- 原産:ヨーロッパ
- 科:シソ(Lamiaceae)
- 属:アジュガ/キランソウ(ajuga)
- 種:ゲネウェンシス(genevensis)
- 別名:アップライト・ビューグル(upright bugle)/ジュネーブ・ビューグルウィード(Geneva bugleweed)
- 開花時期:4月~7月
- 花の色:青色●紫色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:常緑多年草
- 被覆方法:ロゼット葉/ランナー(走出枝)
- 草丈:約10~35cm
- 誕生花:4月26日
- 花言葉:強い友情/強く結び付く友情/心休まる家庭
- 用途:グランドカバー/日陰植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
アジュガ(ゲネウェンシス)とは!?
アジュガ(ゲネウェンシス)は学名Ajuga genevensis、別名では「アップライト・ビューグル(upright bugle)」や「ジュネーブ・ビューグルウィード(Geneva bugleweed)」とも呼ばれるヨーロッパが原産の常緑多年草です。
アジュガ(ゲネウェンシス)の語源(由来)
- 属名のAjugaはギリシャ語で「ない」「欠けている」を意味する「a-」と、「くびき(牛馬のくびにあてる横木)」を意味する「juga」の2語からきています。
- 種小名のgenevensisは「スイスの」「ジュネーブの」を意味しており自生地に由来しています。
アジュガ(ゲネウェンシス)の特徴(魅力)
- アジュガ(ゲネウェンシス)は、山地の草原などに自生しているため一般的なアジュガよりも乾燥に強く、また茎は間延びするように直立して花が咲く頃にはロゼット葉が消える事から別名では「アップライト・ビューグル(upright bugle)」とも呼ばれています。
- 草姿はロゼット状、ロゼット葉は花が咲くと枯れてしまい、直立する茎(花茎)が残ります。
- また基部からは細長い茎のランナー(走出枝)を伸ばして地面を広がり、茎の先端にある子株が地面に定着して増殖します。
- 開花時期は春から夏、アジュガの花はシソ科でよく見られる輪散花序で、節を囲むように複数の花が付いて、ボリュームのある花穂をつくります。
- 花の形は唇形、唇形は上唇が著しく短く、下唇は3裂して大きく広がります。
- 葉は基部から出る根生葉または茎(花茎・ランナー)につく茎葉で構成されており、葉のふち部分には粗めの鋸歯があります。
- アジュガ(ゲネウェンシス)は「グランドカバー(地被植物)」「花壇の縁どり」等で親しまれます。
- グランドカバー(地被植物)とは、草丈があまり高くならず地表面を覆う植物の総称で、一般的に雑草を抑制する目的、景観を美しくする目的等で植え付けが行われます。
- 花壇の縁どりとは花壇の手前(ふち部分)の境界線をさしており、普通はレンガなどの装飾物または背の低い植物などが並べられます。
- アジュガ(ゲネウェンシス)は耐陰性が強い事から日陰植物(シェードガーデン)等に利用される事もあり、日陰で咲く花または明るい葉色が重宝されます。
アジュガ(ゲネウェンシス)の草丈は約10(~35)cm、草姿はロゼット状、ランナー(走出枝)を出して広がります。※ランナー(走出枝)とは細長い茎が地表面を這うように伸びて、茎の先端に芽と根を出し子株をつくる茎です。
葉序は根生葉(基部に付いた葉)または対生葉序、葉色は緑色、葉身の形は楕円形または卵形、葉のふち部分には鋸歯があり、葉は白色の毛が生えます。
花は基部から花茎が伸び、花茎は長さ約10(~35)cm、茎の断面は四角形、白色の毛が生えます。花序は輪散花序、輪散花序は節ごとに複数の花が付き、花が節を囲うように見えます。花冠の長さ約1.2(~2)cm、形は唇形、唇形は上唇と下唇があり、上唇は短く、下唇は深く3裂して中央の裂片に浅い切れ込みがあります。花色は青色または紫色です。
果実は分離果(1個の雌蕊が複数の子房を持っており、熟すと各心皮に離れて縦に割れ各部が分離する果実をいいます。分離した果実は分果と呼ばれます)、分離果は4個に割れます。
アジュガ(ゲネウェンシス)の園芸品種の紹介
アジュガの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
アジュガ(ゲネウェンシス)の育て方
花壇の土づくり
日当り
アジュガ(ゲネウェンシス)は、日光がよく当たる日向から、明るい日影まで幅広い環境で育てられます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こしやすく、また日陰で育てると葉色が悪くなる事があります。そのため直射日光が3~5時間程度当たる半日影で育てるのが理想です。
土壌の土質
アジュガ(ゲネウェンシス)は、基本的に水はけの良い土壌を好みます。水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく、しっかり腐葉土等が入った肥沃な土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
アジュガ(ゲネウェンシス)は、日光がよく当たる日向から、明るい日影まで幅広い環境で育てられます。ただし夏の日差しや暑さが厳しい地域では強光や乾燥などの複合的なストレスにより葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)などの生育不良を引き起こしやすく、また日陰で育てると葉色が悪くなる事があります。そのため直射日光が3~5時間程度当たる半日影で育てるのが理想です。
培養土
アジュガ(ゲネウェンシス)は通気性の高い草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
アジュガ(ゲネウェンシス)は、乾燥に比較的に強い植物ですが、やや湿り気のある土壌を好みます。そのため雨が長く降らず乾燥が続く場合はしっかり水やりを行い、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。
水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
アジュガ(ゲネウェンシス)は、ある程度肥沃な土壌で育てている場合は肥料が無くても育てられます。ただし栄養の乏しい土壌や鉢植えで育ている場合は毎年早春に肥料を与えるようにしましょう。
肥料の与え方
- 晩冬から早春に与える肥料
- 肥効が長く緩やかに効く緩効性肥料を選び、肥料の成分は山型肥料(リン成分が多く入る)または水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料の場合も株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
剪定のやり方
アジュガ(ゲネウェンシス)の剪定は基本的に不要です。必要に応じて花がら摘みを行いましょう。
花がら摘みとは!?
花がら摘みの目的は、萎れた花を摘みとる事で種の生産を防ぎ余計なエネルギーを使わせない事にあり、余計なエネルギーを使わせない事によって、新しい健康な葉の成長を促したり、株の老化(弱体)を防ぎ、寿命を伸ばしたりすることにあります。
花がら摘みのやり方は、花が萎れてきたらハサミを使い花の下で剪定して切り戻すだけです。
夏越しする方法
アジュガ(ゲネウェンシス)は、夏の暑さに耐えますが強い日差しで葉焼けを引き起こしたり葉が枯れたり、また乾燥によっても同様の症状が出て株が弱る事があります。そのため必要に応じた夏越し対策が必要です。
夏越し対策
- 西日の当たる環境は【強い暑さ・強い日差し・乾燥】などの複合的なストレスがかかり、葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしたり枯れたり萎れたりして株が弱りやすくなるため避けた方が良いでしょう。
- 鉢植えであれば西日の当たらない場所に移動します。
- 地植えであれば西日の当たらない場所に植えたり遮光ネットを利用したりしましょう。
- 乾燥を苦手にしていることから土の表面が乾燥してきたら水やりをしっかり行います。
- 特に鉢植えで育てている場合は、乾燥がより早くなるため注意が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:4b~9a
アジュガ(ゲネウェンシス)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にありません。
挿し木や株分けで増やす
アジュガ(ゲネウェンシス)は株分けによって増やす事ができます。
株分けの方法
- 株分け時期は生育期間中であればいつでも行えます。
- 株全体を観察して地表面を這うように伸びるランナー(走出枝)をさがしましょう。
- ランナー(走出枝)の先に子株が出来て定着している場合は、親株と繋がっている茎を切り取り、子株を掘り起こします。
- 切り離した株を新しい鉢植えまたは植えたい場所に地植えします。
- 植え直した株に水をたくさん与えたら株分けの終了です。
播種で増やす
アジュガ(ゲネウェンシス)の種蒔の方法
播種時期:3月~4月
発芽適温:約20度
発芽日数:約28日
光条件:
種は通気性と保水性のいい用土に撒き、指で軽く押し薄く覆土しましょう。1度撒いた種は乾燥させると極端に発芽率が落ちるため、土と種を乾燥させないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
アジュガ(ゲネウェンシス)の病気
- うどんこ病
- 白絹病
- 雪腐病
- 株枯病
アジュガ(ゲネウェンシス)の害虫