- 原産:南アフリカ
- 科:ヤマモガシ(Proteaceae)
- 属:リュウカデンドロン/ギンヨウジュ(Leucadendron)
- 種:サリグナム(salignum)
- 別名:レウカデンドロン・サリグナム/コモン・サンシャイン・コーンブッシュ(common sunshine conebush)
- 品種:ファイアーグロー(Leucadendron salignum ‘Fireglow’)
- 開花時期:11月~4月
- 花の色:緑色●赤色●橙色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑低木
- 草丈:約100~200cm
- 誕生花:1月22日/8月10日/9月4日
- 花言葉:物言わぬ恋/閉じた心を開く
- 用途:カラーリーフ/切り花
リュウカデンドロン・ファイアーグローとは!?
リュウカデンドロン・ファイアーグローは開花期になると花の周りに色が変化する総苞片が花弁のように付き、総苞片はクリーム色から橙色、橙色から赤色へと変化して華やかな雰囲気をつくります。花は他のリュウカデンドロンと同様に、切り花やドライフラワーなどとして楽しむ事が可能です。樹形は下部からよく枝分かれしてブッシュ状になり、高さ幅ともに約100~200cmまで成長します。
リュウカデンドロン・サリグナムとは!?
リュウカデンドロン・サリグナムは学名Leucadendron salignum、別名では「レウカデンドロン・サリグナム」や「コモン・サンシャイン・コーンブッシュ(common sunshine conebush)」とも呼ばれる南アフリカ原産の常緑低木です。
リュウカデンドロン・サリグナムの語源(由来)
- 属名のLeucadendronは古代ギリシャ語で「輝く」「白色」を意味する「λευκός(Leuca)」と、古代ギリシャ語で「木」を意味する「δένδρον(dendron)」の2語からなります。
- 種小名のsalignumはラテン語で「柳」を意味しています。
リュウカデンドロン・サリグナムの特徴(魅力)
- リュウカデンドロン・サリグナムは高さが50~200cm程度に成長する低木で、下部でよく枝分かれしてブッシュ状に茂り、秋から翌春にかけて色付く総苞が魅力の植物です。
- 花は球状の形をしており茎の頂部に咲きますが、葉(総苞)に囲まれるため目立ちません。
- 開花期は総苞片が品種により赤色・桃色・橙色・黄色・白色などに色付くため非常に装飾的です。
- 開花期がとても長いため長期間にわたり楽しめます。
- リュウカデンドロン・サリグナムの花は花瓶の中での寿命がとても長く最長20日保つため切り花として高い人気があります。
- リュウカデンドロン・サリグナムの花は乾燥しても色褪せが少なく形が崩れにくいためドライフラワーとしても高い人気があります。
- リュウカデンドロン・サリグナムは栄養の多過ぎる土壌や多湿を嫌い育てる難度がやや高い植物になります。
- その一方で乾燥に非常に強く肥料も基本的に与える必要がありません。
リュウカデンドロン・サリグナムの樹高は約50(~200)cm、樹形は下部でよく枝分かれしてブッシュ状に茂り、茎の色は赤色もしくは緑色をしています。葉序は互生葉序、葉色は緑色(しばしば赤みを帯びる)、葉身の大きさは長さ約2(~7)cm、葉身の形は狭楕円形もしくは披針形です。花序は頭花、頭花の周りには総苞片が螺旋状に密に付き、総苞片は柔らかで毛深く白色・橙色・黄色・桃色等があります。花は雌雄異株のため雄株(雄花だけ作る)と雌株(雌花だけ作る)がそれぞれ分かれてあります。果実は長球形、種子は翼をもちます。
リュウカデンドロン・サリグナムの切り花の楽しみ方
- リュウカデンドロン・サリグナムの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りもしくは燃焼を行いましょう。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは燃焼と、水換えを行いましょう。
- 萎れた花を手で丁寧に摘み取ると蕾の花が咲きやすくなります。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが最大20日保ちます。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
燃焼法
燃焼法とは、切り花の切り口の先端を火で炙り炭化させた後に、冷水に漬けて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
燃焼は、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。また火で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
燃焼は湯揚げと原理が似ていますが、燃焼な向いているのは、茎が硬く水揚げが悪い花材等に向きます。水分を多く含んでいて柔らかい茎の花材には向きません。
燃焼の方法
- 切り花の花や葉が熱気で弱らないように、濡れた新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分は火につけるため、茎の下部は濡れた新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- 切り口の先端(約1~3cm)を火で炙り、炭化するまで待ちます。
- 切り口が炭化したら、火から離して、冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
リュウカデンドロン・サリグナムのドライフラワーの作り方
- リュウカデンドロン・サリグナムの収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)もしくは夕方に行いましょう。
- 収穫のタイミングは花が綺麗に開き最高の色が出ている花を選びます。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法もしくはグリセリン法(切り花タイプ)でドライフラワーを作ります。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
グリセリン法
グリセリン法とは、グリセリン溶液を切り花に吸わせる、もしくはグリセリン溶液の中に花(葉)を漬け込んで作る、ドライフラワーです。グリセリン法はハンギング法と比べて、花や葉の形や色が綺麗に残るため、生花と変わらないような質感にドライフラワーが作れる所が魅力になります。
グリセリン法に必要な道具
花材・容器(タッパ・花瓶等)・グリセリン・熱湯・剪定ハサミ
グリセリン法のやり方
- 容器の中に3対1の割合で熱湯(3)とグリセリン(1)を入れて溶けるまでかき混ぜます。
- 容器は切り花として吸わせる場合は花瓶等を利用して、漬け込む場合はタッパ等を利用しましょう。
- 溶液が冷めたら花材をいれます。
- 切り花として茎から吸わせる場合は新鮮な花材(水揚げが良い)を準備して茎の先端を水切りして花瓶(グリセリン溶液)の中に挿します。
- 漬け込む場合は花材をタッパ(グリセリン溶液)の中に漬け込んでしまい蓋をします。
- 直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所で1~2週間保管しましょう。
- 切り花として染み込ませたものは花材からグリセリンがシミ出してきたら完成です。
- 漬け込んだ場合はグリセリン溶液から花材を取り出して表面についた溶液を丁寧に拭き完成です。
おすすめのグリセリン
リュウカデンドロン・サリグナムの園芸品種の紹介
- ジェスター(leucadendron salignum ‘jester’)は葉の縁部分にクリーム色の覆輪が入るため開花期以外もカラーリーフとして楽しめます。また開花期になると総苞片が赤色(~桃色)に染まるため緑色・黄色・赤色の3色の葉色が楽しめてカラフルな雰囲気をつくる園芸品種です。高さ幅ともに150cmまで成長します。
- デビルズブラッシュ(leucadendron salignum ‘devils blush’)は秋から春にかけて濃い赤色(~赤紫色)に染まる総苞片が魅力の園芸品種です。高さ幅ともに100cmまで成長します。
- イエローデビル(leucadendron salignum ‘yellow devil’)は秋から春にかけて濃い黄色(~クリーム色)に染まる総苞片が魅力の園芸品種です。高さ幅ともに100cmまで成長します。
- リュウカデンドロン・レッドデビルは秋から春にかけて花が咲く時期に、総苞片が色鮮やかな赤色に染まる魅力的な園芸品種です。色鮮やかな赤色の総苞片は、遠くからでも目を引き付ける効果があり、また気分を高揚させるなどの効果もあります。そのため、パーティ会場を思わせるような華やかで明るいお庭等によく合うでしょう。高さは約150cm幅は約100cmまで成長します。
- リュウカデンドロン・ファイアーグローは開花期になると花の周りに色が変化する総苞片が花弁のように付き、総苞片はクリーム色から橙色、橙色から赤色へと変化して華やかな雰囲気をつくります。花は他のリュウカデンドロンと同様に、切り花やドライフラワーなどとして楽しむ事が可能です。樹形は下部からよく枝分かれしてブッシュ状になり、高さ幅ともに約100~200cmまで成長します。
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リュウカデンドロン(ギンヨウジュ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
リュウカデンドロン(ギンヨウジュ)の珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介
リュウカデンドロン・ファイアーグローの育て方
花壇の土づくり
日当たり
リュウカデンドロン・ファイアーグローは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌の土質
リュウカデンドロン・ファイアーグローは、湿度の高い環境を嫌います。何故なら根腐れや腐敗などを引き起こし生育不良や枯れる原因となるからです。そのため、水捌けを悪くする粘土質な土壌や、蒸れる原因となる有機物が多く入る土壌などは避けた方が良いでしょう。基本的には通気性がよく適度に有機物が入る砂壌土もしくは、通気性や排水性に優れた砂土で育てましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。サボテンや多肉植物などに向く土壌です。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌ですが、乾燥を好む植物には蒸れてしまうためあまり適さないかもしれません。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和するか、土を入れ替えましょう。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 黒っぽい土の場合は保水性が高く夏場蒸れる原因ともなるため、必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和した方がよいかもしれません。
鉢土づくり
日当り
リュウカデンドロン・ファイアーグローは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。また長雨に当たると根腐れや病気を引き起こす原因にもなるため、必要に応じて雨の当たらない場所(軒下等)に移動しましょう。
培養土
培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土=4:3:3
水やりの仕方
リュウカデンドロン・ファイアーグローは水のやり過ぎで浸水したりすると、根腐れを引き起こしたり病気になる等して生育不良を引き起こす可能性があります。そのため土壌の状態を見ながら水やりを行いましょう。
水やりの方法
水やりの最高のタイミングは茎葉が萎れてきたタイミングですが、萎れたタイミングを逃すと株に致命的なダメージを残す可能性があるため、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきタイミングで水やりを行うといいでしょう。乾燥の確認は土の色を目視で見て確認するか、指の第1関節まで入れて土の乾燥を確認します。
肥料の与え方
リュウカデンドロン・ファイアーグローの肥料は基本的に不要です。特にリン(肥料成分)が多く入る土壌では、植物が上手く育たず枯れさせる原因になる事もあります。必要に応じてカリ成分が多めの肥料を年に1度あたえましょう。
剪定のやり方
リュウカデンドロン・ファイアーグローは剪定せずに育てる事も出来ますが、一般的には株を弱らせないために「花がら摘み」がされたり、樹形を整えるために「切り戻し剪定」が行われます。切り戻し剪定する際は、葉のない場所まで強く切り戻すと残された枝がそのまま枯れこむ事が多いため、基本的には葉の上で切り戻し剪定する様にしましょう。
夏越しする方法
リュウカデンドロン・ファイアーグローはは夏の暑さに耐えますが、ジメジメした多湿を許容しません。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
リュウカデンドロン・ファイアーグローの夏越し対策
- 湿度の高い環境を嫌うため乾燥した場所で管理しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動して、地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てるといいでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌が砂質で排水性が高く乾燥しやすい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- 周辺より地面が高い場所
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 空気の流れがあり通気性がいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
- 雨に当たることが少ない場所
冬越しする方法
Hardiness:9a~11b
リュウカデンドロン・ファイアーグローは基本的に霜の降りる地域では、対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。そのため必要に応じて冬越し対策を行いましょう。
リュウカデンドロン・ファイアーグローの冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は、株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理するか、不織布等をかけて霜から株を守ります。
挿し木や株分けで増やす
リュウカデンドロン・サリグナムは挿し木によって増やす事ができます。
リュウカデンドロン・サリグナムの挿し木の手順
- 挿し木の時期は生育が活発で発根力が高い初夏から夏が適します。
- 茎に弾力があり健康な茎をカットします。
- 挿し穂 の長さ約7~15cmにわけしましょう。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残しましょう。
- 挿し穂を湿らせた培養土に挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりをしっかり行い管理しましょう。
播種で増やす
リュウカデンドロン・サリグナムの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
リュウカデンドロン・サリグナムの病気
リュウカデンドロン・サリグナムの害虫