ヤコバエア属(シロタエギク)は属の中に約63種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページではいくつかの原種と園芸品種等を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ヤコバエア属(シロタエギク)の主な種と園芸品種の紹介
シロタエギク



シロタエギクとは!
シロタエギク(学名: Jacobaea maritima)は 、または同義語で Senecio cineraria 、別名では「ダスティーミラー(dusty miller)」「シルバーラグワート(silver ragwort)」「セネシオ・シネラリア」「ヤコバエア・マリティマ」とも呼ばれるキク科ヤコバエア属の多年草です。シロタエギクの原産地は地中海沿岸にあり、自生地は海岸沿いの岩場や荒れ地、道端などにあります。
シロタエギクの原産地は地中海沿岸にあり、自生地は海岸沿いの岩場や荒れ地、道端などにあります。
シロタエギクの特徴
- シロタエギクの魅力:この植物は、茎や葉にビロード状の白色の毛が密に生えるため株全体が白色の外観を呈しており、羽状に分裂する葉は裂片に丸みがあるため、レース模様のような繊細さと可愛らしさを兼ね備える植物となります。そのため、園芸ではシルバーリーフを楽しむ目的で栽培されており、お庭で栽培することで上品でエレガントな雰囲気を添えることが出来ます。また開花期に見られる花も、鮮やかな黄色の頭花が茎頂に集まるため華やかな花姿を作ります。ただし、花を開花させると株が消耗してシルバーリーフの美しさが損なわれやすいため、花芽の時期にエネルギーの分散を抑える目的で切り取られます。シロタエギクの主な仕立て方としては、 乾燥や栄養の乏しい環境に強いためロックガーデンで利用されたり、また他の植物と組み合わせしやすいため寄せ植え素材として利用されたりします。
- 草姿:生育型は偽ロゼット型から叢生型で、生育初期はロゼットを形成して地際から葉を放射状に広げ、生育が進むと直立茎を何本も伸ばして叢生します。茎は分枝が少なめで直立に真っ直ぐ伸びるため、整然とした洗練された草姿になりやすい。また茎には白色のビロード毛が生えるため、明るく清潔感を感じさせる外観となります。
- 葉の特徴:葉は羽状深裂・羽状全裂、裂片はしばしば裂けており、先端は丸みがあるます。そのため、レース模様のような繊細さの中に可愛らしさも感じさせる装飾性があります。また葉には白色のビロード毛が生えているため、シルバーリーフとして楽しめる。
- 花の特徴:花序は頭状散房花序で、頭花が茎頂に集まり半球状の外観の花姿をつくりだします。頭花の直径は1.5cmほど、黄色の舌状花と黄色の筒状花で構成されており、キク科の植物でよく見られる花を咲かせます。シロタエギクの花は、シルバーリーフとよく調和して明るい雰囲気を作りますが、花を咲かせると株が衰退したり、葉の美しさが損なわれたりするため、開花前に花芽の段階で切り取られるのが一般的です。
- シルバーリーフ:茎や葉には白色のビロード毛が密生しているため、殆ど白色の外観をしています。また白色の毛は光の反射で輝いているようにも見えるため、シルバーの宝飾品のようにも見え、ラグジュアリーな印象を添えるシルバーリーフとして楽しめます。
- フラワーアレンジメント:シロタエギクの葉は収穫後に乾燥しても色褪せが少なく葉の美しさをある程度保つため、ドライフラワーに加工されて、スワッグやリース等のアレンジメントの素材として利用されたりもします。
寄せ植え:シロタエギクは、銀白色の茎葉が美しいシルバーリーフとなり、どんな色の植物とでもよく調和します。特に、シルバーは宝飾品のような美しさがあるため、組み合わせる植物も宝石のような色合いの植物を選んで組み合わせると、宝石箱を見てるようなラグジュアリーな雰囲気ある寄せ植えとなるでしょう。この植物は、株が大きく成長すると茎が間延びしてバランスが崩れる事があるため、寄せ植えする場合は適度な剪定による管理が大切です。また過湿を嫌うため、組み合わせる植物も乾燥に強いものを選んであげましょう。寄せ植えの中では、ボリュームを出す素材となるため、高さのある植物や枝垂れるような植物と組み合わせると、寄せ植えに奥行ある立体感を出せるでしょう。
- ロックガーデン:シロタエギクは自生地が海岸沿いの岩場などにあり、乾燥気味の環境に適応する事からも分かる通り、ロックガーデンに最適な植物のひとつです。この植物はシルバーリーフで明るさや清潔感を演出する事が出来るため、ロックガーデンの中でエレガントな雰囲気を演出することができます。
シロタエギクの園芸品種の紹介
シルバーダスト

学名:Jacobaea maritima ‘silver dust’
葉の形:羽状浅裂・羽状深裂・二回羽状深裂
葉の色:白緑色
草丈:約20~50cm
備考:矮性品種のため寄せ植えや花壇の縁どりなどに利用しやすい品種です。葉は株が成熟するにつれて切れ込みが深くなり、一般的なシロタエギクと同様にシルバーリーフとして楽しめます。
シラス

学名:Jacobaea maritima ‘cirrus’
葉の形:卵形(羽状浅裂)
葉の色:白緑色・白色
草丈:約20~50cm
備考:矮性品種のため寄せ植えや花壇の縁どりなどに利用しやすい品種です。葉は株が成熟しても切れ込みが深くならず、幅広で強い存在感のある葉姿が楽しめます。葉の色は白色・白緑色をしているため、清潔感や神聖さを感じさせるシルバーリーフとして楽しめます。