
- 原産:中国
- 科:キンポウゲ(Ranunculaceae)
- 属:アネモネ(Anemone)
- 種:シュウメイギク/フペヘンシス(Anemone hupehensis)
- 別名:アネモネ・フペヘンシス/キブネギク/チャイニーズ アネモネ(Chinese anemone)/ジャパニーズ ウィンドフラワー(Japanese windflower)
- 品種:ハドスペン アバンダンス(Anemone hupehensis ‘hadspen abundance’)
- 開花時期:8月~11月
- 花の色:桃色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約90cm
- 誕生花:9月14日/9月30日/10月2日/10月8日/10月15日
- 花言葉:忍耐/淡い思い/薄れゆく愛
- 用途:背が高い花/切り花
- 購入方法:シュウメイギク(ハドスペン アバンダンス)を楽天で購入
■シュウメイギク(ハドスペン アバンダンス)の特徴
- 学名:Anemone hupehensis ‘hadspen abundance’
- 花の色:桃色
- 草丈:約90cm
- 備考:花は2枚の小さな萼片と、大きな3枚の萼片で構成されており、不揃いな個性的な花姿を呈しています。また花色は明るい桃色をしているため、可愛らしい印象を添えるお庭等によくあいます。
■シュウメイギク(秋明菊)とは!?


シュウメイギク(学名: Anemone hupehensis)は、別名で「アネモネ・フペヘンシス」「キブネギク」「チャイニーズ アネモネ(Chinese anemone)」「ジャパニーズ ウィンドフラワー(Japanese windflower)」とも呼ばれるキンポウゲ科アネモネ属に分類される多年草です。
シュウメイギク(秋明菊)の原産地は中国で、自生地は山地の草原、林縁、河川沿いなどに見られます。
■シュウメイギク(秋明菊)の語源(由来)
- Anemoneの由来:古代ギリシア語で「風」を意味する「ἄνεμος(ánemos)」と、接尾辞で「娘」を意味する「-one」の2語からなり、「風の娘」を意味します。一説には、花の女神(フローラ)に仕えるニンフのアネモネが、西風神のゼピュロスに見初められ、それに嫉妬した花の女神(フローラ)により、アネモネの花に変えられたと伝えられており、また別の説では、アネモネの萼片が風によって簡単に飛ばされてしまうため風の娘の名前がついたとも言われていたり、春の風が吹く頃に花が咲くために風の娘と名付けられたとも言われています。
- hupehensisの由来:中国の「湖北省から(Hupeh)」を意味しており、原産地に由来します。
- シュウメイギク(秋明菊):開花時期が秋にあり、キクに似た花を咲かせることに由来します。
■シュウメイギク(秋明菊)の特徴(魅力)
- シュウメイギク(秋明菊)の魅力:この植物の魅力は、直立する茎を何本も伸ばし群生を作りながら、おもちゃのような可愛らしい花をたくさん咲かせる点にあります。開花は秋頃、花弁のように見られる部分は萼片で、この萼片は厚みを感じさせ光沢があるためプラスチックの玩具のような外観を呈し、桃色や白色の花色が可愛らしさや上品さを演出します。生育型は叢生型で、根生葉が地表を覆いながら茎を何本も伸ばして群生を作り、高さ120cmまで成長するため、花壇の中で背景として活躍し、また葉は複葉または深く葉縁部が裂け、レースのような繊細な外観を呈すため、洗練されたエレガントな庭などにもよく合います。
- 草姿:草丈は約50~120cm、生育型は叢生型またはロゼット型を呈し、地中の根茎で広がりながら、根生葉がロゼットを形成したり、地上茎を伸ばし群生をつくります。
- 葉の特徴:葉の付き方は根生葉と茎葉があり、基本的に根生葉の葉が大きくなる。葉序はロゼットまたは互生で、葉の概形は3出複葉もしくは茎葉では分裂葉になり葉縁部が裂けます。
- 花の特徴:開花期は8月~11月頃、集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から2~3本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。花の直径は約5~7cm、花の咲き方はカップ状の一重咲き・半八重咲き・八重咲きがあります。花は花弁を欠き、花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花梗の基部に輪生する苞があります。一般的に鑑賞される部分は花弁のような見た目をした萼片の部位になり、赤色・桃色・白色をしています。また花中央には球状の花托があり、花托の上部に緑色または黄色の雌蕊が、その周りに黄色の多数の雄蕊が配置されます。
- フラワーアレンジメント:シュウメイギク(秋明菊)は、開花後の花を花茎から収穫し、切り花やフラワーアレンジメントに利用できます。
シュウメイギク(秋明菊)の切り花の楽しみ方
切り花の作り方

- 収穫:切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げ:茎の切り口は水切りを行います。
- 花を生ける:花瓶の中に水と延命剤を入れて花を生けます。
- 管理:直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。また徐々に水揚げが悪くなるため、必要に応じて水切りを再度して水換えをしましょう。管理の方法にも左右されますが日持ちは7日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水中につけた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの切り花で行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切り法は、水中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切り法を行うことで茎が詰まっている原因(微生物・空気・樹液など)を取り除いて、切り口の状態を正常に戻す効果があります。
水切り法のやり方
- 準備:花材と水の入った容器を準備する
- 茎の切断:切り花の切り口を水中に漬けて、その中で切り口の根元から上に約1~5cmの場所で斜めにカットします。※斜めにカットする事で吸水部が増えて水揚げ効率がよくなります。
- 切り花を生ける:切り口を別の容器にいれて水揚げするか、花器に入れて飾ります。
■シュウメイギク(秋明菊)の生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約50~120cm
- 生育型:ロゼット型・叢生型
- ロゼット型:地際から出る根生葉がロゼットを形成する。
- 叢生型:地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するもの。
- 茎の種類:根茎・直立茎
- 根茎:見た目が根に似ている地中にある茎です。
- 直立茎:茎がほとんど垂直に伸びる。※花茎とされる場合もありますが、本種は茎葉がつきます。
●葉の形態
- 葉の位置:根生葉・茎葉
- 葉序:ロゼット・互生葉序・対生葉序・輪生葉序(苞葉)
- 葉身の概形:3出複葉※一部の茎葉や苞は形態が異なる場合がある。
- 小葉の概形:卵形・広卵形・心形
- 葉縁部:浅裂~深裂し、鋸歯または重鋸歯がある。
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から2~3本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせます。
- 苞:花梗の下で、3枚の苞が輪生してつきます。苞は無柄で、概形は個体により差異が大きく3出複葉・掌状浅裂~深裂・卵形を呈し、色は緑色です。
- 花:花の直径は約5~7cm、花は花托・萼片・雄蕊・雌蕊で構成されており、花弁を欠きます。
- 萼片:萼片は花托の基部付近から放射状に広がり平開または皿状になる。それぞれの萼片は分離した離片萼で、萼片の数は通常5枚、園芸品種では5枚以上あり、萼片の形は倒卵形、色は赤色・桃色・白色がある。
- 雄蕊:多数の雄蕊が、球状の花托の周囲を囲うようについています。花糸の色は個体差があり、白色・クリーム色で、葯の色は黄色です。
- 雌蕊:多数の心皮は互いに合着せず離れており、多数の雌蕊で構成される雌蕊群が球状の花托の上部に集まる。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:痩果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■シュウメイギク(秋明菊)の園芸品種を紹介
ハドスペン アバンダンス

学名:Anemone hupehensis ‘hadspen abundance’
花の色:桃色
草丈:約90cm
備考:花は2枚の小さな萼片と、大きな3枚の萼片で構成されており、不揃いな個性的な花姿を呈しています。また花色は明るい桃色をしているため、可愛らしい印象を添えるお庭等によくあいます。
スプレンデンス

学名:Anemone hupehensis var. japonica ‘splendens’
花の色:濃い桃色
草丈:50~100cm
備考:花は萼片のサイズがふぞろいで個性的な花姿をしており、濃い桃色の花色が明るさと可愛らしさを感じさせる品種です。
パミナ

学名:Anemone hupehensis ‘pamina’
花の色:桃色
草丈:約80cm
備考:花の形は半八重咲きで、華やかな見た目をしており、鮮やかな桃色の花色が可愛らしさとポップな明るさを感じさせる品種です。
プリンツ ハインリッヒ

学名:Anemone hupehensis ‘prinz heinrich’
花の色:桃色
草丈:約80cm
備考:花の中に10~15枚のの花弁状の萼片があり、半八重咲きする華やかな花姿を楽しめる品種です。
■アネモネ属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■シュウメイギク(秋明菊)の育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:温帯広葉樹林
- 原産地:中国
- 自生地:山地の草原、林縁、河川沿いなど
- 気候:主に温暖湿潤気候から温帯夏雨気候に属します。気温は一年を通して比較的温暖で、夏場は高温な場所から冷涼な場所まであり、本種は比較的冷涼な場所を好みます。降水量は比較的多く、本種の自生地の一つである温帯夏雨気候の地域では夏場の雨の量が、冬の最も雨の少ない月と比べて平均10倍以上ある。基本的に、本種は生育期の春から秋にかけて、湿潤な環境を好みます。
- 日照:草原や林縁などに自生しており日向から半日陰を好みます。
- 土壌:通気性・排水性・保水性のバランスがよく、腐葉土などを多く含んだ肥沃な土壌を好みます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
シュウメイギク(秋明菊)は、日向から半日影の範囲で育てることが出来ます。基本的に日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、夏場の暑さが厳しい地域では、西日が暑さ・強光・乾燥のストレスを増大させて、生育を悪くする可能性があるため、西日の当たらない半日影で育てるのが理想です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に保水性が高くて適度に湿り気を保てる土壌を好みます。そのため土質は壌土・埴壌土あたりに調節してあげるとよいでしょう。
- 肥沃さ:肥沃な土壌を好みます。そのため、土壌の状態を見ながら堆肥(ピートモス・腐葉土など)を入れて土壌の物理性・生物性・化学性などを改善してあげるとよいでしょう。また堆肥を入れることで保水性も改善されます。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
シュウメイギク(秋明菊)は、日向から半日影の範囲で育てることが出来ます。基本的に日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、夏場の暑さが厳しい地域では、西日が暑さ・強光・乾燥のストレスを増大させて、生育を悪くする可能性があるため、西日の当たらない半日影で育てるのが理想です。
●培養土
シュウメイギク(秋明菊)の培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地は森林の林床などです。そのため、基本的に有機物と腐植に富む肥沃な土壌であり、通気性・ 排水性・保水性が優れており、長く保たれるものを好みます。またPH6.0~ 7.0の中性から弱酸性土壌を好むため、作成に使う土壌改良材も中性に近いものを中心に選ぶとよいでしょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を全体の6割~7割を目安に配合します。土粒が大きいと、空隙ができすぎてしまい根が安定せず成長が悪くなったり、保水性も著しく落ちて生育が悪くなる原因となるため、土粒は小粒を選んだ方がよいでしょう。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥を全体の3割~4割を目安に培養土の中に配合すると、土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 保水性の高い配合:赤玉土(小粒)5割+バーミキュライト2割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が長持ちする配合:日向土(細粒・小粒)5割+ピートモス4割+くん炭1割+元肥適量
- 肥沃な配合:赤玉土4割+ 腐葉土4割+牛糞堆肥2割+元肥適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- 特徴:非常に軽く空気を多く含んでいて、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため、培養土などに混ぜ込むと通気性が大きく改善して根張りがよくなります。通気性はもちろん保水性・保肥力も高いため優れた土壌改善効果があり、単体でも植物を育てる事が出来る。
- 用途:土壌の膨軟性・通気性・保水性・保肥力を改善する目的で使用することができます。培養土としてべラボン単体で一般的な植物を育てる事ができます。非常に軽量なため吊り鉢やハンギングバスケットなどの培養土にもおすすめです。樹木に着生する洋ランなどの植物の培養土にも利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
シュウメイギク(秋明菊)は、春・夏・秋の生育期間中は一定の湿り気がある土壌を好み、冬の休眠期は乾燥を好みます。ただし、生育期間中でも、極端な過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりするため、水やりする頻度には注意が必要となります。
●水やりの方法
- 春・夏・秋:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。ただし、頻繁に水やりを行い、ジメジメとした環境を作ると根腐れを引き起こすこともあるため、必ず土壌の状態を確認してから水やりをして下さい。また受皿を利用している場合は、基本的には溜まった水を捨てるようにしましょう。根腐れの原因になります。
- 冬:株が休眠して地上部が枯れます。この時期に、水を与え過ぎると根腐れを引き起こすこともあるため、春まで水やりを止めるか、土表面を少し湿らせる程度に水やりを行ないます。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
シュウメイギク(秋明菊)は、土壌が肥沃であれば肥料が無くても育てる事ができます。ただし、肥料を与えることで株の生育が促進されるため、生育期間中の春と秋は定期的に追肥を施してあげる方がよいでしょう。また土壌の状態を見ながら、土壌の色が薄く痩せていると感じる場合、また鉢植えで育てている場合などは、堆肥を入れてあげてください。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中に入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料(BB肥料など)がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に当たるため、肥効が緩やかに出る肥料を選ぶ。例として緩効性肥料やBB肥料などです。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を入れる事で補います。
- 肥料を与える時期:真夏を除いた、春と秋の生育期間中※肥料をあたえる頻度は製品によりかわります。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥は規定された分量の半分ほどを使い、水で薄めに希釈する。液肥の回数は約10~14日に1度の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の回りにかけて、土全体を湿らせるように与えましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量の半分を目安に、規定された頻度、規定された方法で施しましょう。
夏越しする方法
シュウメイギク(秋明菊)の原産地は中国、これらの地域の気候は温暖湿潤気候から温帯夏雨気候に属し、日本の気候とよく似ているため比較的夏越しは簡単です。ただし、夏場の乾燥と極端な高温で、葉焼けを引き起こしたり、株が衰退したりしやすいため、夏越し対策として高温・乾燥の予防と対策が必要になってくるでしょう。
●夏越し対策
- 高温の改善:温度が高いことです。 植物の生育適温は一般的に15~30℃の間であり、それ以上の高温になると高温障害と呼ばれる様々な障害を引き起こします。高温の改善の方法は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- 打ち水:庭や植物を置いているコンクリートの地面などに水を撒いて、水が蒸発する時に気化熱を奪う事を利用して、地面や大気の温度を下げます。
- 葉水:植物の茎や葉に水をかけることです。葉水で植物についた水滴は、蒸発する時に気化熱を奪うため植物の温度を下げる効果があります。※ただし水をかける事が植物が病気にかかる原因になる事もあるため病気にかかりやすい植物には避けた方がよいでしょう。
- 乾燥の改善:乾燥は水分が不足した状態や湿度が低い状態になることです。植物が乾燥して萎れやすいと感じる場合は、育てている環境や土壌の状態が悪い場合があります。乾燥対策は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 灌水をする:植物と土壌の状態を見ながら、適切に水やりを行いましょう。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- マルチング:地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
- 切り戻し:植物の葉の量が多いと、蒸散量が増えて乾燥しやすくなったり、風や光の通りが悪くなり病害虫の発生の原因になったりすることがあります。そのため、必要に応じて剪定を行い株をコンパクトにするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
シュウメイギク(秋明菊)は株分けによって増やす事ができます。
●分球の方法
- 株分け時期:春・秋
- 株を観察:株がを観察し、株分け出来る程度に株が大きく成長して、株が充実している事を確認しましょう。
- 株を掘りあげる:出来るだけ根を傷めないように、株を掘り起こします。
- 株を分割する:株どうしは根茎で繋がり、基本的に固まっているため、これを手で軽く解し、ナイフやハサミを使用して分割しましょう。
- 株分け後:株分け後は根が乾燥する前に素早く植付けをおこないます。