 植生:草本類 など(樹木は殆ど見られない)
- 土壌の特徴:チェルノーゼムと比べると、腐植の量は少なめ、土の色は明るく、降雨量の少ない地域に分布している。栗色土の土壌は腐植が多く肥沃なため、作物の栽培に多く利用されます。
- 土質:団粒構造が発達してる
- 色:栗色
- PH:中性・弱アルカリ性
- 栄養(肥沃度):高い
- 通気性:良好
- 保水性:良好
フェオゼム(Phaeozem)
- 国:ウクライナ・ロシア・北アメリカ・モンゴル・中国・南アメリカ など
- バイオーム:ステップ・草地サバンナ・樹木サバンナ など
- 気候:ステップ気候・温帯
- 植生:イネ科などの草本
- 土壌の特徴:チェルノーゼムよりも湿潤な地域に分布しており、炭酸カルシウムの蓄積がほとんどない。フェオゼムは腐植が多く団粒化が進んでいるため、耕作に適しており、農業生産性が高い土壌です。
- 土質:団粒構造が発達している
- 色:黒色・暗褐色
- PH:中性
- 栄養(肥沃度):高い
- 通気性:良好
- 保水性:良好
ウンブリソル(Umbrisol)

- 国:ヨーロッパ・アメリカ・アジア・オーストラリア・パプアニューギニア・ニュージーランド など
- バイオーム:タイガ・温帯広葉樹林・亜熱帯湿林・高山ツンドラ・温帯針葉樹林
- 気候:温帯・冷帯・寒帯
- 土壌の特徴:一般的に湿潤な気候の山岳地帯などに分布している傾向があります。土壌は腐植を多く蓄積していますが、殆どの場合で塩基飽和度が低く酸性度が高めのため、農業で利用する場合は、石灰などの改良が必要となる場合があります。
- 土質:有機物が多い
- 色:暗褐色・黒色
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):塩基飽和度が低い
- 通気性:良好
- 保水性:良好
デュリソル(Durisol)

- 国:オーストラリア・アフリカ・アメリカ
- バイオーム:乾燥性灌木地
- 気候:乾燥帯
- 植生:乾性植物
- 土壌の特徴:土壌表面から100cm以内に二次的に生成されたシリカ(SiO₂)が蓄積された硬い層がある。乾燥・半乾燥地域に分布している。
- 土質:砂質
- 色:灰白色・淡褐色・赤色
- PH:中性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:低い
- 保水性:低い
ジプシソル(Gypsisols)

- 国:北アフリカ・中央アジア・中東・オーストラリア・北アメリカ南西部
- バイオーム:砂漠・乾燥性灌木地・ステップ
- 気候:乾燥帯
- 植生:乾性植物 など
- 土壌の特徴:石膏が大量に蓄積している土壌です。乾燥帯に分布しており、主に乾性植物や短命な草類などが生息している。
- 土質:砂質
- 色:白色・淡褐色・赤褐色
- PH:中性・アルカリ性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:高い
- 保水性:低い
カルシソル(Calcisols)

- 国:オーストラリア・アフリカ北部、南アフリカ・スペイン・中東・アメリカ合衆国西部・中央アジア
- バイオーム:地中海性植生・砂漠・乾燥性灌木地・ステップ・草地サバンナ
- 気候:砂漠気候・ステップ気候・地中海性気候
- 植生:乾生植物
- 土壌の特徴:炭酸カルシウムが大量に蓄積した土壌になるため、PHはアルカリ性をしめします。
- 土質:砂質
- 成分:炭酸カルシウムなど
- 色:白っぽい
- PH:アルカリ性
- 栄養(肥沃度):少ない
- 通気性:良好・悪い
- 保水性:低い
レティソル(Retisol)
- バイオーム:温帯広葉樹林など
- 気候:温帯・熱帯 など
- 土壌の特徴:上位の層から溶脱した粘土が下層に堆積しており、下層には明瞭な粘土集積層がある。塩基が溶脱しているため、塩基飽和度が低い。粘土集積層(Bt/E)では粘土の少ない部分が、粘土の濃い部分に挟まれて、網目状の模様が出来ることがある。一般的に塩基飽和度が低く土壌の物理性の悪さから土壌の改良なしで農業に利用されることは少ない。
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:悪い
- 保水性:高い
アクリソル(Acrisol)
- 国:東南アジア・オーストラリア・ブラジル・アフリカ
- バイオーム:亜熱帯湿林・草地サバンナ・樹木サバンナ・亜熱帯乾燥林・熱帯雨林
- 気候:熱帯・温帯
- 植生:
- 土壌の特徴:上位の層から溶脱した粘土が下層に堆積しており、土壌から25~100cmの範囲の主要部分で塩基飽和度が50%未満となっています。
- 土質:粘土質
- 色:赤色・黄色
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:低い
- 保水性:高い
リキシソル(Lixisols)
- 国:東南アジア・インド・オーストラリア・アフリカ・南アメリカ・中央アメリカ
- バイオーム:草地サバンナ・樹木サバンナ・亜熱帯乾燥林・モンスーン林・熱帯雨林
- 気候:温帯・熱帯
- 土壌の特徴:一般的に乾季のある熱帯・亜熱帯の古い地形面に発達する土壌に分布しており、明瞭な粘土集積層を持っている。土壌から25~100cmの大部分で塩基飽和度が高くなっている。
- 土質:粘土質
- 色:赤色・黄褐色
- PH:酸性・中性
- 栄養(肥沃度):高め
- 通気性:普通・やや悪い
- 保水性:高い
アリソル(Alisol)
- 国:東南アジア・オーストラリア・アフリカ・南アメリカ・北アメリカ など
- バイオーム:亜熱帯湿林・モンスーン林・熱帯雨林
- 気候:熱帯・温帯
- 土壌の特徴:熱帯・亜熱帯、および温帯に分布します。粘土含有量が高く下層に明瞭な粘土集積層がある。一般的にPHの低さ、栄養の少なさ、土壌の物理性の悪さから土壌の改良なしで農業に利用されることは少ない。
- 土質:粘土質
- 色:赤色・黄色
- PH:酸性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:悪い
- 保水性:高い
ルビソル(Luvisols)

- 国:日本・アジア・オーストラリア・ヨーロッパ・ロシア・北アメリカ・アルゼンチン・南アフリカなど
- バイオーム:温帯広葉樹林・地中海性植生
- 気候:温帯・乾燥帯 など
- 土壌の特徴:上位の層から溶脱した粘土が下層に堆積している。表層は腐植が蓄積しており、物理性に優れていることが多い。そのため、農業でよく利用されています。
- 土質:粘土質・表層は団粒構造が発達する傾向がある
- 色:暗褐色・赤褐色・黄褐色
- PH:弱酸性~中性
- 栄養(肥沃度):高い
- 通気性:表層は良好・下層は悪い傾向がある
- 保水性:良好
カンビソル(Cambisols)

- 国:世界各地
- バイオーム:広範
- 気候:広範
- 植生:広範
- 土壌の特徴:土壌形成の初期段階にあり、土壌層の分化が弱く明瞭な集積層はないが、母材の風化によって生じた変質層がある。
- PH:酸性・中性
- 栄養(肥沃度):中程度
- 通気性:良好
- 保水性:良好
フルヴィソル(fluvisol)

- 国:世界各地
- バイオーム:広範
- 気候:広範
- 植生:広範
- 土壌の特徴:沖積堆積物から形成されており、層位の発達が未熟です。
- 土質:堆積物により変わる
- 成分:
- 色:
- PH:
- 栄養(肥沃度):
- 通気性:
- 保水性:
パサムメント(Psamment)
- 国:アフリカ・オーストラリア・中東 など
- バイオーム:地中海性植生・砂漠・乾燥性灌木地 など
- 気候:乾燥帯 など
- 植生:乾性植物
- 土壌の特徴:砂の堆積物からなり、層位の発達がほとんどない、または弱い層位がある。基本的に砂で形成されているため、握っても固まらず、保水性や肥沃度が低い。
- 土質:砂質
- 色:白色・黄色・淡褐色・褐色
- PH:中性
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:高い
- 保水性:悪い
レゴソル(Regosol)

- 国:世界各地
- バイオーム:地中海性植生・モンスーン林・砂漠・乾燥性灌木地・高山ツンドラ など
- 土壌の特徴:母材が砂または非固結岩屑土からなり、風化が弱く層位の発達がほとんど見られない。
- 土質:砂質・礫質
- 栄養(肥沃度):低い
- 通気性:低い
- 保水性:高い
■気候(ケッペンの気候区分)
- 熱帯(グループA):熱帯とは、赤道を中心にして南北に広がり一年を通して温暖な気候の地域です。熱帯の条件は、最も寒い月の平均気温が18℃以上、年平均降水量が乾燥限界以上ある事です。
- 熱帯雨林気候(Af):熱帯雨林気候は、雨季と乾季が明確に区別されておらず、一年を通じて暖かくて降水量の多い気候です。熱帯雨林気候の条件は、一年を通じて月の降水量は60mm以上、最も寒い月の平均気温が18℃以上あること。
- 熱帯モンスーン気候(Am):熱帯モンスーン気候は、一年を通じて暖かく、季節の中に雨季と乾季があり、冬に弱い乾季がある気候です。熱帯モンスーン気候の条件は、最も乾燥している月の降水量が60mm未満かつ(100-0.04 × 年平均降水量)mm以上、最も寒い月の平均気温が18℃以上あること。
- サバナ気候(Aw・As):サバナ気候(Aw・As)は、一年を通じて暖かく、季節の中には厳しい乾季があるため一年を通して干ばつになる事も多い気候です。そのため、植生は密林はなく疎林で、草原となることが多いです。サバナ気候の条件は、最も乾燥している月の降水量は60mm未満かつ(100-0.04 × 年平均降水量)mm未満、最も寒い月の平均気温が18℃以上あること。
- Awは、冬に乾季があります。
- Asは、夏に乾季があります。
- 乾燥帯(グループB):乾燥帯とは、降水量よりも蒸発量が大幅に上回るため常に干ばつ状態にあり、地面が禿げて、植物が育たないまたは育ちにくい気候です。乾燥帯の条件は、年平均降水量が乾燥限界以下にあり、寒帯の基準である年間を通して10℃を超える日がないに当てはまらないこと。
- 砂漠気候(BWh・BWk):砂漠気候(BWh・BWk)は年間を通して降水がほとんどなく、土の表面は常に乾いていて水分を保持していないため植物がほとんど育たない。砂漠気候の条件は、年降水量が0.5r未満であること。
- 熱帯砂漠(BWh)の”h”は暑いを意味しており年平均気温が18℃以上になる、また夏は焼け付くほどの暑さになる事があり、デスバレーでは56.7℃を記録している。
- 温帯砂漠(BWk)の”k”は冷たいを意味しており年平均気温が18℃未満になる、また夏は暖かく冬は寒い。
- ステップ気候(BSh・BSk):ステップ気候(BSh・BSk)は年間の平均降水量が乾燥限界以下にありますが、砂漠気候ほど乾燥しておらず雨季に少量の雨が降ります。そのため、気温や地域にもよりますが環境に適応した植生があります。ステップ気候の条件は、年降水量が0.5r以上r未満であること。
- BShの”h”は暑いを意味しており年平均気温が18℃以上になる、また夏は暑くて、冬も暖かい気候です。
- BSkの”k”は、冷たいを意味しており年平均気温が18℃未満になる、また夏は暖かく冬は寒い気候です。
- 砂漠気候(BWh・BWk):砂漠気候(BWh・BWk)は年間を通して降水がほとんどなく、土の表面は常に乾いていて水分を保持していないため植物がほとんど育たない。砂漠気候の条件は、年降水量が0.5r未満であること。
- 温帯(グループC):温帯は、一年を通して温暖な気候の地域です。温帯の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃以上で18℃未満、最も暖かな月の平均気温が10℃以上あり、年平均降水量が乾燥限界以上ある事です。
- 温暖湿潤気候(Cfa):温暖湿潤気候は、一年を通して降雨があり、特に日本の夏場は雨が多くて高温、冬の気温は穏やかで、一年の中に四季があります。温暖湿潤気候の条件は、最も暖かな季節の月の平均気温が22℃以上、最も寒い月の平均気温が-3℃以上で18℃未満、月の平均気温が少なくとも4ヶ月は10℃以上、年平均降水量が乾燥限界以上、季節間の降水量に明瞭な差はない。
- 西岸海洋性気候(Cfb・Cfc):西岸海洋性気候は、一年を通して気温と降水量の差が少なく、暑くなりすぎず寒くもなり過ぎない穏やかで過ごしやすい、大陸の西岸で見られる気候です。西岸海洋性気候の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃以上、最も暑い季節の平均気温が10℃以上で22℃未満、年間の平均降水量が乾燥限界以上あること。
- Cfbは、亜熱帯や熱帯の高地に多く、一年を通して穏やかな気候です。Cfbの条件は、月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月以上あり、一年を通して月の平均気温が22℃未満で-3℃以上です。
- Cfcは、冬の期間が長く、夏の期間が短い気候です。Cfcの条件は、月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月未満しかなく、最も寒い月の平均気温が-3℃以上、最も暖かな月の平均気温が通常は18℃未満になる。
- 温帯夏雨気候・温帯冬季少雨気候(Cwa・Cwb・Cwc):温帯夏雨気候または温帯冬季少雨気候は、一年を通して温暖でありながら夏場は暑くなりすぎず冷涼、夏場は雨が多く湿潤で、冬場は雨が少なく乾燥する気候です。温帯夏雨気候の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃以上から18℃未満にあり、最も暑い季節の平均気温が10℃以上、年平均降水量が乾燥限界以上、夏の最も雨の多い月と冬の最も雨の少ない月の降水量の平均の差は10倍以上になる。
- Cwaは、月の平均気温で22℃を超えるのが一年の中で1ヶ月以上あり、月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月以上あること。
- Cwbは、一年を通して最暖月でも月の平均気温は22℃未満にあり、月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月以上あること。
- Cwcは、一年を通して最暖月でも月の平均気温は22℃未満にあり、月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で1~3ヶ月あること。
- 地中海性気候(Csa・Csb・Csc):地中海性気候は、夏の最高気温と冬の最低気温の差が比較的に小さくて一年を通して気温が穏やか、また夏場に降水がほとんどなく乾燥しており、冬場に最も雨が降る気候です。地中海性気候の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃以上から18℃未満、最も暖かい月の平均気温が10℃以上、年平均降水量が乾燥限界以上、夏の最も雨の少ない月の平均降水量が30mm未満、最も雨の多い冬の月の平均降水量は最も少ない夏の平均降水量の3倍以上になる。
- Csaは、最も暖かい月の平均気温が22℃以上、最も雨の多い冬の月の平均降水量は最も少ない夏の平均降水量の3倍以上、夏の最も雨の少ない月の平均降水量は30mm未満です。主に地中海沿岸の広い地域やカリフォルニアなどで見られる気候です。
- Csbは、最も暖かい月の平均気温が10℃以上から22℃未満、月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で4ヶ月以上、最も雨の多い冬の月の平均降水量は最も少ない夏の平均降水量の3倍以上、夏の最も雨の少ない月の平均降水量は30mm未満です。
- Cscは、最も暖かい月の平均気温が10℃以上から22℃未満、月の平均気温で10℃を超えるのが一年の中で3ヶ月以下、最も雨の多い冬の月の平均降水量は最も少ない夏の平均降水量の3倍以上、夏の最も雨の少ない月の平均降水量は30mm未満です。
- 冷帯(グループD):冷帯とは、温帯と寒帯の中間の気候です。冷帯の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃未満で、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上あり、年平均降水量が乾燥限界以上ある事です。
- 亜寒帯湿潤気候(Dfa・Dfb・Dfc・Dfd):亜寒帯湿潤気候は、北緯40度以北、地球上に最も広く分布する気候区です。亜寒帯湿潤気候の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上、年平均降水量が乾燥限界以上で、最も雨の多い月が夏にある場合はその月の降水量 ≦ 10 × 最も雨の少ない月の降水量、最も雨の多い月が冬にある場合はその月の降水量 ≦ 10 × 最も雨の少ない月の降水量または最も雨の少ない月の降水量が30mm以上あること。
- Dfaは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、月の平均気温で22℃を超える月が1ヶ月以上あり、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある。季節間の降雨量の差はほとんどない
- Dfbは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある。季節間の降雨量の差はほとんどない
- Dfcは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が1~3ヶ月ある。季節間の降雨量の差はほとんどない
- Dfdは、最も寒い月の平均気温が-38℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が1~3ヶ月ある。季節間の降雨量の差はほとんどない
- 亜寒帯冬季少雨気候(Dwa・Dwb・Dwc・Dwd):亜寒帯冬季少雨気候は、亜寒帯湿潤気候と比べて冬季に降水が極めて少なくて乾燥している気候です。亜寒帯冬季少雨気候の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上、年平均降水量が乾燥限界以上で、最も雨の多い夏の月の降雨量は最も雨の少ない冬の月の降雨量の10倍以上になる。
- Dwaは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、月の平均気温で22℃を超える月が1ヶ月以上あり、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある。雨の最も多い夏の月の降雨量は、最も雨の少ない冬の月の降雨量の10倍以上になる。
- Dwbは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある。雨の最も多い夏の月の降雨量は、最も雨の少ない冬の月の降雨量の10倍以上になる。
- Dwcは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が1~3ヶ月ある。雨の最も多い夏の月の降雨量は、最も雨の少ない冬の月の降雨量の10倍以上になる。
- Dwdは、最も寒い月の平均気温が-38℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が1~3ヶ月ある。雨の最も多い夏の月の降雨量は、最も雨の少ない冬の月の降雨量の10倍以上になる。
- 高地地中海性気候(Dsa・Dsb・Dsc・Dsd):高地地中海性気候は、地中海性気候のように夏場乾燥して冬場に湿潤になり、また一般に高地にあることで冷帯の基準を満たしている気候です。高地地中海性気候の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上、年平均降水量が乾燥限界以上で、最も雨の多い冬の月の降雨量は最も雨の少ない夏の月の降雨量の3倍以上、最も雨の少ない夏の月の降水量は30mm未満です。
- Dsaは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、月の平均気温で22℃を超える月が1ヶ月以上あり、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある。雨の最も多い冬の月の降雨量は、最も雨の少ない夏の月の降雨量の3倍以上になり、最も雨の少ない夏の月の降水量は30mm未満です。
- Dsbは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が4ヶ月以上ある。雨の最も多い冬の月の降雨量は、最も雨の少ない夏の月の降雨量の3倍以上になり、最も雨の少ない夏の月の降水量は30mm未満です。
- Dscは、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が1~3ヶ月ある。雨の最も多い冬の月の降雨量は、最も雨の少ない夏の月の降雨量の3倍以上になり、最も雨の少ない夏の月の降水量は30mm未満です。
- Dsdは、最も寒い月の平均気温が-38℃未満、一年を通して平均気温が22℃を超える月がない、月の平均気温で10℃を超える月が1~3ヶ月ある。雨の最も多い冬の月の降雨量は、最も雨の少ない夏の月の降雨量の3倍以上になり、最も雨の少ない夏の月の降水量は30mm未満です。
- 亜寒帯湿潤気候(Dfa・Dfb・Dfc・Dfd):亜寒帯湿潤気候は、北緯40度以北、地球上に最も広く分布する気候区です。亜寒帯湿潤気候の条件は、最も寒い月の平均気温が-3℃未満、月の平均気温で10℃を超える月が1ヶ月以上、年平均降水量が乾燥限界以上で、最も雨の多い月が夏にある場合はその月の降水量 ≦ 10 × 最も雨の少ない月の降水量、最も雨の多い月が冬にある場合はその月の降水量 ≦ 10 × 最も雨の少ない月の降水量または最も雨の少ない月の降水量が30mm以上あること。
- 寒帯(グループE):寒帯は赤道から遠い極地にあり、涼しい夏と非常に寒い冬で構成されている気候になります。寒帯の条件は、最暖月平均気温が10℃未満、降水量などの条件はない。
- ツンドラ気候(ET):ツンドラ気候(ET)は、針葉樹などの植物は育たないが、コケなどの特殊な植物は植生している。ツンドラ気候(ET)の条件は、最暖月平均気温が0℃以上から10℃未満になる。
- 氷雪気候(EF):氷雪気候は、植物が全く育たない。氷雪気候の条件は最暖月平均気温が0℃未満になる。