原産:中央アメリカ
科:ヒユ(Amaranthaceae)
属:センニチコウ(Gomphrena)
種:グロボーサ(globosa)
別名:千日草(センニチソウ)/センニチコウ・グロボーサ/グローブ・アマランス(globe amaranth)
開花時期:5月~11月
花の色:赤色●桃色●橙色●紫色●白色〇
葉色:緑色●
分類:一年草
草丈:約15~60cm
誕生花:8月14日/8月20日/9月13日/9月15日/9月22日
花言葉:不朽/色あせぬ愛/変わらぬ愛情
用途:開花期間長い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
センニチコウとは!?
センニチコウの学名Gomphrena globosa、別名「千日草(センニチソウ)」や「グローブ・アマランス(globe amaranth)」とも呼ばれる中央アメリカ原産の一年草です。
センニチコウの語源(由来)
- 属名のGomphrenaはアマランサスのラテン語の名前「gromphaena」に由来しています。
- 種小名のglobosaはラテン語で「球形」「球状」を意味しており、花の形に由来しています。
- センニチコウ(千日紅)の由来は開花期間の長さと色褪せない美しい紅色の花色に由来します。
センニチコウの特徴(魅力)
- センニチコウは直径2(~2.5)cmの球状の花を多数咲かせる一年草です。
- センニチコウの本当の花は殆ど目立たず一般的に鑑賞されている部分は桃色や紫色等に色使いた苞葉(葉が変形したもの)です。
- 花(苞葉)は植物の上で色褪せや型崩れせずに約4週間魅力的な状態を維持します。
- 花は乾燥しても色褪せや形崩れが殆どなく非常に長期間楽しめる事からドライフラワーに適した花材となります。
- 切り花としては管理の仕方にも左右されますが約7~14日の日持ちがあります。
- センニチコウは水揚げがやや悪いことから水切りの他に湯揚げが必要になる場合があります。
- センニチコウの花は蝶々の蜜源として利用されます。
- 開花期には花の周りを優雅に飛び回る蝶々の姿が見られるでしょう。
- センニチコウの茎は非常に分枝がよく直立もしくは斜上に伸び広がります。
- 夏の暑さや乾燥に強く肥料も基本的に不要なため霜が降りて枯れるまでは放ったらかしで育てる事も可能です。
センニチコウの茎は緑色もしくは赤みを帯びており疎らに白色の毛が生えます。茎は分枝(節が膨らむ)がよく直立もしくは斜上(斜め上に伸びる)する草姿をつくり、高さ約15(~60)cmの間で成長します。葉序は対生葉序、葉色は緑色で白色の毛が生え、葉身の大きさは長さ約3.5(~13)cm、幅約1.5(~5)cm、葉身の形は楕円形(~狭楕円形)もしくは卵形です。花序は直径2(~2.5)cmの頭花が頂部に1(~3)個付くか、もしくは頭花が円錐状に多数集まり頭状円錐花序をつくります。個々の花は2個の披針形をした苞葉に囲まれ、5個の白色(~黄色)の雄蕊と、1個の雌蕊があります。花後の果実は胞果です。
センニチコウの切り花の楽しみ方
- センニチコウの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫は花が色付き完全に開く前のタイミングで茎が硬い物を選びます。
- 茎が柔らかいと萎れやすいため茎を指で摘んで軽く横に振ってみてください、ふにゃふにゃだったら収穫に向きません。
- 収穫したら水に漬けて水切りを行い必要に応じて湯揚げも行います。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみましょう。
- 管理は数日(約1~3日)ごとに水換えを行い必要に応じて水切りや湯揚げを行います。
- 管理場所や管理の方法でも左右されますが日持ちは7~14日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
湯揚げ法
湯揚げ法とは、切り花の切り口をお湯の中と冷水につけて、吸水を改善する水揚げ方法です。※水切りなどをしても、水揚げが上手くいかない場合等に行われます。
湯揚げは、導管内にある空気を熱で膨張させて外に押し出す効果があり、また熱のショックで一気に吸水する効果があります。またお湯で熱するため、切り口部分の雑菌が死滅して、微生物の影響が抑えられます。
湯揚げの方法
- お湯(約60~100度)と冷水を準備します。
- 切り花の花や葉が湯気で弱らないように、新聞紙で切り花を覆います。ただし、切り口の部分はお湯につけるため、茎の下部は新聞紙から出しておきましょう。
- 切り口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
- お湯(約60~100度)の中に切り口を付けて、切り口から空気が出てこなくなるのをまちます。お湯につける時間はおおよそ20~60秒です。
- お湯から切り花を出して、そのまま冷水の中に2時間程度浸けて水揚げします。
- 水揚げが終わったら必要に応じて水切りを行い花瓶に生けて楽しみます。
センニチコウのドライフラワーの作り方
- センニチコウの収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)もしくは夕方に行いましょう。
- 収穫のタイミングは花が完全に開き最高の色が出ている花を選びます。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法で乾燥させます。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
センニチコウの栽培方法
園芸では、晩春から霜が降りるまで持続的に開花する花を鑑賞する目的や、その花を収穫して切り花やドライフラワーとして利用する目的で育てられます。センニチコウは比較的にコンパクトな草姿をしている事から、花壇の前方や中央部に並べて縁どりにしたり立体感を出したり、管理のしやすい鉢植えに植えて様々な場所で楽しまれたりします。
センニチコウを育てる際に注意する事は「日向に植える」くらいです。一度活着すれば水やりや肥料を与える事が基本的に不要になるため、霜が降りて枯れるまでは放ったらかしでも育てられます。
センニチコウの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
センニチコウ(千日紅)の珍しい種類、主な種や園芸品種の紹介【2022】
センニチコウの育て方
花壇の土づくり
日当り
センニチコウは日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。日当たりの悪い場所では開花が悪くなったり弱々しい茎が徒長して倒伏しやすくなったりするため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で育てましょう。
土壌の土質
センニチコウは排水性と通気性が良好で、適度に保水性と肥沃さがあれば問題なく育ちます。
植付けの前に土壌診断を行いましょう。
①土を掘る時に硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
②土を濡らして握った時にバラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。逆に土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。
③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。
土壌診断後、必要に応じて通気性を高めるパーライトや川砂を入れたり、保水性や保肥力を高める田土や黒土を混ぜたり、肥沃さが足りない場合は牛ふん堆肥や腐葉土等の堆肥を混ぜこみ土壌改善を行いましょう。
鉢土づくり
日当り
センニチコウは日当り好むため、基本的には直射日光が6時間以上当たる日向で管理しましょう。
培養土
センニチコウは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
センニチコウは乾燥に強い植物のため、地植えしている場合は降水のみでも育てられます。 しかし、やや湿り気のある土壌で最も生産性が高まるため、余裕があれば土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
鉢植え
センニチコウを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
センニチコウはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。
植え付け時の元肥
植え付け時に肥料を与える場合は、腐葉土等の堆肥をしっかり混ぜ込んだ後に、水平型(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型(リン酸が多い)の緩効性肥料を規定量はかり培養土もしくは土壌に均一に混ぜこみ全面施肥しましょう。
剪定のやり方
センニチコウの剪定は必ず必要な作業というわけではないものの、見た目をよくする目的で「摘芯」と「花がら摘み」の2つを行う事が出来ます。
摘芯
センニチコウは生育初期の草丈の低い時期に茎の成長点を指やハサミで摘む事で、頂芽の成長を止めてしまい側芽の成長を促す事が出来ます。
摘芯は必ず必要な作業というわけではありませんが、摘芯を行う事で草丈を抑えて茎の数を増やしたり、また茎の数が増える事で花の数が増えます。ただし背が低くなり自然な草姿でなくなったり、花が小さくなる可能性があります。
センニチコウの摘芯のやり方は、成長点を摘むだけです。草丈が15~20cm程度に育ったら頂部の成長点を指で摘んで取り除きましょう。
花がら摘み
センニチコウは開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種を作り初めて株が弱り生育が衰えたり、新しい花がつくられにくくなったりするからです。 枯れた花を摘む事は、沢山の新しい花を咲かせる事に繋がります。
花がら摘みのやり方は、色褪せて見た目が悪くなった花を個々にハサミを使い取り除きましょう。
夏越しする方法
センニチコウは基本的に夏の暑さに強く夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:
挿し木や株分けで増やす
播種で増やす
センニチコウの種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:7~14日
発芽条件:
センニチコウの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
センニチコウの病気
- 立枯病
- 斑葉病
- モザイク病
センニチコウの害虫
- ハダニ