- 原産:メキシコ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:サルビア/アキギリ(Salvia)
- 種:レウカンサ(Salvia leucantha)
- 別名:ベルベットセージ/アメジストセージ/メキシカン・ブッシュセージ(Mexican bush sage)
- 品種:ホワイトミッシーフ(Salvia leucantha ‘white mischief’)
- 開花時期:9月~11月
- 花の色:白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草/常緑低木
- 草丈:約120cm
- 誕生花:10月5日/11月5日/12月18日
- 花言葉:知恵/尊敬/家族愛/良い家族/燃える思い
- 用途:カラーリーフ/生垣/ロマンチックガーデン/エレガントガーデン/かわいいお庭/スイーツガーデン
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
サルビア(ホワイトミッシーフ)とは!?
サルビア(ホワイトミッシーフ)は、毛深くふわふわとした可愛らしい花の外観と、純白の花色が魅力的な園芸品種です。白色は古くから神事や神様の色として使用してきました、そのため神聖な雰囲気や清浄な印象を与える事があります。従って、ギリシャ神話を想像させるギリシャ庭園や、上品で清潔感のあるエレガントガーデン等によく合う品種です。
サルビア(レウカンサ)とは!?
サルビア(レウカンサ)は学名Salvia leucantha、別名では「ベルベットセージ」や「アメジストセージ」等とも呼ばれるメキシコが原産の多年草または常緑低木です。
サルビア(レウカンサ)の語源(由来)
- 属名のSalviaの語源は、ラテン語で「安全」「健康」「安心」を意味する「salvus」や、ラテン語で「賢者(sage)」を意味する「salvia」や、ラテン語で「安全にする」「健康にする」等を意味する「salvere」等からきています。
- 種小名のleucanthaは、古代ギリシア語で「明るい」「白色」を意味する「λευκός(leukos)」と、古代ギリシア語で「花」を意味する「ἄνθος(anthos)」の二語からきており、花の色に由来します。
- ベルベットセージの由来は萼に毛が生えてベルベットのような質感がある所からきています。
- アメジストセージの由来は宝石のアメジストを思わせるような花の色からきています。
サルビア(レウカンサ)の特徴(魅力)
- サルビア(レウカンサ)は、茎・萼・花に長く柔らかな毛が密生するためベルベットのような高級感のある質感があり、また横へと優雅に広がる美しい花穂が魅力的な植物です。
- またその美しい外観から遠くからでも目立ち、華やかな雰囲気をつくります。そのため庭園などの広い庭でもランドスケープとして働く事ができます。
- 草姿はブッシュ状、茎は直立または斜上に伸びるため丸みを帯びたドーム状の外観となります。そのため庭木として利用される他、自然風の生垣として利用される事もあります。
- 花序は輪散花序、輪散花序は各節に複数の花が付き、長い花穂をつくるため非常にボリュームある花姿となります。
- 花穂は横へと伸びた後に上に反り返る傾向が高いです。そのため、花穂は動きとリズムのある個性的な外観を作り出します。
- 花軸・萼・花は長く柔らかな毛で覆われているためビロードのような質感をもっており、高級感ある雰囲気を作り出す事ができます。そのため、上品な雰囲気のあるエレガントガーデンなどによくあいます。
- 萼は花弁と同様に紫色や白色に綺麗に色付いていて美しい外観をしています。そのため、本物の花が落ちた後も、長く花(萼)を楽しむ事が可能です。
- 花は蜜源として蝶々や花蜂を引き寄せる働きがあります。そのため、開花期間中は蜜を求めて花の周りを花蜂や蝶々がよく飛び回っています。
- 花は収穫して切り花として花瓶の中に入れて飾られたり、花を乾燥させてドライフラワーとして、スワッグやリース等のフラワーアレンジメントの素材として利用されたりします。
- サルビア(レウカンサ)は生垣として、土地の境界をひく目的などで、境界線を引くように株を並べて植栽する事が出来ます。
- 基本的には自然風の生垣となるため、植栽間隔は成熟時の横幅が基準になります。
- サルビア(レウカンサ)は、生育旺盛のため春に根元付近まで切り戻し剪定しても、ぐんぐんと大きく成長していきます。また丈夫なため育てやすく、水やりも肥料もほとんど必要とせず低メンテナンスで育てられる所も魅力です。
サルビア(レウカンサ)の草丈は約90(~180)cm、草姿はブッシュ状、茎は直立または斜上してドーム状の外観をつくります。茎の色は緑色、白色の毛が生えます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の長さ約5(~10)cm、葉身の形は長楕円形または披針形、葉のふち部分に鋸歯があり、葉の表面は皺がより、葉裏面には白色の毛が多めに生えます。
花序は輪散花序、輪散花序は各節に複数の花が付き穂をつくります。花軸は横に倒れ反り返る傾向にあります。萼は筒状、萼の色は紫色または白色、萼には白色または紫色の長い毛が密生するためふさふさとした外観をつくります。花冠は筒状、花冠の色は紫色・桃色・白色があり、毛が密生します。
サルビア(レウカンサ)の園芸品種の紹介
サルビアの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
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サルビア(ホワイトミッシーフ)の育て方
花壇の土づくり
日当り
サルビア(ホワイトミッシーフ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
日当たりが適切な環境で育てる事で光合成が活発に行われるため、株の生育が良くなり、花付きや花の大きさも良くなります。そのため、適切な日当たりに植えてあげる事が非常に重要になります。
土壌の土質
サルビア(ホワイトミッシーフ)は、あまり土質を選ばず、幅広い土壌に適応します。基本的には通気性・保水性のバランスがよく、肥沃な土壌を好みます。そのため植え付けの前に土壌診断を行い、通気性・排水性がよく、肥沃な土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
サルビア(ホワイトミッシーフ)は、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また半日影(直射日光3時間~5時間)までで育てる事が可能です。
培養土
サルビア(ホワイトミッシーフ)は、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+ボラ土+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
サルビア(ホワイトミッシーフ)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
鉢植え
サルビア(ホワイトミッシーフ)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
水やりの量は、土壌内に新鮮な酸素を行き渡らせる目的もあるため、一度に与える水の量はたっぷりと与えてください。
水やりのチェックを簡単にするオススメの道具
- 水やりチェッカー(サスティ)とは、視覚的に分かりやすく色の変化で水やりのタイミングを教えてくれる水分計です。
- 白色(水やり必要)・青色(水やり不要)
- 水やりチェッカー(サスティ)は世界で初めて家庭用水分計で「PF値」が採用されています。PF値は、殆どの植物の生育に阻害がない有効水分域の中のPF2.0付近で色が変わるように設計されているため、水やりの失敗を減らします。
- PF2.0は、どんな土や多肉・観葉植物・草花にも対応しますが、乾燥に強い多肉植物では色変わり後に若干の猶予があり、乾燥に弱い草花では色変わり後は直ぐに水やりをした方が良いかもしれません。
- PF値とは、土壌の水分が毛管力によって引き付けられている強さの程度を表している数値で、これを使う事で土壌の湿り具合や植物への水やりのタイミングが分かるようになります。殆どの植物にとって利用しやすいPF値は1.7~2.3の間にあります。常にPF値が1.7より下の値にあると、多湿を嫌う多肉などは湿潤すぎて根腐れを引き起こしやすくなったり、PF値が2.3より上にあると乾燥が苦手な草花などは水枯れを引き起こしやすくなります。
- 水やり三年と言われるプロでも難しい水やり作業が、水やりチェッカー(サスティ)を使うだけで安心して行えるようになります。
- 水やりチェッカー(サスティ)は水やりが難しい植物(ラン・多肉)にも対応しています。
- 中芯は6ヶ月~9ヶ月経つと水やりをしても青色に変化しなくなるため、変化がなくなったら中芯の交換が必要になります。
肥料の与え方
サルビア(ホワイトミッシーフ)は、ある程度の肥沃な土壌で育てていれば多くの肥料を必要としません。肥料の与えすぎは、茎が育ちすぎて倒伏しやすくなったり、葉の数が増えたり、葉が大きくなり、花が目立たなくなったり、花の数が減る原因となります。
基本的には、肥料不要で育てられます。ただし土壌の栄養が乏しい花壇の中で育てていたり、培養土の劣化や栄養がなくなるのが早い鉢植えで育ている場合は、必要に応じて堆肥を入れたり、春に肥料を与えましょう。
堆肥の与え方
- 堆肥とは有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
- 株分けや植え替えを行う時に土壌改良して植え直しても問題ありません。
- 鉢植えの場合は、植え替えを行います。鉢から株を取り出して、風雨で劣化した古い土を軽く落とし、長い根や腐った根も軽く切り詰めます。株が大きい場合は株分けもしましょう。土は新しい物を使うか、古い土を再利用する場合は2~5割ほど新しい土を混ぜます。鉢の中に新しい土と株を植え直したら完成です。
- 地植えの場合は初冬から早春に株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って堆肥を入れましょう。
追肥の与え方
- 追肥は成長の始まる春に与えます。
- 追肥は肥効が緩やかで長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を一度だけ施します。
剪定のやり方
サルビア(ホワイトミッシーフ)は、春に一回のみ切り戻し剪定を行うか、または必要に応じて春から夏の間にもう一回だけ切り戻し剪定を行います。
春の剪定とは!?
チェリーセージの春の剪定とは、越冬後に行う剪定です。冬の間に枯れた茎や生産性の低い茎の撤去をするために、株全体の切り戻しを行います。メリットは「日当たり風通しの改善」「病気予防」「株の老化の遅延」「生産性の向上」等があります。
剪定を行う事で、ひょろひょろと伸びた長い枝が減り外観が良くなり、コンパクトで形状の整った樹形となります。また生産性の高い新枝が伸びるため花付きもよくなります。
- 春の剪定のやり方
- 株全体の若返りを計るために、前年の茎を地面の高さ付近まで切り戻し剪定します。その際、新しく成長している芽を切らないようにしましょう。
春から夏の剪定とは!?
春から夏の剪定とは、春から夏の間に切り戻し剪定を行う事です。切り戻し剪定を行う事で「徒長を防ぐ」「外観を整える」「生産性の高い枝を伸ばす」「花の数を増やす」などのメリットがあります。一方で、切り戻しで高さが出ない等のデメリットがあります。そのため、必要に応じて剪定を行うと良いでしょう。
- 春から夏の剪定のやり方
- 切り戻し剪定の時期は、晩春から夏に一回、または二回行われる事があります。※必ず必要な作業ではありません。
- 剪定は株の半分を目安にして半円を描き形状を整えるようにして、株全体を切り戻し剪定します。
冬越しする方法
Hardiness:8b~10a
サルビア(ホワイトミッシーフ)は、軽い霜であれば耐えられるため、暖地であれば地植えで越冬させる事が可能です。ただし長く霜が続いたり、強い霜が降りると枯れてしまう事があるため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
冬越し対策
- 屋外で育てている場合は、霜が降りる前に霜対策として不織布などを被せます。
- また霜が降りる前に株を掘り起こして鉢植えに植え直した後に、軒下に移動したり、温室に移動するなどして管理する事も可能です。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。