- 原産:南アフリカ
- 科:トウダイグサ(Euphorbiaceae)
- 属:ユーフォルビア/トウダイグサ(Euphorbia)
- 種:ユーフォルビア・ブプレウリフォリア(Euphorbia bupleurifolia)
- 別名:ユーフォルビア・蘇鉄キリン(ソテツキリン)/パイナップルコーン(pine cone plant)/ユーフォルビア・鉄甲丸/蘇鉄大戟(ソテツダイゲキ)/サイキャド・スパージ(cycad spurge)
- 品種:班入りパイナップルコーン(ほほえみパイン)
- 開花時期:晩冬・春・初夏
- 花の色:緑色・黄緑色・黄色
- 葉の色:緑色
- 茎の色:淡褐色・灰白色
- 分類:多年草
- 生育型:
- 草丈:約4~20cm
- 誕生花:小さな愛
- 花言葉:
- 用途:カラーリーフ/多肉植物/ロックガーデン
- 購入方法:パイナップルコーンを楽天で購入
■班入りパイナップルコーン(ほほえみパイン)の特徴
- 茎の形:円柱形
- 茎の色: 緑色・クリーム色・赤色
- 葉の形:倒披針形
- 葉の色:緑色・クリーム色
- 備考:茎・葉の色が緑色・クリーム色・赤色の三色で構成されているため、女性的な可愛らしさ、お菓子や果物を想像させる甘い雰囲気がある品種です。
■パイナップルコーンとは!?
パイナップルコーンの学名は Euphorbia bupleurifolia 、別名では「ユーフォルビア・蘇鉄キリン(ソテツキリン)」「ユーフォルビア・ブプレウリフォリア」「ユーフォルビア・鉄甲丸」「蘇鉄大戟(ソテツダイゲキ)」「サイキャド・スパージ(cycad spurge)」等とも呼ばれる多年草です。
パイナップルコーンの原産地は南アフリカにあり、自生地は玄武岩の隣の砂地や、高地の草原の斜面などにあります。
■パイナップルコーンの語源(由来)
- 属名のEuphorbiaは、ヌミディア王国の王であるユバ二世に仕えた、ギリシャの医師のEuphorbusへの献名です。
- ギリシアの医師であるEuphorbusは、ユーフォルビアが強力な下剤であると記しており、後にカール・リンネ(Carl Linnaeus)が医師に敬意を示して属全体にユーフォルビアという名前をつけました。
- 種小名のbupleurifoliaは「ミシマサイコ属(Bupleurum)の葉に似た」を意味しています。
■パイナップルコーンの特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- パイナップルコーンの特徴は、株の見た目がパイナップルや松ぼっくりなどに例えられる所、幹の形状は多肉質で球形または円柱形をしており、側面に菱形の葉痕が残る所、茎の側面から出る分枝も幹と同じ形をしており子株のように見える所、葉は茎の頂部に密に集まりロゼットをつくる所、開花は晩冬から初夏頃にあり、茎の頂部に黄緑色の花を房状に咲かせる所、樹液は基本的に有毒で触ると炎症を引き起こしたり目に入ると失明するリスクがある所等にあります。
- パイナップルコーンは、パイナップルを想像させる多肉質な茎を鑑賞する目的で栽培されています。用途としては、果物のパイナップルを想像させることからトロピカルなお庭の装飾に利用されたり、乾燥に強いためロックガーデンやドライガーデンで利用されたり、鉢植えの中で成長を制御して狭い空間の中で楽しまれたりします。
- 外観の特徴
- 草丈は約4~20cm(稀に90cm)、幹の形状は球形・膨らみある円筒型、幹の表面には目立つ葉痕が残っており、葉痕の形状は菱形、幹の側面には分枝があり、分枝の形状は幹の形状と似ている、茎の質感は多肉質、茎の色は淡褐色・灰白色です。
- 葉は茎の頂部に密に集まりロゼットを形成する、葉身の長さ約15cm、葉身の幅は約1.5~2cm、葉身の形は倒披針形、葉の色は緑色・白緑色です。
- 花序は杯状花序で茎の頂部に集まるように房状に咲く、杯状花序は腺体・雄花・雌花で構成されています。
- 総苞:総苞とは花の基部にある特殊化した葉です。総苞片は対になり、形状は広卵形、色は緑色・黄緑色・黄色をしている。
- 腺体:腺体とは分泌物(蜜)を生産・放出する部分です。腺体の数は5個、腺体の形状は楕円形、腺体の色は緑色・黄緑色をしている。
- 雄花:雄花とは雄蕊があり雌蕊がない花です。杯状花序の中に雄花の数は複数あり、雄花に雄蕊は一本、雄蕊の葯の色は黄色です。
- 雌花:雌花は雌蕊があり雄蕊がない花です。杯状花序の中に雌花の数は一個あり、雌花に雌蕊は一本、雌蕊の色は緑色・黄緑色・黄色です。
- 主な用途
- パイナップルコーンは乾燥に強いことから、岩や砂の多いロックガーデンなどで育てられることもあります。ただし、寒さにあまり強くないことから温暖な地域じゃないと屋外で育てるのは難しいかもしれません。
- パイナップルコーンは鉢植えの中に入れて成長を制御しながら身近な場所で楽しまれることもあります。
- 栽培時の注意点
- 栽培する際は「土の通気性」「過湿」「氷点下」「樹液」に注意する必要があります。
- 土の通気性とは、水や空気がしっかりと流れ、根の呼吸や成長を邪魔しないような土です。通気性が悪いと根腐れを引き起こす事もあるため、植物を育てる用土はしっかりと選ぶ必要があります。※詳しくは育て方からご覧下さい。
- 過湿とは、何時までも土壌がジメジメしているような状態です。基本的に他の多肉植物と同様に、乾燥に強いですが、水分が過剰な状態を苦手にしています。そのため、水のやりすぎないこと、長雨に当てないことが大切になるでしょう。
- 氷点下とは、0℃以下の気温、つまり冬の寒さを苦手にしています。パイナップルコーンは氷点下や軽い霜に耐える事が出来ますが、個体によっては氷点下や霜に耐えられずに枯れる事もあります。そのため、冬の間は氷点下を下回らない環境で育てた方が良いでしょう。
- 樹液は植物が傷ついた時などに流れる液体です。パイナップルコーンの樹液は基本的に有毒で、皮膚に接触すると炎症や水膨れを引き起こしたり、目に入ると充血・痒み・熱をもったり最悪失明する危険があります。皮膚についた場合は直ぐに石鹸で洗い流し、必要に応じて医師に相談しましょう。
■パイナップルコーンの園芸品種を紹介
ユーフォルビア・ブプレウリフォリア
ユーフォルビア・ブプレウリフォリアの学名は Euphorbia bupleurifolia 、別名では「ユーフォルビア・蘇鉄キリン(ソテツキリン)」「パイナップルコーン(pine cone plant)」「ユーフォルビア・鉄甲丸」「蘇鉄大戟(ソテツダイゲキ)」「サイキャド・スパージ(cycad spurge)」等とも呼ばれる多年草です。
ユーフォルビア・鉄甲丸
ユーフォルビア・鉄甲丸の学名は Euphorbia bupleurifolia 、別名では「ユーフォルビア・蘇鉄キリン(ソテツキリン)」「ユーフォルビア・ブプレウリフォリア」「パイナップルコーン」「蘇鉄大戟(ソテツダイゲキ)」「サイキャド・スパージ(cycad spurge)」等とも呼ばれる多年草です。
■ユーフォルビア(トウダイグサ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■パイナップルコーンの育て方
花壇の土づくり
環境
パイナップルコーンは、自生地が岩や砂の多い場所などにあります。
そのため、お庭の中では岩や砂を組み合わせて作られたロックガーデン、サボテンや多肉等の乾燥に強い植物を集めたドライガーデンなどでよく育てられます。
日当り
パイナップルコーンは光のよく当たる場所で最もよく成長して、沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事も出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
基本的に岩や砂の多い場所を好み、乾燥気味で栄養の少ない痩せた土地でも育つ植物です。そのため、土質は砂土または砂壌土になるようにします。
植え付けの前に土壌診断を行い、土質が悪い場合は、改良用土(日向土・軽石・川砂・パーライト)を使って通気性・排水性を改善しましょう。また堆肥等の有機物は、基本的に入れないか少なめに入れます。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
パイナップルコーンは光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事も出来ます。
培養土
培養土を購入する場合は通気性・排水性の高い多肉・サボテン・山野草の培養土などがおすすめになります。
培養土を自作する場合
- 岩や砂の多い場所に自生している事からも分かる通り乾燥に強い植物です。逆に多湿を苦手にしています。そのため、通気性・ 排水性が優れている培養土をつくります。
- 栄養の少ない痩せた土地に自生している事からも分かる通り、肥沃さはあまり求められません。少量の堆肥は生育を促進する働きがありますが、堆肥が多いと夏場に蒸れて根腐れする原因にもなるため注意が必要です。
- 水やりの頻度を考えて、保水性のよい用土を増やしたり、通気性・排水性の良い用土を増やし配合する。
培養土の配合例
- 川砂+日向土(細粒・小粒)+赤玉土(小粒)+ピートモス(調整済)=3:4:2:1
- 日向土(細粒・小粒)+赤玉土(小粒)+硬質鹿沼土(小粒)+べラボン=4:2:3:1
- 日向土(細粒・小粒)+赤玉土(小粒)+ピートモス(調整済)+竹炭=4:3:2:1
- 赤玉土(小粒)+桐生砂(細粒・小粒)+パーライト+腐葉土+木炭=3:2:2:2:1
培養土は基本用土を単体で使うか、または基本用土をベースにしながら改良用土を組み合わせて作ります。
植物の育ってきた環境、水やりの頻度、用土の費用などを考えて培養土を作ると良いでしょう。
基本用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 特徴:粒子が大きく通気性・排水性が優れており、保水性と保肥力が殆どない。比重が約2.5~2.6と大きく安定感があるため植物をしっかりと支える事が出来る。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・盆栽等の育成でよく利用されます。
改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- 特徴:非常に軽く空気を多く含んでいて、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため、培養土などに混ぜ込むと通気性が大きく改善して根張りがよくなります。通気性はもちろん保水性・保肥力も高いため優れた土壌改善効果があり、単体でも植物を育てる事が出来る。
- 用途:土壌の膨軟性・通気性・保水性・保肥力を改善する目的で使用することができます。培養土としてべラボン単体で一般的な植物を育てる事ができます。非常に軽量なため吊り鉢やハンギングバスケットなどの培養土にもおすすめです。樹木に着生する洋ランなどの植物の培養土にも利用されます。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PHが8~10と高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
植え替え
植物を育てていると、培養土が劣化したり、根詰まりを引き起こす事があります。そのため、成長の早さにも左右されますが数年に一度の頻度で植え替えが必要になります。
根詰まりのサイン
- 成長が悪くなる
- 鉢穴から根が出てきている
- 培養土の乾燥が早い
植え替え方法
- 植え替えに適した時期
- 植え替えの適期は、株の素早い回復が見込める早春が適しています。
- 植え替え手順
- 植え替えの前日にはしっかり水やりをしておきます。
- 根の回り具合に合わせて、そのままの鉢を使用するか、一回り大きな鉢を使います。
- 古い鉢から株を取り出して、根を優しく解すように、風雨で劣化したり、根の侵食で劣化した古い土を軽く落とします。
- 長い根や腐った根がある場合は、必要に応じて軽く剪定して切り詰めます。
- 鉢の中に新しい培養土と株を入れて植え直します。
水やりの仕方
パイナップルコーンは自生地が岩や砂の多い場所などにあり、耐乾性の高い植物です。そのため、一度根づいてしまえば、水やりがほとんど必要なくなります。しかし水やりの効果で株が大きくなる事もあるため、生育期間中は必要に応じてしっかり水やりをしてあげましょう。
注意することは、生育期間以外に頻繁に水遣りをしたり、長期間に渡り過湿状態にしてしまう事です。これらは、病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりする季節や頻度には注意が必要となります。
水やりの与え方
- 春・夏・秋:土の表土または表層が乾いたタイミングで水を与えます。乾燥に強い植物ですが、成長期に水を与える事で、株がしっかりと成長します。
- 冬:株は冬になると休眠するため、乾燥気味に管理する。水やりの頻度は月に1~2回程度で、土を軽く湿らせる程度に与えます。
水やりのタイミング
- 表土の乾いたタイミング
- 土の表土(表面)の色が、濡れているなら黒っぽく、乾いたら白っぽくなるため、目視で乾いたのを確認する。
- 目視で確認が難しい場合は、表土を触って乾燥を確認する。
- サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
- 鉢内または表層が乾いたタイミング
- 透明な鉢植えで育てると土の色の変化が分かるため、目視で確認する。
- 鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、持ち上げてみて土の乾きを判断する。
- 割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串を色と湿り気を見て確認する。
- サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
※水やりのタイミングに不安がある場合は、サスティーを利用することも出来ます。色の変化を覚えておくだけで簡単に水やりを行うことが可能です。
肥料の与え方
パイナップルコーンは、自生地が岩や砂の多い場所にある事からも分かる通り、栄養の乏しい土壌でも問題なく育ち、肥料がなくても育てられます。
肥料は、株を大きく成長させたり葉色が良くなるなどの健康な成長を促す効果があります。しかし、肥料を与え過ぎると、株が軟弱に育ち病害虫に弱くなったり、肥焼けする事もあるため、肥料を与える場合は適切な時期に適切な量を与える事が大切です。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 緩効性肥料などであれば春に一度だけ与えます。
- 肥料の選び方
- 肥料は多肉植物の専用肥料または成分がバランスよく入る緩効性肥料がおすすめです。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料・化成肥料を与える場合は、規定された分量を与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
パイナップルコーンの剪定は基本的に不要です。
夏越しする方法
パイナップルコーンは基本的に夏の暑さと乾燥に強いです。
しかし、多湿を苦手にしており、特に高温と多湿が複合する高温多湿を苦手にしています。そのため、適切な夏越し対策が必要です。
夏越しで重要なポイント
- 直射日光がよく当たる場所
- 日向から半日影で管理しましょう。
- 長雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかり行い排水性を高めましょう。
- 土壌改良を行っても、周りから水が集まる場所だと意味がありません。苗をレイズベットやロックガーデン等の周りより高い場所に植えたり、傾斜地に植えると、水が下に流れやすくなり、排水性が高まります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:9~12
パイナップルコーンは軽い霜であれば耐えられる事があるため、暖地や平地であれば地植えでも冬越し出来る事があります。
ただし基本的に霜や凍結に弱かったり、低温で株が傷みやすいため、冬越し対策を行った方が良いでしょう。
冬越し対策
- 鉢植え
- 鉢植えで育てている場合は、室温が10度以上ある日当りのよい室内に入れて管理しましょう。
- 暖地などの暖かい地域であればカバーを被せるなどの、霜対策を行うだけでも越冬出来る場合があります。※ただし10度以下の環境では低温ストレスで株は傷む傾向があります。
- 地植え
- 株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理します。
- 株の掘り起こしが難しい場合は、支柱を立ててビニールを張りトンネルを作ったり、カバーをかけてミニ温室を作って上げるのもひとつの対策になります。
挿し木や株分けで増やす
パイナップルコーンは挿し木して増やすことができます。
播種で増やす
パイナップルコーンの種蒔の方法
- 播種時期:
- 発芽適温:約
- 発芽日数:
- 発芽条件:
植物の病気
パイナップルコーンの病気
パイナップルコーンの害虫