原産:地中海沿岸/トルコ/西アジア/アラビア半島 科:シソ(Lamiaceae) 属:オレガノ(Origanum) 種:マジョラナ( majorana) 別名:マヨラナ/オレガノ・マジョラナ/マジョラム(marjoram)/スイート マジョラム(sweet marjoram)/ノッテッド マジョラム(knotted marjoram)/ポット マジョラム(pot marjoram) 開花時期:6月~9月 花の色:紫色●桃色●白色〇 葉色:緑色● 香る部位:葉 分類:多年草 草丈:約15~60cm 草姿:直立 誕生花:11月29日 花言葉:「常に幸福」「恥じらい」「赤面」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
マジョラムは学名Origanum majorana、別名「マヨラナ」や「スイート マジョラム(sweet marjoram)」とも呼ばれる地中海沿岸及びトルコ、西アジア、アラビア半島が原産の多年草です。
マジョラムの語源(由来)
- 属名のオレガノ(Origanum)はギリシャ語で「山」を意味する「oros」と「喜び」を意味する「ganos」の2語からきており、山に自生している事と恐らく外観が美しい事に由来します。
- 種小名マジョラナ(majorana)の由来はラテン語のメジャー(major)からきており「大きい」を意味しています。
マジョラムの特徴(魅力)
- 葉の香りは「木の香り」「柑橘系」「辛い」等に例えられます
- 料理用ハーブとして古くから利用されています
- ↳ブルガリス種と比べて刺激が少なくマイルドで食べやすい所が魅力です
- 薬効としては抗菌・殺菌作用や作動記憶の向上等が期待出来ます
- 種で容易に増やせるため大量植栽しやすい
マジョラムの茎はよく枝分かれして、直立もしくは匍匐した後に途中で立ち上がり高さ最大60cmまで成長する事が出来ます。葉は薄ら毛が生え触ると滑らかな手触りがあり、葉の形は長さ3cmまでの卵形をしています。花は緑色の苞葉が幾重にも重なり小花を保護しており、苞葉の中から小さな小花を出して穂状(穂状花序)に咲き、さらに円錐状に多数の花穂が集まりボリュームある花姿をつくります。
開花時期は初夏から秋、花色は紫色や桃色、白色があり、個々の花は唇形で下唇が3裂しており、花序は小花が穂状花序に集まり、さらに花穂が円錐状に集まり花を咲かせます。草姿は直立もしくは匍匐して高さ約15(60)cm × 幅は約15(60)cmまで成長します。葉色は緑色で品種により白色(~薄黄色)の班が入り、葉身は卵形もしくは楕円形、葉序は対生葉序につきます。
マジョラムの香りと効果
マジョラムの香りは、「木の香り」「柑橘系」「スパイシー」と表現される比較的にマイルドな香りがあり、風味(フレーバー)は少し辛く柑橘系の甘味を感じさせます。マジョラムの香りの由来となる精油には「テルピネオール」「サビネン」「テルピネン」等が含まれており、特にテルピネオールの精油の効果には、株式会社ファンケルが研究発表した「作動記憶に関わる脳領域の活動を高める効果」があり会話能力や読み書き能力を高める効果や、また認知症の予防効果等が期待されています。
テルピネオールの香りは「木の香り」「柑橘系」「ライラック」「フローラル」等に例えられる爽やかで優しい香りです。また口の中に入れるとウッディな中に柑橘類の甘みを感じさせるマイルドな風味(フレーバー)があります。一般に植物では月桂樹やローズマリー、マジョラム等に含まれており、食品(飲料等)の香料や化粧品等に利用されています。テルピネオールの精油の効果には、株式会社ファンケルが研究発表した「作動記憶に関わる脳領域の活動を高める効果」があり会話能力や読み書き能力を高める効果や、また認知症の予防効果等が期待されています。またカビやバクテリアによる食品の腐敗を防ぐ抗菌・殺菌作用があります。
サビネンの香りは「木の香り」「柑橘系」「スパイシー」等に例えられる爽やかで優しい香りです。また口の中に入れるとウッディで辛さを感じさせる風味(フレーバー)があります。一般に植物ではマジョラム等に含まれており、黒胡椒の辛みに寄与する成分の1つです。
テルピネンの香りは「木の香り」「柑橘系」「スパイシー」等に例えられる爽やかでシャープな香りです。また口の中に入れるとウッディや柑橘系、辛さを感じさせる風味(フレーバー)があります。一般に植物ではマジョラムやカルダモン等に含まれており、香水等の原料に利用されています。
マジョラムの利用方法
マジョラムは葉の部分が食用として利用されています。使い方は二通りで、新鮮なままフレッシュな葉を利用したり、乾燥させて風味を凝縮させた後に利用したりします。味は同属の近縁種のオレガノ(ブルガリ種)とよく比較されますが、マジョラムはオレガノ(ブルガリ種)と比べてマイルドな風味で刺激が少なく食べやすい所が魅力です。
新鮮な葉は、スープの仕上げに香りの良いマジョラムの葉を刻んで上から振り掛けたり。また新鮮なマジョラムの葉を刻んでソースに混ぜこみ、肉料理等にマジョラムソースをかけて食べられたりします。
乾燥させた葉は一般的に調味料の様につかわれます。例えばポテトサラダに混ぜ込んだり、肉や魚の下味として使われたり、またハーブティーにして飲用される事もあります。
マジョラムをハーブティーとして楽しむ場合は「乾燥させた葉」を利用します。マジョラムの葉を小さじ1杯とワンカップのお湯を(180~200ml)をポットに入れて3~4分間蒸らします。蒸らす間はポット蓋をきちんと閉めておかないと香り(揮発性分)が抜けて美味しくなくなるので注意して下さい。蒸らし終わったらポットのハーブティーをカップに移します。その際、お好みで蜂蜜やレモン等を加えるのもいいでしょう。
マジョラムの栽培
園芸では、一般的に香りの良い葉を収穫する目的でハーブガーデン等で育てられます。育てる際は、健康的な成長を促すためによく日がよく当たり肥沃な土壌で育てましょう。基本的には夏の暑さに強い一方で、冬の寒さに弱いため冬越しさせる場合は管理に注意が必要です。増やす方法は挿し木や株分け、種を撒くことで増やせます。
マジョラムの収穫
マジョラムの葉の収穫は、播種後2ヶ月程度で可能になってきます。植物の高さが15cm以上になったら必要に応じて切り戻しのついでに収穫を行いましょう。切り戻しする事で新しい成長も促され収穫出来る葉の量もふえます。また花が咲くと葉の味が著しく落ちるため、蕾が出来たら切り戻しを行い花が咲かないようにしましょう。
オレガノ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。