アストランティアは属の中に約11種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、最も園芸品種が多く様々な花色があり宝石の様な美しい花とロゼット状に広がる葉が魅力的なアストランティア(マヨール)、マヨール種よりも花が大きく存在感が高いアストランティア(マキシマ)等が親しまれています。
アストランティア属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
アストランティアの主な種の目次
![]() 開花時期:5月~9月(6月~7月に最も開花) | ![]() 開花時期:5月~9月(6月~7月に最も開花) |
アストランティア(マヨール)の特徴や園芸品種

原産:ヨーロッパ/西アジア
学名:Astrantia major
草丈:約60~90cm
分類:多年草
開花時期:5月~9月(6月~7月に最も開花)
花色:赤色●桃色●紫色●緑色●白色〇
葉色:緑色●黄色●白色〇
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:5月29日/6月6日/6月24日
花言葉:知性/愛の渇き
用途:カラーリーフ/グランドカバー/切り花
特徴:アストランティア(マヨール)は学名Astrantia major、別名「グレート・マスターワート(great masterwort)」や「グレーター・マスターワート(greater masterwort)」とも呼ばれるヨーロッパと西アジアを原産とする多年草です。
アストランティア(マヨール)の語源(由来)
- 属名のAstrantiaはギリシャ語で「星」を意味する「aster」からきており、星を思わせる様な形をした花弁(総苞)に由来します。
- 種小名のmajorはラテン語で「より大きい」を意味しており、近縁のアストランティア・マイナー(Astrantia minor)と比べてアストランティア・マヨール(Astrantia)の方が大きい事に由来します。
アストランティア(マヨール)の特徴(魅力)
- アストランティアの花は「ピンクッション(針山)」等に例えられており個性的で綺麗な形をしています。
- 花は花弁の様な形をした10~20個の総苞片と中央に直径約0.1cmの小さな花がドーム状に集まります。
- 花はしばしば光の反射や目の錯覚で輝いている様に見える事もあり宝石の様な美しさがあります。
- 花は色褪せた後も形を崩さずに残るため非常に装飾的です。
- 花は切り花としても魅力的で主役を引き立てる名脇役として働きます。
- ただし茎が柔らかく水が下がり花が下向きに萎れやすいため適切な管理が必要です。
- 適切な管理で1週間程度の日持ちがあります。
- 葉は縁部分が深くカットされて掌を広げた様な装飾的な形をしています。
- 幾つもの葉が中央から外側へと広がるためグランドカバーとしても魅力的です。
- また幾つかの品種では葉色が黄色(~白色)くカラーリーフとしても楽しめます。
アストランティア(マヨール)は地面下に短い根茎をもちます。茎は枝分かれが少なく直立しており高さ約60(~90)cmの間で成長します。葉は根生葉と茎葉がありますが茎葉は小さく殆どありません。基部から出る根生葉は長さ約10(~20)cmの長い葉柄があり、葉は緑色で幾つかの品種では黄色(~白色)の班が入り、葉身の大きさは約8(~15)cmあり、葉身の形は3~7出掌状深裂して縁部分には鋸歯があります。花は散形花序が茎頂部で複数集まり複散形花序をつくり、個々の花(散形花序)の大きさは直径約2(~3)cmあり、花を囲う総苞片は10(~20)個、中央にある直径0.1cmの花は花弁が5個と雄蕊が5個と雌蕊があります。花後に出来る果実は痩果で扁平な楕円形をしており薄褐色です。
開花時期は初夏から秋、花色は赤色や桃色、紫色や緑色、白色があり、個々の花(散形花序)は直径約2(~3)の大きさで約10(20)個の総苞片が囲み、ドーム状に小さな花が集まり、花序は茎頂部で花(散形花序)が集まり複散形花序をつくります。草姿はロゼット状で地面下に短い根茎があり高さ約60(90)cm × 幅約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色もしくは品種により黄色(~白色)の班が入り、葉身は掌状深裂して縁部分に鋸歯があり、葉序は根生葉もしくは互生葉序につきます。
アストランティア(マヨール)の切り花の楽しみ方

- アストランティア(マヨール)の収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 花の総苞が開いているものを収穫します。
- 水揚げは水に漬けて水切りと必要に応じて湯揚げを行います。
- 茎が柔らかく水が下がりやすいため水揚げがとても大切です。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行い、水揚げが悪いと感じる場合は必要に応じて湯揚げをしましょう。
- 管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは7日程度です。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
湯揚げ
湯揚げとは約80度に沸騰させたお湯に切り花の切り口をつけて、内部の気泡(空気)を膨張させて外に押し出し、水揚げを改善する方法です。
①湯上げする際は熱や水蒸気が余計な部分に当たらないように切り花の下部(約20cm)を残して花全体を新聞紙で包みます。
②切り花をお湯につけた後は冷水に浸ける必要があるため、予めバケツ等に冷水を入れて準備しておきましょう。
②鍋で沸騰させたお湯(約80度)に約30秒ほど切り花の切り口をつけましょう。
③お湯に浸け終わったら予め準備しておいた冷水に浸けて2時間程度水揚げを行います。
④水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い再度花瓶に生けて楽しみます。
アストランティア(マヨール)の栽培方法
園芸では、宝石を思わせる様な美しい花を鑑賞する目的だったり、優雅に放射状に広がる葉を地被植物として利用する目的だったり、また幾つかの品種で見られる黄色(白色)の葉をカラーリーフとして利用する目的で育てらます。こんもりした草姿をつくる事から、花壇の縁どりに利用されたり、また中央に植えて高さと立体感を出したりして利用されます。
アストランティア(マヨール)を育てる際に注意する事は「夏の暑さ」と「乾燥」です。何故なら、アストランティア(マヨール)は冷涼な夏を好み、やや湿り気の保たれる土壌を好むからです。そのため夏場は暑さ対策や乾燥対策として、西日の当たらない場所に移動したり、必要に応じて遮光ネットを利用したり、またしっかり水やりを行う必要があるでしょう。
アストランティア(マヨール)の主な園芸品種
アストランティア(ミッドナイトオウル)は、ミッドナイト(夜中)を想像させる様な紫色(~赤紫色)の花と、下部で広がる掌状の葉が魅力的な園芸品種です。紫色(赤紫色)の美しい花は、魅惑的で艶っぽい印象を与えたり、ゴージャスで派手な印象を与えるため、華やかでオシャレなお庭や、エレガントで優雅な雰囲気漂うお庭等によく合うでしょう。
アストランティア(スターオブビューティー)は、赤みの入る桃色の総苞とクッションの様に盛り上がる桃色の花が魅力的な園芸品種です。桃色の可愛らしい花は、甘い果物を連想させたり、また可愛らしい印象や恋心を想起させたりするため、ロマンチックで優しい雰囲気のお庭や、お菓子を想像させる様なスイートなお庭等によく合うでしょう。
アストランティア(スノースター)は、先端に緑色の班が入る白色の総苞片と、しばしば輝いている様にも見えるクッション状に盛り上がる白色の花が花が魅力的な園芸品種です。明るく軽い印象を与える白色の花は、神聖な物(天使等)や清潔感を感じさせるため、上品で綺麗な雰囲気のお庭をつくる際によくあうでしょう。
アストランティア(ロゼア)は、花を囲う薄桃色をした柔らかな総苞片と、クッション状に盛り上がる濃いめの桃色の花が魅力的な園芸品種です。桃色の可愛らしい花は、甘い果物を連想させたり、また可愛らしい印象や恋心を想起させたりするため、ロマンチックで優しい雰囲気のお庭や、お菓子を想像させる様なスイートなお庭等によく合うでしょう。
アストランティア(ベニス)は、花を囲う濃い赤色(~赤紫色)をした総苞片と、クッション状に盛り上がる赤色の花が魅力的な園芸品種です。濃い赤色の花は、赤ワインや口紅の色を連想させるため、上品で落ち着いた雰囲気のあるエレガントなお庭等によくあうでしょう。
アストランティア(フローレンス)は、花を囲う薄桃色をした柔らかな総苞片と、クッション状に盛り上がる薄桃色の花が魅力的な園芸品種です。柔らかな薄桃色の花は、ふんわりとした優しい印象を与えるため、ロマンチックで甘い雰囲気のあるお庭や、ピュアで可愛らしい雰囲気のお庭等によく合うでしょう。
アストランティア(ローマ)は、花を囲う白色と薄桃色をした柔らかな総苞片と、クッション状に盛り上がる桃色の花が可愛らしく魅力的な園芸品種です。柔らかな薄桃色の花は、ふんわりとした優しい印象を与えるため、ロマンチックで甘い雰囲気のあるお庭や、ピュアで可愛らしい雰囲気のお庭等によく合うでしょう。
アストランティア(ムーランルージュ)は、熟成したワインを連想させるような赤黒い総苞片と、クッション状に盛り上がる赤色の花が魅力の園芸品種です。重厚感を感じさせる濃い赤色の花は、熟成したワインや魅惑的な口紅の色を連想させます。そのため、上品で落ち着いた雰囲気のあるエレガントなお庭や、深みのあるゴージャスなお庭等によくあうでしょう。
アストランティア(ルビーウェディング)は、ルビー連想させるような濃い赤色の総苞片と、クッション状に盛り上がる赤色の花が魅力の園芸品種です。重厚感を感じさせる濃い赤色の花は、熟成したワインや魅惑的な口紅の色を連想させます。そのため、上品で落ち着いた雰囲気のあるエレガントなお庭や、深みのあるゴージャスなお庭等によくあうでしょう。
アストランティア(ルビークラウド)は、中央に白色(~薄桃色)の小花がクッションの様に集まる花姿と、花弁の様に広がる薄桃色の総苞片が魅力の園芸品種です。柔らかな薄桃色の花は、ふんわりとした優しい印象を与えるため、ロマンチックで甘い雰囲気のあるお庭や、ピュアで可愛らしい雰囲気のお庭等によく合うでしょう。
アストランティア(ルビージャイアント)は、中央に紫色の小花がクッションの様に集まる花姿と、花弁の様に広がる紫色の総苞片が魅力の園芸品種です。上品な紫色の花色は、高貴(貴族等)な印象やミステリアス印象を与えるため、格式が高そうな気品のあるお庭や、ミステリアスで幻想的な雰囲気のお庭等によく会うでしょう。
アストランティア(ギル リチャードソン)は、先端が黒色をした赤黒い総苞片と、クッション状に盛り上がる赤色の花が魅力的な園芸品種です。重厚感のある赤黒い花色は、何処か掴み所のないミステリアスな雰囲気をつくるため、独特な世界観のある不思議なお庭や、ゴシック調の重厚感ある雰囲気のお庭等によくあうでしょう。
アストランティア(ルブラ)は、外側の総苞片が濃い赤色で内側の総苞片が薄く透けた様な赤色をしており、中央にはクッション状に盛り上がる赤色の花が多数つく魅力的な園芸品種です。色鮮やかな赤色の花色は、ポップでエネルギーに満ちた印象や、愛情や情熱を感じさせたりします。そのため、様々な色(青色・黄色等)を組合せながらつくるカラフルなお庭や、チャーミングな雰囲気のあるお庭等によくあうでしょう。
アストランティア(ホワイトジャイアント)は、先端に緑色の班が入る白色の総苞片と、しばしば輝いている様にも見えるクッション状に盛り上がる白色の花が花が魅力的な園芸品種です。明るく軽い印象を与える白色の花は、神聖な物(天使等)や清潔感を感じさせるため、上品で綺麗な雰囲気のお庭をつくる際によくあうでしょう。
アストランティア(スターオブトレジャー)は、外側の総苞片が濃い桃色で内側の総苞片が薄く透けた様な桃色(~白色)をしており、中央にはクッション状に盛り上がる桃色の花が多数つく魅力的な園芸品種です。柔らかな薄桃色の花は、ふんわりとした優しい印象を与えるため、ロマンチックで甘い雰囲気のあるお庭や、ピュアで可愛らしい雰囲気のお庭等によく合うでしょう。
アストランティア(スターオブマジック)は、葉のふち部分を中心にクリーム色(薄黄色)の班が入るため、明るく柔らかな雰囲気をつくり、春から晩秋にかけてカラーリーフとして楽しむ事が出来ます。また晩春に秋にかけ咲く紫色(~赤紫色)の花は、高貴(貴族等)な印象を与えたり、ミステリアスな印象を与えるため、エレガントなお庭や格式の高そうなお庭等によく合うでしょう。
アストランティア(マキシマ)の特徴や園芸品種

原産:ヨーロッパ
学名:Astrantia maxima
草丈:約60~90cm
分類:多年草
開花時期:5月~9月(6月~7月に最も開花)
花色:桃色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:普通
耐寒性:強い
誕生花:5月29日/6月6日/6月24日
花言葉:知性/愛の渇き
用途:カラーリーフ/グランドカバー/切り花
特徴:アストランティア(マキシマ)は学名Astrantia maxima、別名「ラージスト・マスターワート(largest masterwort)」とも呼ばれるヨーロッパを原産とする多年草です。
アストランティア(マキシマ)の語源(由来)
- 属名のAstrantiaはギリシャ語で「星」を意味する「aster」からきており、星を思わせる様な形をした花弁(総苞)に由来します。
- 種小名のmaximaはラテン語で「最大」「最も大きい」を意味しており、近縁種のマヨール種やマイナー種との比較で名付けられており、花が大きい事に由来します。
アストランティア(マキシマ)の特徴(魅力)
- アストランティア(マキシマ)は花の直径が約3~6cmと大きく、近縁種のマヨールは2~3cm程度です。
- マキシマ種は花の総苞片の幅が広く数が少ない傾向にあり、近縁種のマヨールは総苞片細長く最大20枚つきます。
- 花は「ピンクッション(針山)」等に例えられており個性的で綺麗な形をしています。
- 花は色褪せた後も形を崩さずに残るため非常に装飾的です。
- 花は切り花としても魅力的で主役を引き立てる名脇役として働きます。
- ↳ただし茎が柔らかく水が下がり花が下向きに萎れやすいため適切な管理が必要です。
- ↳適切な管理で1週間程度の日持ちがあります。
- 葉は縁部分が深くカットされて掌を広げた様な装飾的な形をしています。
- ↳幾つもの葉が中央から外側へと広がるためグランドカバーとしても魅力的です。
開花時期は晩春から秋、花色は桃色か白色、個々の花(散形花序)は直径約3(~6)の大きさがあり、花弁の様に見える総苞片が花を囲み、花は中央にドーム状に多数の小花が集まり、花序は茎頂部で花(散形花序)が集まり複散形花序をつくります。草姿はロゼット状で地面下に短い根茎があり高さ約60(90)cm × 幅約30(60)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は掌状深裂して縁部分に鋸歯があり、葉序は根生葉もしくは互生葉序につきます。
アストランティア(マキシマ)の切り花の楽しみ方
- アストランティア(マキシマ)の収穫は朝の涼しい時間帯におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- アストランティア(マキシマ)の収穫は花の総苞が開いているものを選びましょう。
- 収穫したアストランティア(マキシマ)はバケツに漬けて水切りを行います。
- 水揚げが終わったら花瓶に生けて楽しみましょう。
- ↳日持ちは7日程度です。
- 管理は必要に応じて数日(約1~3日)ごとに水を換えをして、必要に応じて再度水切りもしくは湯上げを行います。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分で斜めにカットして、吸水面を広げ水揚げしやすくする方法です。水の中で切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
湯上げ
湯上げとは約80度に沸騰させたお湯に切り花の切り口をつけて、内部の気泡を膨張させ外に押し出し、水揚げをよくする方法です。
①湯上げする際は熱や水蒸気が余計な部分に当たらないように切り花の下部(約20cm)を残して花全体を新聞紙で包みます。
②切り花をお湯につけた後は冷水に浸ける必要があるため、予めバケツ等に冷水を入れて準備しておきましょう。
②鍋で沸騰させたお湯(約80度)に約30秒ほど切り花の切り口をつけましょう。
③お湯に浸け終わったら予め準備しておいた冷水に浸けて2時間程度水揚げを行います。
④水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い再度花瓶に生けて楽しみます。
アストランティア(マキシマ)の栽培方法
園芸では、宝石を思わせる様な美しい花を鑑賞する目的や、切り花として利用される目的、優雅に放射状に広がる葉を地被植物として利用する目的等で育てらます。こんもりした草姿をつくる事から、花壇の縁どりに利用されたり、また中央に植えて高さと立体感を出したりして利用されます。
アストランティア(マキシマ)を育てる際に注意する事は「夏の暑さ」と「乾燥」です。何故なら、アストランティア(マキシマ)は冷涼な夏を好み、やや湿り気の保たれる土壌を好むからです。そのため夏場は暑さ対策や乾燥対策として、西日の当たらない場所に移動したり、必要に応じて遮光ネットを利用したり、またしっかり水やりを行う必要があるでしょう。