- 原産:メキシコ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:サルビア/アキギリ(Salvia)
- 種:インボルクラータ(Salvia involucrata)
- 別名:ローズリーフセージ(roseleaf sage)
- 開花時期:7月~11月
- 花の色:桃色●
- 葉の色:緑色●赤色●
- 分類:多年草
- 草丈:約100~150cm
- 誕生花:10月5日/11月5日/12月18日
- 花言葉:知恵/尊敬/家族愛/良い家族/燃える思い
- 用途:
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サルビア(インボルクラータ)とは!?
サルビア(インボルクラータ)は学名Salvia involucrata、別名では「ローズリーフセージ(roseleaf sage)」とも呼ばれるメキシコが原産の多年草です。
サルビア(インボルクラータ)の語源(由来)
- 属名のSalviaの語源は、ラテン語で「安全」「健康」「安心」を意味する「salvus」や、ラテン語で「賢者(sage)」を意味する「salvia」や、ラテン語で「安全にする」「健康にする」等を意味する「salvere」等からきています。
- 種小名のinvolucrataは、ラテン語で「(植物の)総苞」を意味する「involucrum」からきており、花の形に由来しています。
サルビア(インボルクラータ)の特徴(魅力)
- サルビア(インボルクラータ)は、花序の頂部にある蓮の蕾のような可愛らしい苞の集まりと、金魚のような丸みのある花が特徴的な植物です。
- 草姿はブッシュ状、茎は直立して分枝は斜上に伸びます。
- 宿根のため冬になると地上部の大部分が枯れてしまい、春に新しい芽を出して成長を始めます。
- 茎の色は緑色、または赤みを帯びるか赤色をしています。
- 葉は緑色ですが、ほんのり赤みを帯びているため温かさを感じさせる色合いをしており、葉脈や葉柄は赤色です。
- 花はシソ科でよく見られる唇形花、唇形花は節に三個または複数の花が付き、花には花弁のような美しい苞が三個の花を保護するようについています。
- 苞は開花が進み花が咲くと直ぐに落ちる早落性がありますが、花序の先端には開花前の花が集まっているため、苞は何枚も重なり、蓮の蕾のような可愛らしい外観の花姿が楽しめます。
- 花(唇形花)は、最大の長さが5cmと大きく、他のサルビアと比べると巨大です。また花の形は筒部が膨らみ、上唇と下唇が短いため、金魚の膨らみとお口を想像させます。
- 桃色の花は「女性的」「優しさ」「柔らかさ」「可愛らしさ」等をイメージさせる色です。そのため、女性的で可愛らしい印象を与えるロマンチックガーデンなどにおすすめする植物になります。
- サルビア(インボルクラータ)は多年草(宿根草)のため、冬になると地上部が枯れますが、丈夫で育てやすい植物です。
サルビア(インボルクラータ)の草丈は約50(~150)cm、草姿はブッシュ状、茎は直立、分枝は斜上します。茎の色は緑色または赤みを帯び、茎の断面は四角形です。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉の葉脈は赤色、葉身の長さ約5(~10)cm、葉身の形は卵形、葉のふち部分に鋸歯があります。
花序は輪散花序、各節に3個または多数の花と、1個の苞が付きます。花軸は赤色または赤紫色です。苞の形は卵形で外側に膨らみ、苞の色は桃色、苞は3個の花を保護しており花の開花が進むに連れて早落する。
萼の形は鐘形、萼の色は緑色・赤色・桃色です。花冠の長さ約5cm、花冠の形は唇形花、唇形花は中心部が壺状に膨らむ傾向がある2唇形、2唇形は上唇と下唇があり、上唇は丸みを帯び全体に毛が生えており、下唇は垂れて裂片が3個、花冠の色は桃色です。
サルビア(インボルクラータ)の園芸品種の紹介
サルビアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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サルビア(インボルクラータ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
サルビア(インボルクラータ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が六時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が三時間から五時間までの半日影迄で育てる事が可能です。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
サルビア(インボルクラータ)は、湿った土壌よりも乾燥気味の土壌を好みます。そのため、通気性と排水性が良く、適度に肥沃な土壌で育てましょう。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がとてもよく、適度に肥沃な土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
サルビア(インボルクラータ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため、基本的には直射日光が六時間以上当たる日向で育てましょう。また直射日光が三時間から五時間までの半日影迄で育てる事が可能です。
培養土
サルビア(インボルクラータ)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
サルビア(インボルクラータ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
鉢植え
サルビア(インボルクラータ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
サルビア(インボルクラータ)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。花壇の中の土壌が極端に栄養が乏しい状態だったり、鉢植えなど培養土の劣化や栄養が無くなるのが早い環境で育てている場合は、必要に応じて春に堆肥を入れたり、春に一度だけ肥料を与えましょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 株分けや植え替えを行う時に土壌改良して植え直しても問題ありません。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
追肥の与え方
- 肥料は肥効が長く土壌改良効果も期待できる有機肥料(配合肥料や油カス等)、または肥効が長く肥料成分が多く入っている緩効性肥料を選びましょう。
- 有機肥料を与える場合は、土に剥き出しにすると分解が遅くなったり、虫が寄ってくる事もあるため、基本は土の中に埋めます。株元から少し離れた場所(葉先の下に新しい根があり肥料の吸収効率が最も良い)に穴を掘り肥料を埋めましょう。※地面にそのまま置き肥する場合もあります。
- 緩効性肥料の場合は、株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
剪定のやり方
サルビア(インボルクラータ)は、冬になると地上部が枯れます。そのため、春に枯れた茎を根元から剪定して取り除きます。
枯れた茎を取り除く事で、株元に日が当たり成長を促進します。また邪魔な茎が取り除かれる事で、新芽が伸び伸び成長する空間を作る事が出来ます。
夏越しする方法
サルビア(インボルクラータ)は夏の暑さに耐えますが、多湿が続くと根腐れなどを引き起こして株が弱ったり枯れる事があります。特に暑さと多湿が組み合わさる高温多湿は、複合ストレスと真菌などの病原菌の影響で株が弱りやすいため注意が必要です。
夏越し対策
- 雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は雨に当たらない軒下などの場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は難しいですが、長雨が続く場合は花壇に雨避けを作ったり、雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 日光がよく当たる場所
- 太陽の直射日光が6時間以上当たる場所が理想です。日当たりの悪い場所では土壌がいつまでも乾燥せず、ジメジメとした環境が続き、病気になりやすくなります。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかりおこないましょう。水捌けの悪い土壌では、水分が何時までもほじされてしまいジメジメした環境が続き、根腐れを引き起こしやすくなります。
- 多湿を改善しましょう
- 風通しのよい場所で管理しましょう。周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると、空気が停滞してしまい、湿気が溜まり、真菌(カビ)などが繁殖して病気になりやすくなります。風通しよく改善しましょう。
- 春からの強い成長で、茎葉が繁茂して、日当たり・風通しが悪くなっている場合は切り戻し剪定を行いましょう。※切り戻し剪定に関しては剪定の方法からご覧下さい。
- 泥跳ね対策を行う
- 泥はね対策として、バークチップを株元に敷きましょう。土壌には沢山の菌や細菌がいて、植物に悪影響を与える病原菌も存在します。激しい雨で、泥が跳ねて、病原菌がついた泥が葉につくと、病原菌が気孔から入ったり、また弱い部分から腐食させて病気を引き起こす可能性があります。大切な株を守るために対策しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:8b~10a
サルビア(インボルクラータ)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで越冬させる事が可能です。ただし長く霜が続いたり、強い霜が降りると枯れてしまう事があるため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、霜が降りる前に霜対策として不織布などを被せます。
- また霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。