- 原産:中国/インド亜大陸/ベトナム/マレーシア等
- 科:タデ(Polygonaceae)
- 属:イヌタデ(Persicaria)
- 種:ヒメツルソバ(Persicaria capitata)
- 流通名:ポリゴナム
- 別名:カンイタドリ/ピンクヘッド・ペルシカリア(pink headed persicaria)/ピンクヘッド・スマートウィード(pinkhead smartweed)/ピンク・ノットウィード(pink knotweed)/ピンクバブル・ペルシカリア(pink bubble persicaria)
- 開花時期:周年(夏は休む)
- 花の色:桃色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●桃色●白色〇
- 分類:多年草
- 草丈:約5~10cm
- 長さ:約50cm
- 誕生花:10月6日/10月16日
- 花言葉:気がきく/愛らしい
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/グランドカバー/ロックガーデン/ロマンチックなお庭/アンティークなお庭
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ポリゴナム(ヒメツルソバ)とは!?
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は学名Persicaria capitata、別名では「カンイタドリ」や「ピンクヘッド・ペルシカリア(pink headed persicaria)」等とも呼ばれる中国およびインド亜大陸、ベトナム、マレーシアなどを原産とする多年草です。
ポリゴナム(ヒメツルソバ)の語源(由来)
- 属名のPersicariaはラテン語で「桃」を意味する「persicum」と、「~に関係する」を意味する「-aria」の二語からきており、葉の形に由来します。
- 種小名のcapitataはラテン語で「頭」を意味する「caput」からきており、花の形が頭に似ている事に由来します。
- ポリゴナムの由来は、学名Persicaria capitataの同義語であるpolygonum capitataの属名からきています。
- polygonumはギリシャ語で「多数」を意味する「poly」と、ギリシャ語で「膝」「(植物の)節」を意味する「genu」の二語からきており、茎の節が膨らみ膝のように見えることからきています。
ポリゴナム(ヒメツルソバ)の特徴(魅力)
- ポリゴナム(ヒメツルソバ)は、匍匐するように茎が広がり地面や斜面をカーペットのように覆う草姿からグランドカバーや斜面を覆うロックガーデン等に利用されます。
- 開花期が長く、金平糖のようなコロンとした丸い花を、株いっぱいに咲かせるため、開花期間中はピンクの絨毯が敷かれたかのようなロマンチックな景観を作り出します。
- 草姿は匍匐性、茎は枝分かれがよく地面を密に覆うため優れたグランドカバーを作ります。
- 茎は緑色または赤みを帯びており、白色の毛が生えています。
- 開花期間は周年、基本的に一年を通して咲く能力がありますが、普通は夏の間だけ休みます。
- 花序は頭花、頭花は球形に小さな花が集まっており、小さな花は尖ったような突起になるためお菓子の「金平糖」のような可愛らしい外観をつくります。
- 葉には「逆V字型」の個性的な班が入ります。
- 葉はふつう緑色ですが、柔らかな印象を与えるクリーム色の葉色や、可愛らしい印象を与える桃色の葉色等があるため、品種を選んでカラーリーフとして楽しむ事も出来ます。
- 葉は常緑のため冬の間も落葉しませんが、落葉性の植物で見られるような紅葉があり、秋になると葉の色が赤色・橙色・黄色などに色づき、アンティークな落ち着いた雰囲気を作ります。
- ポリゴナム(ヒメツルソバ)の仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「ロックガーデン」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- ポリゴナム(ヒメツルソバ)の茎は基本的に立ち上がらずに横へと広がり茎が密に地表面を密に覆います。また多花性で沢山のピンクの花が株を覆うため、ピンク色の絨毯が敷かれたかのような美しい景観を作り出します。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
- ポリゴナム(ヒメツルソバ)は乾燥に強く丈夫なためロックガーデンに向いており、土の殆どない岩壁を覆うように広がり被覆する事が出来ます。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- ポリゴナム(ヒメツルソバ)は丈夫で育てやすい植物ですが、ツルが旺盛に広がり様々な場所に侵入したり、こぼれ種が逸出して様々な場所で発芽して雑草化する事がよくあります。
- 日本では明治時代にロックガーデン用として導入された後、様々な場所で帰化して、道端や壁面等で雑草化しており、海外でも米国・アフリカ・オーストラリア等で帰化した後に雑草化しており侵略的な外来植物として扱われる事があります。
- ポリゴナム(ヒメツルソバ)は旺盛に広がりますが、根茎で広がる事なく、簡単に引っ張りとれるため除草は比較的に容易です。
ポリゴナム(ヒメツルソバ)の草姿は匍匐性、草丈は約5(~10)cm、茎の長さは約50cm、茎の色は緑色または赤褐色、茎は枝分かれがよく密に地面を覆い、茎の節部分からは発根して無制限に広がります。
葉序は互生葉序、葉色は緑色に暗色の「逆V字型」の班が入る、葉柄は長さ約0.2(~0.5)cm、葉身の長さ約1(~6)cm、幅は約0.7(~3)cm、葉身の形は楕円形または卵形、葉には毛が生えており、秋になると黄色・赤色・桃色に紅葉する。
花序は頭花、頭花は直径0.7(~1.5)cm、形は球形、多数の花が集まります。花は花被片が5個、花被片は桃色または白色、雄蕊は8個あります。
果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)、痩果は楕円形、長さ約1(~2)cm、色は褐色です。
ポリゴナム(ヒメツルソバ)の園芸品種の紹介
- ビクトリーカーペット(Persicaria capitata ‘victory carpet’)は、茎葉が絨毯のように地面を広がり、沢山のピンクの花を咲かせるため、桃色の絨毯が敷かれたかのような美しい景観をつくる魅力的な園芸品種です。
- セレブピンクは、葉の色が全体的にくすみ濃い緑色・薄い黄色(クリーム)・薄い桃色の三色の葉色が入り交じるため、可愛らしい印象またはアンティークな雰囲気が漂うカラーリーフとしても楽しめる園芸品種です。花の色は桃色、葉の色は下地が緑色で、薄い黄色または桃色の掃け込み斑または切り班のような不規則な班が入ります。草姿は匍匐性、草丈は約5~10cmです。
- オリエンターレは、葉に不規則な班が入り緑色・白色(薄い黄色)・桃色の3色の葉色が入り交じるため、可愛らしい印象を与えるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。花の色は桃色、葉の色は下地が緑色で、白色(薄い黄色)または桃色の掃け込み斑または切り班のような不規則な班が入ります。草姿は匍匐性、草丈は約5~10cmです。
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イヌタデ(ポリゴナム)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ポリゴナム(ヒメツルソバ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
土壌の土質
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は基本的に水はけの良い土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
培養土
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
ポリゴナム(ヒメツルソバ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は、ある程度肥沃な土壌で育てている場合は肥料が無くても育てられます。栄養が多すぎる土壌では葉ばかり茂り花が少なくなる傾向にあるため注意が必要です。
肥料は、栄養の乏しい土壌で育てていたり、土壌の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合は、早春に一度だけ肥料を与えるようにしましょう。
肥料と堆肥の与え方
- 晩冬から早春に与える肥料
- 肥効が必要な栄養成分がしっかりはいっており非常に肥効が長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分は山型肥料(リン成分が多く入る)または水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料は株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
剪定のやり方
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は基本的に剪定不要です。ただし剪定しないと、茎が奔放に伸びて外観を崩してしまったり、範囲を逸出して歩道に茎が飛びてて邪魔になったりします。邪魔な茎葉を必要に応じて剪定を行いましょう。
冬越しする方法
Hardiness:8b~10a
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで育てることも可能です。ただし強い霜が降りると枯れてしまう事があるため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
ポリゴナム(ヒメツルソバ)の冬越し対策
- 霜が降りる地域であらば、霜対策として不織布などを被せたり、霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直して温室などで管理すると良いでしょう。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
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挿し木や株分けで増やす
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- ポリゴナム(ヒメツルソバ)の挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分け手順
- ポリゴナム(ヒメツルソバ)の株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- 株全体を観察して、茎の節から不定根が伸び、土の中に根が定着している部分を探しましょう。
- 不定根が定着している部分を見つけたら、ある程度の茎と葉を残して、親株と切り離します。
- 切り離した子株を土の中から掘りあげて、目的の場所に植え直します。
- 水をたくさん与えたら株分けの終了です。
播種で増やす
ポリゴナム(ヒメツルソバ)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
ポリゴナム(ヒメツルソバ)は、種で増やす事も出来ますが、園芸品種の場合は、班が消えたり花の大きさや色が変わる等して雑草のようになりやすいため、普通は挿し木や株分けで増やします。
種を採取したら、そのまま撒くか、翌年の春に撒きます。翌年の春に撒く場合は休眠打破をさせて発芽を揃えるため、低温環境(冷蔵庫など)に置き保管しましょう。
種まき手順
- 自家採取した種子は、秋に種を撒いて冬の寒さを経験させるか、低温環境で保管した後で早春から春に種を撒きましょう。
- 春に種を撒く場合は、バーミキュライトの中に種を混ぜポリ袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で早春まで保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土にバラ撒きします。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。