
- 原産:メキシコ
- 科:キク(Asteraceae)
- 属:ジニア/ヒャクニチソウ(Zinnia)
- 種:ホソバヒャクニチソウ(Zinnia angustifolia)
- 同義語:リネアリス(Zinnia linearis)
- 別名:ジニア・アングスティフォリア/ジニア・リネアリス/ナローリーフ・ジニア(narrowleaf zinnia)
- 開花時期:5月~11月
- 花の色:橙色・黄色・白色
- 葉の色:緑色
- 生活形:一年草・多年草
- 草丈:約20~50cm
- 誕生花:10月27日
- 花言葉:友への愛/友を思う/幸運
- 用途:開花期間長い/グランドカバー/景観植物/切り花/種から育てる植物
- 購入方法:ホソバヒャクニチソウを楽天で購入
■ホソバヒャクニチソウとは!?
ホソバヒャクニチソウ(学名: Zinnia angustifolia)は、同義語としてジニア・リネアリス(Zinnia linearis)とも扱われており、また別名で「ジニア・アングスティフォリア」「ナローリーフ・ジニア(narrowleaf zinnia)」とも呼ばれるキク科ジニア属(ヒャクニチソウ属)に分類される種です。
ホソバヒャクニチソウの原産地はメキシコで、自生地は熱帯乾燥林や礫地、草原などに見られます。
■ホソバヒャクニチソウの語源(由来)
- Zinniaの語源:ドイツの解剖学者で植物学者のJohann Gottfried Zinnへの献名です。
- angustifoliaの語源:ラテン語で「狭い」を意味する「angustus」と、ラテン語で「葉」を意味する「folium」の2語で構成されており、本種の葉が狭いことに由来します。
- ホソバヒャクニチソウの語源:本種の葉がヒャクニチソウと比べて細いことに由来します。
■ホソバヒャクニチソウの特徴(魅力)
- 形態:生育型は主茎がハッキリとしない分枝型で、また個体や品種によっては茎が匍匐する匍匐型になります。葉は無柄で、葉の形は線形・狭楕円形・線状披針形で、触るとざらざらします。花序は頭状花序で、直径は約2~4cmあり、頭花は舌状花と筒状花で構成されています。
- ライフサイクル:春になり暖かくなると種が発芽し、茎葉が伸長し早ければ晩春頃から開花し始めます。夏は生育旺盛に茎葉を伸長させて、沢山の花が開花します。秋は生育が緩慢になり、開花も続きますが花数が減ります。冬は温暖な地域では越冬することもありますが一般的に霜に当たると枯れるため一年草として扱われます。
- 近縁種との比較:近縁種(Zinnia elegans)と比べて本種は、分枝が多く横に広がる傾向にあります。また花の大きさが2~4cmと小ぶりです。また多くのヒャクニチソウ属と比べ、葉の幅が狭い所が最大の特徴になります。
- 開花期間:花は早ければ5月頃から開花し、晩秋頃まで花が見られます。連続開花性も良いため、花を長く楽しみたい人に人気がある植物です。
- 花の魅力:花はキク科でよく見られる頭花で、直径2~4cmと小ぶりですが、最盛期には株を覆うように花が咲き誇り賑やかな花姿が楽しめます。
- 寄せ植え:本種の生育型は「分枝型」または「匍匐型」の2タイプがあります。分枝型はドーム状に盛り上がるため寄せ植えの中でボリューム感を出す目的で利用し、匍匐型は寄せ植えの手前に植えて鉢縁から枝垂れる様を演出することができます。これに加え、様々な生育型の植物を組み合わせることで、奥行きと立体感のある魅力的な寄せ植えが作れるでしょう。
- 苗の増殖:本種は、種子から簡単に苗を増やすことができます。そのため、花壇の縁取りとして利用したり、広い面積の花壇の中にイラストや模様を描くように苗を植えて毛氈花壇を作ってみたり、余った苗で寄せ植えを作ったり、手軽に挑戦しやすい点が魅力です。
- フラワーアレンジメント:花は収穫して花瓶に生けて切り花として楽しむことができます。切り花とすることで、お部屋の中で花を気軽に楽しむことが出来て、可愛らしいインテリアとして空間を彩ります。 花瓶の中での寿命は管理の仕方でも変わりますが一般的に約7~10日ほどです。
- 蜜源:本種の花は蝶々(アゲハ蝶など)に好まれる蜜源の一つです。花の上に乗ってストローを伸ばし蜜を集める姿は可愛らしさを感じさせ、また花の周りで飛び回る姿もお庭に優美さや活気を与えます。そのため、昆虫と共生し楽しいお庭作りをしたい人にもおすすめの植物です。
■ホソバヒャクニチソウの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:一年草・多年草
- ライフサイクル:春に発芽し、茎葉が伸長し早ければ晩春頃から開花し始めます。夏は生育旺盛に成長し、開花が続きます。秋は生育が緩慢になり、開花も続きますが花数が減ります。冬は温暖な地域では越冬することもありますが、基本的には霜が降りる頃に枯れます。
- 草丈:約20~50cm
- 生育型:基本的に分枝型となりますが、匍匐型になることもあります。
- 分枝型:主軸が不明瞭で分枝が多いものです。
- 匍匐型:地面を這うように茎が伸びるものです。
- 茎の毛:茎は殆どが茎葉の表面に密着するように伏している伏毛で、色は白色です。
- 茎の色:通常は緑色・淡緑色ですが、アントシアニンの影響で赤紫色を帯びることもあります。
●葉の形態
- 葉序:対生葉序
- 葉柄:無柄
- 葉身の長さ:約2~7cm
- 葉身の幅:約0.4~0.8cm
- 葉身の概形:線形・狭楕円形・線状披針形
- 葉先:鋭形
- 葉縁:全縁
- 葉の毛:粗毛
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:頭状花序で、頭状花序の直径は約2~4cm、花序軸の先端は短縮して花托になり、花托の基部に総苞があり上面に花が密集します。
- 花托:花托の形は上部で円錐形に盛り上がり、総苞・花・鱗片を支えています。花托の側面に総苞、上面に花(舌状花・筒状花)、花の基部に鱗片があります。
- 総苞:花序の基部(花托の側面)で花を保護しており、複数の総苞片が重なるように集まります。総苞の形は半球形から倒広鐘形、総苞片は約2~4列に重なり、総苞片の形は広卵形から円形、総苞片の色は緑色を基調として縁部分が淡い茶色になります。
- 筒状花:5枚の花弁が合着している合弁花冠で、長い花冠筒部と、小さな花冠裂片が5個あり、色は黄色または橙色、雄蕊は5本、雌蕊は1本です。
- 舌状花:花弁が合着している合弁花冠で、花冠筒部は短く、花冠裂片は舌状に伸長し長楕円形・倒卵形・倒披針形になり、色は橙色・黄色・白色です。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:痩果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
ホソバヒャクニチソウの切り花の楽しみ方
切り花の作り方

- 収穫:切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 花材の選び方:花の収穫は花首が固くなったタイミングが最適です。
- 水揚げ:葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて茎から全て取り外します。茎の切り口は水切りを行い、水揚げが悪い場合は深水を行います。
- 花を生ける:花瓶の中に水と延命剤を入れて花を生けます。
- 管理:直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。また徐々に水揚げが悪くなるため、必要に応じて水切りを再度して水換えをしましょう。管理の方法にも左右されますが日持ちは7~10日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水中につけた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの切り花で行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切り法は、水中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切り法を行うことで茎が詰まっている原因(微生物・空気・樹液など)を取り除いて、切り口の状態を正常に戻す効果があります。
水切り法のやり方
- 準備:花材と水の入った容器を準備する
- 茎の切断:切り花の切り口を水中に漬けて、その中で切り口の根元から上に約1~5cmの場所で斜めにカットします。※斜めにカットする事で吸水部が増えて水揚げ効率がよくなります。
- 切り花を生ける:切り口を別の容器にいれて水揚げするか、花器に入れて飾ります。
深水法
深水法とは、容器の深くまで水を入れておき、切り花の大部分を水中に漬けて水揚げする方法です。一般的に、水揚げが苦手な植物や水切りなどをしても水揚げが上手くいかない場合に行われます。
深水は、切り花を深くまで水に浸けるため、高い水圧により水上がりがとてもよくなります。また茎や葉からも水分を吸水するため、萎れも素早く改善する効果も期待できます。
深水は基本的に茎葉が丈夫で、水の吸い上げが弱い花材(バラ・ダリア・ラナンキュラス等)でよく行われる方法です。茎や葉が繊細な植物で深水をすると傷んで腐敗する原因にもなるため、深水が出来る花材が確認してから行う事も大切になります。
深水法のやり方
- 容器に水を入れる:バケツの中に切り花の半分程度浸かる水をいれておきます。
- 花材を保護する:切り花の花や葉が潰れないように注意しながら、新聞紙で固定するように優しく包みます。その際、茎の下部数cmを新聞紙から出しておきましょう。
- 茎の切断:切り花の切り口を水中に漬けて、その中で切り口の根元から上に約1~5cmの場所で斜めにカットします。※斜めにカットする事で吸水部が増えて水揚げ効率がよくなります。
- 水揚げ:バケツの中に切り花が半分以上浸かる様にして、数時間程度放置して水揚げします。
- 切り花を生ける:切り花を花器に入れて飾ります。
■ホソバヒャクニチソウの園芸品種を紹介
★オレンジ
学名:Zinnia angustifolia ‘Orange’
開花時期:5月~11月
花の形:一重咲き
花の色:橙色
草丈:約20~30cm
多花性:多花性の性質があり、株を覆うように沢山の花が咲きます。
草姿:分枝力が高く横に広がる傾向があります。
★スターブライト・ミックス
学名:Zinnia angustifolia ‘Star Bright’
開花時期:5月~11月
花のサイズ:約4cm
花の形:一重咲き
花の色:黄色・橙色・白色
草丈:約20~30cm
多花性:分枝性に優れており、株を覆うように沢山の花が咲きます。
色彩:花色の異なる種がミックスで入っているため、種から育てた場合は花色はランダムとなります。
★プチランド・シリーズ
学名:Zinnia angustifolia cv.
開花時期:5月~11月
花のサイズ:約3~4cm
花の形:一重咲き
花の色:黄色・橙色・白色
草丈:約20~30cm
早咲き性:開花まで早いため種まき後、早ければ60日後に花が見られます。
多花性:多花性の性質があり、株を覆うように沢山の花が咲きます。
草姿:分枝力が高く横に広がる傾向があります。
■ジニア属(ヒャクニチソウ属)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ホソバヒャクニチソウの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:乾燥性灌木地・熱帯乾燥林
- 原産地:メキシコ
- 自生地:熱帯乾燥林や礫地、草原などに見られます。
- 気候:サバナ気候から温帯夏雨気候などで見られます。 夏の気温は高温で、冬の気温も比較的温暖です。降水量はやや乾燥気味ですが、場所によっては夏場にしっかりとした雨が降ります。
- 日照:日向
- 土壌:レプトソル(連続した岩石の上にある非常に浅い土壌の層で深さ25cm未満です)やカルシソル(土性は様々ですが、有機物が少なく痩せた土壌で石灰が集積しています)やレゴソル(母材が砂または非固結岩屑土からなり、風化が弱く層位の発達がほとんど見られない)等が見られます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
ホソバヒャクニチソウは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想です。また花数は減りますが半日陰までで育てることが可能です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂壌土が適します。水分が停滞してジメジメと湿りやすい粘土質の土質は許容せず、根腐れを引き起こすため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:過度な肥沃さは必要ありません。土壌の状態を見ながら、痩せていると感じる場合は適度に堆肥を入れるとよいでしょう。肥沃で堆肥が沢山入る土壌は保水性が高まるため、特に夏場に蒸れやすく、根腐れの原因となるため注意が必要です。
- pH:pHは6.0~6.5の弱酸性から中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 連作障害:同じ場所(または同じ土)で連作すると立枯病等が発生しやすくなり、生育が悪くなることがあります。そのため、前年と同じ場所にジニアを植えない、または土壌消毒したり、新しい堆肥を入れるなどして対策します。
- 植え付け:苗は浅植え・深植えせずに、標準植えします。標準植えは、根鉢の肩の部分と地面を水平に合わせて、植物の根っこが完全に土に覆われるように植え付けます。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
ホソバヒャクニチソウは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的に日向で育てることが理想です。また花数は減りますが半日陰までで育てることが可能です。
●培養土
ホソバヒャクニチソウの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土よりも通気性が高めの培養土が良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地は熱帯乾燥林や礫地、草原などにあり栄養の乏しい土壌に自生しています。そのため、通気性・排水性が高めの培養土を作成すると良いでしょう。ただし園芸上は花を沢山咲かせるため十分な栄養が必要になるため元肥を適量入れてください。本種は弱酸性(pH6~6.5)の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を7割~8割を目安に配合します。土壌改良材の土粒は小粒・細粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性も悪くなり植物の生育が悪くなる原因となるため避けてください。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥は、一般的な植物よりも少なめに2~3割を目安にしながら培養土の中に配合します。腐葉土などの有機物は培養土の水分・養分を保持して、根の活着を助け、生育を促進する効果がありますが、本種の場合は堆肥を入れ過ぎると、夏場に蒸れて過湿状態になり根腐れを引き起こす原因ともなります。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(細粒・小粒)4割+硬質赤玉土(小粒)3割+ピートモス(調整済)2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト3割+バーミキュライト1割+腐葉土2割+元肥適量
水やりの仕方
ホソバヒャクニチソウは、自生地がメキシコの熱帯乾燥林などにあり比較的耐乾性が強い植物です。生育期は、適度に水が与えられる環境の方がより良く成長しますが、過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因となったり、根の呼吸を妨げて根腐れを引き起こす原因になったりするため、水やりの頻度には十分な注意が必要です。
●栽培環境
- 地植え:基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、夏の季節は高温や強光で乾燥しやすいため水切れしやすく、また雨が降らず土壌が乾燥していたり、土壌が砂質で乾燥しやすい状態にあったり、日向などの乾燥しやすい場所で育てたりしている場合は水やりが必要となります。
- 鉢植え:地植えと比べて、土の容量が限られるため乾燥がかなり早いです。そのため、定期的な水やりが必要となります。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。朝の涼しい時間帯に土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えることが基本ですが、夏場は乾燥が早く、水切れして株が弱りやすいため、土壌や株の状態を見ながら、必要に応じて夕方にも水を与えましょう。ただし、真昼の高温時に水やりを行うと、土の中で水がお湯になり根を傷めることがあるため避けてください。
- 秋の水やり:生育がやや緩慢になりますが、生育期間中です。土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与え、土中の空気も入れ替えます。
- 冬の水やり:冬になると本種は枯れるため、水やりは不要です。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、季節によっては高温で水がお湯のようになり蒸れて根腐れを引き起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、植物が水分をあまり必要としない夜間にも水がたっぷり残り呼吸を邪魔するなどして根腐れを引き起こす原因になる事があります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいですが、植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
- 梅雨の管理:植物を軒下に移動したり、雨避けをつくり、株に梅雨の長雨が植物に当たり、傷むことを防ぎましょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ホソバヒャクニチソウは栄養の乏しい土壌でも生育できますが、持続的に沢山の花を咲かせるため、一定の肥料を必要とします。そのため、生育期間中はしっかり肥料をあたえる事が大切になります。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中にあらかじめ入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリが同程度の割合で入る肥料、または花付きを良くするためにリン酸が多く含まれる肥料を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に触れて肥焼けを引き起こす可能性があるため、肥効が緩やかに出る肥料を選ぶ。例として緩効性肥料や配合肥料などです。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を施すことで補います。
- 肥料を与える時期:生育期の春から秋に追肥を施します。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランス良く入る肥料、またはリン酸が多く入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性肥料・緩効性肥料など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約7~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の株元を中心に根が張っている範囲にまんべんなく、全ての根に液肥が行き渡るように施しましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
ホソバヒャクニチソウは剪定せずに育てることも出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。何故なら、本種は頂芽優勢の性質が強いため分枝が起こりにくかったり、花がらを残すと種に栄養を取られて次の花が咲きにくくなったりするからです。
●剪定方法
- 概要:仕立て方は「摘芯」「切り戻し」「花がら摘み」などがあります。それぞれ目的が違うため、品種などに合わせて仕立て方を変えると良いでしょう。
- 摘芯:春の生育初期(本葉5~6枚程度)に、成長点を指で摘み、折るように摘みとります。成長点の付近は柔らかなため、基本的に指で摘みとれますが、難しい場合は清潔なハサミを使いましょう。これを行うことで、摘芯した箇所付近の節から分枝が促されて、ボリューム感のある株となります。※節間の短い品種などは摘芯不要です。
- 花がら摘みの方法:花がら摘みを行う時期は開花期間中です。株を観察して、花が咲き終わったタイミングで分枝している場所の上、または花の下にある葉の上で剪定します。これを行うことで、次の花芽に栄養が回り、次の花が咲きやすくなり開花期間が伸びます。
- 切り戻し:切り戻しは生育期間中(初夏から晩夏)であればいつでも行えます。株を観察して、茎が徒長していたり、茎が倒伏していたりして、外観が崩れている場合は、全体の1/3から1/2を目安に、切り戻しすると良いでしょう。剪定後、しばらくしたら切り口の節の近くから、新しい成長が始まり次の花が咲きます。※初秋以降に剪定を行うと再開花しないことがあるため注意が必要です。
●剪定後のケア
剪定後は植物の素早い回復を促すために、速効性の液体肥料を施して上げるとよいでしょう。また、切り口から真菌や細菌が入り病気になることもあるため、雨の直前は剪定を避けたり、剪定後に雨が降る場合は、株を軒下などで管理すると安心です。
夏越しする方法
ホソバヒャクニチソウの原産地はメキシコ、自生地は熱帯乾燥林や荒れ地などにあり、気候は夏は高温で比較的乾燥しているか適度な降水量があります。
そのため、本種は夏の暑さや乾燥に強く、夏越しがそれほど難しい植物ではないです。ただし、多湿・過湿は株が蒸れて根腐れを引き起こしたり、病気にかかるなどして生育不良を引き起こしやすいため注意が必要です。
●夏越し対策一覧
- 水やり:夏は高温で土壌が乾燥しやすいため、土壌の表層が乾燥したのを確認したら水やりをしっかり行います。ただし、過湿を苦手にしているため、過剰な水分が根腐れを引き起こす原因ともなるため土壌の状態を見ながら水やりを行いましょう。
- 鉢植えの移動:長雨で株が傷みやすいため、軒下などに移動します。
- 雑草の除去:多湿対策になります。周囲の雑草は風の流れや太陽光を遮り、育てている植物の成長を妨げたり、多湿を生み出す原因になったりします。そのため、不要な雑草は抜きます。ただし、土壌が剥き出しになることで乾燥が早まる場合もあります。
- 排水性の改善:多湿対策になります。雨水などが周囲から集まりやすい環境にあったり、硬盤があったりすると排水が上手くいかない場合があります。対策として排水溝をつくったり、縦穴暗渠(縦穴排水)をつくり雨水が外に流れる仕組みをつくります。
- 花壇を高くする:多湿対策になります。花壇をレイズドベッドにしたり、岩を並べてロックガーデンなどにしたりして、植物を植える環境を周囲よりも高くすることで排水性が改善されます。
- 土壌の改善:多湿対策になります。植物の植え付け時に、土壌改良材を用いて、土壌の通気性・排水性を高めます。
- マルチング:乾燥・病気対策になります。地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
挿し木や株分けで増やす
ホソバヒャクニチソウは挿し木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
- 播種時期:3月~6月
- 発芽適温:約20~25度
- 発芽日数:約7日
- 備考:嫌光性種子または光による影響を受けない種子です。そのため、基本的には光が当たらない程度の深さに種を埋めるとよいでしょう。
種まき手順
- 種まきの時期:3月~6月※温床装置などを準備して発芽適温を確保出来る場合は屋内で早めに撒く事ができます。
- 培土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:嫌光性種子のため、種を撒いたら必ず、光が当たらない程度に覆土します。種は比較的大きいため、撒き方は「点撒き」または「すじ撒き」が良いでしょう。
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでいる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株同士がくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。










