- 原産:南オーストラリア
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:ブラキカム(Brachyscome)
- 種:アングスティフォリア(Brachyscome angustifolia)
- 別名:スティッフ・デイジー(Stiff daisy)
- 開花時期:4月~11月
- 花の色:桃色●黄色●青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 被覆方法:
- 草丈:約10~30cm
- 株張り:20~60cm
- 誕生花:12月14日
- 花言葉:優美・野生美・いじらしい・可憐な仕草
- 用途:開花期間長い/グランドカバー
- 購入方法:ブラキカム(アングスティフォリア)を楽天で購入
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ブラキカム(アングスティフォリア)とは!?
ブラキカム(アングスティフォリア)の学名はBrachyscome angustifolia、別名では「スティッフ・デイジー(Stiff daisy)」とも呼ばれる南オーストラリアが原産の多年草です。
ブラキカム(アングスティフォリア)の語源(由来)
- 属名のBrachyscomeはギリシャ語で「短い」を意味する「brachys」と、ギリシャ語で「髪の毛」を意味する「kome」の二語で構成されており、種の短い冠毛に由来します。
- 種小名のangustifoliaは「狭い」を意味するラテン語の「angusti」と「葉」を意味する「folia」の2語からなります。
ブラキカム(アングスティフォリア)の特徴(魅力)
- ブラキカム(アングスティフォリア)の特徴は、開花期間が春から秋(真夏は休む)までと長い所、花の数がとても多く散房状に株表面を覆うように花が咲く所、茎が匍匐して立ち上がる性質があるため地被植物として利用出来る所、葉が他のブラキカムと比べて幅広い傾向にある所などにあります。
- 園芸では、草丈が低くて匍匐するように広がる性質があるため、苗を等間隔に並べて、地被植物として利用されることがあります。地被植物にすると、花が株一面に咲くため、花の絨毯のような美しい景観をつくることができます。また開花期間が長い事から、寄せ植え植物としても重宝されます。
- 草姿はこんもりと広がる傾向があり、茎は直立、または傾状で匍匐した後に立ち上がります。そのため、苗を複数準備する必要がありますが、地被植物として利用可能です。
- ブラキカムは踏圧には強くないため、花壇の縁どりや、小道の縁どりなどに利用すると良いでしょう。
- 葉の形は、羽状複葉または羽状浅裂~深裂しており、他のブラキカムと比べると葉幅がやや広めで、ぽっちゃりした可愛らしい見た目をしています。
- 開花期間は春から晩秋頃まで、途中で休みを入れながら、花が咲き続けます。そのため長く花を楽しみたい人におすすめの植物です。
- 花序は複散房花序、花柄は下部ほど長くなる傾向があり株の上部に散房状に花が集まるため、株の表面を覆うように沢山の花が咲きます。
- 開花期になると花蜜を求めて蝶々や花蜂が集まります。そのため、花の周りを元気に飛び回る蜜蜂の姿や、花の周りを優雅に飛び回る蝶々の姿を観察する事が出来ます。
ブラキカム(アングスティフォリア)の草丈は約10~30cm、茎は直立または匍匐した後に直立して倒伏する傾向にあり、茎の色は緑色です。
葉序は互生葉序、葉身の長さ約3~5cm、葉身の形は羽状複葉または羽状浅裂~深裂、裂片は線形または楕円形、葉の色は緑色です。
花序は頭状花序または頭状散房花序、頭状花序は散房状に付き、頭状花序は直径が約1.5~2.5cm、舌状花と筒状花で構成されています。舌状花の形は長楕円形、舌状花の色は紫色・桃色・白色があり、筒状花の色は黄色です。
ブラキカム(アングスティフォリア)の園芸品種の紹介
ブラキカムの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ブラキカム(アングスティフォリア)の育て方
花壇の土づくり
日当り
ブラキカム(アングスティフォリア)は、日向もしくは半日影で育てる事が出来ます。
日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、夏の暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより生育不良を引き起こしやすいです。
そのため、夏の暑さが厳しい地域では西日の当たらない半日影で育てたり、冷涼な地域であれば日向で管理してあげると良いでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
ブラキカムは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは水捌けの悪い場所で育てたり、粘土質な土壌で育てる事です。ある程度の水分を保った土壌で、最もよく成長しますが、水分が停滞するような土壌では根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け時の注意点
- 植付け間隔
- 植付け間隔は15~20cm程度の間隔で離します。
- 植え付け方法
- 植付け方法は標準植えで行います。苗(根鉢)の1.5~2倍の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除き、標準植えで植え付けを行いましょう。
鉢土づくり
日当り
ブラキカム(アングスティフォリア)は、日向もしくは半日影で育てる事が出来ます。
日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、夏の暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより生育不良を引き起こしやすいです。
そのため、夏の間は西日の当たらない半日影で育てて、その他の季節は日向で管理してあげると良いでしょう。
培養土
ブラキカムの培養土は、一般的な草花の培養土を選ぶと良いでしょう。
自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土を作ると良いでしょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
楽天で人気の高い培養土を購入する
- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
ブラキカム(アングスティフォリア)は、乾燥に比較的に耐えますが、やや湿り気のある土壌でよく成長します。
また水分の多い過湿状態が続くと根腐れをおこす事があります。そのため水やりのタイミングは注意が必要です。
地植え
地植えしている場合は、基本的に水やり不要です。ただし、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時には必要に応じて水やりが必要になります。
鉢植え
鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて土の乾燥が早くなるため、通常は定期的な水やりが必要です。
水やりのタイミングは、基本的に土の表面から数cmが乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
肥料の与え方
ブラキカム(アングスティフォリア)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば、肥料を与えなくても育てられます。
肥料は基本的に不要ですが、土壌が砂質で肥沃さがない場合、植物の成長が悪い場合などは必要に応じて肥料を与えましょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 生育期間中に行います。
- 肥料の選び方
- 肥料は化成肥料(固形肥料)、または液肥がおすすめです。
- 肥料の成分はリン酸が多めに入る山型肥料、または窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 液体肥料を規定された分量で希釈して、約10~14日の頻度で、水やりと一緒に液肥も与えましょう。
- 化成肥料(固形肥料)を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
ブラキカム(アングスティフォリア)の剪定は「花がら摘み」と「切り戻し剪定」を行います。
ブラキカムは花がらを残しておくと、種作りを始めやすく、花の数に影響を与えやすいため、気づいた時は花がら摘みをしてあげた方が良いでしょう。
また夏と冬は生育が衰えて株が弱りやすいです。弱った部分を残すと、生産性の低い弱った茎葉に栄養がまわり、生産性の高い新しい茎葉に栄養が回らなくなります。そのため、出来るだけ切り戻し剪定も行った方が良いでしょう。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みのメリット
- 種を作るエネルギーが、花に向かうため、花の数が増えたり、開花期間が伸びたり、株の寿命が伸びるなどします。
- 種が作られないため、こぼれ種による雑草化を防ぐ事が出来ます。
花がら摘みのやり方
ブラキカムの花がら摘みのやり方は、色褪せたり外観が崩れた花を、花柄の下からハサミで剪定して摘み取ります。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎたりした茎などを、茎の途中で剪定して形を整える剪定方法です。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 夏頃に行います。
- 早春と夏の剪定
- 枯れた茎・古い茎・病気の茎・弱々しい茎などは、根元から剪定するか、健康な部分まで切り戻し剪定しましょう。
- 株全体を観察して、株が弱っていると感じる場合は、株の半分程度を目安に切り戻し剪定しましょう。
夏越しする方法
ブラキカム(アングスティフォリア)は、夏の暑さと強い日差しを少し苦手にしており、夏場は株が弱ったり、ボロボロになりやすい傾向にあります。
そのため、夏の暑さが厳しい地域では、夏越し対策をしてあげた方が良いでしょう。
夏越しで重要なポイント
- 夏場は、西日の当たらない半日影で育てた方が、株が弱りにくいです。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりすると株が弱りにくいです。
- 土壌が何時までも濡れていてジメジメした状態が続くと、根腐れをして枯れる事があります。
- 土壌の通気性・排水性をよくしておきましょう。
- 乾燥が続くと葉が萎れたり落ちたりする事があります。
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
- 半日影などの乾燥しにくい環境で管理するのもひとつの対策になります。
冬越しする方法
Hardiness:9~11
ブラキカム(アングスティフォリア)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地や平地であれば地植えでも冬越し出来る事があります。ただし基本的に霜や凍結に弱いため、冬越し対策を行った方が良いでしょう。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、霜が降りる前に霜対策として不織布などを被せます。
- また霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
播種で増やす
ブラキカム(アングスティフォリア)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:約14~21日
発芽条件:
- 種まきの時期
- 3月~4月頃または9月~10月頃に行います。
- 土の準備
- ピートバンや種まき専用の培養土などを準備しておくと失敗が減るでしょう。花壇の土に撒くことも可能です。
- 種の撒き方
- 種は重ならないように、土の上に点まき、または条まきします。
- 種を指で軽く押し込み、土との密着させて、上から土を軽く被せます。※鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくします。
- 種まき後の管理
- 種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。