
- 原産:ヨーロッパ/西アジア
- 科:ジンチョウゲ(Thymelaeaceae)
- 属:ジンチョウゲ/ダフネ(Daphne)
- 種:セイヨウオニシバリ(Daphne mezereum)
- 別名:ヨウシュジンチョウゲ/メゼレウム(mezereum)/フェブラリー・ダフネ(February daphne)
- 開花時期:3月~4月
- 花の色:桃色
- 葉の色:緑色
- 香り:花
- 生活形:落葉低木
- 草丈:約100~150cm
- 株張り:
- 用途:
- 購入方法:セイヨウオニシバリを楽天で購入
■セイヨウオニシバリとは!?
セイヨウオニシバリ(学名: Daphne mezereum)は、別名では「ヨウシュジンチョウゲ」「メゼレウム(mezereum)」「フェブラリー・ダフネ(February daphne)」とも呼ばれるジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の落葉低木です。
セイヨウオニシバリの原産地はヨーロッパと西アジアにあり、自生地は高山帯の草原や潅木地、森林などにあります。
■セイヨウオニシバリの語源(由来)
- Daphneの由来:元々は月桂樹(Laurus nobilis)の古代ギリシア語の古名からきており、ダフネはギリシャ神話に出てくるニュンペー(下級女神)で、アポロンの手から逃れるため、父である河神のペーネイオスに頼み自らを月桂樹に変えて貰ったという伝説があります。ただし、現在のDaphneは、月桂樹とは関係ない植物の属名となっています。
- mezereumの由来:ペルシャ語で「ころす」「死」を意味する「mazarion」からきており、この植物が猛毒なことに由来します。
■セイヨウオニシバリの特徴(魅力)
- セイヨウオニシバリの魅力と注意点:葉が展開する前に開花が始まり、桃色の花が枝を覆い尽くすように咲き誇ります。また開花後には鮮やかな赤色の果実が実るため、園芸では、これらの非常に装飾的な花と実を楽しむ目的で栽培されることもあります。ただし、この植物は猛毒である事でも知られており、植物にはメゼレインやダフニンと呼ばれる非常に有毒な化合物が含まれていて致死性があるため、量によっては死に至る可能性があります。特に果実は見た目が美しく、子供やペットが誤って食べる恐れもあるため、栽培する際は厳重な注意が必要となる植物です。
- 樹形の特徴:生育型は基本的に分枝型になりますが、基部から分枝して叢生型のようになる場合もあります。 株全体の概形は自然にまとまりやすく、剪定を基本的に必要としません。逆に剪定を行うと枯れこみやすいため、注意が必要です。
- 花の特徴:開花期は3月~4月頃、葉が展開を始める前に花が咲きます。花序は腋生で、節ごとに2~4個の花を束生するため、散形総状花序のような見た目となります。花は花弁を持っておらず、花托・萼・雄蕊・雌蕊で構成され、一般的に花弁として見られている部分は萼です。萼は萼筒で上部に4枚の裂片があり、色は桃色です。
- 毒性:セイヨウオニシバリは、株全体に有毒成分であるメゼレイン(mezerein)とダフニン(Daphnin)が含まれており、これを誤って摂取した場合、数時間後に口の周りや口腔内が腫れて焼け付くような痛みが出たり、また嚥下障害・悪心・嘔吐・血液を含む下痢・衰弱・昏睡等の症状を引き起こす事があり、また致死量を超えて摂取した場合は死に至る事もあります。さらに、枝が折れた時などに出る樹液は触るだけでも炎症を引き起こすことがあります。そのため、子供やペットのいる家庭で、この植物を栽培する際は、注意が必要です。
■セイヨウオニシバリの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 樹高:約100~150cm
- 生育型:分枝型
- 分枝型:主軸がハッキリとせず分枝が多いもの。
- 茎の毛:無毛
- 茎の色:緑色・淡褐色・灰褐色
●葉の形態
- 葉序:互生葉序
- 葉柄:有柄
- 葉身の概形:楕円形・長楕円形・倒披針形
- 葉身の長さ:約3~8cm
- 葉の縁部分:全縁
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:腋生で、節ごとに2~4個の花を束生するため、散形総状花序のような見た目となる。
- 花:花托・萼・雄蕊・雌蕊で構成されており、花弁がなく萼が花弁状になっている。
- 萼:萼筒
- 萼筒の形:萼片の基部は合着して筒状になっていて、筒上部の萼裂片が4枚あり、萼裂片の形は卵形または披針形をしている。
- 萼筒の色:桃色
- 雄蕊:8本
- 雌蕊:1本
- 萼:萼筒
●果実・種子の形態
- 果実の分類:核果
- 核果の概形:球形
- 核果の直径:約0.7~1.2cm
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■セイヨウオニシバリの園芸品種を紹介
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学名:
花の色:
葉の色:
草丈:
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■ジンチョウゲ(ダフネ)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■セイヨウオニシバリの育て方
花壇の土づくり
バイオーム
セイヨウオニシバリの主なバイオームはヨーロッパから西アジアに広がる温帯針葉樹林・温帯広葉樹林で、自生地は高山帯の草原や潅木地、森林などにあります。主な気候は温帯から冷帯に属し、気温は夏場も比較的に冷涼で、冬場は場所によりますが積雪を伴う寒冷な場所から比較的に穏やかな場所まであります。年間降水量は場所により変わり平均的または平均よりも少なめです。土質に関しては一般的に水捌けがよい石灰質土壌に生息しており、腐植質を適度に含む、やや湿潤な環境を好みます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
日当り
セイヨウオニシバリは、西日の当たらない半日影で育てることが理想です。真夏に日向は、強い日差しで葉焼けを引き起こしたり、乾燥が早まり水分不足で生育不良になる傾向があります。また日陰で栽培すると日照不足で花付きが悪くなり、生育も悪くなります。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- 土質:通気性と排水性が十分に確保されており、一定の湿り気が保たれる保水性のある土壌を好みます。そのため土質は壌土が適します。
- 肥沃さ:過度な肥沃さは必要ありません。土壌の状態を見ながら、痩せていると感じる場合は適度に堆肥を入れるとよいでしょう。肥沃すぎる土壌は、特に夏場に蒸れやすく、根腐れの原因となるため注意が必要です。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
日当り
セイヨウオニシバリは、西日の当たらない半日影で育てることが理想です。真夏に日向は、強い日差しで葉焼けを引き起こしたり、乾燥が早まり水分不足で生育不良になる傾向があります。また日陰で栽培すると日照不足で花付きが悪くなり、生育も悪くなります。
培養土
培養土を購入する場合は、一般的な花木の培養土を利用すると良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が高山帯の草原や潅木地、森林などにあり、基本的に通気性・排水性が高くて、適度に腐植が入る土壌にあります。そのため、培養土を作成する場合も、無機質と有機質の土壌改良材のバランスを考えながら、通気性・ 排水性・保水性が長く保たれる、適度に肥沃なものをつくりましょう。
- 無機質(土壌改良材):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土や鹿沼土などの土壌改良材を8割~6割を目安に配合します。
- 有機物(土壌改良材):堆肥は2~4割を目安に培養土の中に配合します。堆肥は土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。ただし、あまり入れ過ぎると夏場に蒸れて根腐れを引き起こす事もあるため注意が必要です。
培養土の配合例
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土 + バーク堆肥 + 元肥=7:2:1:適量
- 鹿沼土(小粒・中粒)+日向土+ピートモス +元肥=5:2:3:適量
無機質の土壌改良用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
有機物の土壌改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- バーク堆肥:バーク堆肥は、樹木の樹皮を発酵させて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:バーク堆肥は見た目が黒っぽく、断片が小さくなって、しっかりと発酵しているものを選びましょう。発酵が未熟なものは、株元にマルチして使用した方がよいでしょう。
- 特徴:バーク堆肥は繊維が多く土壌の膨軟性を高める効果が非常に高い、そのため空気の通りが良くなり根の成長を助けます。また土壌の保水性・保肥力を改善する効果も高めです。微量要素を多数含んでいるため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。C/N比が高くリグニンを含む難分解性有機物が含まれているため完全な分解まで時間がかかる傾向があり膨軟効果が長く続く。PHは弱酸性から中性です。
- 注意点:C/N比が高いためバーク堆肥を大量に土壌に入れると分解時に微生物が窒素を余計に使い窒素飢餓を引き起こす事がある、そのためバーク堆肥の入れ過ぎには注意です。リグニンが発芽抑制・生育障害等を引き起こす原因になる事があります。
- 用途:土壌の膨軟性を長期間に渡り高めて、保水性・保肥力・通気性を改善する目的、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする目的で、花壇の土壌改良材として利用されたり、またコンテナ栽培の改良用土として利用されたりしています。
水やりの仕方
セイヨウオニシバリは基本的に一定の湿り気のある土壌を好みます。水やりのタイミングは日当たり・土壌の土質・気温などで変化するため、水やりの頻度なども考慮に入れながら、適切な環境で栽培する事も大切になります。水やりのタイミングは下記を参考にして下さい。
注意する事は、極端に過湿状態にしてしまうことです。過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、長雨や水やりする頻度には注意が必要となります。
水やりのタイミング
生育期間中は生育旺盛でたくさんの水を必要とするため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えます。
冬の期間は生育が緩慢になるため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
セイヨウオニシバリは、土壌に十分な肥沃さがあれば肥料を与える量を減らしたり、また肥料なしで育てる事も可能です。ただし、定期的な施肥が成長を促進させたり花付きをよくしたりする効果があるため、土壌の状態をみて堆肥を入れたり、また追肥を与えてあげるとよいでしょう。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中に入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型を選びます。
- 肥料の製品:有機肥料(植付け前)・緩効性肥料・配合肥料(BB肥料など)がおすすめです。
- 施し方:全面施肥・溝施肥(有機肥料)
- 全面施肥:植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。有機肥料を使用する場合は発酵時のガスや高温で根を傷める事もあるため、植付け2週間程度前に肥料を入れて混和する。
- 溝施肥:植物の植付けを行う場所に深さ20cm程度の穴を掘り、溝(穴)の中に有機肥料を入れる。穴の中に土を少し戻す。苗の高さを調節しながら植付けを行う。
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を入れる事で補います。
- 肥料を与える時期:早春と初秋に2回与えます。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型を選びます。
- 肥料の製品:緩効性またはBB肥料がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
セイヨウオニシバリは、剪定をすると病気にかかり枯れ込む事が多いため、一般的に剪定せずに栽培されます。剪定しなくても、自然樹形のままで球状の美しい外観となるため問題ありません。剪定を行う場合は開花後の春に行い、枯れ枝を取り除くか、軽い剪定にとどめましょう。
冬越しする方法

Hardiness:4~9
セイヨウオニシバリは、気候が温帯であれば屋外での越冬が可能です。ただし、冷帯では寒さで株が枯れる事もあるため、冬越し対策が必要です。
冬越し対策一覧
- 軒下に移動する:植物を植えている鉢植えを軒下に移動する事で、霜を避けることができます。霜があまり降りない地域であれば、霜を避けるだけで冬越し出来ることもあります。
マルチング:株の周囲にマルチング資材を入れて株元と根を保護する。根を凍結や霜から守ったり、乾燥対策になったりします
- 方法:霜が降りる前の11月頃に行います。バーク堆肥や藁などのマルチング資材を準備します。育てている植物の周りに、マルチング資材を5~8cmほどの厚みになるように入れます。
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。
- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
屋内に取り込む:植物を建物の中になります。冬の屋内は屋外と比べて温度が高く植物が凍結するリスクもありません。ただし屋内は太陽光が当たらないため、明るさなどには注意が必要になります。植物を窓辺で管理したり、植物育成ライトを活用して、植物が弱らないよう管理することが大切になるでしょう。