


- 原産:アルゼンチン/ブラジル/パラグアイ/ペルー/ボリビア
- 科:カタバミ(Oxalidaceae)
- 属:オキザリス/カタバミ(Oxalis)
- 種:トリアングラリス(Oxalis triangularis)
- 別名:ムラサキノマイ/インカノカタバミ/偽シャムロック(false shamrock)/ラブ・プラント(Love plant)/パープル シャムロック(Purple Shamrock)
- 開花時期:3月~10月(4月~6月の開花が最も多い)
- 花の色:白色・薄い桃色・薄い紫色
- 葉の色:緑色・紫色・暗紫色・黒色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約10~35cm
- バイオーム:熱帯雨林・亜熱帯湿林・亜熱帯乾燥林・サバンナ など
- 誕生花:1月15日/10月1日
- 花言葉:喜び/輝く心/母の優しさ/決してあなたを忘れません
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/グランドカバー/観葉植物/球根植物/日陰植物/ロックガーデン
- 購入方法:オキザリス・トリアングラリスを楽天で購入
■オキザリス・トリアングラリスとは!?
オキザリス・トリアングラリスの学名は Oxalis triangularis 、別名では「ムラサキノマイ」「インカノカタバミ」「偽シャムロック(false shamrock)」「ラブ・プラント(Love plant)」「パープル シャムロック(Purple Shamrock)」とも呼ばれる多年草です。
オキザリス・トリアングラリスの原産地はアルゼンチン・ブラジル・パラグアイ・ペルー・ボリビアにあり、自生地は小川近くの岩間や林縁などにあります。
■オキザリス・トリアングラリスの語源(由来)
- Oxalisの由来:古代ギリシャ語で「酸」「酸っぱい」を意味する「ὀξαλίς (oxalís)」から来ており、葉を食べた時に酸味が感じられる所に由来します。
- triangularisの由来:ラテン語で「三角の」「三角形の」を意味しており、葉の形に由来しています。
■オキザリス・トリアングラリスの特徴(魅力)
- 近縁種との比較:オキザリス・トリアングラリスは他の近縁のオキザリス属の種と比べて幾つかの変わった個性的な特徴をもってます。例えば、葉を構成する小葉が三角形をしている所、葉の色が綺麗な紫色をしている所、地面下に根茎があり葉を叢生させる所、根茎は鱗片葉が形成されていて松かさのような見た目をしている所などにあります。
- 花の特徴:花序は散形花序または集散房花序になり、花茎の節間が長い個体では集散花序になる。花冠の形状は漏斗形をしていて、花弁が5枚ついている。花の色は白色・薄い桃色・薄い紫色の範囲であります。
- 葉の特徴:葉は根茎から発生しており、葉の概形は3出複葉、小葉は倒三角形で先端に小さな切れ込みがある。葉の色は暗紫色・紫色・黒色の範囲があり、葉の中に三角形状の明るい紫色の班が入る事もある。
- 傾性運動:オキザリス・トリアングラリスの葉は、葉の基部の細胞の膨圧の変化により、光量の多い日中に葉が開いて、夜間の光量が少ない時間帯は葉が閉じる性質があります。
- 草姿:叢生型になり根茎から葉(葉柄)・花(花茎)が伸びて、地上茎はない。草丈は開花期になると花茎が最大35cmにまで伸びる。
- 鑑賞目的:オキザリス・トリアングラリスは紫色の葉・桃色の花を鑑賞する目的で栽培されます。紫色の葉は貴族を象徴するような色であるため、高貴さや上品さを感じさせるカラーリーフとなり、また桃色の花が上品さの中に可愛らしさを感じさせます。
- 地被植物:オキザリス・トリアングラリスは根茎で緩やかに地面を広がり叢生するため、草丈が低めの地被植物(グランドカバー)として利用できます。紫色の葉が絨毯のように広がるため、装飾性もかなり高い所が魅力です。
- 寄せ植え:オキザリス・トリアングラリスは鉢植えの地面を覆う寄せ植え素材として利用することが出来ます。ただし、成長が進むと根茎が広がり他の植物の成長を阻害する事もあるため注意が必要です。
- インドアグリーン:オキザリス・トリアングラリスは明るい日陰でも育てられて、また高温や低温から守る事で休眠を避けられるため、屋内ので楽しまれる事も多い植物です。※成長に必要な照度のレベルについては鉢土を参考にしてください。
- シェードガーデン:耐陰性があるため、間接光しか入らないような明るい日陰でも育てることが可能です。
- ロックガーデン:オキザリス・トリアングラリスは自生地が小川近くの岩間にある事からも分かる通り、岩隙植物として岩の隙間などに植えてそだてることができます。
■オキザリス・トリアングラリスの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約10~35cm
- 生育型:叢生型で、地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)する。
- 茎の種類:根茎※地上茎がない
- 根茎:普通の根っこのように見える地面下にある茎です。
- 尾状地下茎(scaly Rhizome):地下茎の先端で鱗片葉が形成されて、松かさのような見た目となっている。
- 根茎:普通の根っこのように見える地面下にある茎です。
●葉の形態

- 葉序:根生葉
- 葉柄:有柄
- 葉柄の長さ:約12~20cm
- 葉身の概形:三出複葉
- 小葉の長さ:約2~5cm
- 小葉の概形:倒三角形※先端に切れ込みがある
- 葉の色:紫色・暗紫色・黒色
●花の形態

- 花序:散形花序・集散花序※節間が長い個体だと集散花序になる。
- 輪散花序の花の数:約1~9個
- 花茎の長さ:約15~35cm
- 苞:花序の基部にある。
- 花:花托・萼・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 萼の概形:萼片が鐘形に集まる
- 萼片の数:5枚
- 萼片の形:狭披針形
- 萼筒の色:緑色
- 花冠:花弁が漏斗形に集まっている
- 花弁の数:5枚
- 花弁の形:倒披針形・楕円形
- 花弁の長さ:約1.5~2.2cm
- 花弁の色:白色・薄い桃色・薄い紫色
- 雄蕊:五強雄ずい※雄蕊10本のうち5本が長い。
- 雌蕊:1本※柱頭は5個ある。
- 萼の概形:萼片が鐘形に集まる
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■オキザリス・トリアングラリスの園芸品種を紹介
紫の舞
学名:Oxalis triangularis cv.
花の色:薄い桃色
葉の色:鮮やかな紫色
草丈:約10~20cm
備考:葉の色が色鮮やかな明るい紫色、花の色が桃色をしていて、上品さの中に可愛らしさを感じさせる品種です。
■オキザリス(カタバミ)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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■オキザリス・トリアングラリスの育て方
花壇の土づくり
バイオーム
オキザリス・トリアングラリスのバイオームは、熱帯雨林・亜熱帯湿林・亜熱帯乾燥林・サバンナなどにあります。
これらのバイオームは、気温が年間を通して暖かで、降水量は場所によりかわり熱帯雨林・亜熱帯湿林の降水量が多くて、亜熱帯乾燥林・サバンナは降水量が少ない、土壌は場所によりかわりますが基本的に砂質で痩せている傾向がある。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
日当り
オキザリス・トリアングラリスは、半日影・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。
日光のよく当たる場所でよく成長して沢山の花を咲かせますが、強光や乾燥などの複合的なストレスにより、葉焼けなどの生育不良を引き起こしやすいため注意が必要です。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば幅広い土壌に適応します。そのため土質は砂壌土・壌土あたりにした方が良いでしょう。
- 肥沃さ:肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(黒土・腐葉土など)を入れて土壌の物理性・生物性・化学性などを改善してあげるとよいでしょう。また堆肥を入れることで保水性も改善されます。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
日当り
オキザリス・トリアングラリスは、半日影・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます
日光のよく当たる場所でよく成長して沢山の花を咲かせますが、強光や乾燥などの複合的なストレスにより、葉焼けなどの生育不良を引き起こしやすいため注意が必要です。
屋内で育てる場合
- 照度のレベル:中程度の照度があれば育成できます。光が少なすぎると、生き残りますが葉柄が長くなって倒伏したり、葉の量がへったりするため注意が必要です。
- 屋内の場所:直射日光または間接光が当たる窓辺が理想です。ただし南向きの窓は夏場の直射日光で葉焼けする事もあるため、窓から少し離した場所で管理した方が良いかもしれません。また植物育成ライトを活用すれば窓から離れた場所でも育成可能です。
照度のレベル
- 弱い照度:500~2500lux
- 中程度の照度:2500~10000lux
- 高程度の照度:10000~20000lux
- 強い直射日光:20000~100000lux
※照度(lux)を調べる方法は、携帯のアプリや照度計などがあります。携帯のアプリでも手軽に調べられますが、詳しく調べたい方は楽天に売ってある照度計を利用すると良いでしょう。
※照度が少ない場所で育てたい場合は楽天に売ってある植物育成ライトを利用してみるとよいかもしれません。植物育成ライト以外の人工的な照明の光には光合成に必要な波長が僅かにしか含まれない事があるため、十分の照度あると思っても植物がしっかり育たない事もあるため注意が必要です。
培養土
培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 植物の好む環境に合わせて通気性・ 排水性・保水性のバランスを考えた用土の構成にする。
- 堆肥は土壌の物理性を改善して根張りをよくするだけでなく、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、腐葉土などの堆肥をしっかり入れて植物の生育を促進しましょう。
- 鉢植えを移動する場合を考えて比重の軽い用土を利用したり、植物が倒れる可能性も考えて比重の重めの用土を選んだりする。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を利用したり、植物の呼吸や成長を考えて通気性がしっかり保てる用土を選んだりする。
培養土の配合例
- 草花
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土 +元肥=6:4:適量
- 赤玉土 +黒土 + 腐葉土 + 元肥 = 3:4:3:適量
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土 +元肥=4:2:4:適量
- 日向土(細粒・小粒)+ピートモス+くん炭 +元肥=5:4:1:適量
鉱石の土壌改良用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
有機物の土壌改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
オキザリス・トリアングラリスは一般的な植物と同様に乾燥と湿潤の繰り返しを好みます。
土壌の中で乾燥と湿潤を繰り返すことで、植物の根は水を求めて深くまで張るようになります。根張りがしっかりとした株は、栄養と水分の吸収力が高まり株が大きく丈夫に育つため、水分の管理はとても大切です。
注意する事は、極端に過湿状態にしてしまうことです。過湿が続くと根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になります。そのため、水やりする頻度などには注意が必要となります。
水やりのタイミング
生育期間中は生育旺盛でたくさんの水を必要とするため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水を与えます。
夏や冬に休眠することがあります。休眠中に水を与えると根腐れを起こして株がなくなるリスクが高まるため、水やりを控えて、乾かし気味に管理して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
オキザリス・トリアングラリスは、土壌に十分な肥沃さがあれば基本的に肥料は不要です。
土壌の状態に合わせて早春に一度だけ株の周りに堆肥を入れて上げたり、有機肥料や緩効性肥料を入れて上げるとよいでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
肥料の与え方
- 芽出し肥:早春から春頃に新芽が動き出す前に、発芽の促進や初期の成長を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
冬越しする方法

Hardiness:8~10
オキザリス・トリアングラリスは低温になると休眠状態になります。
休眠中は地上部が枯れますが、軽い霜には耐えられます。ただし個体によってはHardiness zone 8に耐えられずに枯れる事があるため、霜対策を行って育てた方が無難でしょう。
また冬季の雨は少ないですが、休眠中にジメジメした環境が続くと根腐れを引き起こしやすいため、注意が必要です。
冬越し対策一覧
- 軒下に移動する:植物を植えている鉢植えを軒下に移動する事で、霜を避けることができます。霜があまり降りない地域であれば、霜を避けるだけで冬越し出来ることもあります。
マルチング:株の周囲にマルチング資材を入れて株元と根を保護する。根を凍結や霜から守ったり、乾燥対策になったりします
- 方法:霜が降りる前の11月頃に行います。バーク堆肥や藁などのマルチング資材を準備します。育てている植物の周りに、マルチング資材を5~8cmほどの厚みになるように入れます。
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。
- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
屋内に取り込む:植物を建物の中になります。冬の屋内は屋外と比べて温度が高く植物が凍結するリスクもありません。ただし屋内は太陽光が当たらないため、明るさなどには注意が必要になります。植物を窓辺で管理したり、植物育成ライトを活用して、植物が弱らないよう管理することが大切になるでしょう。