- 原産:中央アメリカ/南アメリカ
- 科:オオバコ(Plantaginaceae)
- 属:アンゲロニア(Angelonia)
- 種:アングスティフォリア(Angelonia angustifolia)
- 別名:ホソバアンゲロンソウ/エンジェルラベンダー/サマースナップ(summer snapdragon)/ナローリーフアンゲロニア(Narrowleaf Angelon)
- 開花時期:5月~11月
- 花の色:赤色●桃色●青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約30~60cm
- 誕生花:
- 花言葉:過去の恋人/片思いの恋人
- 用途:開花期間長い
- 庭のスタイル:エレガントガーデン/モダンガーデン
- 購入方法:アンゲロニアを楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アンゲロニアとは!?
アンゲロニアは学名Angelonia angustifolia、別名では「ホソバアンゲロンソウ」や「サマースナップ(summer snapdragon)」等とも呼ばれる中央アメリカおよび南アメリカが原産の多年草です。
アンゲロニアの語源(由来)
- 属名のAngeloniaは、おそらくギリシャ語で「使者」「天使」を意味する「angelos」からきており、花の美しさに由来します。
- 種小名のangustifoliaは「狭い」を意味するラテン語の「angusti」と「葉」を意味する「folia」の2語からなり、アンゲロニアの葉の幅が狭い事に由来します。
アンゲロニアの特徴(魅力)
- アンゲロニアは、開花期間が長い所や、花が終わると自ら枯れた花を落とすため花がら摘みがいらない所、行儀よく成長する習慣があるところ等が特徴の植物です。
- 草姿は直立、茎は殆ど横に倒れることなく垂直に伸びるため、雑多な印象を与えず洗練された雰囲気を作ります。
- そのため花壇の中で高さや立体感を出しやすく、また行儀よく成長するためエレガントガーデンなどによく合います。
- アンゲロニアは葉が細いため、雑多な印象を与えにくく洗練された雰囲気を作ります。
- 葉が繁茂しないため、他の植物と組み合わせやすく、寄せ植えなどで重宝します。
- 開花期間がとても長く、夏の間も休むことなく晩春から秋まで花が咲くため、長く花を楽しみたい人におすすめの植物です。
- 花は上に向かって成長しながら次々と花を咲かせます。また自ら花を落とす自浄作用があるため、基本的に花がら摘みをする必要がありません。ただし剪定をしないと間延びするため必要に応じて茎を切り戻し剪定する方が良いでしょう。
- 花は雨等で腐敗したり汚れたりしにくいため、清潔感のある外観を保ち続ける事が出来ます。そのため、屋外の花壇に使いやすい植物になります。
- アンゲロニアは花の色が豊富にあるため、お庭の雰囲気に合わせてエレガントガーデンであれば紫色の花を選んだり、ロマンチックガーデンであれば桃色の花を選んだりする事が可能です。
- アンゲロニアの仕立て方には「花壇の縁取り」「寄せ植え」等があります。
- 花壇の縁取りとは、花壇の外縁に沿って、または花壇の外縁を作るように、草丈の低い植物を並べて植えて、花壇外縁のデザインを作る方法です。花壇の中に統一感やリズムを作り、美しい景観を作り出す事が出来ます。
- アンゲロニアは花壇の縁取りに向いています。何故なら、草姿が直立で行儀がよく、草丈も低く抑えられており、また開花が長いため長期間に渡り花壇の縁取りとして働く事が出来るからです。ただし横にあまり広がらないため必要な株の数が多くなる事があります。
- 寄せ植えとは、鉢の中や花壇の中に異なる種類の植物を密植するように植えて、狭い空間の中に形と色の変化を作り、美しくデザインする植栽方法です。寄せ植えはデザインによってお庭の雰囲気に統一性を出したり、季節を感じさせたりする事が出来ます。
- アンゲロニアは寄せ植えに非常に使いやすい植物です。何故なら、草姿の行儀がよく葉が細いため他の植物と組み合わせてデザインしやすく、また開花期間が長いため長期間に渡り寄せ植えが楽しめるからです。
- 花壇の縁取りとは、花壇の外縁に沿って、または花壇の外縁を作るように、草丈の低い植物を並べて植えて、花壇外縁のデザインを作る方法です。花壇の中に統一感やリズムを作り、美しい景観を作り出す事が出来ます。
アンゲロニアの草丈は30(~60)cm、草姿は直立、茎は直立、分枝は殆どなく、茎の色は緑色です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~8)cm、葉身の形は披針形または狭楕円形、葉のふち部分に鋸歯があります。
花序の総状花序、総状花序は節ごとに1個の花を付けます。花冠の大きさは約2cm、花冠の形は唇形花、唇形花は中央の筒部が大きく開き裂片は5個、花の色は赤色・桃色・青色・紫色・白色があります。
果実は分離果(1個の雌蕊が複数の子房を持っており、熟すと各心皮に離れて縦に割れ各部が分離する果実をいいます。分離した果実は分果と呼ばれます)で、分離果は4個の分果になります。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)です。
アンゲロニアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アンゲロニアの育て方
花壇の土づくり
日当り
アンゲロニアは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が六時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が三時間から五時間までの半日影迄で育てる事が可能です。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
アンゲロニアは、通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、通気性と保水性のバランスが良い土壌に改善して、腐葉土等の有機物を入れて肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アンゲロニアは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が六時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が三時間から五時間までの半日影迄で育てる事が可能です。
培養土
アンゲロニアは、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
アンゲロニアは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
鉢植え
アンゲロニアを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
アンゲロニアは、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。花壇の中の土壌が極端に栄養が乏しい状態だったり、鉢植えなど培養土の劣化や栄養が無くなるのが早い環境で育てている場合は、必要に応じて肥料を与えましょう。
肥料が多すぎると葉が大きくなったり葉の数が増えて、花が犠牲になるため注意が必要です。
元肥の与え方
- 元肥は苗の植え付け時に与える肥料の事です。
- 肥料の選び方
- 肥料は肥効が長く続くマグアンプや緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分はリン酸が多めに入る山型肥料、または窒素・リン・カリがバランスよく入る水平型肥料を選びましょう。
- 元肥の与え方
- 元肥は苗を植え付ける前の土壌に肥料を入れて、均一に混ぜこみます。
追肥の与え方
- 追肥は春から秋の生育期間中に与えます。
- 追肥は肥効が緩やかで長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
剪定のやり方
アンゲロニアは、行儀よく成長する習慣があり、花も自ら落とすため剪定しなくても育てられます。ただし外観を整えたり茎の数を増やす目的で「摘芯」や「切り戻し剪定」をする事が出来ます。
摘芯
摘芯とは、成長の早い段階で、植物の苗の成長点を指で摘むかハサミを使い切り取って、分枝を促す方法です。
摘芯仕立てのメリット
- 茎の数が増えてふさふさとボリュームのある草姿になる。
- 草丈が抑えられるためコンパクトに管理出来る。
- 茎の数が増えるため、花の数が増える。
摘芯仕立てのデメリット
- 草丈が低くなるため花壇の背景として使いにくくなったり、切り花の茎の長さが足りなくなる可能性がある。
- 花が小さくなる可能性がある。
- 茎の数が増えて繁茂するため多湿になる可能性がある。
切り戻し剪定とは!?
切り戻し剪定とは、長く伸びすぎて外観を崩していたり、病気になっていたり、弱っている茎を、茎の途中で剪定して形を整える方法です。
切り戻し剪定のメリット
- 茎の成長を制御したり、間延びした茎を剪定するため外観を整えることが出来ます。
- 剪定によって頂芽優勢が崩れるため、分枝が促されて茎の数と花の数を増やす事が出来ます。
- 古い茎は成長が衰えていたり生産性が悪くなっている事があります。剪定する事で株の若返りをはかり生産性を高める事が出来ます。
- 病気の茎は、健康な部分にも病気を広げるため、剪定して取り除く事で病気の蔓延を防ぐことが出来ます。
- 茎の数や葉の数を剪定で減らす事で、日当たりと風通しが改善するため、多湿の予防と病害虫の発生の抑制に効果があります。
切り戻し剪定のデメリット
- 花芽を落とす事があるため再開花までに時間がかかることがあります。
- 切り戻し剪定の量が多すぎたりすると、植物に強いストレスがかかり成長が止まる事があります。
- 剪定の仕方によっては外観を崩す場合があります。
- 病気の感染ルートになる可能性があります。
切り戻し剪定のやり方
アンゲロニアの切り戻し剪定の時期は生育期間中であれば何時でも行えます。基本的には茎が間延びしてきて外観が悪いなと感じたり、病気の茎や枯れた茎、弱々しい茎を見つけた時に行いましょう。
切り戻し剪定のやり方は、茎の半分から2/3を目安にして剪定ハサミで剪定して取り除きます。病気の茎や枯れた茎などは、茎の根元または健康な部分の上で剪定しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:9~11
アンゲロニアは軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えでも冬越し出来る可能性があります。ただし基本的に寒さと霜に弱いため冬越し対策を行った方が良いでしょう。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、霜が降りる前に霜対策として不織布などを被せます。
- また霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
播種で増やす
アンゲロニアの種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:20度~25度
発芽日数:5日~10日
光条件:
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。