- 原産:南ヨーロッパ
- 科:アブラナ(Brassicaceae)
- 属:ニワイズナ(Lobularia)
- 種:マリティマ(Lobularia maritima)
- 同義語:Alyssum maritimum
- 英名:アリッサム(alyssum)
- 別名:スイート・アリッサム(sweet alyssum)/スイート・アリソン(sweet alison)
- 品種:イースターボネット・シリーズ(Lobularia maritima ‘easter bonnet’)
- 開花時期:3月~6月・9月~11月(理想的な環境では周年)
- 花の色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約10~25cm
- 株張り:約20~30cm
- 誕生花:1月12日/3月14日/3月13日
- 花言葉:優美/飛躍/素直/美しさを超えた価値
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/グランドカバー/ハンギング/ロックガーデン/ロマンチックなお庭/エレガントなお庭/香りが良い
- 購入方法:イースターボネット・シリーズを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)とは!?
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)の特徴は、早生品種のため播種から開花までが早い所や、花の色が赤色・桃色・紫色・白色とあるためお庭の雰囲気に合わせて品種が選べる所、コンパクトに成長するため管理がしやすく寄せ植え等にも使いやすい所、種子からも育てることが出来るため安価に沢山の苗を作り大量植栽しやすい所、種子から育てた場合も草姿と花の色の均一性が高く高品質な苗を作れる所などにあります。
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アリッサムとは!?
アリッサムは学名Lobularia maritima(synonym: Alyssum maritimum)、別名では「スイート・アリッサム(sweet alyssum)」や「スイート・アリソン(sweet alison)」等とも呼ばれるが南ヨーロッパが原産の多年草です。
アリッサムの語源(由来)
- 属名のLobulariaは、ギリシャ語で「小さなさや」を意味しています。
- 種小名のmaritimaは、ラテン語で「海洋」「海の」を意味しており、沿岸地域に自生することに由来します。
- 英名のsweet alyssumの由来は、花に花蜜のような甘い香りがある事から「sweet(スイート)」と呼ばれており、また以前の属名がalyssumだった事から「alyssum(アリッサム)」と呼ばれています。※アリッサム(alyssum)は属全体の総称としても使われますが、単にアリッサムと呼ぶ場合はLobularia maritimaの事を指すことがほとんどです。
- アリッサム(alyssum)の由来は、狂気を治すために使用された特定の植物のギリシャ語の名前である「ἄλυσσον」からきています。
アリッサムの特徴(魅力)
- アリッサムは、茎が匍匐性に広がったり、また盛り上がりながら上から下へ枝垂れたりする性質がある事から、地被植物として花壇の縁どりに利用されたり、吊り鉢等に植えてハンギングにされたりする事が多い植物です。
- 開花期間中は、茎の上部で花が集まるように次々と咲き続けるため、白色や桃色の絨毯が敷かれたかのような美しい花姿が楽しめます。
- 草姿は匍匐性、地面を覆うように広がります。
- アリッサムは理想的な環境では一年を通して花を咲かせる事が出来ますが、春から初夏に咲いた後、夏に株が衰え、秋に復活して花を再度咲かせます。
- 花序は総状花序、花は茎の頂部に集まるように開花するため半球状の外観をつくる事が多く、種を作りながら次々と花を咲かせ続けます。
- そのため、長く開花し続けると茎が間延びして、頂部にだけ花が咲くため、だらしない外観となる事が多いです。
- 花の色が豊富にあるため、明るく清潔感を感じさせる花が欲しい場合は白色の品種を選んだり、可愛くロマンティックな雰囲気を花を楽しみたい場合は桃色を選んだり、上品でエレガントな雰囲気の花を楽しみたい場合は紫色の花を選んだりする事が出来ます。
- 花には蜂蜜を思わせる甘い香りがあるため、英名では「sweet alyssum」と呼ばれます。
- 花序は総状花序、花は茎の頂部に集まるように開花するため半球状の外観をつくる事が多く、種を作りながら次々と花を咲かせ続けます。
- アリッサムの葉は細長くシャープな外観をしているため、洗練された印象を与え、上品でエレガントな雰囲気をつくります。
- 葉の色は、ふつう緑色ですが幾つかの品種ではふち部分に白色の班が入るため、明るく輝くような印象やシャープで洗練された印象を与えるカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- アリッサムの仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「ハンギング」「ロックガーデン」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- アリッサムは地被植物の中でも、花壇のふち部分に並べて植えられて、縁どりとして利用される事が多いです。
- ハンギングとは、植物をハンギングバスケットや吊り鉢に入れて上や横の目線から、鑑賞出来るようにする仕立て方です。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
- アリッサムはロックガーデンに使う事も出来ますが、乾燥にとても強いタイプというわけではないため、使う際は水の管理に注意が必要です。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
アリッサムの草丈は約5(~30)cm、草姿は匍匐性、茎は匍匐した後に途中で立ち上がる傾状茎、茎の色は緑色です。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ1(~4)cm、幅は約0.3(~0.5)cm、葉身の形は線形または披針形(~倒披針形)、葉は全体的に白色の毛が生えています。
花序は総状花序、花の大きさは直径約0.5cm、花弁の数は4個、花弁の色は白色・赤色・桃色・黄色・橙色・紫色があり、雄蕊は6個あります。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果はの形は円形または楕円形、長さ幅が約0.2(~0.3)cm、色は緑色から成熟すると淡い褐色になる。
アリッサム(アリッサム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより生育不良を引き起こす事があります。
そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
土壌の土質
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)は、通気性と排水性がとても良く、適度に保水性のある土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより生育不良を引き起こす事があります。そのため管理する場所は環境に合わせて日向(直射日光が6時間以上)もしくは半日影(直射日光3時間~5時間)で育てましょう。
培養土
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)は通気性の高い培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)は短期的な乾燥に耐えますが、やや湿り気のある土壌を好みます。そのため雨が長く降らず乾燥が続く場合はしっかり水やりを行い、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
剪定のやり方
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)は外観を良くしたり花の開花を促す目的で「花がら摘み」を行います。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、花が咲き終わり色褪せたり外観が崩れる等して、見た目が悪くなった段階で花を摘み取る事です。花がら摘みの目的は、種の生産を防ぎ余分なエネルギーを使わせない事にあり、エネルギーの損失を出さないことで次の花の蕾に栄養が回り花が咲きやすくなり、花数が増えたり、開花期間が伸びたりします。また種が生産されると株の老化(弱体)が進み寿命が短くなる事もあります。そのため、花がら摘みは植物を長く楽しむ為にも大切な作業になります。
花がら摘みのやり方
アリッサムの花がら摘みのやり方は、茎の途中で切り戻し剪定を行うだけです。花がずっと咲き続けていると、種をつけている部分が長く伸びたり、茎が間延びして徒長してきます。外観が悪くなってきたと思ったら、茎の半分程度を目安に切り戻し剪定しましょう。
夏越しする方法
アリッサム(イースターボネット・シリーズ)は、基本的に冷涼な夏を好みます。夏の暑さ・強光・乾燥・多湿などは、株に強いストレスを与え生育不良を引き起こす原因になり、株がボロボロになりやすいです。そのため、必要に応じて夏越し対策が必要になります。
夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、茎葉が枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 多湿は根腐れなどの病気を引き起こす原因となるため避けた方がよいでしょう。
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動します。
- 地植えの場合は雨に当たりにくい場所に植えて上げると良いかもしれません。
- 土壌の土質が粘土質だったり腐植が多い場合は、植え付けの前にパーライトや川砂などを混ぜて土壌改善を行っておきましょう。
- ロックガーデンなど周辺より少し高い場所に植え付けを行うと排水性が高まり、水分が停滞しにくくなります。
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動します。
- 乾燥も苦手にしていることから土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行います。
- 特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です。
播種で増やす
アリッサムの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:約14~21日
発芽条件:直根性
アリッサムの種まき手順
- 種まき時期を確認
- 種まきは3月~5月または9月~10月に行います。また種を撒く前に温度計(土壌テスターなど)を使うと発芽の失敗が減ります。
- 屋内で種を撒いたり、温床装置を使ったり、マルチシートを使ったりする事で、まきどきよりも早く種を撒く事も可能です。
- 植える場所を準備する
- 根は直根性のため花壇またはプランターに直植えする方が良いでしょう。倍土はバーミキュライトとパーライトを等量で配合した用土を作るか、種まき用の培土を利用しましょう。
- 移植栽培をしたい場合は根が傷つきにくい紙製のポット(ピートポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブン)を利用して、根が回る前に早めに目的の場所に定植した方が良いでしょう。
- 種を撒く
- 種の撒き方は「点まき」または「すじまき」です。
- 花壇に直播きする場合は、花壇の中に直線状の溝をつくります。溝の深さは数mm程度です。種を溝の中に1cm間隔位で置いていきます。種を溝の中に入れたら、溝の両側にある土を寄せて、覆土して、上から指で軽く押して鎮圧※します。
- プランターや紙製のポットを利用する場合は「点まき」しましょう。点まきは、種を埋めたい箇所に種を埋めたい数(1~5)だけ穴を0.3cm程度あけます。穴をあけたらその中に種を入れて、覆土して、上から指で軽く押して鎮圧※します。
- 発芽までの管理
- プランターなどで栽培する場合は、発芽まで軒下などの雨が当たらない風通しのよい半日影で、害虫の被害が出ないように台の上で管理した方が良いでしょう。
- 1度吸水した種が乾燥すると、発芽率が極端に落ちるため、乾燥しないように水やりをしっかりと行ってください。
- 子葉が展開したら
- 植物に合わせて日向または半日陰で管理しましょう。またナメクジ等の害虫の被害が出ないように台の上で管理した方が良いでしょう。
- 発芽して子葉を展開したら、生育が一番いい苗を残して、周りにある他の苗をハサミで根元から切り取ります。
- 移植栽培をしている場合は、子葉が展開した段階、または本葉が2~4枚でて移植出来るようになったら、花壇やプランターに定植します。移植が遅れると直根が傷つき生育不良になるおそれがあります。
- 本葉が展開したら
- 本葉が展開したら種の中にある養分では丈夫に成長出来ないため、肥料を与えます。
- 肥料は1~2週間に1度の頻度で液肥を与えるか、または緩効性肥料を置き肥しましょう。
※鎮圧とは、種を撒いた後に手・足・鎮圧ローラーなどを利用して、種の上から軽く加圧を加えて、種と土の密着度を上げる事です。鎮圧を行う事で土の中の水分が種に吸収されやすくなり、発芽率が格段に向上します。