- 原産:ヨーロッパ/アジア
- 科:クマツヅラ(Verbenaceae)
- 属:バーベナ(Verbena)
- 種:オフィキナリス/クマツヅラ(Verbena officinalis)
- 別名:バーベナ・オフィキナリス/コモン バーベイン(common vervain)/コモン バーベナ(common verbena)/ピジョングラス(pigeon grass)/シンプラーズ ジョイ(simpler’s joy)
- 開花時期:6月~9月
- 花の色:桃色●紫色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約50~80cm
- 用途:背が高い花/ナチュラルガーデン
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
クマツヅラとは!?
クマツヅラは学名Verbena officinalis、別名では「バーベナ・オフィキナリス」や「コモン バーベイン(common vervain)」等とも呼ばれるヨーロッパ及びアジアが原産の多年草です。日本では本州・四国・九州に分布しており野原や道端等に自生しています。
クマツヅラの語源(由来)
- 属名のVerbenaは、ラテン語で宗教的な儀式で使用される神聖な植物の「葉」または「小枝」を意味しており、またインド・ヨーロッパ祖語で「回す」「曲げる」を意味する「werb」に由来します。
- 種小名のofficinalisは、ラテン語で「薬用の」を意味しており、古くから薬用植物として利用されてきた事に由来しています。
クマツヅラの特徴(魅力)
- クマツヅラは、古典期の時代から神や伝承などに関連付けられて聖なる草として扱われており予言や占い、魔除の草などに利用されていました。
- また古くから薬用植物としても利用されており、薬用植物としては葉の部分を使って、ハーブティーや蒸留酒をつくり、飲用されます。
- 草姿は直立、地面下に短い地下茎があり、茎が何本も伸びるため、群生するような草姿をつくる事があります。
- 開花期間は初夏から初秋、花序は穂状花序で疎らに小さな花がつきます。
- クマツヅラは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です
クマツヅラの草丈は50(~80)cm、地面下に短い地下茎があり、草姿は直立、茎は断面が四角形、茎の色は緑色、茎には短毛が生えています。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉柄はあり、葉身の長さ約3.5(~8)cm、幅は約1(~3.5)cm、葉身は楕円形(~狭楕円形)または羽状浅裂か羽状中裂して、葉のふち部分には鋸歯があります。
花序は穂状花序、穂状花序は長さ約10(~20)cm、花軸に花柄がなく花が穂状に並びます。花冠は高杯形、高杯形花冠は花弁が合着しており筒部が長く先端が皿状に開きます。花冠の裂片は5個、裂片は上部の2個が小さく下部の3個が大きい、花の色は紫色または桃色、雄蕊は4個あります。
果実は分離果(1個の雌蕊が複数の子房を持っており、熟すと各心皮に離れて縦に割れ各部が分離する果実をいいます。分離した果実は分果と呼ばれます)、分離果は4個の分果になります。
クマツヅラの園芸品種の紹介
バーベナの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
クマツヅラの育て方
花壇の土づくり
日当り
クマツヅラは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また、半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事も出来ますが、花数が少なくなります。
土壌の土質
クマツヅラは通気性と排水性がとても良く、適度に保水性のある土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
クマツヅラは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また、半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事も出来ますが、花数が少なくなります。
培養土
クマツヅラは、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
クマツヅラは短期的な乾燥に耐える事が出来ますが、やや湿り気のある土壌を好みます。そのため雨が長く降らず乾燥が続く場合はしっかり水やりを行い、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
クマツヅラは肥料が無くても育てられます。基本的に多くの肥料を必要とせず、肥料がなくても育てられますが、春からの強い成長を促す目的で、晩冬から早春に一度だけ肥料を与えても問題ありません。
肥料と堆肥の与え方
- 晩冬から早春に与える肥料
- 肥効が必要な栄養成分がしっかりはいっており非常に肥効が長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分は山型肥料(リン成分が多く入る)または水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料は株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
剪定のやり方
クマツヅラは、開花が終わる晩夏または初秋頃に、花がら摘みを行い、こぼれ種を出さないようにしましょう。
夏越しする方法
クマツヅラは夏の暑さに強いため基本的に夏越し対策は不要です。ただし、乾燥をやや苦手にしているため、水やりはしっかり行って下さい。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
クマツヅラは、耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
クマツヅラは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- クマツヅラの挿し木時期は晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう
播種で増やす
クマツヅラの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:約15日~
光条件:嫌光性
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上にしっかり土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
クマツヅラの病気
- うどんこ病
- 根腐れ病
クマツヅラの害虫
- ハダニ