- 原産:メキシコ/中央アメリカ/コロンビア/ペルー
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:マリーゴールド/コウオウソウ(Tagetes)
- 種:シグネットマリーゴールド/テヌイフォリア(tenuifolia)
- 英名:シグネットマリーゴールド(signet marigold)
- 別名:ゴールデン・マリーゴールド(golden marigold)/レモン・マリーゴールド(lemon marigold)
- 開花時期:6月~10月
- 花の色:橙色●黄色●
- 葉の色:緑色●
- 分類:一年草
- 草丈:約15~50cm
- 用途:開花期間長い/切り花
目次 | ||
| ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
シグネットマリーゴールドとは!?
シグネットマリーゴールドは学名Tagetes tenuifolia、別名では「ゴールデン・マリーゴールド(golden marigold)」や「レモン・マリーゴールド(lemon marigold)」とも呼ばれるメキシコおよび中央アメリカ、コロンビア、ペルーが原産の一年草です。
シグネットマリーゴールドの語源(由来)
- 属名のTagetesの由来はエトルリアの神の「Tages」に因みます。
- 種小名のtenuifoliaはラテン語で「細い」「薄い」を意味する「tenuis」と、ラテン語で「葉」を意味する「folia」の2語からなり、細い葉に由来します。
シグネットマリーゴールドの特徴(魅力)
- シグネットマリーゴールドは一般的なマリーゴールドと比べて葉が非常に細く、小ぶりな花が多数咲き、一般的なマリーゴールドと同様に開花期間がとても長い所が魅力の植物です。
- 花は舌状花と筒状花の小花が組み合わさる頭花です。
- 頭花は外周に舌状花が7~9個と、中央に多数の筒状花が集まります。
- 花は多花性のため株を覆うように沢山の花が見られます。
- 花はレモンの様な風味がありサラダに少量入れられて飾り付けにされたり食べられたりします。
- 葉は幾つもの細い小葉が集まり羽状する装飾的な形をつくります。
- 葉は羽状に広がり隙間から光を通すためレースの編み物の様な上品な外観をつくります。
- シグネットマリーゴールドは花と葉の両方から「レモンの香り」が漂うため別名でレモン・マリーゴールド(lemon marigold)とも呼ばれています。
- シグネットマリーゴールドは種から簡単に育てる事が出来るため大量植栽しやすいです。
- 花壇に並べると縁どりとして利用できたり、大量植栽すると遠くから見ても目立つ美しい景観がつくれたりしまし。
シグネットマリーゴールドは高さ約15(~50)cm、草姿はブッシュ状(ふさふさ茂る)で、茎は直立します。葉序は対生葉序もしくは互生葉序(上部)、葉色は緑色、葉身は羽状複葉、小葉は披針形もしくは線形、縁部分に鋸歯があります。花序は頭状花序、頭状花序は舌状花と筒状花で構成されています。舌状花は約7(~9)個、舌状花の色は黄色もしくは橙色があり、筒状花の色は黄色もしくは橙色です。果実は痩果(果実は成熟すると乾燥して裂開せず、中に1個の種子を包みます)です。
シグネットマリーゴールドの切り花の楽しみ方
- シグネットマリーゴールドの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げは水切りを行いましょう。
- 水揚げ後は花瓶に生けて飾ります。
- 管理場所は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)に置くと日持ちがよくなります。
- 管理は必要に応じて数日ごとに水切りもしくは湯揚げを行い、水換えも同時に行いましょう。
シグネットマリーゴールドの園芸品種の紹介
マリーゴールドの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
マリーゴールドの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2020】
シグネットマリーゴールドの育て方
花壇の土づくり
日当たり
シグネットマリーゴールドは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
作土層
シグネットマリーゴールドがしっかり根を張り健康な成長するには、十分な深さの作土層(表層にある柔らかな土)が必要です。深さ約30cmまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除いておきましょう。
土壌の土質
シグネットマリーゴールドは土質を選ばず育てる事が可能で、通気性がよければ幅広い土壌で育てる事が出来ます。ただし最もよく成長して、沢山の花を咲かせるのは通気性がよく有機物がしっかり入る肥沃な土壌のため、植え付け前にしっかり土壌診断を行い改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして手にとり握って土塊を作り通気性・保水性を診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
シグネットマリーゴールドは日光のよく当たる場所で最も生産性が高まり沢山の花を咲かせます。そのため直射日光が6時間以上あたる日向が理想です。また直射日光が3時間から5時間の半日影までで育てられます。ただし日当たりの悪い環境で育てると茎が徒長したり花数が減ったりします。
培養土
シグネットマリーゴールドは一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
シグネットマリーゴールドは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉や茎が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
シグネットマリーゴールドを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
シグネットマリーゴールドは適度に肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。栄養が乏しい土壌に植える場合は、植付け時に堆肥を入れたり、元肥(緩効性肥料など)を混ぜこみましょう。
剪定のやり方
シグネットマリーゴールドは剪定せずに育てる事も出来ますが、摘芯する事で茎の分枝を促してふさふさとした草姿を作ったり、花がら摘みを行うことで株が弱ることを防いだり開花期間を延長する事が出来ます。
摘芯
シグネットマリーゴールドの摘芯は必ず必要な作業ではありませんが、生育初期に摘芯することで、茎の数が増えて密度の高いコンパクトな草姿を作ったり、花の数を増やしたりすることが出来ます。ただし摘芯する事で開花が遅れたり、茎の長さが短くなり切り花に使いにくくなるかもしれません。目的に合わせておこないましょう。
摘芯のやり方は、定植から数ヶ月の幼苗の時期に行います。茎の成長点を指で摘みとり分枝を促しましょう。
花がら摘み
シグネットマリーゴールドは種を採らない場合は花がら摘みを行いましょう。何故なら枯れた花を残すと見た目が悪いばかりか、種の生成のためにエネルギーが使われて株が弱り寿命が短くなったり、蕾にエネルギーが送られずに開花が進まなかったりするからです。開花を促進するためには、こまめな花がら摘みが重要です。
花がら摘みのやり方は開花期間中に個々の花をこまめに摘みましょう。
夏越しする方法
シグネットマリーゴールドは夏の暑さに強く基本的には夏越し対策不要です。
冬越しする方法
Hardiness:
挿し木や株分けで増やす
シグネットマリーゴールドは挿し木によって増やす事ができます。
シグネットマリーゴールドの挿し木の方法
- シグネットマリーゴールドの挿し木時期は晩春から初夏が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約5~7cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
シグネットマリーゴールドの種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約20~25度
発芽日数:約5日~7日
発芽条件:
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
シグネットマリーゴールドの病気
- 灰色カビ病
- 斑点病
- 青枯病
シグネットマリーゴールドの害虫
- アブラムシ
- ヨトウムシ
- ハダニ