- 原産:北アメリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:ルドベキア(Rudbeckia)
- 種:サブトメントーサ(subtomentosa)
- 別名:スイート・コーンフラワー(sweet coneflower)
- 開花時期:7月~9月
- 花の色:黄色●黒色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約50~200cm
- 誕生花:7月21日/7月31日/8月25日/9月5日
- 花言葉:正義/公平/あなたを見つめる
- 用途:背が高い花/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ルドベキア・サブトメントーサとは!?
ルドベキア・サブトメントーサは学名Rudbeckia subtomentosa、別名では「スイート・コーンフラワー(sweet coneflower)」等とも呼ばれる北アメリカ原産の多年草です。
ルドベキア・サブトメントーサの語源(由来)
- 属名のRudbeckiaは植物学者でもあるOlof Rudbeck the YoungerおよびOlaus Rudbeckへの献名です。
- 種小名のsubtomentosaは接頭辞で「下」を意味する「sub」と、ラテン語で「綿毛のある」「綿毛に覆われた」を意味する「tomentosa」の2語からなります。
- 英名のsweet coneflowerは花にアニスを思わせる甘い香りがある事に名前の由来があります。
ルドベキア・サブトメントーサの特徴(魅力)
- ルドベキア・サブトメントーサは、地面下の地下茎で広がり群生をつくり、毎年夏に甘い香りがする黄色の花を咲かせる多年草タイプのルドベキアです。
- ルドベキア・サブトメントーサの花(頭花)は茎が枝分かれしながら頂部で散房状に集まり約8~25個咲きます。
- 花はキク科でよく見られる頭花で、頭花は直径約5~7cmまで、舌状花と筒状花で構成されています。
- 筒状花は非常に小さく中央で約400が集まり円錐体をつくり、殆ど黒色に見える濃い茶色をしています。
- 舌状花は約10~25個あり水平に伸び鮮やかな黄色です。
- 殆ど黒色に見える筒状花は黄色の舌状花との対比が美しく、警戒色のように強く目を引き付けます。
- 花はアニスを思わせるような甘い香りがする事から「スイート・コーンフラワー(sweet coneflower)」の別名でも呼ばれています。
- ルドベキア・サブトメントーサの葉は縁部分が大きく裂ける傾向にあり羽状全裂から羽状浅裂します。
- 花は収穫して切り花として楽しまれており、管理の仕方にも左右されますが花瓶の中で7日程度楽しめます。
- 花色が非常に色鮮やかなためお部屋に飾ると明るい雰囲気をつくります。
- また花中央の筒状花は花弁が落ちた後も長く残るため、これを鑑賞し続ける事も可能です。
- 花は蝶々や蜜蜂などの蜜源にもなるため開花期(7月~9月)になると、花の周りを優雅に飛ぶ蝶々や元気に飛び回る蜜蜂の姿を観察出来るかもしれません。
- ルドベキア・サブトメントーサは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です。
ルドベキア・サブトメントーサは草丈が約50(~200)cm、地下茎を横に伸ばして広がりながら、茎を何本も伸ばし群生をつくります。茎は分枝しながら直立、茎の色は緑色、白色の荒い毛が密に生えます。葉序は互生葉序、葉色は緑色、白色の荒い毛が生えています。葉身の長さ約7(~30)cm、葉身の形は羽状全裂(~浅裂)もしくは楕円形か披針形(~卵形)、縁部分に鋸歯があります。花序は頭状散房花序、頭状散房花序は頭状花序が約8(~25)個が散房状に集まります。頭状花序は直径約5(~7)cm、舌状花と筒状花で構成されています。舌状花は外周に並び、数はふつう約10(~25)個、色は黄色です。筒状花は中央で円錐体に盛り上がり、数は約400個、色は殆ど黒色をした濃い茶色です。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
ルドベキア・サブトメントーサの切り花の楽しみ方
- 収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は花が開いて直ぐ行うと日持ちが良くなります。
- 茎に付いた葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて全て取り外しましょう。
- 水揚げは水切りを行います。
- 花瓶に入れる水は多めに入れ深水にします。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りを行い、水換えも同時に行いましょう。
- 日持ちは管理の方法でも左右されますが約7日です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
深水法
深水法とは、深い水の中に切り花を漬けて水揚げする方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
深水は、深い水の中に切り花をつけるため、水圧が高まり、水上がりがとてもよくなります。また茎や葉からも水分を吸水するため、萎れが素早く改善します。
深水は水の吸い上げが弱い花材(バラ・ダリア・ラナンキュラス等)でよく行われます。また茎や葉が繊細な植物で深水をすると傷むため、基本的に茎葉が丈夫な花材で行います。
深水のやり方
- バケツの中に切り花が半分程度浸かる程度の水をいれておきます。
- 切り花を新聞紙で包みながら、花や葉が潰れない程度で、しっかり立つように固定して、茎の下部数cmを新聞紙から出しておきます。
- 切り花の切り口を水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- バケツの中に切り花が半分以上浸かる様にして入れておき、水揚げのため一から数時間程度放置します。
- 水揚げが終わったら花瓶の中に生けて楽しみます。
ルドベキア・サブトメントーサの園芸品種の紹介
- ヘンリーアイラーズ(Rudbeckia subtomentosa ‘Henry Eilers’)は、花の外周に位置する黄色の花弁が強く内側に巻き筒状になり、繊細な雰囲気の花姿をつくる園芸品種です。花は黄色の舌状花と黒色の筒状花が警戒色のような強いコントラストを生み出し、近くで匂いを嗅ぐと甘い香りを感じさせます。草姿は群生して、高さは約90~150cmまで成長します。
- リトルヘンリー(rudbeckia subtomentosa ‘little henry’)はヘンリーアイラーズの矮性品種です。リトルヘンリーは花の外周に位置する黄色の花弁が強く内側に巻き筒状になり、繊細な雰囲気の花姿をつくります。また高さが約60~90cmと比較的に背が高くなるため花壇の中央や後方に植えて背景や立体感を作るのに利用しやすく、また茎が長いため切り花として利用しやすい所も魅力です。
ルドベキアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ルドベキアのおすすめの種類、主な種と珍しい園芸品種【2021】
ルドベキア・サブトメントーサの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ルドベキア・サブトメントーサは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。直射日光が6時間以上当たる日向が理想ですが、午前中のみ日が当たる半日影までで育てられます。
土壌の土質
ルドベキア・サブトメントーサは幅広い土壌で育てる事が出来ますが、通気性が高く肥沃過ぎない適度に有機物の入る土壌を好みます。そのため植え付け前にしっかり土壌診断を行い、水捌けのよい砂壌土から壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ルドベキア・サブトメントーサは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。
培養土
ルドベキア・サブトメントーサは培養土は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=7:3
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
生育初期
ルドベキア・サブトメントーサは、活着するまでの生育初期は茎葉が萎れやすいため、土が乾燥しないように水やりをしっかり行いましょう。活着後は、ある程度の干ばつに耐えるほど乾燥に強くなります。
地植え
ルドベキア・サブトメントーサは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ルドベキア・サブトメントーサを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ルドベキア・サブトメントーサはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば基本的に肥料を必要としません。必要に応じて毎年晩冬から早春に1回、土質を改善する堆肥を与えましょう。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。自然な循環のない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
ルドベキア・サブトメントーサの剪定は剪定せずに育てる事も出来ますが、花がら摘みを行うことで株が弱ることを防いだり開花期間を延長したり、こぼれ種を防ぐ事が出来ます。
花がら摘み(7月~9月)
ルドベキア・サブトメントーサは種を採らない場合は花がら摘みを行いましょう。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種の生成のためにエネルギーが使われて次の花の蕾にエネルギーが送られずに開花が進まなかったりするからです。開花を促進するため、必要に応じて花がら摘みを行いましょう。
花がら摘みのやり方は、花が終わったら花茎を軽く切り戻すだけです。
夏越しする方法
ルドベキア・サブトメントーサは夏の暑さに強く、基本的に夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:3b~9a
ルドベキア・サブトメントーサは寒さに強く、冬越し対策を行う必要は特にありまさん。
挿し木や株分けで増やす
ルドベキア・サブトメントーサは株分けで増やすことが出来ます。
ルドベキア・サブトメントーサの株分け手順
- 株分け時期は春もしくは秋が最適です。
- スコップを使い出来るだけ根が傷まないように慎重に株を掘りあげます。
- 地際部にある芽の位置を確認します。
- 塊に芽を複数残すようにしてナイフやハサミ等で個々に切り分けましょう。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えましょう。
播種で増やす
ルドベキア・サブトメントーサの種蒔の方法
播種時期:3月~4月・9月~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:約7~28日
発芽条件:好光性種子(発芽に光が必要)
種まき手順
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 好光性種子のため種の上に土を被せません。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ルドベキア・サブトメントーサの病気
ルドベキア・サブトメントーサの害虫