- 原産:中央アメリカ・南アメリカ
- 科:サトイモ(Araceae)
- 属:アンスリウム(Anthurium)
- 種:フーケリー(Anthurium hookeri)
- 別名:ハランウチワ/バーズネスト・アンスリウム(bird’s nest anthurium)
- 開花時期:周年
- 花の色:緑色・黄色・紫色
- 葉の色:緑色
- 分類:多年草
- 草丈:約
- 誕生花:1月22日・3月17日
- 花言葉:情熱・煩悩・印象深い・恋に悶える心
- 用途:カラーリーフ/観葉植物/日陰植物
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目次
アンスリウム・フーケリーとは!?
アンスリウム・フーケリーの学名はAnthurium hookeri、別名では「ハランウチワ」や「バーズネスト・アンスリウム(bird’s nest anthurium)」とも呼ばれる多年草です。
アンスリウム・フーケリーの原産地は中央アメリカ・南アメリカにあり、自生地は熱帯雨林の中にあり陸生または樹木上に着生します。
アンスリウム・フーケリーの語源(由来)
- 属名のAnthuriumはギリシャ語で「花」を意味する「anthos」と、ギリシャ語で「尾」を意味する「oura」の二語で構成されており、花の形が尻尾のように見える所に由来します。
- 種小名のhookeriはイギリスの植物学者のJoseph Dalton Hooker (1817-1911) への献名だと考えられています。
アンスリウム・フーケリーの特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- アンスリウム・フーケリーの特徴は、葉がロゼット状に広がる姿から株の見た目が鳥の巣(bird’s nest anthurium)に例えられる所、葉の向きは成熟するに従い段階的に直立・斜上・水平へと変化する所、葉の形状は細く長く縁部分が上下にウェーブする傾向がある所、株は成長するに従い子株を増やし叢生する所などにあります。
- アンスリウム・フーケリーは、観葉植物として部屋や温室の中でロゼット状に広がる葉を楽しむ目的で栽培されている植物です。
- 外観の特徴
- 草姿は叢生、成長するに従って株(子株)を複数つくり広がります。
- 葉序は根生、葉はロゼット状に広がり、葉身の長さは約30~90cm、葉身の形は倒披針形・狭楕円形、葉の表面に光沢があり、葉の色は緑色、葉の向きは成熟するにつれて直立・斜上・水平と段階的に変化する。
- 花序は腋生、花は仏炎苞と肉穂花序で構成されており、アンスリウムの仏炎苞は肉穂花序を包まず平坦で、肉穂花序を際立たせる背景のような見た目をしている。
- 仏炎苞:仏炎苞とはサトイモ科でよく見られる、花序を包んでいる苞の一種です。アンスリウム・フーケリーの仏炎苞の形状は披針形、色は基本的に緑色からクリーム色の範囲である。
- 肉穂花序:肉穂花序とは花軸が多肉化した穂状花序で、花に花柄がなく花軸の表面に沢山の花が直接ついています。アンスリウム・フーケリーの肉穂花序は仏炎苞よりも長くなる、色は緑色・黄色・紫色です。
- アンスリウム・フーケリーの主な用途
- アンスリウム・フーケリーは屋外で楽しまれる事もありますが、通常は温室などの屋内で観葉植物として楽しむ目的で育てられます。基本的に直射日光を必要とせず、窓際などの間接光のみの環境で育てることができます。
- アンスリウム・フーケリーは、葉を鑑賞する目的で育てられます。葉はロゼット状に優雅に広がり、ジャングルの中にいるような感覚にさせてくれます。
- アンスリウム・フーケリーの毒性
- アンスリウム・フーケリーは、植物全体にシュウ酸カルシウムの針状結晶を含有しており有毒です。樹液は皮膚につくと炎症を引き起こす可能性があり、粘膜につくと痛みを伴います。また食べても有毒で、口内が炎症して荒れたり、嘔吐を引き起こしたり、尿路結石になる等のリスクが生じるため食べないようにしましょう。
- アンスリウム・フーケリーの栽培時の注意点
- アンスリウム・フーケリーを育てる際に注意することは「日当たり」「用土の通気性」「湿度」「低温」などです。
- 日当たりとは、太陽の光の当たり具合や当たる時間などをさします。アンスリウムは自生地が熱帯雨林の中にあることからもわかる通り、間接光のみで成長します。直射日光は葉焼けを引き起こしたり、乾燥を早めて生育不良となる原因になるため、適切な日当たりで植物を管理する必要があります。※詳しくは育て方からご覧下さい。
- 土の通気性とは、水や空気がしっかりと流れ、根の呼吸や成長を邪魔しないような土です。通気性が悪いと根腐れを引き起こすため、植物を育てる用土はしっかりと選ぶ必要があります。※詳しくは育て方からご覧下さい。
- 湿度とは、空気中に含まれる水分(水蒸気)の度合です。アンスリウムは自生地が熱帯雨林の中にあることからもわかる通り、高湿度環境を好みます。湿度が低いと、葉が乾燥して損傷したり、葉が落ちる事があるため、管理する際は注意して下さい。※詳しくは育て方からご覧下さい。
- 低温とは、低い温度、つまり冬の寒さを苦手にしています。アンスリウムは基本的に霜に耐えられないことはもちろん、10度を下回っても低温障害で株が弱る可能性があります。そのため、冬の間は10度を下回らない環境でそだてる必要があります。
アンスリウムのよくある不調の原因
葉が変色(黄・茶)する原因
- 葉の老化:葉が古くなるとライフサイクルの一環として、古い葉から順番に黄色くなり枯れる事があります。
- 対策:不要です。必要に応じて古葉取りを行いましょう。
- 根腐れ:根腐れは、水のやりすぎ・通気性の悪さ・病原菌などが原因で引き起こされる、植物の根が腐敗する病気です。茎や葉が変色したり、根が黒色になったり、茎が腐敗したり、株の元気がなくなるなどの症状が出ます。
- 対策:鉢から植物を抜いて、腐敗した根を取り除き、病原菌の繁殖してない清潔な培養土に植え替えてあげます。
- 水不足:水不足は生育不良・葉の変色(黄色・茶色)・落葉・株の萎れ・枯れ死など、致命的なものも含めて様々な症状を引き起こします。
- 対策:水やりのやり方の欄をご覧ください。
- 根詰まり:根詰まりとは鉢の中で根が繁茂して、根が成長するスペースが無くなってしまっている状態です。根詰まりが起こると成長が停滞したり、培養土が乾燥しやすくなるため植物が水不足の症状を引き起こしやすくなります。
- 対策:鉢土づくりの欄をご覧ください。
- 日照不足:日照不足とは太陽に当たる時間が少ない事から起こる症状です。観葉植物の場合は直射日光を必要としませんが、照度(lux)が足りない、または光合成に必要な波長が含まれない人工照明で育てている可能性があります。
- 対策:管理場所が間違えてる可能性があります。鉢土づくりから日当たりの欄をご覧ください。
- 強光:強光は、光合成に必要な細胞を壊してしまい、生育不良を引き起こしたり、葉の先端や縁部分等が変色したり、萎れや落葉を招いたりする事があります。また乾燥や熱による複合ストレスの危険性も高める事もあります。
- 対策:管理場所が間違えてる可能性があります。鉢土づくりから日当たりの欄をご覧ください。
- 肥焼け:肥焼けは肥料の与え過ぎや、植物に向かない肥料を与える事などで引き起こされる症状です。肥焼けを引き起こすと、葉が変色(黄色・茶色)したり、葉の先端または葉縁部分が枯れたり、葉が落ちたり、根腐れを引き起こしたり、成長が停滞する事があります。
- 対策:肥料の与え方の欄をご覧ください。
- 害虫:ハダニやカイガラムシなどの害虫は、植物から栄養を吸い取り、葉の色が変色したり、枯れたり、萎れるなどの症状を引き起こして生育不良を引き起こす事があります。
- 対策:害虫を直接手で取ったり、殺虫剤を利用して取り除きます。
茎葉が萎れる原因
- 根腐れ:根腐れは、水のやりすぎ・通気性の悪さ・病原菌などが原因で引き起こされる、植物の根が腐敗する病気です。茎や葉が変色したり、根が黒色になったり、茎が腐敗したり、株の元気がなくなるなどの症状が出ます。
- 対策:鉢から植物を抜いて、腐敗した根を取り除き、病原菌の繁殖してない清潔な培養土に植え替えてあげます。
- 水不足:水不足は生育不良・葉の変色(黄色・茶色)・落葉・株の萎れ・枯れ死など、致命的なものも含めて様々な症状を引き起こします。
- 対策:水やりのやり方の欄をご覧ください。
- 強光:強光は、光合成に必要な細胞を壊してしまい、生育不良を引き起こしたり、葉の先端や縁部分等が変色したり、萎れや落葉を招いたりする事があります。また乾燥や熱による複合ストレスの危険性も高める事もあります。
- 対策:管理場所が間違えてる可能性があります。鉢土づくりから日当たりの欄をご覧ください。
葉が落ちる原因
- 葉の老化:葉が古くなるとライフサイクルの一環として、古い葉から順番に黄色くなり枯れる事があります。
- 対策:不要です。必要に応じて古葉取りを行いましょう。
- 強光:強光は、光合成に必要な細胞を壊してしまい、生育不良を引き起こしたり、葉の先端や縁部分等が変色したり、萎れや落葉を招いたりする事があります。また乾燥や熱による複合ストレスの危険性も高める事もあります。
- 対策:管理場所が間違えてる可能性があります。鉢土づくりから日当たりの欄をご覧ください。
- 低温:冬の低温環境に晒されると、株が全体的に弱ったり、葉が変色したり、枯れる事があります。
- 対策:冬越しする方法の欄をご覧ください。
- 害虫:ハダニやカイガラムシなどの害虫は、植物から栄養を吸い取り、葉の色が変色したり、枯れたり、萎れるなどの症状を引き起こして生育不良を引き起こす事があります。
- 対策:害虫を直接手で取ったり、殺虫剤を利用して取り除きます。
- ストレス:ストレスは様々な要因がありますが、移植(植え替え)をしたり、場所を移動したりするとストレスで葉が落ちる事があります。
- 対策:基本的にありません。とりあえず株の様子を見ながら大切に育てて落ち着くのを待ちましょう。
アンスリウムの主な原種を紹介
アンスリウム・アンドレアナム
原産地:コロンビア・エクアドル
学名:Anthurium andreanum
仏炎苞:ハート形
肉穂花序:直立
花の色:赤色・桃色・黄色・紫色・緑色・白色・黒色
葉の形:ハート形
葉の色:緑色
株のサイズ:約30~40cm
備考:開花期間が春から秋、理想的な環境では一年を通して花を咲かせます。花は植物上や切り花としても長く日持ちします。花の形や葉の形がハート形で可愛い。花は光沢があるため宝石のような高級感があり、鮮やかな赤色が華やかな雰囲気をつくる。
アンスリウム・クラリネルビウム
原産地:メキシコ
学名:Anthurium clarinervium
葉の形:ハート形
葉の色:緑色と黄緑色の複色、脈に黄緑色の班が入る。
葉のサイズ:約10~25cm
備考:葉の形状がぽっちゃりしたハート形をしているため可愛いらしい。葉の質感はベルベット状で、緑色と黄緑色のコントラストが美しいため、カラーリーフとして楽しまれる。
アンスリウム・クリスタリナム
原産地:パナマ・コロンビア・ペルー
学名:Anthurium crystallinum
葉の形:ハート形
葉の色:緑色と黄緑色の複色、脈に黄緑色の班が入る。
葉のサイズ:約30~50cm
備考:葉は大きく存在感があり、質感はベルベット状で、緑色と黄緑色のコントラストが美しいため、カラーリーフとして楽しまれる。
マグニフィカム
原産地:コロンビア
学名:Anthurium magnificum
葉の形:ハート形
葉の色:緑色と黄緑色の複色、脈に黄緑色の班が入る。
備考:葉は大きく存在感があり、質感はベルベット状で、緑色と黄緑色のコントラストが美しいため、カラーリーフとして楽しまれる。
アンスリウム・ベイチー
原産地:コロンビア
学名:Anthurium veitchii
葉の形:ハート形・矢尻形
葉の色:緑色
葉のサイズ:約60~200cm
備考:葉は巨大で強烈な存在感があり、ジャングルを想起させる。葉の葉脈に凹凸があり独特な模様ができる。
アンスリウム・レガレ
原産地:コロンビア
学名:Anthurium regale
葉の形:ハート形
葉の色:緑色
葉のサイズ:約30~200cm
備考:葉は巨大で強烈な存在感があり、ジャングルを想起させる。葉の形状らシャープでかっこいいハート形で、葉の中に黄緑色の模様ができる。
アンスリウム・ポリスキスツム
原産地:ボリビア・コロンビア・エクアドル
学名:Anthurium polyschistum
葉の形:掌状全裂・小葉は狭楕円形
葉の色:緑色
葉のサイズ:約15~65cm
備考:草姿がツルのようになり、茎が他の植物などに巻き付きながら成長する事がある。葉が掌状に分裂して小葉が1箇所から放射状に広がる
アンスリウム・チャンベルラニアナム
原産地:熱帯アメリカ
学名:Anthurium chamberlainianum
葉の形:心形
葉の色:緑色・赤色・赤褐色
備考:株の中に緑色の葉と赤みを帯びる銅葉があるためカラーリーフとして楽しめる。葉はサイズが大きくてハート形をしているため可愛らしさを感じさせます。
アンスリウム・バーケリー
原産地:中央アメリカ・南アメリカ
学名:Anthurium bakeri
葉の形:狭楕円形・披針形
葉の色:緑色
備考:葉が細長くシャープな見た目をしている。葉の向きは成熟すると湾曲しながら優雅に垂れる傾向がある。
アンスリウムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アンスリウム・フーケリーの育て方
花壇の土づくり
環境
アンスリウム・フーケリーは、自生地が熱帯雨林の中などにあり、湿度が高く、直射日光が殆ど当たらない地面上または樹木に着生して生息しています。
日当り
アンスリウム・フーケリーは直射日光を避けた、明るい日陰で育てられます。
日光は、植物が光合成を行い健康に育つために必要な要素ですが、直射日光は葉焼けを引き起こす原因になったり、乾燥が早まって株が弱り弱る原因になるため避けた方が良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
アンスリウム・フーケリーは空気を多く含む粗い土を好みます。そのため、土壌は、軽石・パーライト・べラボン・バークチップ・ココナッツファイバー・水苔・ピートモスなどの用土を単体で使うか、または配合して適度に保水性のある排水性の高い用土に改良しましょう。
注意することは、雨の後に水がたまるような水捌けの悪い場所で育てたり、ジメジメとした状態が続くような粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になったり、枯れたりすることがあります。
鉢土づくり
日当り
アンスリウム・フーケリーは直射日光を避けた、明るい日陰で育てます。日光は、植物が光合成を行い健康に育つために必要な要素ですが、直射日光は葉焼けを引き起こす原因になったり、乾燥が早まって株が弱り弱る原因になるため避けた方が良いでしょう。
屋内で育てる場合は、管理する場所の照度のレベルを調べて、出来れば中程度の照度になる場所で管理してあげると良いでしょう。植物に当たる光が少ないと葉色が悪くなったり、生育が非常に遅くなったり、生育不良で枯れる事もあるため十分な光がある場所で育ててあげて下さい。
管理場所は基本的に間接光が入る明るい窓辺が理想です。ただし南向きの窓の近くで管理すると、強い直射日光が植物にあたり葉焼けを引き起こす事があります。そのため、植物を置く前に、管理する場所の照度を調べて、必要に応じて植物を窓から少し離したり、カーテン越しに植物を置く等の工夫をして見ると良いでしょう。
照度のレベル
- 弱い照度:500~2500lux
- 中程度の照度:2500~10000lux
- 高程度の照度:10000~20000lux
- 強い直射日光:20000~100000lux
※照度(lux)を調べる方法は、携帯のアプリや照度計などがあります。携帯のアプリでも手軽に調べられますが、詳しく調べたい方は楽天に売ってある照度計を利用すると良いでしょう。
※照度が少ない場所で育てたい場合は楽天に売ってある植物育成ライトを利用してみるとよいかもしれません。植物育成ライト以外の人工的な照明の光には光合成に必要な波長が僅かにしか含まれない事があるため、十分の照度あると思っても植物がしっかり育たない事もあるため注意が必要です。
培養土
アンスリウム・フーケリーを鉢の中で育てる場合は、空気を多く含む培養土で育てる必要があります。
基本的にはアンスリウム専門の培養土が販売されているため、これを利用すると良いですが、一般的なショップには置いてない事が多いため、用意できない場合は洋ラン用の培養土等を使うと良いでしょう。
培養土を自作する場合
アンスリウムは培養土を自作することも出来ます。自作する場合は基本用土を単体で使うか、または基本用土をベースにしながら改良用土を組み合わせて作ると良いでしょう。育てている環境や水やりの頻度、費用などを考えて好みの培養土を作ってください。
基本用土
- 軽石:軽石は多孔質で気孔が多く、密度の小さい火山砕屑物の一種です。通気性と排水性が非常に優れていてまた保水性も高く、腐敗もしないため繰り返し利用する所が魅力です。この用土がよく利用される植物は多肉・サボテン・洋ラン等があります。
- バークチップ:バークチップは松などの針葉樹の樹皮で作られた用土です。バークチップは種類が豊富でサイズも多岐に渡りますが、基本用土として利用する場合はSやSSサイズの小さなチップが良いでしょう。用土自体は通気性・排水性が高く適度に保水性も保ちます。この用土がよく利用される植物としては洋ランやアンスリウムなどの樹木に着生して育つ植物などです。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。特徴は非常に軽く空気を多く含んでおり、保水性と排水性に優れている所です。水苔と同様に水を含んだ時の膨張と収縮力が高く、通気性が高くなり根張りがよくなります。ただし若干高価です。この用土がよく利用される植物としては、樹木に着生する植物、また土の変わりとして普通の植物にも利用されます。
- 水苔:水苔は、湿地などに生息している苔を乾燥圧縮した資材です。特徴は、保水性・通気性・膨軟性に優れているため、水分管理などが楽になる所などにあります。ただし、水苔は腐敗(分解)しやすい欠点があるため注意です。この用土がよく利用される植物としては主に胡蝶蘭などの着生植物です。
改良用土
- パーライト:パーライトは真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。基本用土の通気性・排水性・保水性の改善に使われたり、また基本用土として使われる事もあります。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。腐葉土の代わりとして用いられることも多いですが、基本的に養分を殆ど含みません。そのため、腐葉土の様に微生物を活性化する力は弱く、無菌のため清潔感があり腐敗しにくく、挿し木や種まき用土に使われたり、屋内の観葉植物の用土として使われたりします。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。特徴は水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットもあるため注意が必要です。
- バークチップ=10
- べラボン=10
- 水苔=10
- 軽石+バーク+ゼオライト=6+4+少量
植え替え
植物を育てていると、培養土が劣化したり、根詰まりを引き起こす事があります。そのため、成長の早さにも左右されますが数年(2年~3年)に一度の頻度で植え替えが必要になります。
根詰まりのサイン
- 成長が悪くなる
- 鉢穴から根が出てきている
- 培養土の乾燥が早い
植え替え方法
- 植え替えに適した時期
- 植え替えの適期は、5月~9月が適しています。
- 植え替え手順
- 植え替えの前日にはしっかり水やりをしておきます。
- 根の回り具合に合わせて、そのままの鉢を使用するか、一回り大きな鉢を使います。
- 古い鉢から株を取り出して、根を優しく解すように、風雨で劣化したり、根の侵食で劣化した古い土を軽く落とします。
- 長い根や腐った根がある場合は、必要に応じて軽く剪定して切り詰めます。
- 鉢の中に新しい培養土と株を入れて植え直します。
- 水を鉢底から溢れる位にたっぷりと与えます。
水やりの仕方
アンスリウム・フーケリーは、基本的にやや湿り気のある土壌を好みます。そのため、土壌の土質や周囲の環境にもよりますが、定期的な水やりが必要です。
注意することは、土壌を極端に乾燥させたり、水分の多い過湿状態に長くしない事です。乾燥は、葉が枯れて変色したり落葉したりして生育不良になる原因となります。また湿り気のある土壌を好むとはいえ、過湿は病原菌が増えて腐敗する原因になったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりの頻度には注意が必要となります。
水やりの頻度と与え方
- 水やりのタイミングは、土の表面が2cm程度乾いてきたら行うといいでしょう。乾燥の確認方法は、土の色の変化を見たり、土の中に指を入れて確認する方法等があります。不安な場合はサスティーを利用すると良いでしょう。
- 水やりの頻度は季節や気候・周囲の環境・土質によっても左右されるため一概ではありません。土壌の状態をみながら水やりを繰り返して、少しづつ掴んでいくと良いでしょう。
湿度
アンスリウム・フーケリーは基本的に高湿度を好む植物です。湿度が低い環境では葉が乾燥して損傷したり、葉が落ちる事があります。綺麗な葉を保つ為にも、高湿度を保つ事が重要になります。
湿度を高める方法一覧
- 霧吹きする
- 植物の葉に直接水を吹きかけることで湿度を上げることができます。週に1回程度の頻度で霧吹きすると良いでしょう。
- 湿らせた布で拭く
- 植物を葉を湿らせた布で拭く事で、葉の乾燥を防いだり、葉に溜まった埃などの汚れを落とす事が出来ます。
- 受け皿に水をためる
- トレイの上に綺麗な小石などを置いて、鉢をその上に設置します。鉢に水が触れないようにトレイの中に水を入れましょう。
- 鉢(鉢土)に直接水が触れるとトレイから水を吸水して培養土が極端に湿ります。培養土がジメジメすると根腐れを引き起こす原因になる事があるため注意してください。
- トレイの水が蒸発することで周囲の湿度が上がる仕様です。
- 加湿器を使う
- 加湿器を使うことで簡単に空気中の湿度を調節することができます。
- 観葉植物をグルーピング
- 観葉植物をグルーピングして近くに置く事で、それぞれの植物が放出する蒸散作用で局所的に湿度が高まり周囲に微気候が形成されます。観葉植物を近くに置くだけのため、比較的に簡単に湿度を上げることが出来ます。
剪定のやり方
アンスリウム・フーケリーの剪定は、花がら摘みと古葉取りを行います。
株を観察して枯れた花・枯れた葉(損傷した葉)があれば、根元から剪定して取り除きましょう。
夏越しする方法
アンスリウム・フーケリーは、それほど夏越しが難しい植物ではありません。基本的な育て方に従えば夏越し対策を特段行う必要はありません。
夏越しで重要なポイント
- 夏場は、直射日光の当たる場所で管理をしない。
- 鉢植えであれば直射日光に当たらない日陰、または十分な照度のある屋内に移動します。
- 地植えであれば直射日光の当たらない場所に植えたり、遮光ネットを利用したりしましょう。
- 土壌が何時までも濡れていてジメジメした状態が続くと、根腐れをして枯れる事があります。
- 土壌の通気性・排水性をよくしておきましょう。
- 乾燥が続くと葉が萎れたり落ちたりする事があります。
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
冬越しする方法
Hardiness:11~12
アンスリウム・フーケリーは寒さに弱いため基本的に屋外での越冬は難しいです。冬越しさせたい場合は、冬越し対策が必要です。
- 鉢植えで育てている場合
- 屋内にいれて日当りのよい環境で管理しましょう。生育適温は18~25度の間にあり、温度が15度を下回ると成長が止まったり低温障害を引き起こす可能性が高まります。そのため、基本的には温度が15度以上ある日当りのよい環境で管理しましょう。
- 地植えしている場合
- 株を掘り起こし鉢植えにして屋内などで管理します。
- 株の掘り起こしが難しい場合は、支柱を立ててビニールを張りトンネルを作ったり、カバーをかけてミニ温室を作って上げるのもひとつの対策になります。
挿し木や株分けで増やす
アンスリウム・フーケリーは挿し木や葉挿し等によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期
- 挿し木する時期は発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土には切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはパーライト・ピートモス・べラボン等などが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 培養土を容器に入れて事前に水をかけて湿らせておきます。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂の採取は葉と葉柄ですることが出来ます。
- 葉と葉柄:適度な長さまたは基部を少し付けてカットします。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。
- 管理
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
株分けの方法
- 株分けに適する時期
- 春
- 株を掘りあげる
- 株をスコップで掘りおこし、土を軽く落として親株と子株の位置を確認します。
- 株を分割する
- 株と株を解しながら、必要に応じてナイフやハサミ等も使い、株に出来るだけ根をつけながら分割しましょう。
- 株分け後の管理
- 切り離した株は、そのまま土壌に植え付けます。
播種で増やす
アンスリウム・フーケリーの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
アンスリウム・フーケリーの病気
アンスリウム・フーケリーの害虫
- アブラムシ
- カイガラムシ
- ハダニ