- 原産:メキシコ/中央アメリカ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:マリーゴールド/コウオウソウ(Tagetes)
- 種:ミントマリーゴールド/ニオイマンジュギク(lucida)
- 別名:スウィートセンテッド・マリーゴールド(sweetscented marigold)/メキシカン・ミント・マリーゴールド(Mexican mint marigold)/メキシカン・タラゴン(Mexican tarragon)/スウィート・メース(sweet mace)/テキサス・タラゴン(Texas tarragon)
- 開花時期:4月~10月
- 花の色:橙色●黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約40~70cm
- 用途:開花期間長い/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ミントマリーゴールドとは!?
ミントマリーゴールドは学名Tagetes lucida、別名では「ニオイマンジュギク」や「スウィートセンテッド・マリーゴールド(sweetscented marigold)」とも呼ばれるメキシコおよび中央アメリカ原産の多年草です。
ミントマリーゴールドの語源(由来)
- 属名のTagetesの由来はエトルリアの神の「Tages」に因みます。
- 種小名のlucidaは「明るい」を意味しており、鮮やかな花色に由来しています。
ミントマリーゴールドの特徴(魅力)
- ミントマリーゴールドは葉に「タラゴン」を思わせるような芳香と風味があり、タラゴンの代用として料理に利用されたり、薬用ハーブとして利用されたりします。
- 葉は園芸で親しまれるマリーゴールドの様に分裂せず単葉で、アニスを思わせる様な甘い香りがあります。
- 葉は細長く長さ4~9cmあります。
- 葉はふつう茎に対して対生葉序につきますが、上部では互生葉序につきます。
- 花は直径1.5cm程度の小花が茎の頂部に半球状(散房状)に集まりボリューミーな花姿をつくります。
- 花や葉は食用にされています。
- 花は生のままサラダに入れて彩りとされます。
- 葉は生もしくは乾燥させて、魚料理や卵料理に香り付けとして利用されたり、また乾燥した葉をお湯で蒸らしハーブティーとして飲まれたりします。
ミントマリーゴールドの草丈は約40(~70)cm、茎は殆ど分枝することなく直立します。葉序は対生葉序もしくは互生葉序(上部)、葉色は緑色、葉身の長さ約4(~9)cm、葉身は狭楕円体もしくは披針形、縁部分に鋸歯があります。花序は頭状散房花序、頭状散房花序は頭花が散房状に集まり咲く複合花序です。頭花は直径約1.5cm、頭花は舌状花と筒状花で構成されています。舌状花の数は3(~5)個、舌状花の色は黄色もしくは橙色をしており、筒状花の色は黄色もしくは橙色です。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
ミントマリーゴールドの園芸品種の紹介
マリーゴールドの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
マリーゴールドの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2020】
ミントマリーゴールドの育て方
花壇の土づくり
日当たり
ミントマリーゴールドは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
作土層
ミントマリーゴールドがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
ミントマリーゴールドは土質を選ばず育てる事が可能で、通気性がよければ幅広い土壌で育てる事が出来ます。ただし最もよく成長して、沢山の花を咲かせるのは通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌のため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ミントマリーゴールドは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
培養土
ミントマリーゴールドは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ミントマリーゴールドは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ミントマリーゴールドを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ミントマリーゴールドはある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて成長を促したい場合などは毎年晩冬から早春に1回、肥料(寒肥)と土質を改善する堆肥を与えましょう。
元肥(寒肥)
寒肥は元肥と同様に肥効が長い物を選びましょう。具体的には配合肥料や緩効性肥料を選びます。また肥料の成分も元肥と同様に水平型肥料(窒素・リン・カリがバランスよく入る)を選びます。
寒肥の施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か数cmの穴を掘り、その中に肥料を施すか、置き肥しましょう。
堆肥
堆肥は有機物が微生物により分解された肥料もしくは土壌改良材です。生態サイクルのない庭の花壇や鉢植えは、風雨や微生物の働き等により、土壌が年々劣化していき土が硬くなったり水はけが悪くなったりします。堆肥には【化学性・物理性・生物性】を高める効果があり、劣化した土を肥沃(植物の生育がよく生産性が高い土)な土に変える働きがあります。
堆肥の与え方
堆肥は寒肥を与える時期(初冬から晩冬の間)に一緒に与えると良いでしょう。株から少し離れた場所に堆肥(腐葉土もしくは牛糞堆肥等)を盛ってマルチングするか、穴を掘って埋めましょう。
剪定のやり方
ミントマリーゴールドは剪定せずに育てる事も出来ますが、摘芯する事で茎の分枝を促してふさふさとした草姿を作ったり、花がら摘みを行うことでこぼれ種による逸出を防いだり株が弱ることを防げます。
夏越しする方法
ミントマリーゴールドは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:
ミントマリーゴールドは軽い霜であれば耐えられる事があるため、暖地であれば地植えで育てられる事があります。ただし強い霜が降りると枯れてしまう事があるため、必要に応じて冬越し対策が必要になります。
ミントマリーゴールドの冬越し対策
- 霜が降りる地域であらば、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 支柱を立ててビニールを被せるとより対策効果が上がります。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
ミントマリーゴールドの株分け手順
- ミントマリーゴールドの株分け時期は春が最適です。
- スコップを使い出来るだけ根が傷まないように慎重に株を掘りあげます。
- 根茎に数個の芽をつけるようにしてナイフやハサミ等を使い切り分けます。
- 株分けしたらそれぞれの株を植え直して水をたっぷり与えましょう。
挿し木や株分けで増やす
ミントマリーゴールドは挿し木によって増やす事ができます。
ミントマリーゴールドの挿し木の方法
- ミントマリーゴールドの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約5~7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ミントマリーゴールドの種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約5日~7日
発芽条件:
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ミントマリーゴールドの病気
- 灰色カビ病
- 斑点病
- 青枯病
ミントマリーゴールドの害虫
- アブラムシ
- ヨトウムシ
- ハダニ