ハブカズラ(ポトス)は属の中に約15種があり、園芸でも様々な種と品種が親しまれています。このページでも幾つかの原種と、25の園芸品種を紹介しています。
上記の他にも、このページでは育て方や購入する際のリンクも用意しています。よければ、そちらもご活用ください。
■目次
■ハブカズラ属(ポトス)の主な種と園芸品種の紹介
ポトス



ポトスとは!
ポトス(学名: Epipremnum aureum)は、または同義語でPothos aureus、別名では「オウゴンカズラ」「ハブカズラ・オーレウム」「エピプレムヌム・アウレウム」「ゴールデン・ポトス(golden pothos)」「セイロン・クリーパー(Ceylon creeper)」「アイビー・アラム(ivy arum)」「デビルズ・バイン(devil’s vine)」「デビルズ・アイビー(devil’s ivy)」とも呼ばれるサトイモ科ハブカズラ属の多年草です。
ポトスの原産地はソロモン諸島と言われています。ただし、野生での採取がないため、正確なところは分かっていません。
ポトスの特徴
- ポトスの魅力:この植物は、 熱帯雨林の林床で地表を這ったり、樹木に着生して登攀して成長したりしています。このような特性を持っている事から、栽培される際も屋内で台の上を這わせたり、ツル性の茎を枝垂れさせたり、誘引資材を準備してツルを誘引して壁面などを這わせたり、様々な方法で仕立てられ楽しまれています。また葉の色と模様も多彩なためカラーリーフとして楽しまれており、非常に耐陰性が高くLuxが500ほどの屋内でも栽培が可能となってます。そのため、日本では観葉植物の中でも一際高い人気がある植物です。
- 草姿:生育型はツル型になり、茎は柔軟で他物がない場合は地表を這い、樹木などがある場合は茎から発生する気根のうち付着根を他物に付着させて支えにしながら上へと成長します。茎は非常に長く伸び、草丈は最大2000cmまでになると言われます。
- 葉の特徴:ポトスの葉は幼葉と成葉がありますが、一般的に観葉植物として屋内で栽培され観察されるのは幼葉になります。幼葉はサイズが5~20cm、単葉で概形は心形をしており、葉の色は緑色・黄色・白色で、斑の入り方は散班・掃け込み斑・切斑があります。その一方で、熱帯雨林などに自生しているポトスは成葉も見られ、これは葉のサイズが100cmに達することがあり、分裂葉で羽状深裂していたり、モンステラのように葉の中に穴が空いていたりすることもあるようです。
- 枝垂れ植物:ポトスは、茎が非常に柔軟で地表を張ったり、壁面から真っ直ぐ下に下垂する性質があります。そのため、ハンギング鉢などに植えると鉢縁から滝のように枝垂れる草姿が鑑賞できます。
- ツル植物:ポトスは生育型がツル型で、他物を支えながら成長する植物です。ツル植物の中でも、節から発生する気根(付着根)を他物に付着させて、自らを支えながら成長する植物となります。そのため、園芸でツル植物として仕立て栽培する場合はヘゴ支柱・ココスティック・パネルなどを準備して、これに誘引しながら栽培するとよいでしょう。
- フラワーアレンジメント:ポトスは茎・葉を葉物として切り花やアレンジメントの素材に利用する事ができます。ポトスの茎・葉は水挿しで増やす事ができる事からも分かる通り、切り花にして適切に水換えをすれば非常に長くその美しさを楽しめて、また花瓶の中で根を張る事も多いため、水に挿したたままインテリアとして成長過程を観察することも可能です。さらに、アレンジメントの中にこの植物を加えると、花の美しさを自然に引き立てたり、また茎が枝垂れる姿が優美な流れをうみだします。
- インドアグリーン:ポトスは、熱帯雨林の林床や樹木の上に自生しており、この生育環境から非常に高い耐陰性があります。そのため、屋内の太陽の間接光しか届かない場所でも栽培する事が可能です。また太陽の光が当たらないような環境でも、最低500Luxあれば枯らさずに栽培可能になり、また2500~10000Luxあれば健康な成長を促し育てる事が可能となります。適切な範囲の光量の元で育てる事で、茎が徒長して葉が疎らになったり、葉色が薄くなったり、ストレスで斑が消えるなどのリスクを減らす事ができます。
- 空気清浄効果:ポトスは密閉された空間の中で、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの有害物質を除去する事が幾つかの研究で報告されています。これらの物質はシックハウス症候群(目のチカチカ・鼻水・喉の痛みや咳)を引き起こす事で知られているため、観葉植物と栽培すると健康な生活にも寄与するでしょう。
ポトスの園芸品種の紹介
ネオン

学名:Epipremnum aureum ‘neon’
葉の色:黄緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:葉の色が黄色から黄緑色をしているため、インテリアとしてお部屋に飾ると明るくフレッシュな雰囲気を醸し出す品種です。
ライム

学名:Epipremnum aureum ‘lime’
葉の色:黄緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:葉の色は明るいライムグリーン色から黄色をしているため、明るく元気な印象を感じさせる品種です。
Nジョイ

学名:Epipremnum aureum ‘njoy’
葉の色:緑色・白色
草丈:約100~300cm
備考:葉の色は緑色・白色の複色で、葉の中に境界をつくるように直線的な班が入ります。そのため、インテリアとしてお部屋に飾ると明るさと清潔感を感じさせる品種です。
グローバルグリーン
学名:Epipremnum aureum ‘GLOBAL GREEN’
葉の色:濃い緑色・黄緑色
草丈:約100~300cm
備考:葉のサイズがやや小振りで、濃い緑色に黄緑色の切斑がはいります。
マンジュラ

学名:Epipremnum aureum ‘manjula’
葉の色:緑色・クリーム色・白色
草丈:約100~300cm
備考:フロリダ大学が品種改良して作出された園芸品種です。葉の色は緑色・クリーム色・白色の複色で、掠れたような掃け込み斑が入る。そのため、明るさや柔らかさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
ゴールデン・ポトス

学名:Epipremnum aureum ‘golden pothos’
葉の色:緑色・薄い黄色
草丈:約100~300cm
備考:葉の色は緑色・薄い黄色の複色で、葉の中に掃け込み斑状の黄色の斑がはいります。
シャングリラ

学名:Epipremnum ‘Shangri La’
葉の色:緑色
草丈:約100~300cm
備考:葉は成熟しても完全に展開せず、新芽が開く途中のように折りたたまれシワシワとした外観をしています。そのため、個性的な植物が好きな人などに好まれる品種です。
マーブルクィーン

学名:Epipremnum ‘marble queen’
葉の色:緑色・白色(クリーム色)
草丈:約100~300cm
備考:葉の色は緑色と白色(クリーム色)の複色で、葉の中に散斑が入ります。そのため、明るさや清潔感などを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種です。
スノークイーン

学名:Epipremnum aureum ‘snow queen’
葉の色:緑色・白色
草丈:約100~300cm
備考:葉の色は緑色と白色で、葉の大部分を白色が占めており、散斑がはいります。そのため、インテリアとしてお部屋に飾ると清潔感を感じさせたり、また神聖な雰囲気を演出したりできます。
テルノ・アマゾン
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:濃い緑色・黄緑色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の色は濃い緑色の単色や黄緑色の斑入りの葉が様々入り交じる。
テルノ・カグヤ
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:黄緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の色は黄緑色と黄色の複色で、黄色の散斑がはいります。
テルノ・カーニバル
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:緑色・黄緑色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の色は緑色と黄緑色の複色で、斑の入る量は個体差があり、黄緑色の散斑がはいります。
テルノ・サンシャイン
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉は成熟しても完全に展開せず、新芽が開く途中のように折りたたまれシワシワとした外観をしており、黄色の斑入りです。
テルノ・ジャック
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:濃い緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉には厚みがあり、濃い緑色の所々に黄色の斑がはいる事がある。
テルノ・シャンゼリゼ
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:黄緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。ライムの枝変わり品種になり、ライムと違い葉面裏側に突起があるようです。
テルノ・ジュニア
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:緑色・薄い黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。ジュニアの名前が示す通り、葉のサイズがバレンシアよりも小さく、薄い黄色の散斑が入る品種です。
テルノ・スフィーダ
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の色は緑色・黄色の複色で、斑が入る量は個体差があり、黄色の散斑がはいります。
テルノ・ハナハナ
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:緑色・黄色・白色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の色は緑色・黄色・白色で、葉の裏面が白色、表面には黄色の斑入が所々にはいる。
テルノ・バレンシア
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の色は緑色と黄色の複色で、葉の中に黄色の散斑がはいる。
テルノ・バンピー
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の表面に小さな凹凸があり、黄色の散斑がはいる。斑の量は個体差がある。
テルノ・ロビン
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:緑色・黄色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の色は緑色・黄色の複色で、葉の中に黄色の散斑がはいる。斑の量は個体差がある。
テルノ・ワカクサ
学名:Epipremnum aureum cv.
葉の色:薄い黄色・クリーム色
草丈:約100~300cm
備考:伊藤輝則氏が生産・育種しているテルノ・シリーズの中の一品種です。葉の色は薄い黄色からクリーム色をしていて、若草のようなフレッシュな雰囲気を感じさせる品種です。
パール&ジェード
学名:Epipremnum aureum ‘pearls and jade’
葉の色:緑色・白色
草丈:約100~300cm
備考:葉の色は緑色・白色の複色で、葉の中に白色の切斑がはいり、大理石のような模様ができます。そのため、インテリアとしてお部屋に飾ると清潔感を感じさせたり、エレガントな雰囲気を感じさせたりする品種です。
ステータス
学名:Epipremnum aureum ‘status’
葉の色:緑色・白色
草丈:約100~300cm
備考:エンジョイの枝変わり品種で、葉の中に白色の掃け込み班がはいります。