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原産:地中海沿岸 科:シソ(Lamiaceae) 属:サルビア(Salvia) 種:ローズマリー(rosmarinus) 同義語:Rosmarinus officinalis 英名:ローズマリー(Rosemary) 別名:マンネンロウ/サルビア・ローズマリヌス 花の色:紫色●白色〇 葉色:緑色● 分類:常緑低木 草丈:60~180cm 草姿:立性/半匍匐性/匍匐性 開花時期:1月~11月 誕生花:1月21日/5月9日 花言葉:「貞節」「親切」「思い出」「私を忘れないで」「静かな力強さ」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ローズマリーは学名Salvia rosmarinus(syn. Rosmarinus officinalis)、別名「サルビア・ローズマリヌス」や「マンネンロウ」とも呼ばれ地中海沿岸を原産とする常緑低木です。ローズマリー(Salvia rosmarinus)は、2017年以前はローズマリー属にありましたが、現在は2017年に研究発表された論文が広く認められてサルビア(salvia)属に変更されています。但し園芸等では昔から親しまれていたローズマリーの方が認知されているため、現在も同義語(syn.)として以前のRosmarinus officinalisが使われ続けられている事が多いです。
ローズマリーの語源(由来)
- 属名のサルビア(Salvia)は、ラテン語で「薬効/安全」を意味する「salvus」に由来しており、サルビアの幾つかの種に薬効がある事からきています。
- 以前の属名で種小名のRosmarinusは「rōs(露)」と「marīnus(海)」の2語の造語からなっていて、海岸近くで育ったからとも言われています。
ローズマリーの特徴(魅力)
- ローズマリーは一年を通して青々とした常緑の葉をもち
- ↳葉は薬品やクスノキ(樟脳)を思わせる香りがあります
- ↳ローズマリーの香りは集中力・記憶力の向上に効果があります
- ↳また葉は肉料理や魚料理等の臭み消しに利用されます
- 樹形は品種等によって直立・ドーム状・匍匐性の3種類あり
- ↳それぞれ生垣やグランドカバー等に利用されます
- 開花期間が長く環境が良ければ殆ど一年を通して開花しています
- ↳紫色の花は灰緑色の葉との相性抜群です
- ↳具体的に言うと上品なお庭や心を癒す落ち着いたお庭等におすすめです
- ↳花は蜜蜂を強く惹き付ける事から蜜源植物としても魅力があります
- 干ばつに強く乾燥に長く耐える事からゼリスケープの庭園等でも利用されます
- ↳また肥料なども殆ど必要としないため環境が合えば放ったらかしで育てられる所も魅力です
直立![]() | 匍匐![]() | 直立・匍匐![]() |
ローズマリーの茎は若い時は緑色ですが成熟すると木質化して樹皮は褐色から灰褐色をしています。樹形は「直立」「匍匐」「直立・匍匐」の3タイプがあり高さ約60~180cmの間で成長します。葉は香りがよく、葉色は緑色ですが白色の毛が生えている事で灰緑色の外観をしている事があり、葉の形は線形で長さ2(~5)cm幅は約0.2(~0.5)cmの大きさがあります。花は葉腋に小花が数個ずつつき総状花序に咲き、個々の花は2唇形で上唇は直立もしくは反り2裂して下唇は3裂して、曲線を描き突出する2個の雄蕊と雌蕊があります。
開花時期は冬から晩秋、花色は紫色や桃色、白色があり、個々の花は2唇形、花序は腋生で節に数個ずつ花を付け総状花序に咲きます。樹形は匍匐性もしくは立性か半匍匐性で高さは約60(180)cm × 幅は60(180)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は線形、葉序は対生葉序につきます。
ローズマリーの香りの印象と精油成分
ローズマリーは葉の部分に「薬品」や「クスノキ」等を思わせるスっとした爽やかな香りがあり、清涼感のあるハーブのような風味があります。葉の香りを特徴づける精油には「シネオール」をはじめ「樟脳」「α-ピネン」「リモネン」等が含まれており、精油の効能としては「集中力・記憶力の向上」「抗菌作用」「抗ウィルス作用」「抗酸化作用」「防虫効果」等があります。
- シネオールは「ユーカリ」「樟脳」「薬」「ミント」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした味があります。一般に植物ではユーカリやローズマリー、月桂樹等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。シネオールの精油の効果には、香りが集中力を高め記憶力を上げる効果があります。また落ち込んだ時には気分を高揚させる働きがあるため、アロマテラピー等にもよく利用されます。
- 樟脳は「クスノキ」「防虫剤(衣服)」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした冷感のある味があります。一般に植物ではクスノキやローズマリー等に含まれており、精油は医薬品や防虫剤等に幅広く利用されています。樟脳の精油の効果には「抗菌作用(防腐効果)」「抗ウィルス作用」「防虫作用」等があります。
- α-ピネンの香りは「木の香り」「松」「樟脳」「甘い」等に例えられる香りがあります。一般に植物ではユーカリやローマンカモミール、ローズマリー等に含まれており、精油は香水等に利用されています。精油の効果には「抗炎症作用」「抗菌作用」「鎮静作用」等があります。
- リモネンの香りは「柑橘系(オレンジ)」「フルーティー」等に例えられる甘い香りがあり、風味(フレーバー)はオレンジの様な甘みを感じさせます。一般に植物ではディルやベルガモット等に含まれており、精油は食品(ガム・飲料等)の香料や洗剤、医薬品等に利用されています。リモネンの精油の効果には「肥満の改善」や「血行促進作用」「抗ウィルス作用」「抗がん作用」等があります。またリモネンの香りはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、精油はアロマテラピーとしても利用されます。
ローズマリーの効能(薬効)
ローズマリーには伝統医学や最近の研究によって「抗菌作用」「抗ウィルス作用」「抗酸化作用」「集中力・記憶力の向上」等の様々な効能が認めらていたり期待されています。そのため適量を食事に取り入れたり、香りを楽しむ事で健康増進にも繋がるでしょう。
1.抗菌作用
ローズマリーに含まれるエッセンシャルオイルが、カビやバクテリアの増殖を抑制したり殺菌するため、食品の腐敗を防ぐ効果や、口内のバクテリアを退治して口の中を爽やかにする効果等が期待できます。
2.抗ウィルス作用
ローズマリーに含まれるエッセンシャルオイルが、ウィルスの働きや増殖を抑制するため感染症の予防等に期待がもてます。
3.抗酸化作用
ローズマリーに含まれるロスマリン酸は、体の中で過剰に増えた活性酸素の働きを抑制して体の酸化(体の中が錆びる)を抑える働きがあります。これにより例えば、老化防止やガン防止、生活習慣病の予防等が期待出来ます
ローズマリーの利用方法(料理)
ローズマリーの葉には、クスノキや薬品を連想させる爽やかな香りと、清涼感のあるハーブの様な風味があります。料理では一般的に魚や肉の臭み消しや香り付けとして少量の葉が利用されています。
例えば、肉や魚を焼く時に食材に乗せるだけでも香り付けとして効果があります。またオリーブ油にローズマリーの葉を漬け込んで香りを付けた後にオリーブ油で肉や魚を焼いたりします。またローズマリーの葉と他のハーブを合わせてマリネして肉の下味付け等に利用したりします。
ローズマリーの栽培
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園芸では、香りの良い葉を食用ハーブとして利用する目的で育てられたり、長期間咲く上品な花を鑑賞する目的で育てられたり、生垣やグランドカバーとして利用する目的等で育てられます。園芸品種には、立性で垂直に茎が伸び洗練された樹形をつくる「トスカーナブルー」や地面を這うように広がり狐の尻尾の様な茎を伸ばす「フォックステール」等があり、それぞれお庭の雰囲気に合わせて品種を選ぶと良いでしょう。※その他の種や園芸品種は下のリンクから見れます。
ローズマリーを育てる際に注意する事は「浸水や過湿」くらいです。基本的には栄養が乏しく乾燥した土壌でも育つため、環境が合えば放ったらかしでも育ちます。ただし、粘土質な土壌や浸水する様な土壌等で育てると、寿命が短くなったり枯れる事もあるため注意が必要です。
ローズマリーの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。