
- 原産:地中海沿岸
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:オレガノ/ハナハッカ(Origanum)
- 種:ブルガリ(Origanum vulgare)
- 英名:オレガノ(Oregano)
- 亜種:ギリシャオレガノ(Origanum vulgare subsp. hirtum)
- 開花時期:6月~9月
- 花の色:白色
- 葉の色:緑色
- 香り:葉
- 草丈:約20~60cm
- バイオーム:地中海性植生 など
- 誕生花:11月15日
- 花言葉:富・輝き・財産・自然の恵み・あなたの苦痛を除きます
- 用途:香りが良い/種から育てる植物
- 購入方法:ギリシャオレガノを楽天で購入
■ギリシャオレガノの特徴
- 学名:Origanum vulgare subsp. hirtum
- 花の色:白色
- 葉の色:緑色
- 草丈:約20~60cm
- 備考:ギリシャオレガノは別名で「グリークオレガノ(Greek oregano)」とも呼ばれているオレガノ・ブルガリの亜種です。ギリシャオレガノは学名に「毛深い」を意味する「hirtum」が入っている事からも分かる通り腺毛が多く、また精油の量も多い所がです。そのため、料理用のハーブとして人気が高いオレガノです。
■オレガノ・ブルガリとは!?


オレガノ・ブルガリの学名はOriganum vulgare 、別名では「オレガノ・ブルガリ」「ハナハッカ」「ワイルド マジョラム(wild marjoram)」等とも呼ばれる多年草です。
オレガノ・ブルガリの原産地は地中海沿岸、自生地は乾燥した丘陵地の草原や岩場などにあります。
■オレガノ・ブルガリの語源(由来)
- 属名のOriganumは、古代ギリシア語で「山」を意味する「ὄρος (óros)」と「喜び」を意味する「γάνος (gános)」の2語で構成されており、山の喜びを意味しています。
- 種小名のvulgareは、ラテン語で「普通の」「ありふれた」を意味しています。
■オレガノ・ブルガリナの特徴(魅力)
- 花の装飾性:花は小さめですが、枝先にドーム状に集まるように密集して咲くためボリューム感があり、また薄い色の花と、濃い赤紫色の苞のコントラストが上品な雰囲気をつくり高い装飾性を出します。※ただし葉の収穫のために多くの場合で開花前に剪定されてしまいます。
- 香り:茎・葉・花には腺毛があり、触ると腺毛が潰れて精油が出てきます。精油の成分は、植物の器官や個体差や地域差などで変化がありますが、葉の中には刺激的なスパイシーな香りがあるカルバクロール(Carvacrol)が最も多く入っている傾向があり、その他にシメンやチモールなどが含有しています。そのため、近縁のマジョラムと比べて香りと風味は刺激的で辛味を感じさせます。
- 葉の装飾性:葉の色はふつう緑色ですが、いくつかの品種では黄色・白色があります。そのため、明るさや元気の良さなどを感じさせるカラーリーフとして楽しめる品種もあります。
食用:葉は生のままサラダで食べられる事もありますが、乾燥させた方が強い風味がでる。乾燥させた葉は調味料として肉料理・スープ・ソース・ドレッシング・ハーブティーなど様々な用途で利用されます。葉の乾燥方法はハンギング法や乾燥機などがありますが、素早く乾燥させた方がより風味を閉じ込めることができます。
- 薬用:オレガノ・ブルガリは古くから薬草として利用されておりハーブティーなどにしてよく飲まれています。
- 蜜源:多くのシソ科植物と同様に、花は蜜蜂などの蜜源として働きます。そのため、昆虫と共生したい時などに利用できる植物です。
- 耐寒性:近縁種のマジョラムと比較して耐寒性が高く、霜で枯れることはほとんどありません。そのため、気候が温帯であれば地植えでも基本的に冬越しができます。
■オレガノ・ブルガリの生活形と形態
●生活形と茎の形態
- 草丈:約20~90cm
- 生育型:叢生型で地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するもの。
- 茎の種類:根茎・直立・斜上・匍匐
- 茎の色:緑色・赤紫色
- 茎の毛:腺毛
●葉の形態
- 葉序:対生葉序
- 葉柄:あり
- 葉身の長さ:約1~4cm
- 葉身の幅:約0.5~1.5cm
- 葉身の概形:卵形・楕円形
- 葉の縁部分:全縁・浅い鋸歯
- 葉の色:緑色
- 葉の毛:腺毛
●花の形態
- 花序:集散花序が総状に配置される。
- 苞:花梗の下にある。
- 苞の形:楕円形
- 苞の色:緑色・赤紫色
- 苞の毛:腺毛
- 花:花托・萼・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 萼:萼筒
- 花冠:唇形花冠で、上唇は浅く裂けて裂片が2個、下唇は深く裂けて裂片は3個、色は白色・淡い桃色・淡い紫色です。
- 雄蕊:4本
- 雌蕊:1本
●果実の形態
- 果実の分類:分離果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■オレガノ・ブルガリの園芸品種を紹介
ギリシャオレガノ

学名:Origanum vulgare subsp. hirtum
花の色:白色
葉の色:緑色
草丈:約20~60cm
備考:ギリシャオレガノは別名で「グリークオレガノ(Greek oregano)」とも呼ばれているオレガノ・ブルガリの亜種です。ギリシャオレガノは学名に「毛深い」を意味する「hirtum」が入っている事からも分かる通り腺毛が多く、また精油の量も多い所がです。そのため、料理用のハーブとして人気が高いオレガノです。
カントリークリーム

学名:Origanum vulgare ‘country cream’
花の色:白色・淡い桃色
葉の色:緑色・白色(覆輪)
草丈:約30~60cm
備考:葉の縁部分に白色の覆輪が入るため、明るさや上品さを感じさせるカラーリーフとして使える品種です。
ウェストエーカーゴールド
学名:Origanum vulgare cv.
花の色:白色・淡い桃色
葉の色:黄緑色
草丈:約20~40cm
備考:葉の色が黄緑色をしているため、明るさを感じさせるカラーリーフとして楽しめる園芸品種です。
■オレガノ(ハナハッカ)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■オレガノ・ブルガリの育て方
花壇の土づくり
バイオーム
オレガノ・ブルガリのバイオームは地中海性植生などです。自生地は丘陵地の草原や岩場などにあります。
地中海植生の土壌は、基本的にあまり肥沃ではなく、石灰岩が風化して出来たテラロッサや岩石の間にある浅い土壌のレプトソルなどが分布しています。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
日当り
オレガノ・ブルガリは、基本的に日向で育てる事が理想ですが、半日影までで育てることが出来ます。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- バイオームが地中海植生である事からも分かる通り、基本的に通気性・排水性の高い土壌を好みます。そのため、土質は砂壌土あたりに植え付けてあげるとよいでしょう。※過湿は根腐れを引き起こす原因となるため、粘土質な土壌は避けて下さい。
- 堆肥は、土壌の物理性・生物性などを改善する働きがあり植物の成長を促進しますが、夏場に蒸れて根腐れを引き起こす原因になったり、また葉の風味が損なわれる原因になったりします。基本的に、肥沃な土壌を好む植物でないため、堆肥は入れすぎないように注意しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
日当り
オレガノ・ブルガリは、基本的に日向で育てる事が理想ですが、半日影までで育てることが出来ます。
培養土
培養土を購入する場合は、ハーブ用の培養土、通気性が高めの草花の培養土を利用すると良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 基本的には通気性・ 排水性が優れている培養土をつくります。
- 堆肥の入れ過ぎは夏場に蒸れる原因となるため、一般的な植物よりも少なめにする。ただし堆肥を少し入れた方が生育がよい事もある、必要に応じて少量入れると良いでしょう。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を多めに入れたり、植物の呼吸や成長を考えて通気性がしっかり保てる用土を選んだりする。
培養土の配合例
- 川砂 + 赤玉土(小粒) + 腐葉土 + くん炭 + 元肥 = 3:4:2:1:適量
- 日向土(細粒・小粒) + 赤玉土(小粒) + バーク堆肥 + くん炭 + ゼオライト + 元肥= 4:3:2:1:適量(0.5): 適量
- 赤玉土(小粒・中粒) + 日向土 + 腐葉土 + 苦土石灰 + 元肥= 6:2:2:適量:適量
鉱石の土壌改良用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 特徴:粒子が大きく通気性・排水性が優れており、保水性と保肥力が殆どない。比重が約2.5~2.6と大きく安定感があるため植物をしっかりと支える事が出来る。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・盆栽等の育成でよく利用されます。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
有機物の土壌改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- バーク堆肥:バーク堆肥は、樹木の樹皮を発酵させて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:バーク堆肥は見た目が黒っぽく、断片が小さくなって、しっかりと発酵しているものを選びましょう。発酵が未熟なものは、株元にマルチして使用した方がよいでしょう。
- 特徴:バーク堆肥は繊維が多く土壌の膨軟性を高める効果が非常に高い、そのため空気の通りが良くなり根の成長を助けます。また土壌の保水性・保肥力を改善する効果も高めです。微量要素を多数含んでいるため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。C/N比が高くリグニンを含む難分解性有機物が含まれているため完全な分解まで時間がかかる傾向があり膨軟効果が長く続く。PHは弱酸性から中性です。
- 注意点:C/N比が高いためバーク堆肥を大量に土壌に入れると分解時に微生物が窒素を余計に使い窒素飢餓を引き起こす事がある、そのためバーク堆肥の入れ過ぎには注意です。リグニンが発芽抑制・生育障害等を引き起こす原因になる事があります。
- 用途:土壌の膨軟性を長期間に渡り高めて、保水性・保肥力・通気性を改善する目的、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする目的で、花壇の土壌改良材として利用されたり、またコンテナ栽培の改良用土として利用されたりしています。
- 牛糞堆肥:牛糞堆肥は、牛糞を主原料にして、籾殻・藁・オガクズなどを加えて、微生物の力で発酵さて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:牛糞堆肥は見た目が黒っぽく、悪臭がない、しっかりと発酵しているものを選びましょう。
- 特徴:牛糞堆肥には少量ですが窒素・リン・カリの肥料成分を含んでおり、また中量要素や微量要素の養分も含まれているため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌に団粒構造を作り肥沃な土壌を作り出す助けとなります。また土に混ぜるだけでも通気性・保水性・保肥力を高める効果があり植物が育ちやすい環境となります。
- 注意:牛糞堆肥は塩分濃度が高めで、分解も早いため、土量に制限のあるコンテナ栽培(プランター)ではあまり利用されません。
- 用途:培養土の中にひと握りほどの少量の牛糞を入れて肥沃さを高められることがある。土壌の保水性・保肥力・通気性を改善する目的、土の団粒化や土壌の肥沃化を促す目的で土壌改良で使用される事が多いです。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- 特徴:非常に軽く空気を多く含んでいて、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため、培養土などに混ぜ込むと通気性が大きく改善して根張りがよくなります。通気性はもちろん保水性・保肥力も高いため優れた土壌改善効果があり、単体でも植物を育てる事が出来る。
- 用途:土壌の膨軟性・通気性・保水性・保肥力を改善する目的で使用することができます。培養土としてべラボン単体で一般的な植物を育てる事ができます。非常に軽量なため吊り鉢やハンギングバスケットなどの培養土にもおすすめです。樹木に着生する洋ランなどの植物の培養土にも利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PHが8~10と高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
オレガノ・ブルガリは原産地が地中海沿岸にあり、地中海沿岸は夏場乾燥していて冬に比較的に雨が多く降る地域です。
基本的に耐乾性の強い植物になるため、地植えで育てていれば降雨に任せて育てることが出来ます。
ただし、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時、鉢植えで育てている場合などには、水やりが必要になることがあります。水やりのタイミングなどは下記を参考にして下さい。
注意する事は、過湿状態にしてしまうことです。過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、梅雨の長雨や水やりの頻度などには注意が必要となるでしょう。
水やりのタイミング
春から秋にかけては生育旺盛で十分な水を必要とするため、土壌の表面・表層が乾燥したタイミングで水を与えます。
冬の期間は生育が緩慢になるため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
オレガノ・ブルガリは、砂質の痩せ地で自生している事からも分かる通り、ほとんど栄養がなくても問題なく育てられます。そのため、一定の肥沃さがあれば基本的に肥料は不要です。
ただし、土壌が極端に痩せている場合や鉢植えで育てている場合は、堆肥または肥料を入れてあげた方がよい場合もあります。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥が入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期:晩冬から早春
- 肥料の選び方:緩効性肥料
- 肥料の与え方:緩効性肥料を与える場合は、規定された分量を規定された場所に与えます。基本的には株から少し離れた場所に根があるため、肥料は株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。
剪定のやり方
オレガノ・ブルガリは剪定せずに育てる事も出来ますが、一般的に株をコンパクトにしたり、開花を抑制したり、木質化を防ぐ目的などで剪定が行われます。
切り戻しを行う理由
- コンパクト化:コンパクト化とは、株のサイズを小さくコンパクトにする事です。株を剪定して小さくする事で管理が楽になったり、株がギュッと詰まった見た目になりやすくなります。
- 茎・葉の数を増やす:剪定をする事で、分枝が促されるため、茎の数が増えて、結果的に葉の数も増えます。
- 開花の抑制:花が咲く前に剪定することで花を咲かせる生殖成長が抑制されて茎・葉が伸びる栄養成長が続きます。そのため、葉をより多くつけることができます。
- 若返り:茎は古くなると、木質化が進んで株の寿命が短くなったり、株元がスカスカになってしまったり、花の数や葉の数が減る事があります。剪定する事で、株の木質化を抑制したり、株元付近から新しい芽が出て株が若返ったり、また若い茎は生産性が高いため沢山の葉をつけるようになったりします。
- 多湿改善:多湿とは、湿気が多くジメジメとした環境になり、病害虫の発生の原因となります。茎・葉が繁茂している状態は、風通しや日当たりが悪くなるため、株元などは多湿環境になりやすいです。そのため、多湿を苦手にする植物などは、梅雨の前後に茎を途中で切って、風の通りをよくしたり、太陽が株元まで当たるようにしたりします。
切り戻し剪定のやり方
- 剪定の時期
- 晩夏から夏
- 冬の剪定
- 生育期間中
- 晩春から夏の剪定
- 開花前の晩春頃に剪定する事で、開花を抑制出来ます。剪定する量は茎の3分の2ほどを目安に剪定するといいでしょう。剪定で取り除いた葉は収穫して利用することができます。
- 晩夏頃にも剪定する事で、株の形状を整えることができます。剪定する量は茎の3分の2ほどを目安にして、また最低でも茎に数枚の葉を残すように剪定するといいでしょう。剪定で取り除いた葉は収穫して利用することができます。
- 冬の剪定方法
- 株を観察して、枯れてる茎・損傷してる茎・病気の茎を探して、健康な部分まで切り戻しする。
夏越しする方法
オレガノ・ブルガリの原産地は地中海沿岸にあり、地中海沿岸の夏は高温で雨が少なく乾燥しています。
そのため、基本的に夏の暑さや乾燥には強いですが、極端な乾燥や長雨の過湿により、株が弱ったり枯れたりする事があります。
そのため、必要に応じて夏越し対策が必要になってくるでしょう。
夏越しで重要なポイント
- 長雨対策:雨の当たらない場所に鉢植えを移動したり、雨避けをつくって植物を長雨から保護します。
- 鉢植えの移動:長雨が続く場合などは、植物を育てている鉢植えを軒下などに移動して、雨宿りをさせて上げるとよいでしょう。
- 雨避け:雨避けを準備します。 植物を育てている花壇などに雨避けをつくるか、雨避けを張っている場所に植物を移動する。
- 排水性の改善:長雨の後に、植物を植えている場所に雨水が溜まっていたりする場合は、排水性が悪い場合があります。そのため、排水性の改善をする方が良いでしょう。
- 周囲より高くする:植物を植える位置を高くすることで、水が周囲に流れて排水性がよくなります。そのため、レイズドベットを作ったり、ロックガーデンを作ったりすると良いでしょう。
- その他:縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝を作り、雨水がたまらないように流れをつくります。
- 過湿対策:土壌の改善をおこないます。基本的には砂質・砂壌土の土壌または培養土で植物を育てましょう。また腐葉土を入れ過ぎると蒸れる原因ともなるため注意が必要です。
- 乾燥対策:夏場は乾燥して、植物は元気がなくなりやすいため、他の季節よりも多めの水やりが必要になる傾向があります。そのため、土壌の乾き具合を見て、表面または表層が乾燥してきたら、水やりを行いましょう。
冬越しする方法

Hardiness:4~10
オレガノ・ブルガリは耐寒性が高いため、基本的に冬越し対策をしなくても問題ないです。
ただし環境や個体によっては寒さや霜によって枯れることもあるため、必要に応じて冬の寒さから保護してあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
オレガノ・ブルガリは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期
- 挿し木する時期は発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土には切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 培養土を容器に入れて事前に水をかけて湿らせておきます。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂を整形する
- 挿し穂の長さを5~7cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程をいれます。
- 管理
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
挿し木の方法
- 時期:早春または秋に行います。
- 観察:植物を観察して株分け出来そうな離れた株があるか確認します。
- 掘りあげ:株と株が離れている場合は個別の株をシャベルなどを利用して掘りあげます。株と株が近い場合は2つの株をまとめて掘りあげます。
- 観察:株から土を軽く落として、根茎で繋がっている株同士のポイントを探します。
- 分割:株の間にある根茎を刃物を使用して切って株を2個に分割します。
- 定植:株を分けたら、根が乾く前に植えたい箇所に直ぐに植え付けます。
播種で増やす
オレガノ・ブルガリの種蒔の方法
- 播種時期:3月~4月・9月~10月
- 発芽適温:約15~20度
- 発芽日数:約7日~
- 備考:
種まき手順
- 種まきの時期:3月~4月または9月~10月
- 培養土の準備:ピートバンや種まき専用の培養土などを準備しておくと失敗が減ります。花壇の土などに直接撒くことも可能です。
- 種の撒き方:種は重ならないように、すじまき・点まきします。種を指で軽く押し込んで鎮圧して、土を数mm程度うすく被せます。※鎮圧は土と種の接着を高め水分の吸収をよくします。
- 種まき後の管理
- 種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。本葉がでたら移植して育てましょう。