- 原産:ギリシャ/トルコ
- 科:サクラソウ(Primulaceae)
- 属:シクラメン(Cyclamen)
- 種:グラエクム(Cyclamen graecum)
- 別名:ギリシャ・シクラメン(Greek cyclamen)
- 開花時期:9月~11月
- 花の色:桃色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●白色〇
- 香り:
- 分類:多年草
- 被覆方法:ロゼット
- 草丈:約10cm
- 株張り:
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/日陰植物の種類
- 庭のスタイル:コテージガーデン/ロマンチックガーデン/かわいいお庭/フェアリーガーデン
- 購入方法:シクラメン(グラエクム)を楽天で購入
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
シクラメン(グラエクム)とは!?
シクラメン(グラエクム)の学名はCyclamen graecum、別名では「ギリシャ・シクラメン(Greek cyclamen)」などとも呼ばれるギリシャおよびトルコが原産の多年草です。
シクラメン(グラエクム)の語源(由来)
- 属名のCyclamenは古代ギリシア語で「円」を意味する「κύκλος(kýklos)」から来ており、塊茎に由来しています。
- 種小名のgraecumは「ギリシャの」を意味しており、この植物の原産地に由来します。
シクラメン(グラエクム)の特徴(魅力)
- シクラメン(グラエクム)の特徴は、葉の色が濃い緑色・白緑色・白色の三色で構成されていて、葉の中に層状に模様が入り宝石のような美しさがある所や、葉の形が綺麗なハート形をしている所、上品な花を咲かせる所、耐寒性が高い所などにあります。
- 園芸では、宝石を想像させるような美しい葉をカラーリーフとして楽しむ目的や、ハート形の可愛らしい葉を楽しむ目的等で育てられる事が多いです。また一般的に耐陰性が高い事から、日陰の庭や木陰の地被植物として利用されます。
- 草姿は塊茎からロゼットのように放射状に葉を広げます。そのため、草丈はあまり高くならず、コンパクトでありながら、優雅に葉を広げる魅力的な草姿をつくります。
- 葉は先端が尖り、葉の基部が凹む、綺麗なハート形をしています。そのため、インテリアとしてお部屋に飾ったり、お庭に植える事で可愛らしい印象を与える事ができます。
- 葉の色は、濃い緑色・白緑色・白色の三色で構成されていて、葉の中に層状に模様が入ります。そのため、宝石のような美しさがあり、インテリアとしてお部屋に飾ったり、花壇などに植えると、高級感あるラグジュアリーな雰囲気を演出する事ができます。
- 開花期間は秋、花は一般的に花弁が5個あり、花弁は楕円形、花弁は強く反り上向きに立ち上がります。また、花弁の基部に赤紫色の班が入ります。
- シクラメン(グラエクム)は、耐寒性が非常に高く、耐陰性も高いです。そのため、屋外の日陰の庭などで地被植物として利用されることが多いです。
シクラメン(グラエクム)の園芸品種の紹介
シクラメン(カンディダム)の学名はCyclamen graecum ver.candidum、原産地はギリシャのクレタ島にあるグラエクム種の変種の多年草です。シクラメン(カンディダム)の特徴は、葉の色が濃い緑色と白色(白緑色)からなり、葉の中に大理石や宝石を想像させるような美しい模様が入る所や、花の色が薄い桃色と濃い紫色の二色からなり、可愛らしさと上品さを感じさせる所にあります。 |
シクラメンの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
シクラメン(グラエクム)の育て方
花壇の土づくり
日当り
シクラメン(グラエクム)は、明るい日陰、または半日影までで育てる事が出来ます。※理想的な環境は気温にも左右されるため、暑い場合は明るい日陰、冷涼な場合は半日影で管理するとよいでしょう。
逆に、直射日光が長く当たる日向は、葉焼け・乾燥・高温などの生育不良を引き起こすリスクが高まる原因となります。そのため、冬場などの一部季節を除いて、基本的には日向は避けた方がよいでしょう。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、間接光だけが当たる日陰または直射日光が2時間程度までの場所です。
土壌の土質
シクラメン(グラエクム)は、通気性と排水性の高い土壌、または通気性・排水性・保水性のバランスが良く、有機物がしっかり入る肥沃な土壌を好みます。
注意することは粘土質な土壌を避けることです。水分が停滞するような土壌では塊茎が腐敗したり、根腐れを引き起こします。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土壌の通気性と保水性のバランスを改善して、腐葉土等の有機物を入れ肥沃な土壌に改善しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け時の注意点
シクラメンの植付け方法は浅植えです。浅植えとは、植物の根球または根っこの部分が土の表面に出るほどに浅く植える植付け方法です。
シクラメンは、塊茎の上部が地表から少し出る程度に浅く植え付けましょう。塊茎を深く植えてしまうと、じめじめとした状態が長く続きやすくなるため、病原菌(真菌)に侵入されやすくなり、腐敗するリスクが高まります。そのため、浅植えしましょう。
鉢土づくり
日当り
シクラメン(グラエクム)は、明るい日陰、または半日影までで育てる事が出来ます。※理想的な環境は気温にも左右されるため、暑い場合は明るい日陰に移動したり、冷涼な場合は半日影に移動してあげると良いでしょう。
屋内で管理する場合は、窓辺などの明るい場所に置くとよいでしょう。照度(lux)は、最低でも中程度の光以上で管理します。光が少ないと花が上手く咲かなかったり、葉色が悪くなったり、生育が非常に遅くなったりする事があるからです。
照度のレベル
※照度(lux)を調べる方法は、携帯のアプリや照度計などがあります。携帯のアプリでも手軽に調べられますが、詳しく調べたい方は楽天に売ってある照度計を利用すると良いでしょう。
※照度が少ない場所で育てたい場合は楽天に売ってある植物育成ライトを利用してみるとよいかもしれません。植物育成ライト以外の人工的な照明の光には光合成に必要な波長が僅かにしか含まれない事があるため、十分の照度あると思っても植物がしっかり育たない事もあるため注意が必要です。
- 弱い光:500~2500lux
- 中程度の光:2500~10000lux
- 明るい間接光:10000~20000lux
- 直射日光:20000~100000lux
培養土
シクラメン(グラエクム)は、一般的な草花の培養土で育てられます。培養土を自作する場合は通気性・排水性・保水性のバランスが良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
植え付け時の注意点
シクラメンの植付け方法は浅植えです。浅植えとは、植物の根球または根っこの部分が土の表面に出るほどに浅く植える植付け方法です。
シクラメンは、塊茎の上部が地表から少し出る程度に浅く植え付けましょう。塊茎を深く植えてしまうと、じめじめとした状態が長く続きやすくなるため、病原菌(真菌)に侵入されやすくなり、腐敗するリスクが高まります。そのため、浅植えしましょう。
水やりの仕方
水やり
シクラメン(グラエクム)は、基本的にはやや湿り気のある土壌で管理します。ただし、水分の多い過湿状態が続くと塊茎が腐敗する事があるため、水やりのタイミングには注意が必要です。
水やりの頻度と与え方
水やりの頻度は環境にも左右されますが、基本的には土の表面から2cm程度が乾いてきたら行うといいでしょう。
底面給水タイプの鉢植えで水やりを行う場合は、水を貯める部分に水が無くなってきたタイミングで、水を貯める部分に2/3程度の水を足してあげると良いでしょう。
水やり時の注意点
水やりを行う際に気をつける事は、塊茎の上から水をかけないことです。塊茎の上に水が溜まると、水の中で真菌が動き出して、塊茎に感染して腐敗するリスクが高まります。
そのため、水やりを行う際は、塊茎の上を避けながら、株元から少し離れた場所に優しく水を注ぎましょう。
肥料の与え方
シクラメン(グラエクム)は肥料をしっかり与える事で、健康な成長が促されて、沢山の花が咲きます。そのため、生育期間中はしっかりと肥料を与えるようにしましょう。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 肥料は秋から翌春にかけて与えます。
- 逆に晩春頃から夏は肥料を止めましょう。
- 肥料の選び方
- 元肥はリン酸が多く含まれた緩効性肥料(マグアンプなど)がおすすめです。
- 追肥はリン酸が多く含まれる、液肥または速効性の固形肥料(化成肥料)を選びます。基本的には液肥がおすすめです。
- 元肥の与え方
- 秋(9月)の植え替え時に、用土の中に混ぜ込んでおきます。
- 追肥の与え方
- 液体肥料を規定された分量で希釈して、約10~14日の頻度で、水やりと一緒に液肥も与えましょう。
- 固形肥料を与える場合は、規定された分量を規定された頻度で与えます。基本的には置き肥のため、塊茎から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
シクラメン(グラエクム)の剪定は「花がら摘み」「古葉取り」の2つです。
花がら摘み
花がら摘みとは、花色が悪くなったり花の外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みのやり方は、咲き終わりの花茎の根元を指でつまみ、軽く捻りながら引っ張ります。ハサミなどの道具は不要です。
花がら摘みを行う事で、新しい花や葉に栄養が回り、次の花が咲きやすくなります。また花がらを摘む事で、腐敗した物が好きな灰色カビ病などの病気が予防出来たり、外観が良くなったりする効果もあります。
古葉とり
古葉取りは、枯れた葉・古い葉・黄色い葉などを、葉柄の根元から取り除きます。
古葉取りを行う事で、健康な葉に多くの光が当たり光合成が活発に行われて生産性が高まります。また株元に光が当たりやすくなるため、多湿環境が改善したり新しい芽に光が当たりやすくなったりする効果などもあります。
夏越しする方法
シクラメン(グラエクム)は、冷涼な夏を好み、日本の夏の高温多湿を苦手にしています。そのため、夏にシクラメンを枯らさない為にも夏越し対策が必要です。
夏越しで重要なポイント
- 管理場所
- 基本的に高温を苦手にしているため、直射日光の当たる場所を避けて間接光のみが当たる場所で管理した方が良いでしょう。
- 土壌がジメジメして過湿になると真菌などの病原菌が活発になり、球根を腐敗させる原因となります。そのため、長雨などに当たる環境は避けて、雨の当たらない軒下などに移動させた方が安心です。
- 管理方法
- 夏の期間も水やりはいつも通りに行います。基本的には土の表面から2cm程度が乾いてきたら行うといいでしょう。
冬越しする方法
Hardiness:6~8
シクラメン(グラエクム)は、耐寒性が高く、冬の寒さに強いシクラメンです。そのため、基本的に冬越し対策は不要です。
挿し木や株分けで増やす
シクラメン(グラエクム)は、夏越し後に塊茎を分割して増やす事ができます。
播種で増やす
シクラメン(グラエクム)の種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9月10月
発芽適温:約15度~20度
発芽日数:約21日~28日
光条件:嫌光性種子
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く5mmほど土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
シクラメン(グラエクム)の病気
- 灰色カビ病
- 軟腐病
- 萎凋病
- 根腐れ病
シクラメン(グラエクム)の害虫
- ハダニ
- ホコリダニ