原産:日本/中国/朝鮮
科:ニシキギ(Celastraceae)
属:ニシキギ/ユオニマス(euonymus)
種:ニシキギ(alatus)
別名:カミソリノキ/ウィング・スピンドル(winged spindle)/ウィング・ユオニマス(winged euonymus)/バーニング・ブッシュ(burning bush)
開花時期:5月~6月
果実時期:9月~11月
花の色:黄色●緑色●白色〇
葉色:緑色●赤色●
分類:落葉低木
草丈:約100~400cm
誕生花:10月16日
花言葉:危険な遊び/あなたの定め/あなたの魅力を心に刻む
用途:カラーリーフ
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ニシキギとは!?
ニシキギは学名euonymus alatus、別名では「カミソリノキ」や「ウィング・スピンドル(winged spindle)」等とも呼ばれる日本および朝鮮、中国に自生する落葉低木です。日本では北海道・本州・四国・九州に分布して丘陵や山野等に自生しています。
ニシキギの語源(由来)
- 属名のeuonymusは古代ギリシャ語で「良い」を意味する「εὖ(eû)」と、古代ギリシャ語で「名前」を意味する「ὄνομα(ónoma)」の2語からなり、「縁起が良い」「評判が良い」等を意味しますが、実際は実が有毒なため皮肉をこめて付けられたとも言われています。
- 別の説ではギリシャ神話に出てくる復讐の女神の母である「Euonyme」に由来するとも言われます。
- 種小名のalatusはラテン語で「翼」を意味する「āla」からきており、茎に「翼がある」事に由来します。
- ニシキギの由来は、秋に紅葉する葉が「錦色」に美しく色付くことからきています。
ニシキギの特徴(魅力)
- ニシキギは、茎に剃刀(カミソリ)のような翼がつく所が特徴で、また秋になると真っ赤に燃え上がるように色付く美しい葉を鑑賞できる所が魅力です。
- 一般的に紅葉を鑑賞する目的で育てられる事が多いですが、翼のある茎は個性的な外観をしており、茶花として利用されることもあります。
- 樹形は株立ちして扇状に広がる傾向が強く、優雅な雰囲気をつくります。
- 茎にはコルク質の翼がついており、茎に四つの翼が十時に付いたり、茎に二つの翼が対生についたりします。
- 翼は節とは関係なく一直線についたり、節ごとに交互に場所がかわり十時対生したりと個性的な外観をつくります。
- ニシキギの茎は翼がつき個性的な外観をしている事から花材(茶花など)として利用されます。
- 花は非常に小さく薄い黄色と目立たないためあまり鑑賞価値は高くありません。
- ニシキギの果実は楕円形で赤色(桃色)をしており、熟すと赤橙色の種子を放出します。
- ニシキギの紅葉は他の植物と比較しても圧倒的に美しく、燃え上がるように真っ赤な紅葉する葉が美しい景観をつくります。
- ただし日当たりの悪い環境では綺麗に色付くこと無く、クリーム色の葉色になったりして、中途半端な紅葉となる場合もあります。
- 葉は落葉性のため紅葉した後は全て落ちてしまいますが、冬の間は茎と翼の独特なシルエットを楽しむ事も出来ます。
- ニシキギは底の浅い鉢で仕立てられながら盆栽として育てられる事もあります。
- ニシキギは夏の暑さ冬の寒さに強く育てやすいです。
- また地植えした場合は肥料や水やりもほとんど不要になるため、基本的に放ったらかしで育てる事も可能です。
ニシキギの樹高は100(~400)cm、樹形は株立ちする傾向があり、枝は扇状にひろがります。茎はコルク質の扁平な翼があり、翼は茎に十字に四つもしくは対生に二つつきます。樹皮は褐色もしくは灰褐色をしています。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、秋に赤色に紅葉します。葉身の大きさは長さ約2.5(~6)cm、幅約0.5(~2.5)cm、葉身の形は楕円形もしくは卵形(~倒卵形)です。
花序は葉腋から幾つもの集散花序を出します。花は花弁が4個、花色は白色もしくは薄緑色、雄蕊は4個です。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は形が長球形、色は赤色もしくは桃色、熟すと4裂して赤橙色の種子を放出します。
ニシキギの園芸品種
ニシキギ(ユオニマス)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ニシキギ(ユオニマス)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ニシキギの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ニシキギは直射日光が6時間以上あたる日向から間接光のみが当たる様な日陰まで、幅広い環境で育てる事が可能です。ただし日当たりの悪い場所では綺麗に紅葉せず桃色やクリーム色になる事があるため、日向で育てられる事が一般的です。
作土層
ニシキギがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ニシキギは通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、粘土質な土壌は生育不良を引き起こす可能性があるため避けた方がよいでしょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスがよく肥沃な壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ニシキギは直射日光が6時間以上あたる日向から間接光のみが当たる様な日陰まで、幅広い環境で育てる事が可能です。ただし日当たりの悪い場所では綺麗に紅葉せず桃色やクリーム色になる事があるため、日向で育てられる事が一般的です。
培養土
ニシキギの培養土を自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土+鹿沼土+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(中粒)+バーク堆肥=5:5
水やりの仕方
生育初期(植付け後数ヶ月)
ニシキギが根をしっかり張り活着するまでの数ヶ月は、土壌を完全に乾燥させないように気をつけましょう。基本的には土の表面が乾燥してきたタイミングで水やりを行います。
地植え
ニシキギを地植えしている場合は基本的には降水のみで育てられます。雨が降らず極端に乾燥が続く場合は必要に応じて散水しましょう。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
剪定のやり方
ニシキギは自然樹形で枯れた枝や不要な枝を必要に応じて剪定して抜きながら、育てるとよいでしょう。
ニシキギを剪定する方法
- 剪定する時期は晩冬から早春に1回行います。
- 株全体を観察して枯れた茎・損傷した茎(折れてる茎等)・病気の茎を探して、これを根元から間引き剪定して取り除きます。
- 何故ならこれらの茎は日当りや風通しを阻害したり、健康に成長している茎に悪影響を及ぼしやすいからです。
- 株全体のバランスを見ながら、枝が混み合っている場所の枝を間引き剪定したり、外観を崩す不要枝を間引き剪定したり、著しく枝が伸びて外観を崩している徒長枝を切り戻し剪定ましょう。
- 枝が混み合っていると風通しや日当たりを悪化させる事があります。そのため生産性の落ちた古い枝や、弱い枝などの不要と思われる枝を根元から間引き剪定、もしくは枝の途中の節や芽のある場所から切り戻し剪定しましょう。
- 外観を崩す不要枝とは自然に反して、枝(下がり枝)が下向きに成長したり、ふつうとは逆方向に成長したりする枝などです。※詳しくは不要枝のリンクからご覧下さい。これらの枝は外観を崩すだけでなく、エネルギーの分散を引き起こし、健康に成長してる枝のエネルギーを奪ってしまいます。また不要枝は自然な成長に反して育っているため自然淘汰されて枯れてしまう事もおおいです。そのため株全体のバランスも見ながら根元から間引き剪定しましょう。
- 徒長枝とは他と比べて著しく長く伸びてひょろひょろと間延びする枝のことです。植物は基本的に頂芽優勢の性質があり、枝が間延びして外観を崩しやすいです。そのため必要に応じて枝の途中(芽・節がある場所の少し上)で切り戻す剪定を行って上げましょう。コツは全体の外観より少し奥目で切って上げます。
剪定をプロに任せる
剪定を自分で行う事が不安な場合は、剪定のプロに任せて綺麗に仕上げて貰う事も出来ます。また剪定する時間がとれない、他にも庭の作業を依頼したい時などもプロに作業を任せてしまう事が可能です。
- 剪定作業を自分で行う時に不安がある時
- 剪定は重労働になるため体力が最後までもつか不安がある。
- 大きな木を剪定する時は高所作業になるため怪我をするリスクがあり不安がある。
- 間違った剪定を行う事で、数年後に不格好な樹形になったり、スカスカした生垣になるかもしれない不安がある。※必要な枝と不要な枝の見極めが素人には難しい場合があり、太い枝や古い枝などを残すと不格好な樹形になることもある。
- 剪定を行う時間がとれず放ったらかしになっている
- 生垣の管理が疎かになると枝が暴れるため見た目が悪くなったり、枝が歩行者の邪魔になり怪我をさせるリスクがある。
- 木がどんどん成長していくと管理が難しくなったり、鑑賞したい花が上の方に咲いてしまったり、電線の近くだと枝が電線にかかる可能性がある。
- 剪定の他にも作業を依頼したい
- 庭の草が育って薮のようになっている、芝が伸びてボウボウになっている、庭石を並べたり外壁工事を頼みたい、庭にある不要物を撤去して欲しい等の相談も、剪定依頼をする時に一緒に行うことが可能です。
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播種で増やす
ニシキギの種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:低温要求性種子
ニシキギは寒さを経験しないと発芽しない、低温要求性種子です。そのため、冬の寒さを自然に体験させて発芽させるか、冷蔵庫(約4度)に入れて寒さを経験させて発芽させる必要があります。
種まき手順
- ニシキギは発芽の為に寒さの経験が必要なため、低温処理した後で春に種を撒きます。
- 春に種を撒く場合はポリ袋の中にやや湿らせたバーミキュライトと種を入れ、冷蔵庫(約4度)の中で約3ヶ月保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。