原産:ヨーロッパ/北アフリカ 科:シソ(Lamiaceae) 属:タイム(thymus) 種:ヨウシュイブキジャコウソウ(serpyllum) 別名:クリーピング・タイム(creeping thyme)/ブラックランド・タイム(Breckland thyme)/ワイルド・タイム(wild thyme)/エルフィン・タイム(elfin thyme) 品種:マジックカーペット(magic carpet) 開花時期:5月~7月 花の色:桃色● 葉色:緑色● 分類:常緑亜低木 草姿:這性 草丈:約10cm 誕生日:6月2日 花言葉:「勇気」「活発」「活動力」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
クリーピングタイム(マジックカーペット)は、地面に弾ける様に明るい桃色の花の絨毯を敷いたように晩春から夏にかけて沢山の花を咲かせる園芸品種です。葉には柑橘系の爽やかな香りがあり、近くを通る度に心地よい香りで満たされます。
開花時期は晩春から夏、花色は桃色、個々の花は唇形で上唇が浅く2裂して下唇が深く3裂します、花序は小花が節を囲うように集まり輪散花序に花を咲かせます。草姿は這性で高さ約5(10) × 幅は約30(45)cmまで伸ばします。葉色は緑色や黄色、白色があり、葉身は楕円形、葉序は対生葉序につきます。
ヨウシュイブキジャコウソウは学名Thymus serpyllum、別名では「クリーピング・タイム(creeping thyme)」や「エルフィン・タイム(elfin thyme)」等とも呼ばれるヨーロッパおよび北アフリカが原産の常緑亜低木です。
ヨウシュイブキジャコウソウの語源(由来)
- 属名のthymusの由来は諸説あり、ギリシャ語で「勇気/気概」を意味する「Thymos」から来ているという説、ギリシャ語で「防腐」を意味する「Thymon」から来ているという説、ギリシャ語で「香らせる」を意味する「thyein」から来ているという説、ギリシャ語で「香りを焚く」を意味する「thuo」からきているという説等があります。
- 種小名のserpyllumはギリシャ語で「匍匐する/忍び寄る」を意味しており樹形に由来します。
ヨウシュイブキジャコウソウの特徴(魅力)
- ヨウシュイブキジャコウソウはカーペットの様に広がる樹形が魅力です
- ↳歩行者の踏圧にも比較的に耐えるため小道のグランドカバーや岩場を被覆するグランドカバー等に利用されます
- 花は非常に多花性で地面を覆い尽くす程に沢山の花が開花します
- ↳開花期になると芽の部分から「樟脳」や「薬」を連想させる爽やかな香りがします
- ↳タイムの香りを嗅ぎつけ沢山の蜜蜂が来訪します
ヨウシュイブキジャコウソウの茎は分枝がとてもよく、地面を被覆するように這い成長します。葉は白色の毛が生えており、形は長さが0.3~0.8cmと非常に小さく丸みを帯びた楕円形をしており、葉色は通常は緑色ですが、品種によって黄色(~白色)の班がはいるものもあります。花は腋生で節を囲うように多数の小花を出して輪生花序をつくり、個々の小花はシソ科に多い唇形で上唇が浅く2裂、下唇が深く3裂しています。
ヨウシュイブキジャコウソウの香りの印象と精油成分
ヨウシュイブキジャコウソウは開花期になると「樟脳」「薬」「ウッディ(木の香り)」等を連想させる爽やかで辛い香りを漂わせます。タイムの香りの由来となる精油には「チモール」「テルピネン」「p-シメン」「カルバクロール」等が含まれています。
- チモールの香りは「薬」「タイム」「樟脳」等に例えられる爽やかな香りです。また口の中に入れるとウッディで薬の様な風味(フレーバー)があります。一般に植物ではジャコウソウやタイム等に含まれており、食品(飲料等)の香料、歯磨き粉やうがい薬等に利用されています。またチモールの精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「鎮痙作用」「抗炎症作用」「去痰作用」等があります。
- テルピネンは「木の香り」「柑橘類」「スパイス」等に例えられる爽やかでシャープな香りがあり、ウッディで柑橘類を感じさせる風味(フレーバー)をもっています。一般に植物ではマジョラムやカルダモン等に含まれており、香水等の原料に利用されています。
- p-シメンは「木の香り」や「柑橘類」に例えられる心地よい香りをもっています。植物ではタイムやクミン等に精油が含まれており、一般的には石鹸等の香料に利用されています。p-シメンの精油には抗菌作用(殺菌作用)があるとされています。
- カルバクロールの香りは「辛い」「木の香り」「樟脳」等に例えられる刺激的な香りがあり、また 辛く薬の様な風味(フレーバー)があります。一般に植物ではオレガノやタイム等に含まれており、精油は食品(飲料等)の香料や化粧品等に利用されています。またカルバクロールの精油の効能には「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」等があります。
ヨウシュイブキジャコウソウの栽培
園芸では、地面を覆い尽くす程に開花する美しい花を鑑賞する目的で育てられる事が多く、カーペットの様に広がる草姿から、花壇の縁どりとして利用されたり、岩肌を被覆するロックガーデン等に利用されたりします。
育てる際は、1番に多湿に気をつけないといけません。長雨による浸水やジメジメした夏の高温多湿等が、根腐れや生育不良を引き起こし枯れる原因になります。そのため、土壌の排水性を高めて地面が過湿しないように対策をたてたり、また鉢植えで育てて雨が続く時期は軒下などで管理したりすると良いでしょう。増やし方は挿し木や株分け、播種によって増やす事が出来ます。