

- 原産:ヨーロッパ
- 科:キンポウゲ(Ranunculales)
- 属:オダマキ/アクレギア(Aquilegia)
- 種:セイヨウオダマキ/ブルガリス(Aquilegia vulgaris)
- 別名:オダマキ・ブルガリス/ヨーロピアンコロンバイン(European columbine)/コモン コロンバイン(common columbine)
- 品種:ブラックベリー(Aquilegia vulgaris ‘blackberry’)
- 開花時期:5月~7月
- 花の色:黒色(暗紫色)・白色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約40~60cm
- 株張り:
- 誕生花:4月20日/4月27日/5月20日
- 花言葉:愚か/勝利への決意/心配して震えている/あの方が気がかり
- 用途:グランドカバー/カラーリーフ/切り花/種から育てる植物
- 購入方法:セイヨウオダマキ(ブラックベリー)を楽天で購入
■セイヨウオダマキ(ブラックベリー)の特徴
- 学名:Aquilegia vulgaris ‘blackberry’
- 花弁の色:黒色(暗紫色)・白色
- 萼片の色:黒色(暗紫色)
- 葉の色:緑色
- 草丈:約40~60cm
- 備考:花の咲き方は八重咲きで、花弁が細長く、弁先が円形でフリル状に波打っています。そのため、フリルドレスを見てるような可愛らしい雰囲気を添える品種です。一方で、花の色は黒色(暗紫色)と白色の複色で、シックな雰囲気があるため、エレガントな雰囲気を添える品種となります。
■セイヨウオダマキとは!?


セイヨウオダマキの学名は Aquilegia vulgaris で、別名では「オダマキ・ブルガリス」「ヨーロピアンコロンバイン(European columbine)」「コモン コロンバイン(common columbine)」等とも呼ばれるキンポウゲ科オダマキ属の多年草です。
セイヨウオダマキの原産地はヨーロッパにあり、自生地は草原や森林の中等にあります。
■セイヨウオダマキの語源(由来)
- Aquilegiaの由来:ラテン語で「鷲」を意味する「aquila」から来ており、花を構成している距の形が鷲の爪に似ている所からきていると考えられています。
- vulgarisの由来:ラテン語で「普通の」「ありふれた」を意味します。
■セイヨウオダマキの特徴(魅力)
- セイヨウオダマキの魅力:この植物は、他のオダマキ属の種と比べて園芸品種が豊富にあり、花の形と色が非常に多様です。花の形は一重咲きから八重咲き、花の向きは可憐に下向きに咲くものから、華やかに上向きに咲くものがあり、花の色も多彩です。そのため、園芸ではこの花を鑑賞したり、収穫して切り花として利用したりする目的で栽培されています。また開花期以外も特徴的な切れ込みの入る葉が地面を覆うため、これを鑑賞したり、地被植物として楽しむ目的で栽培することができます。この植物は多年草(宿根草)であり、適切な場所で管理すると毎年花を咲かせます。
- 草姿:生育型はロゼット型で、台木のような短い根茎から根生葉が放射状に広がり地表を覆います。開花期には、基部から花茎を垂直に伸ばします。この花茎には普通葉は無いか殆ど付かず、花芽を保護するための苞をもちます。
- 葉の特徴:葉序は根生葉または互生葉序、葉は基部からロゼットを形成して地表を覆うようにひろがります。そのため、地被植物として利用されることも多いです。葉の概形は2回三出複葉になり、小葉は倒卵形・菱形となります。そのため、レースの中に入る模様を見てるようなお洒落な外観をしています。
- 花の特徴:花序は集散花序であり、中央の頂花が開花した後、側枝が伸びて、上から下(中心から外側)へと順次開花を繰り返します。花の形は非常に多様であり、一重咲きから八重咲き、また花弁の形や付き方により、ドレスのような見た目のものから薔薇の花のようなものまで様々な形態が見られます。ただし、一般的には花弁のように外側で広がる5枚の萼片と、その内側の花中央で筒を形成しながら後方に距が伸びる5枚の花弁があり、オダマキ特有の独特な花姿が見られます。オダマキは一般的に花が下向きに開花しますが、セイヨウオダマキは上向きや横向きに咲く品種もあります。花の色も非常に多様であり、青色・紫色・赤色・桃色・白色・黒色や複色があります。そのため、自身の好みの色を見つけることが出来るでしょう。
- フローラプレノ・グループ(Flore Pleno group):花の形は八重咲き、花弁は細長く弁先が丸みを帯びます。
- ステラ・グループ(Stellata group):花の形は八重咲き、花弁は細長く弁先に丸みがあります。
- ベラネアナ・グループ(Veraeneana group):葉の中に大理石を思わせる斑が入る。
- フラワーアレンジメント:セイヨウオダマキは独特な花形と、うつむき加減に咲く楚々とした可憐な花姿が魅力の植物です。その可憐な花は、フラワーアレンジメントの中でも重宝されており、特に切り花でよく利用されます。ただし、日持ちはそれほど長くありません。管理の仕方でも左右されますが花瓶の中で3~5日程度で装飾性が失われます。
- カラーリーフ:葉の色は一般的に緑色の単色ですが、品種(レクチャムゴールド 等)を選べばイエローリーフやの黄色の斑入りもあります。そのため、品種を選べば開花期以外もカラーリーフとして楽しめます。
- 地被植物:セイヨウオダマキはロゼット状に葉を広げて地表面を上手く覆うため、地被植物(グランドカバー)として利用できます。特に、その繊細で優雅な印象を与える葉は、イングリッシュガーデンや自然な雰囲気の庭によく馴染み、上品さを演出するのに一役買うでしょう。ただし株は横への広がりがほとんどないため、広範囲の地面を覆いたい場合は、株を複数用意する必要があり、また冬の期間は地上部が枯れて休眠してしまい、夏場は暑さや強い日差しで枯れ込む事もあるため管理に注意が必要になるでしょう。
- 花壇の縁取り:草丈は開花期以外はそれほど高くならず、葉がロゼット状に広がり地表を放射状に覆うため、花壇の縁に株を並べるとお洒落な縁どりとして楽しめます。特に半日影や明るい日陰などを覆うのに役立つでしょう。
- 苗の増殖:種子から簡単に苗を増やせるため、広い面積の花壇や庭を埋めるのに役立ちます。
■セイヨウオダマキの切り花の楽しみ方
- 収穫:切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 花材の選び方:花は蕾が開きかけのものを選ぶと、切り花にした後に開花するため、花持ちが良くなります。
- 水揚げ:葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて茎から全て取り外します。茎の切り口は水切りを行います。
- 花を生ける:花瓶の中に水を入れて花を生けます。
- 管理:直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。また徐々に水揚げが悪くなるため、必要に応じて水切りを再度して水換えをしましょう。管理の方法にも左右されますが日持ちは3~5日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水中につけた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの切り花で行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切り法は、水中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切り法を行うことで茎が詰まっている原因(微生物・空気・樹液など)を取り除いて、切り口の状態を正常に戻す効果があります。
水切り法のやり方
- 準備:花材と水の入った容器を準備する
- 茎の切断:切り花の切り口を水中に漬けて、その中で切り口の根元から上に約1~5cmの場所で斜めにカットします。※斜めにカットする事で吸水部が増えて水揚げ効率がよくなります。
- 切り花を生ける:切り口を別の容器にいれて水揚げするか、花器に入れて飾ります。
■セイヨウオダマキの生活形と形態
●生活形・茎の形態

- 草丈:約50~100cm
- 生育型:ロゼット型で、一般的に葉が根生葉だけで構成されていて茎(花茎)に葉がつかないもの。
- 茎の種類:根茎・花茎
- 根茎:普通の根っこのように見える地面下にある茎です。
- 花茎:葉を付けずに頂部に花のみをつける茎を指します。※オダマキの花茎についている葉に見えるものは普通葉ではなく変態葉の一種である苞です。
- 茎の毛:有毛
- 茎の色:緑色・赤紫色・赤褐色
●葉の形態

- 葉序:根生葉・互生葉序
- 葉柄:有柄・無柄
- 根生葉の葉柄:有柄※葉を含めると長さが20~40cmになる。
- 茎葉の葉柄:有柄(短い)・無柄
- 葉身の概形:2回3出複葉
- 小葉の概形:広倒卵形・倒卵形・菱形
- 葉の縁部分:浅裂
- 葉の色:緑色
●花の形態

- 花序:集散花序
- 集散花序:集散花序は、花軸の先端で最初に頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の葉腋から伸びる側枝の先端に花が形成されると軸の成長が止まり、この過程を繰り返しながら上から下(中心から外側)へと順次花を咲かせる花序の総称です。
- 苞:花梗の基部にある。
- 苞の形:披針形または、苞が分裂して披針形の裂片が3枚ある。
- 苞の色:緑色
- 花:花托・萼・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花の直径:約3~8cm
- 萼:離片萼
- 萼の概形:平開または浅い皿状に開く。
- 萼片の数:5枚
- 萼片の長さ:約1.5~3cm
- 萼片の形:楕円形・卵形・披針形
- 萼片の色:青色・紫色・赤色・桃色・白色・黒色
- 花冠:放射相称花冠
- 花弁:花弁は5枚あり、花弁基部に距を形成している。花弁は萼片の内側で互生に並び、花の中心部で筒を形成するように集まる傾向がある、距は細長い形状で中空の角状になり後ろに突出する。
- 花弁の長さ:約2~3.8cm※距を含めると萼片よりも長い
- 花弁の色:青色・紫色・赤色・桃色・白色・黒色など
- 雄蕊:13本以上あり、長さは約0.9~1.3cmになる。
- 雌蕊:5本
●果実・種子の形態
- 果実の分類:袋果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■セイヨウオダマキの園芸品種を紹介
ウィンキー ダブル・シリーズ

学名:Aquilegia vulgaris ‘winky double’
花弁の色:青紫色・赤色・桃色・白色
萼片の色:青紫色・赤色
葉の色:緑色
草丈:約20~30cm
備考:花の咲き方はフローラプレノ・グループ(Flore Pleno group)になり、八重咲きで弁先に丸みがある。そのため、可愛らしさがあります。また花は上向きに開花するため、花の顔を鑑賞しやすく華やかな花姿が楽しめます。花の色は品種により差異がありますが、弁先に白色の覆輪がはいります。
ウィンキー ダブル・シリーズの品種
- レッド&ホワイト:花弁の色は赤色と白色で、弁先に白色の覆輪がはいります。そのため、派手さと上品さを兼ね備えるエレガントな雰囲気を感じさせる品種です。
- ダークブルー&ホワイト:花弁の色は青紫色と白色で、弁先に白色の覆輪がはいります。そのため、落ち着いた雰囲気があるエレガントなお庭によくあいます。
- ローズ&ホワイト:花弁の色は桃色と白色で、弁先に白色の覆輪がはいります。そのため、フワフワとした可愛らしさがあり、メルヘンチックな雰囲気を感じさせる品種です。
バロウ・シリーズ






学名:Aquilegia vulgaris ‘barlow’
花弁の色:赤色・桃色・青紫色・白色・黒色
萼片の色:赤色・桃色・青紫色・白色・黒色
葉の色:緑色
草丈:約60~80cm
備考:花の咲き方はステラ・グループ(Stellata group)になり、八重咲きで弁先に尖り、シャープでカッコイイ見た目をしている所が特徴です。また花弁は比較的に規則正しく並ぶため、洗練された雰囲気がある所も魅力です。花の色は品種により多様で赤色・桃色・青紫色・白色・黒色の範囲で変化します。そのため、自身の好みの色を見つける事が出来るでしょう。
バロウ・シリーズの品種
- ノラバロウ(Aquilegia vulgaris ‘nora barlow’):花の色は赤ピンク色と白色の複色で、弁先に白色の斑がはいります。そのため、可愛らしさの中に華やかさも感じさせる品種です。
- ローズバロウ(Aquilegia vulgaris ‘rose barlow’):花の色は柔らかな桃色をしており、可愛らしさを感じさせる品種です。
- ブルーバロウ(Aquilegia vulgaris ‘blue barlow’):花の色は濃い青紫色をしており、深い闇を見ているようなミステリアスな雰囲気を感じさせたり、格式高い雰囲気を感じさせる品種です。
- ボルドーバロウ (Aquilegia vulgaris ‘Bordeaux Barlow’):花の色は明度の低い赤黒色をしていて、重厚感と華やかさを兼ね備える品種です。そのため、高級感を感じさせるようなラグジュアリーなお庭や、エレガントな雰囲気があるお庭によく合う品種です。
- ブラックバロウ(Aquilegia vulgaris ‘black barlow’):花の色は黒色をしており、重厚的でシックな雰囲気を感じさせる品種です。そのため、モダンな雰囲気があるお庭などによくあいます。
- ホワイトバロウ(Aquilegia vulgaris ‘white barlow’):花の色は白色をしており、清楚さや神聖さを感じさせる品種です。
クレメンタイン・シリーズ




学名:Aquilegia vulgaris ‘clementine’
花弁の色:赤色・桃色・サーモン色・青紫色・白色
萼片の色:赤色・桃色・サーモン色・青紫色・白色
葉の色:緑色
草丈:約60~80cm
備考:花の咲き方はステラ・グループ(Stellata group)になり、八重咲きで弁先に尖り、距の無い花を咲かせます。花の色は品種により多様で赤色・桃色・サーモン色・青紫色・白色の範囲で変化します。そのため、自身の好みの色を見つける事が出来るでしょう。
クレメンタイン・シリーズの品種
- サーモンローズ(Aquilegia vulgaris ‘clementine salmon rose’):花の色はサーモンピンク色で、柔らかな色合いをしています。そのため、可愛い雰囲気のお庭などによく合うでしょう。
- レッド(Aquilegia vulgaris ‘clementine red’):花の色は赤色から赤ピンク色をしており、派手で華やかな雰囲気を感じさせる品種です。
- ブルー(Aquilegia vulgaris ‘clementine blue’):花の色は濃い青紫色で、落ち着いた雰囲気を感じさせる品種です。
- ローズ(Aquilegia vulgaris ‘clementine rose’):花の色は淡い桃色をしており、女性的な可愛らしさを感じさせる品種です。
ルビーポート

学名:Aquilegia vulgaris ‘ruby port’
花弁の色:濃い赤色
萼片の色:濃い赤色
葉の色:緑色
草丈:約60~80cm
備考:花の咲き方はステラ・グループ(Stellata group)になり、八重咲きで弁先に尖り、シャープでカッコイイ見た目をしている。花の色は赤ワインや口紅を思わせるような濃い赤色をしてるため、高級感を感じさせるようなラグジュアリーなお庭によくあいます。
ピンクペンチコート

学名:Aquilegia vulgaris ‘pink petticoat’
花弁の色:桃色・白色
萼片の色:桃色
葉の色:緑色
草丈:約70cm
備考:花の咲き方は八重咲きで、花弁が細長く、弁先が円形でフリル状に波打っています。そのため、フリルドレスを見てるような可愛らしい雰囲気を添える品種です。また花の色も薄い桃色と白色で、優しい雰囲気があるため、可愛いをテーマにするお庭やメルヘンチックな雰囲気を感じさせるお庭によく合うでしょう。
ブラックベリー

学名:Aquilegia vulgaris ‘blackberry’
花弁の色:黒色(暗紫色)・白色
萼片の色:黒色(暗紫色)
葉の色:緑色
草丈:約40~60cm
備考:花の咲き方は八重咲きで、花弁が細長く、弁先が円形でフリル状に波打っています。そのため、フリルドレスを見てるような可愛らしい雰囲気を添える品種です。一方で、花の色は黒色(暗紫色)と白色の複色で、シックな雰囲気があるため、エレガントな雰囲気を添える品種となります。
ウィリアムギネス

学名:Aquilegia vulgaris ‘william guinness’
花弁の色:黒色(暗紫色)・白色
萼片の色:黒色(暗紫色)
葉の色:緑色
草丈:約60~80cm
備考:花の形は一重咲き、花の色は黒色と白色の対比が美しい品種となります。そのため、モダンでシックな雰囲気があるお庭などによく合う品種です。
グリーンアップル

学名:Aquilegia vulgaris ‘green apples’
花弁の色:白色
萼片の色:黄緑色
葉の色:緑色
草丈:約60~80cm
備考:花の咲き方はステラ・グループ(Stellata group)になり、八重咲きで弁先に尖ります。花は蕾の時期はグリーンアップルのような外観をしており、開花すると白色の花弁が開きます。
マッカナジャイアント
学名:Aquilegia vulgaris cv.
花弁の色:赤色・紫色・橙色・黄色・白色
萼片の色:赤色・紫色・橙色・黄色・白色
葉の色:緑色
草丈:約60~80cm
備考:花のサイズが7~8cmと大きく、強い存在感のある花が楽しめます。タネから育てられるため株を増やして広範囲を覆いやすい。
レクレチャムゴールド
学名:Aquilegia vulgaris ‘Leprechaun Gold’
花弁の色:濃い青紫色
萼片の色:濃い青紫色
葉の色:緑色・黄色
草丈:約40~60cm
備考:葉の色の緑色と黄色の複色で、葉の中に飛沫のような黄色の散斑が入ります。そのため、明るい印象を感じさせるカラーリーフとして楽しめます。花の色は濃い青紫色をしており、深い闇を見てるようなミステリアスな雰囲気を感じさせます。
ブルースター
学名:Aquilegia vulgaris ‘blue star’
花弁の色:薄い青色・白色
萼片の色:薄い青色
葉の色:緑色
草丈:約60~80cm
備考:花の形は一重咲き、花の色は青色と白色の複色になり、青空を見ているようなさわやかさを感じさせる品種です。
サンシャイン
学名:Aquilegia ‘sunshine’
花弁の色:黄色
萼片の色:薄い黄色
葉の色:緑色
草丈:約40~60cm
備考:花の形は八重咲き、外側で広がる薄い黄色の萼片の中心部で、丸みのある小さな黄色の花弁が重なり可愛らしさと華やかさを感じさせる花姿を作ります。
■オダマキ(アクレギア)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■セイヨウオダマキの育て方
花壇の土づくり
バイオーム
セイヨウオダマキの原産地はヨーロッパ、自生地はやや日陰の草原や森林の中や林端などで見られます。基本的に気候は温帯から冷帯に及び、冬季の寒さも降雪はありますが比較的に穏やかです。年間降水量は地域によって差がありますが、一般的には適度な降水量があり、土質に関しては壌土に近い肥沃な場所を好みます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
日当り
セイヨウオダマキは、強い直射日光を避けた、西日の当たらない半日影で育てることが理想です。特に夏場に西日が当たると、葉焼けを引き起こして葉がボロボロになったり、土壌の乾燥が早まり株が萎れやすくなり、生育不良になりやすくなります。そのため、適切な場所に植える事が大切です。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば幅広い土壌に適応します。そのため土質は砂壌土・壌土が適します。※過湿でジメジメと湿りやすい土壌はあまり許容しないため粘土質の土質は避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(黒土・腐葉土など)を入れて土壌の物理性・生物性・化学性などを改善してあげるとよいでしょう。また堆肥を入れることで保水性も改善されます。
- PH:PHは中性から弱酸性を好みます。土壌のPHを診断して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてPHを調節しましょう。PHが極端に外れた土壌では微量要素などの栄養補給が上手くいかずに生育不良になる場合があります。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
日当り
セイヨウオダマキは、西日の当たらない半日影で育てることが出来ます。朝から夕方まで直射日光の当たる場所は、葉焼けを引き起こして葉がボロボロになり生育不良になったり、乾燥が早まり萎れやすくなりやすいです。そのため、適切な場所に植える事が大切です。
培養土
培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 植物の好む環境に合わせて通気性・ 排水性・保水性のバランスを考えた用土の構成にする。
- 堆肥は土壌の物理性を改善して根張りをよくするだけでなく、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、腐葉土などの堆肥をしっかり入れて植物の生育を促進しましょう。
- 鉢植えを移動する場合を考えて比重の軽い用土を利用したり、植物が倒れる可能性も考えて比重の重めの用土を選んだりする。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を利用したり、植物の呼吸や成長を考えて通気性がしっかり保てる用土を選んだりする。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土 +元肥=6:4:適量
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土 +元肥=4:2:4:適量
- 日向土(細粒・小粒)+ピートモス+くん炭 +元肥=5:4:1:適量
鉱石の土壌改良用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 特徴:粒子が大きく通気性・排水性が優れており、保水性と保肥力が殆どない。比重が約2.5~2.6と大きく安定感があるため植物をしっかりと支える事が出来る。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・盆栽等の育成でよく利用されます。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
有機物の土壌改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- バーク堆肥:バーク堆肥は、樹木の樹皮を発酵させて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:バーク堆肥は見た目が黒っぽく、断片が小さくなって、しっかりと発酵しているものを選びましょう。発酵が未熟なものは、株元にマルチして使用した方がよいでしょう。
- 特徴:バーク堆肥は繊維が多く土壌の膨軟性を高める効果が非常に高い、そのため空気の通りが良くなり根の成長を助けます。また土壌の保水性・保肥力を改善する効果も高めです。微量要素を多数含んでいるため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。C/N比が高くリグニンを含む難分解性有機物が含まれているため完全な分解まで時間がかかる傾向があり膨軟効果が長く続く。PHは弱酸性から中性です。
- 注意点:C/N比が高いためバーク堆肥を大量に土壌に入れると分解時に微生物が窒素を余計に使い窒素飢餓を引き起こす事がある、そのためバーク堆肥の入れ過ぎには注意です。リグニンが発芽抑制・生育障害等を引き起こす原因になる事があります。
- 用途:土壌の膨軟性を長期間に渡り高めて、保水性・保肥力・通気性を改善する目的、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする目的で、花壇の土壌改良材として利用されたり、またコンテナ栽培の改良用土として利用されたりしています。
- 牛糞堆肥:牛糞堆肥は、牛糞を主原料にして、籾殻・藁・オガクズなどを加えて、微生物の力で発酵さて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:牛糞堆肥は見た目が黒っぽく、悪臭がない、しっかりと発酵しているものを選びましょう。
- 特徴:牛糞堆肥には少量ですが窒素・リン・カリの肥料成分を含んでおり、また中量要素や微量要素の養分も含まれているため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌に団粒構造を作り肥沃な土壌を作り出す助けとなります。また土に混ぜるだけでも通気性・保水性・保肥力を高める効果があり植物が育ちやすい環境となります。
- 注意:牛糞堆肥は塩分濃度が高めで、分解も早いため、土量に制限のあるコンテナ栽培(プランター)ではあまり利用されません。
- 用途:培養土の中にひと握りほどの少量の牛糞を入れて肥沃さを高められることがある。土壌の保水性・保肥力・通気性を改善する目的、土の団粒化や土壌の肥沃化を促す目的で土壌改良で使用される事が多いです。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- 特徴:非常に軽く空気を多く含んでいて、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため、培養土などに混ぜ込むと通気性が大きく改善して根張りがよくなります。通気性はもちろん保水性・保肥力も高いため優れた土壌改善効果があり、単体でも植物を育てる事が出来る。
- 用途:土壌の膨軟性・通気性・保水性・保肥力を改善する目的で使用することができます。培養土としてべラボン単体で一般的な植物を育てる事ができます。非常に軽量なため吊り鉢やハンギングバスケットなどの培養土にもおすすめです。樹木に着生する洋ランなどの植物の培養土にも利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PHが8~10と高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
セイヨウオダマキは、乾燥を苦手にしており、一定の湿り気のある土壌を好みます。
ただし、極端な過湿状態にしてしまうと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりする頻度には注意が必要となります。
水やりのタイミング
生育期間中は生育旺盛でたくさんの水を必要とするため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水を与えます。
冬の期間は生育が緩慢になるため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
セイヨウオダマキは、比較的に痩せている土壌でも育つため、土壌に十分な肥沃さがあれば肥料を与えなくても育てる事ができます。ただし、早春に株の周りに堆肥を施したり、有機肥料や緩効性肥料を施すと成長がよくなります。ただし、過剰に肥料を施すと根腐れを引き起こして株を枯らす原因になるため注意が必要です。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい培養土を混ぜて再利用する。
肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中に入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型を選びます。
- 肥料の製品:有機肥料(植付け前)・緩効性肥料・配合肥料(BB肥料など)がおすすめです。
- 施し方:全面施肥
- 全面施肥:植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。有機肥料を使用する場合は発酵時のガスや高温で根を傷める事もあるため、植付け2週間程度前に肥料を入れて混和する。
- 芽出し肥:早春から春頃に新芽が動き出す前に、発芽の促進や初期の成長を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料や有機肥料がおすすめです。
- 施し方:置き肥・埋め込み
- 置き肥:土の表面に置いて施す肥料です。肥料を置く場所は、株の大きさにも左右されますが株元から少し離れた場所、または鉢縁の傍に、バランスよくいれます。
- 埋め込み:埋め込みタイプは土の中に肥料を入れて使用します。株元から少し離れた場所に穴を掘り、その中に肥料を入れましょう。風で飛びやすい粉タイプや、害虫が発生しやすい有機肥料などを施す際に埋め込みが有効です。
剪定のやり方
セイヨウオダマキは剪定せずに育てる事も出来ますが、開花期間を伸ばしたり、株を弱らせない目的で花がら摘みが行われます。
剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
剪定を行う理由
- 開花期間の延長:花がらを残すと種作りにエネルギーが使われるため、花芽に栄養がまわらず次の花が咲きにくくなります。花がら摘みをする事で、花芽に栄養がいって次の花が咲きやすくなります。
- 株の寿命の延長:花がらを残すと、種を作るためにエネルギーを使われるため、株が弱って寿命が短くなることがあります。そのため、株が弱りやすい植物などは長く楽しむために花がら摘みをする事が大切になります。
花がら摘み
- 剪定の時期:開花期間中
- 開花後の剪定:株を観察して花が一段落しているのを見つけたら、開花してる花茎を株元から剪定して取り除きましょう。こうする事で、株元から茎が新たに成長して次の花が咲くことがあります。
夏越しする方法
セイヨウオダマキは、夏場の高温・強光・多湿・乾燥のいずれも苦手にしています。そのため、栽培する場所を日陰にするなど、しっかりと対策を行い夏越しする必要があります。
夏越しで重要なポイント
- 高温の改善:温度が高いことです。 植物の生育適温は一般的に15~30℃の間であり、それ以上の高温になると高温障害と呼ばれる様々な障害を引き起こします。高温の改善の方法は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- 打ち水:庭や植物を置いているコンクリートの地面などに水を撒いて、水が蒸発する時に気化熱を奪う事を利用して、地面や大気の温度を下げます。
- 葉水:植物の茎や葉に水をかけることです。葉水で植物についた水滴は、蒸発する時に気化熱を奪うため植物の温度を下げる効果があります。※ただし水をかける事が植物が病気にかかる原因になる事もあるため病気にかかりやすい植物には避けた方がよいでしょう。
- 多湿・過湿の改善:空気中・土壌中の湿度が高い状態です。原因は様々で、壁に囲まれて空気の流れや太陽光が遮られている場所、雑草などで太陽光が遮られている場所、雨水が貯まりやすい場所、土壌の土質が悪い場所などでおきやすいです。多湿・過湿の改善の方法は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 植物を移動:植物と育てる場所の相性が悪い場合は、植物を相性の良い場所に移動しましょう。
- 雑草の除去:雑草は風の流れや太陽光を遮り、育てている植物の成長を妨げる原因になると同時に、多湿を生み出す原因にもなります。多様性の一部ではありますが、見た目にも良くないことが多いため定期的に抜きましょう。
- 排水性の改善:雨水などが周囲から集まりやすい環境にあったり、硬盤があったりすると排水が上手くいかない場合があります。対策として排水溝を作ったり、縦穴暗渠(縦穴排水)をつくり雨水が外に流れる仕組みをつくりましょう。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 乾燥の改善:乾燥は水分が不足した状態や湿度が低い状態になることです。植物が乾燥して萎れやすいと感じる場合は、育てている環境や土壌の状態が悪い場合があります。乾燥対策は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 灌水をする:植物と土壌の状態を見ながら、適切に水やりを行いましょう。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- マルチング:地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
- 切り戻し:植物の葉の量が多いと、蒸散量が増えて乾燥しやすくなったり、風や光の通りが悪くなり病害虫の発生の原因になったりすることがあります。そのため、必要に応じて剪定を行い株をコンパクトにするとよいでしょう。
- 病原菌・ウィルス:夏場は高温多湿で病原菌が増えやすく、植物が病気にかかるリスクがあがります。そのため、適切な対策が必要になります。
- 植物を雨の当らない所に移動:梅雨から夏場は降水量が増えて、植物は多湿・病気などの様々な悪影響を受けて弱りやすくなります。そのため、多湿や病気に弱い植物などは雨を避けて育てた方が無難です。
- 雨避けをつくる:植物の上に雨が当たらないように雨避けを張り、雨から植物を守る方法があります。雨避けの方法は様々ですが、雨避けの製品もあるため探してみるのもよいでしょう。雨避けは病気予防、多湿・過湿の改善にもなります。
- マルチング:地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
- 切り戻し:植物の葉の量が多いと、蒸散量が増えて乾燥しやすくなったり、風や光の通りが悪くなり病害虫の発生の原因になったりすることがあります。そのため、必要に応じて剪定を行い株をコンパクトにするとよいでしょう。
播種で増やす
セイヨウオダマキの種蒔の方法
- 播種時期:3月~5月・8月~10月
- 発芽適温:約20度
- 発芽日数:21~40日
- 備考:直根性
種まき手順
- 種まきの時期:春または秋
- 培土の準備:直播き・移植栽培のどちらも可能です。ただし、直根性で基本的に移植を嫌います。そのため、移植栽培する場合は、根を傷めないように工夫する事が大切です。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株どうしの間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株どうしがくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:本葉が2枚以上になったらポット等に移植します。移植が遅れると根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなります。
※鎮圧は土と種の接着を高め水分の吸収をよくします。