
- 原産:北アメリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:ムラサキバレンギク/エキナセア(Echinacea)
- 種:パラドクサ(Echinacea paradoxa)
- 別名:イエローコーンフラワー(yellow coneflower)/ブッシュパープルコーンフラワー(Bush’s purple coneflower/オザークコーンフラワー(Ozark coneflower)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:黄色・茶色・黒色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約50~90cm
- 株張り:
- バイオーム:温帯広葉樹林・亜熱帯湿林 など
- 誕生花:8月20日/10月13日
- 花言葉:優しさ/ただよう気品/深い愛/あなたの痛みを癒します
- 用途:背が高い花/切り花/種から育てる植物
- 購入方法:エキナセア・パラドクサを楽天で購入
■エキナセア・パラドクサとは!?
エキナセア・パラドクサの学名は Echinacea paradoxa 、別名では「イエローコーンフラワー(yellow coneflower)」「ブッシュパープルコーンフラワー(Bush’s purple coneflower」「オザークコーンフラワー(Ozark coneflower)」とも呼ばれている多年草です。
エキナセア・パラドクサの原産地は北アメリカのアーカンソー州・ミズーリ州、オクラホマ州・テキサス州にあり、自生地は草原や荒れ地などにあります。
■エキナセア・パラドクサの語源(由来)
- Echinaceaの由来:古代ギリシャ語で「ハリネズミ」「うに」を意味する「ἐχῖνος(ekhînos)」からきており、花の中央にある筒状花が硬く棘を思わせる所に由来します。
- paradoxaの由来:ラテン語で「逆説」を意味しています。
■エキナセア・パラドクサの特徴(魅力)
- 近縁種との比較:エキナセア・パラドクサは他の近縁のエキナセアの種と比べて幾つかの変わった個性的な特徴をもってます。例えば、頭花は舌状花が垂れ下がりバトミントンの羽根に似ている所、葉は下部ほどサイズが大きく密生しており上部にいくほどにサイズは小さく葉の量が減る所、草姿は叢生型で直立茎が何本も伸びて群生をつくる所、直立茎は最大90cmに成長しますが基本的に分枝しないため整然とした見た目をしている所などにあります。
- 花の特徴:花序は頭状花序になり、頂部の頭花が咲いた後も基本的に分枝がなく次の花は咲かない。頭花のサイズは約5~15cm(舌状花は垂れるため見た目は小さい)、頭花は花托・総苞・花冠(舌状花・筒状花)・雄蕊・雌蕊で構成されており、花中央部の花托が円錐状か半球状に盛り上がり、筒状花が花托の周りに集まる、舌状花は頭花の外周に並び下垂する。花の色は黄色(舌状花)・茶色(筒状花)です。
- 草姿:草姿は叢生型、茎の種類は根茎・直立茎があり、根茎がゆっくり広がりながら、根茎の節から芽を出して、地際から複数の直立茎を出し群生をつくります。 直立茎は基本的に分枝せずに真っ直ぐ伸びるため整然とした見た目になりやすい。
- 鑑賞目的:エキナセア・パラドクサは花を鑑賞する目的で育てられます。花のサイズが約5~15cmと巨大なため強い存在感があり、また花の形状がバトミントンの羽根のような見た目をしてるためユニークな花姿が楽しめます。花の色も黄色で明るさや元気の良さを感じさせます。
- フラワーアレンジメント:エキナセア・パラドクサの花房は大きく豪華なため主役の花としての存在感があり、また茎は直立に伸びるため扱いやすい所も魅力です。そのため、切り花として利用される事も多い植物になります。
- 花壇の立体感:エキナセア・パラドクサは品種により草丈が120cmまでになり、直立して高さを出すことが出来ます。そのため、花壇の中で形態や草丈の異なる他の植物を組み合わせて配置すると、立体感やリズム感がある美しい花壇をつくることができます。
- バタフライガーデン:エキナセア・パラドクサの花は蜜源として蝶々がよく飛来してきます。大きな花の上にちょこんと乗って、蜜を吸う姿はとても可愛らしく見ていて飽きないため、お庭の中で蝶々が飛び回る姿を観察したい人におすすめの植物の一つとなります。
■エキナセア・パラドクサの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約50~90cm
- 生育型:叢生型で、地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)する。
- 茎の種類:根茎・直立茎
- 根茎:普通の根っこのように見える地面下にある茎です。
- 直立茎:茎がほとんど垂直に伸びる。
- 分枝:基本的に無い
- 茎の毛:有毛
- 茎の色:緑色・黄褐色
●葉の形態
- 葉序:互生葉序・根生葉※茎の上側に行くほど少なくなる
- 葉柄:有柄
- 葉身の長さ:約5~45cm※茎の上側に行くほど小さくなる
- 葉身の概形:狭楕円形・狭披針形・披針形・線形
- 葉の縁部分:全縁
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:頭状花序
- 頭状花序の構成:総苞・花冠(舌状花・筒状花)・雄蕊・雌蕊
- 頭状花序の直径:約5~15cm
- 総苞:頭状花序の基部で花を保護している、総苞片の集まりです。
- 総苞の形:平開
- 総苞片の列:約2~3列
- 総苞片の形:披針形
- 総苞片の色:緑色
- 花冠:筒状花・舌状花
- 筒状花:頭状花序の中央部に密集しており、花托の形状に合わせて円錐状または半球状の集まりになる。
- 筒状花の形:花冠筒部が長く、花冠裂片が5個ある。
- 筒状花の色:茶色
- 舌状花:頭状花序の外周部で放射状に広がり、殆ど下に垂れ下がる。
- 舌状花の形:線形・狭楕円形
- 舌状花の色:黄色
- 筒状花:頭状花序の中央部に密集しており、花托の形状に合わせて円錐状または半球状の集まりになる。
- 雄蕊:5本
- 雌蕊:1本
●果実・種子の形態
- 果実の分類:痩果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■エキナセア・パラドクサの切り花の楽しみ方
- 収穫:切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げ:葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて茎から全て取り外します。茎の切り口は水切りを行います。
- 花を生ける:花瓶の中に水を入れて花を生けます。
- 管理:直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。また徐々に水揚げが悪くなるため、必要に応じて水切りを再度して水換えをしましょう。管理の方法にも左右されますが日持ちは7~10日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
■エキナセア・パラドクサの園芸品種を紹介
■エキナセア(ムラサキバレンギク)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■エキナセア・パラドクサの育て方
花壇の土づくり
バイオーム
エキナセア・パラドクサのバイオームは、温帯広葉樹林・サバンナなどにあります。
そのため、気温は年間を通して暖かで、降水量は場所によりかわり温帯広葉樹林の降水量が平均的で、サバンナは降水量が少なめで明確な乾季と雨季があり、土壌は場所により変わり、温帯広葉樹林では土壌は壌土に近く肥沃な傾向があり、サバンナでは砂質である傾向があります。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
日当り
エキナセア・パラドクサは、日向から半日影の範囲で育てることが出来ます。
ただし日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また日当たりの悪い場所では倒伏もしやすくなるため注意が必要です。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば幅広い土壌に適応します。そのため土質は砂壌土・壌土あたりにした方が良いでしょう。※過湿でジメジメと湿りやすい土壌はあまり許容しないため粘土質の土質は避けた方が良いかもしれません。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。堆肥を入れる事で土壌の物理性・生物性などを改善する働きがあり植物の成長を促進します。そのため、土壌の色などをみて肥沃さが足りないと感じる場合は堆肥をいれましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
日当り
エキナセア・パラドクサは、日向から半日影の範囲で育てることが出来ます。
ただし日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また日当たりの悪い場所では倒伏もしやすくなるため注意が必要です。
培養土
培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 植物の好む環境に合わせて通気性・ 排水性・保水性のバランスを考えた用土の構成にする。
- 堆肥は土壌の物理性を改善して根張りをよくするだけでなく、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、腐葉土などの堆肥をしっかり入れて植物の生育を促進しましょう。
- 鉢植えを移動する場合を考えて比重の軽い用土を利用したり、植物が倒れる可能性も考えて比重の重めの用土を選んだりする。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を利用したり、植物の呼吸や成長を考えて通気性がしっかり保てる用土を選んだりする。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土 +元肥=7:3:適量
- 鹿沼土 + 赤玉土(小粒) + 腐葉土+ くん炭 + 元肥 =3:4:2:1:適量
- 日向土(細粒・小粒) + 赤玉土(小粒) + ピートモス(調整済) + 竹炭 + 元肥 =4:3:2:1:適量
- 赤玉土(小粒) + 桐生砂(細粒・小粒) + パーライト + 腐葉土 + ゼオライト + 元肥 =3:3:2:2:適量:適量
鉱石の土壌改良用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
有機物の土壌改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
エキナセア・パラドクサは、耐乾性が高い植物のため、地植えで育てていれば降雨に任せて育てることが可能です。
ただし、乾燥した土壌より、やや湿り気のある状態の方が株の成長が良いです。また乾燥と湿潤を繰り返すことで植物は水を求めて深くまで根を張り丈夫に育ちます。そのため、適切な水分管理で水やりを行い育てた方が良いでしょう。
水やりのタイミング
生育期間中は生育旺盛でたくさんの水を必要とするため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水を与えます。
冬の期間は生育が休眠するため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
エキナセア・パラドクサは、土壌に十分な肥沃さがあれば基本的に肥料は不要です。早春に一度だけ株の周りに堆肥を入れて上げたり、有機肥料や緩効性肥料を入れて上げるとよいでしょう。※注意することは、肥料を与え過ぎる事です。肥料が多いと茎が徒長したり、軟弱になったりして茎が倒伏して外観が悪くなったり、葉ばかりが茂り花数が減る事があります。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付け時や株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
肥料の与え方
- 芽出し肥:早春から春頃に新芽が動き出す前に、発芽の促進や初期の成長を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
エキナセア・パラドクサは剪定せずに育てる事も出来ますが、一般的に種が作られて雑草化を防ぐ目的、春の芽出しをよくする目的などで剪定が行われます。
剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
剪定を行う理由
- 発芽の促進:枯れた茎や古い茎が残っていると、太陽光が遮られたり、風通しが悪くなったり、不要な茎が成長の邪魔をしたりして、発芽の邪魔になります。そのため、剪定によって邪魔な茎・葉を取り除きます。
- 病害虫予防:花がらを残すと、灰色カビ病などの病気の発生源になる事もあります。そのため、病気にかかりやすい植物は花がら摘みが大切になります。
刈り込み
- 剪定の時期:晩秋・晩冬
- 晩秋:寒さの厳しくない地域であれば地上部の殆どを切り戻して掃除します。
- 晩冬:寒さの厳しい地域に住んでいる場合は地上部の茎・葉を残して、寒さに対する耐性を上げます。
- 刈り込みのやり方:株を観察して地際付近にある葉を残しながら、地上部の殆どの茎・葉を剪定します。
挿し木や株分けで増やす
エキナセア・パラドクサは株分けによって増やす事ができます。
株分けの方法
- 株分け時期:春・秋
- 株を観察:株を観察して親株から離れた場所の地面から、発生している芽または新しい株を探します。ない場合は親株が十分に大きく成長しているのを確認します。
- 株を掘りあげる:親株と子株が離れている場合は子株のみをスコップで掘り起こして、根茎を切り離します。子株がない場合は親株を掘りあげます。
- 株を分割する:親株がひと塊になっている場合は、株を観察して根茎の節に芽・不定根が発生している場所をさがします。根茎に芽・不定根をつけた状態で親株から切り離します。
- 株分け後:株分け後は根が乾燥する前に素早く植付けをおこないます。
播種で増やす
エキナセア・パラドクサの種蒔の方法
- 播種時期:3月~5月・9月~10月
- 発芽適温:約20~25度
- 発芽日数:約7日~14日
- 備考:
種まき手順
- 種まきの時期:春または秋
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:点撒き
- 点撒き:一定の間隔または一区画の中に数mmの小さな穴を1~5箇所つくります。穴の中に種を入れます。穴に種を入れたら穴を塞ぐように覆土して、土と種が密着するよう指で上から少し押し込み鎮圧※1します。
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:双葉が出たら、株どうしの間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株どうしがくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 定植:本葉が2枚以上になったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。一方で、移植が早すぎると低温障害にあったり害虫からの食害に合うリスクが高まります。そのため、バランスを見ながら定植を行いましょう。
※鎮圧は土と種の接着を高め水分の吸収をよくします。