- 原産:北アメリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:エリゲロン(Erigeron)
- 種:グラウカス(Erigeron glaucus)
- 別名:シーサイド・フリーバネ(seaside fleabane)/ビーチアスター(beach aster)/シーサイド・アスター(seaside daisy)
- 開花時期:5月~10月(最盛期は5月~7月)
- 花の色:紫色●桃色●黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約30~45cm
- 誕生花:
- 花言葉:
- 用途:グランドカバー/ロックガーデン
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
エリゲロン(グラウカス)とは!?
エリゲロン(グラウカス)は学名Erigeron glaucus、別名では「アスペン・フリーバネ(aspen fleabane)」や「ガーデン・フリーバネ(garden fleabane)」等とも呼ばれる北アメリカが原産の多年草です。
エリゲロン(グラウカス)の語源(由来)
- 属名のErigeronは古代ギリシア語で「早朝」「夜明け」を意味する「ἦρι(eri)」と、古代ギリシア語で「老人」を意味する「γέρων(geron)」の2語からなり、花後にできる種に冠毛が生えて老人の髭のように見える所から属名の由来がきています。
- 種小名のglaucusは古代ギリシア語で「青緑」「青白い」を意味する「γλαυκός(glaukos)」からきています。
エリゲロン(グラウカス)の特徴(魅力)
- エリゲロン(グラウカス)は、アメリカの西海岸の砂浜などに自生しており、乾燥塩害に非常に強い植物です。
- 地面下には根茎があり、根茎が広がりマットを形成するような草姿をつくります。
- 基部の葉(根生葉)は大きくなり、ロゼット状に広がるため地被植物としての働きもあります。
- 開花時期は晩春から晩秋、晩春から夏に最も沢山の花が咲き、それ以降は花数は減ります。
- 花はキク科でよく見られる頭花の形をしており、外周にある舌状花は数が約100個と多く、形は糸状でふさふさとした外観をしており、通常は桃色ですが、紫色や白色の花色もあります。
- エリゲロン(グラウカス)は水捌けのよい土壌を好み、乾燥に強いためロックガーデンの植物として利用される事もあります。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
エリゲロン(グラウカス)の草丈は約30(~45)cm、草姿はマット状、根茎が地面下にあり、根茎から茎を出し、茎の色は緑色、茎は白色の毛が密生します。
葉序は根生葉または互生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の長さ約2(~13)cm、葉身の形はヘラ形、葉は肉質で不規則に捻る傾向があり、葉全体に白色の毛が生えます。
花序は頭状花序または頭状散房花序、頭状散房花序は頭状花序が約1(~15)個、散房状(花柄が茎下部ほど長く茎頂部ほど短い)に茎の頂部に集まります。頭状花序は舌状花と筒状花の2種類で構成されており、舌状花の形は糸状、舌状花の数は100個、舌状花の色は紫色・桃色・白色、筒状花の数は多数、 色は黄色または赤橙色です。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果の形は楕円形、色は淡褐色、痩果の先端には冠毛が生えており、冠毛の剛毛、色は白色です。
エリゲロン(グラウカス)の園芸品種の紹介
エリゲロン属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
エリゲロン(グラウカス)の育て方
花壇の土づくり
日当り
エリゲロン(グラウカス)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
土壌の土質
エリゲロン(グラウカス)は、自生地が海岸の砂浜などにあり、基本的に水はけの良い土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った砂壌土に土壌改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
エリゲロン(グラウカス)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
培養土
エリゲロン(グラウカス)は多湿環境を嫌うため、通気性・排水性の高い培養土等を利用すると良いでしょう。自作する場合は通気性が良い培養土をつくります。腐葉土等の堆肥が多いと夏に蒸れる原因にもなるためやや少なめにいれます。
培養土の配合例
- 川砂+ボラ土(小粒)+赤玉土+腐葉土=3:3:3:1
- 軽石(小粒)+ボラ土+バーミキュライト=5:3:2
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
エリゲロン(グラウカス)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
エリゲロン(グラウカス)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
エリゲロン(グラウカス)は、地植えであれば肥料を与えなくても育てられます。ただし栄養の乏しい土壌や鉢植えで育ている場合は、必要に応じて肥料を与えるようにしましょう。
エリゲロン(グラウカス)の追肥の与え方
- 追肥は春から秋の生育期間中に与えます。
- 肥料の種類は花を咲かせる効果の高いリンが多めの液肥を選びましょう。
- 液体肥料を与え方は、規定された分量で希釈して1ヶ月に1回のペースで、水やりの際に一緒に液肥を与えるとよいでしょう。
剪定のやり方
エリゲロン(グラウカス)の剪定は「花がら摘み」と「切り戻し」の2つです。
花がら摘みとは!?
花がら摘みの目的は、萎れた花を摘みとる事で種の生産を防ぎ余計なエネルギーを使わせない事にあります。余計なエネルギーを使わせない事によって、株の老化(弱体)を防いだり、花の生産が止まる事を防ぎ開花期間を延長する事に繋がったり、花数を増やす事に繋がったりします。
花がら摘みのやり方は、個々の萎れた花を指もしくはハサミを使い取り除くだけです。
切り戻しとは!?
茎や枝の長く伸びすぎ部分を短く剪定して形を整える事です。外観を整える目的、生産性の高い新しい成長を促す目的、日当たりや風通しを改善して健康な成長を促す目的等があります。
エリゲロン(グラウカス)の切り戻しは晩秋頃に行います。秋に地面付近までバッサリと茎を切り取り、春からの新しい成長に備えましょう。
夏越しする方法
エリゲロン(グラウカス)は、夏の暑さに強いですが、多湿により根腐れして生育不良になる事があります。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
夏越し対策
- 湿度の高い環境を避けましょう
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 直射日光がよく当たる場所
- 直射日光6時間以上が理想です。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。
- ロックガーデンなど、周りより高い場所に植えると、水が下に流れやすく、排水性が高まり根腐れしにくくなります。
- 雨に当たることが少ない場所
冬越しする方法
Hardiness:5b~8a
エリゲロン(グラウカス)は耐寒性が高いため、冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
エリゲロン(グラウカス)は挿し木や株分けによって増やす事ができます。
挿し木の方法
- エリゲロン(グラウカス)の挿し木時期は晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂の長さ約7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分けの方法
- 株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- 株を掘りあげます。
- 土を軽く落として根茎の広がりと芽・茎の位置を確認します。
- 根茎に茎を何本か残すように根茎を切り分けましょう。
- 切り離した株を新しい鉢植えまたは植えたい場所に地植えします。
- 植え直した株に水をたくさん与えたら株分けの終了です。
播種で増やす
エリゲロン(グラウカス)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月 9~10月
発芽適温:約15度~20度
発芽日数:約14日
光条件:好光性
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に土は被せません。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
エリゲロン(グラウカス)の病気
- 灰色カビ病
- うどんこ病
エリゲロン(グラウカス)の害虫
- アブラムシ