- 原産:カナリア諸島/北アフリカ
- 科:ウコギ(Araliaceae)
- 属:ヘデラ(Hedera)
- 種:オカメヅタ/カナリエンシス(canariensis)
- 別名:大葉ヘデラ/ヘデラ・カナリエンシス/カナリアン・アイビー(Canarian ivy)/カナリーランド・アイビー(Canary Island ivy)/マデイラ・アイビー(Madeira ivy)
- 開花時期:8月~10月
- 果実時期:10月~3月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●白色〇
- 分類:常緑つる性木本
- 登攀方法:気根(付着根)
- 草丈:約2000~3000cm
- 誕生花:1月21日
- 花言葉:永遠の愛/友情/信頼/不滅/結婚
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/壁面緑化/日陰植物
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
オカメヅタとは!?
オカメヅタは学名がHedera canariensis、別名では「ヘデラ・カナリエンシス」や「大葉ヘデラ」等とも呼ばれるカナリア諸島および北アフリカが原産の常緑つる性木本です。
オカメヅタの語源(由来)
- 属名のHederaは古ラテン語で「ツタ」を意味しており、ツル状に成長する習慣に由来します。
- 種小名のcanariensisはラテン語で「カナリア諸島の」を意味しており原産地に由来しています。
- 和名のオカメヅタの由来は葉の形がオカメの面に似ている事からきています。
オカメヅタの特徴(魅力)
- オカメヅタは、一般的に親しまれている近縁のヘデラ(アイビー)と比べて葉が大きく幅広で、葉の色が濃い緑色で、葉には強い光沢があり、革のような質感がある所が特徴です。
- また多くのヘデラ属の植物と同様に茎はツル性のため壁面を登る能力があり、また登るものが無い場合は地面を被覆するグランドカバーとなります。
- 茎はツル性、多くの場合は匍匐するように茎が広がり地面や斜面を覆いますが、気根(付着根)を他の植物や物体に接着して自らの茎を固定して登る事も可能です。
- 気根(付着根)とは、地上部の茎から伸びる根(気根)のうち、他の植物や物体に張り付き、植物体を支える気根(付着根)の事をさしています。茎から出る根は、浸透もしくは付着して物体に張り付く事が出来るため、岩壁や木造の構造物などを登る事が出来ます。
- そのため園芸では、気根の付着しやすいパネル(登ハンマット)等を準備したり、岩壁や木壁等に這わせて育てられます。気根が出て定着するまでに時間がかかる場合があるため、ある程度の誘引とサポートが必要です。
- 気根(付着根)とは、地上部の茎から伸びる根(気根)のうち、他の植物や物体に張り付き、植物体を支える気根(付着根)の事をさしています。茎から出る根は、浸透もしくは付着して物体に張り付く事が出来るため、岩壁や木造の構造物などを登る事が出来ます。
- 開花時期は晩夏から秋、花は小花に球状に集まり、球状の花の集まりが茎の上部で総状(房状)に集まりボリュームある花姿をつくります。
- 花は緑色で目立たず、また小さいため装飾的な価値は殆どありません。
- 葉は長さ幅ともに約5~20cmの大きさがあるため、一個一個の葉の存在感が強く、葉のふち部分は浅く裂け、小さな裂片が3個から5個あります。
- 葉の色は濃い緑色、葉には強い光沢があり、光が当たると反射して光っているようにも見えます。
- オカメヅタは耐陰性が強いため屋内の観葉植物として育てられたり、日陰の庭(シェードガーデン)に利用されたりします。
オカメヅタの樹形はツル性(気根)、茎の長さ約2000(~3000)cm、茎の色は緑色もしくは赤みを帯び、茎が成熟すると木質化して灰褐色になります。
※気根(付着根)は、地上部の茎から伸びる根(気根)のうち、他の植物や物体に張り付き、植物体を支える気根(付着根)の事をさしています。茎から出る根は、浸透もしくは付着して物体に張り付き体を固定します。
葉序は互生葉序、葉色は緑色、光沢があり光を反射します。葉柄はあり、葉身の直径および幅は約5(~20)cm、葉身の形は心形もしくは卵形、葉のふち部分は全縁または掌状に浅裂しており裂片が3(~)5個あります。
花序は散形総状花序、散形総状花序は総状に散形花序が並び、散形花序は花(小花)が多数集まり球状の外観をつくります。花(小花)は花弁の数は5個、花弁の色は緑色または黄色、雄蕊は5個あります。
果実は核果(薄い外果皮・多肉質な中果皮・殻状の硬い内果皮がある)、核果は球形、色は黒色または濃い黒紫色をしています。
オカメヅタの園芸品種の紹介
アイビー(ヘデラ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
オカメヅタの育て方
花壇の土づくり
日当たり
オカメヅタは直射日光が6時間以上当たる日向から、間接光のみが当たる明るい日陰まで、幅広い環境で育てる事が出来ます。
土壌の土質
オカメヅタは、通気性と保水性のバランスがよく、適度に肥沃な土壌を好みます。やや湿り気のある土壌でよく育ちますが、水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こすことがあるため注意が必要です。土壌診断を行い、通気性や保水性が悪かったら、土壌改善を行ってから植え付けを行いましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
オカメヅタは直射日光が6時間以上当たる日向から、間接光のみが当たる明るい日陰まで、幅広い環境で育てる事が出来ます。
培養土
オカメヅタは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は部屋に入れる事も考えて、腐葉土のかわりに無菌のピートモスなどを利用すると良いかもしれません。培養土は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+ピートモス(PH調整済)=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
水やりのやり方
オカメヅタは、浸水したり水分が停滞する様なジメジメした環境を嫌いますが、やや湿り気のある土壌を好みます。そのため定期的に水やりを行い、やや湿り気のある土壌に保つようにしましょう。水やりの頻度は環境(植える場所や土質)にも左右されますが、基本的には土の表面が乾いてきたタイミングで行うといいでしょう。
肥料の与え方
オカメヅタは茎葉をしっかり成長させるために定期的に肥料を与える必要があります。肥料は植え付け時に元肥を入れて、生育期間中(春・夏)も定期的に追肥を与えましょう。
元肥の与え方
- 元肥は苗の植え付け時に与える肥料の事です。
- 肥料は肥効が長く続く緩効性肥料を選び、成分は水平型肥料(成分が均一)を選びましょう。
- 元肥の与え方は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥で行ます。
追肥の与え方
- 追肥は春から夏の生育期間中に与えます。
- 秋に肥料を与えると寒さへの耐性が落ちるため、秋の肥料は控えます。
- 追肥は窒素成分が多めの液肥、もしくは肥効が長く続く固形肥料を選びましょう。
- 化成肥料や緩効性肥料などの固形肥料を与える場合は、袋に規定された量を約1~3ヶ月ごとに施します。
- 液体肥料で与える場合は、規定された分量で希釈して約14日に1回のペースで水やりの際に一緒に液肥を与えるとよいでしょう。
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剪定のやり方
オカメヅタは定期的な剪定をする必要はありません。ただしツルが一本間延びして外観を崩すような場合、ツルが本来あるべき場所から逸出して維持管理を難しくするような場合などはしっかり剪定しましょう。また剪定を行う事で茎の枝分かれが促される事があります。そのため、ふさふさとした樹形をつくりたい場合などは枝分かれさせたい場所で切り戻しするのも良いでしょう。
オカメヅタの剪定方法
- オカメヅタの剪定は生育期間中であれば何時でも行えますが、早春から春が最も適します。
- 何故なら早春から春に剪定しても、春から強く成長するため素早い回復が見込めるからです。また夏から秋も剪定出来ますが、回復力は春に比べると劣るため、剪定する場合も軽い剪定に留めておいた方が良いでしょう。
- オカメヅタの剪定は定期的に行うのではなくツルの数を増やしてフサフサとした外観を作りたい、邪魔な茎を短くしたい等の目的に合わせて行われます。
- ツルは枝分かれさせたい部分の節の上で剪定すると良いでしょう。ハンギングバスケット等で枝垂れる樹形を楽しんでいる場合は、茎の途中から剪定すると、その部分から枝分かれしてしまい雑多な印象を与える事もあるため注意が必要です。
ツル誘引の目的と方法
オカメヅタの茎はツル性で柔軟性が高く、基本的には自立する事なく地面を匍匐して広がるか、他の植物や物体に気根(付着根)を伸ばし接着して体を固定しながら上に登ります。
オカメヅタは岩壁や木造の構造物を登る事ができます。ただし気根が出て定着するまでに時間がかかる場合があるため、ある程度の誘引とサポートが必要です。構造物などに気根を伸ばし定着するまでは、支柱や麻紐等で固定してあげると良いでしょう。また気根の付着しやすいヘゴ支柱やココスティック(トーテムポール)等を利用するとより早く根が定着するため、ツルが登る姿を早く楽しむ事が出来ます。
資材:ネット/トレリス/バーゴラ/オベリスク/トピアリーフレーム/壁面ワイヤー/フェンス/ヘゴ支柱/ココスティック(トーテムポール)/パネル(登ハンマット)
夏越しする方法
オカメヅタは夏の暑さに強いため基本的には夏越し対策不要です。
ただし強い日差しや乾燥により葉焼け(葉の先端や縁部分等が褐色に変色して萎れや落葉を招く症状)を引き起こしたり、葉が落ちたりする事があります。そのため直射日光が当たる場所を避けたり、土壌が乾燥している場合はしっかり水やりを行う等の管理が必要です。
冬越しする方法
Hardiness:8a~10b
オカメヅタは、冬の寒さに強く耐寒性が高いため、基本的に冬越し対策不要です。ただし寒さの厳しい地域では枯れる事もあるため管理に注意が必要です。
挿し木や株分けで増やす
オカメヅタは挿し木や、株分けによって増やす事が出来ます。
オカメヅタの挿し木の方法
- 挿し木時期は晩春から夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~10cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 節の部分からよく発根するため節の直ぐ下の部分でカットします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
オカメヅタの株分けの方法
オカメヅタは地面に伸びた茎の節から根を出して定着するため、その部分を親株から切り離し植え直す事で株分けする事ができます
播種で増やす
オカメヅタの種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
種まき手順
- 自家採取した種子は発芽の為に寒さの経験が必要なため、秋に種を撒いて冬の寒さを経験させるか、低温処理した後で種を撒き発芽を揃えます。
- 発芽を揃えたい場合は、やや湿らせたバーミキュライトに種を混ぜポリ袋の中に入れて、冷蔵庫(約4度)の中で約4週間保管して寒さを経験させます。
- 種を撒く前に、ぬるま湯に種を一晩つけます。
- ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 次に種が隠れるように薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
オカメヅタの病気
- すす病
- 斑点病
- 炭そ病
オカメヅタの害虫
- アブラムシ
- カイガラムシ