
- 原産:ヨーロッパ
- 科:ジンチョウゲ(Thymelaeaceae)
- 属:ジンチョウゲ/ダフネ(Daphne)
- 種:クネオルム(Daphne cneorum)
- 別名:ガーランド・フラワー(garland flower)/ローズ・ダフネ(rose daphne)
- 品種:ルビーグロウ(Daphne cneorum ‘ruby glow’)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:濃い桃色
- 葉の色:緑色
- 香り:花
- 生活形:常緑低木
- 草丈:約20~30cm
- 株張り:
- バイオーム:
- 用途:グランドカバー/枝垂れる植物/香りが良い/ロックガーデン
- 購入方法:ダフネ(ルビーグロウ)を楽天で購入
■ダフネ(ルビーグロウ)の特徴
- 学名:Daphne cneorum ‘ruby glow’
- 花の色:濃い桃色
- 葉の色:緑色
- 草丈:約20~30cm
- 備考:花の色は濃い桃色で、可愛らしさの中に明るく元気な雰囲気があり、また花は強い芳香があります。
■ダフネ・クネオルムとは!?

ダフネ・クネオルム(学名: Daphne cneorum)は、別名では「ガーランド・フラワー(garland flower)」「ローズ・ダフネ(rose daphne)」とも呼ばれるジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木です。
ダフネ・クネオルムの原産地はヨーロッパにあり、自生地は針葉樹林の多い山岳地帯の草原やヒース(荒れ地)、岩場や潅木地帯などにあります。
■ダフネ・クネオルムの語源(由来)
- Daphneの由来:元々は月桂樹(Laurus nobilis)の古代ギリシア語の古名からきており、ダフネはギリシャ神話に出てくるニュンペー(下級女神)で、アポロンの手から逃れるため、父である河神のペーネイオスに頼み自らを月桂樹に変えて貰ったという伝説があります。ただし、現在のDaphneは、月桂樹とは関係ない植物の属名となっています。
- cneorumの由来:古代ギリシア語で「小さなオリーブ」を意味する「kneoron」からきており、ダフネ・クネオルム(Daphne cneorum)の葉の形などがオリーブに似ている所からきています。
■ダフネ・クネオルムの特徴(魅力)
- ダフネ・クネオルムの魅力:一般的なジンチョウゲと違い、樹形が匍匐性でマット状に広がる性質があり、一方でジンチョウゲと同様に花は球状に集まり、強い芳香があります。こうした特性から、園芸では、地表を覆う地被植物として仕立てられて、この花の美しさと芳香を楽しむ目的で栽培されています。また、この植物は乾燥に強いためロックガーデンで岩面を覆う事も可能です。注意する点は、この植物がジンチョウゲと同様に有毒であり誤って食べると体調を崩したり最悪死亡する可能性があり、また樹液に触れるだけで肌が炎症を引き起こすことがある事です。さらに、ウィルス感染しやすく、剪定などの強いストレスで枯れこみやすい所も栽培時の注意点となるでしょう。
- 樹形の特徴:生育型は匍匐型になり、茎は這いながら、マット状に地表面を覆うように成長します。
- 花の特徴:開花期は4月~6月頃、花序は頭花で、花が茎頂に集まり半球状の外観を呈します。花は花弁を持っておらず、花托・萼・雄蕊・雌蕊で構成され、一般的に花弁として見られている部分は萼です。萼は萼筒で上部に4枚の裂片があり、花の色は赤色・桃色・赤紫色です。
- 香りの特徴:ダフネ・クネオルムの花には強い芳香があるため、お庭のガーデンファニチャーの傍に植栽して休憩時に香りを楽しめるようにしたり、またよく通る小道の傍に植栽することで行き交う歩行者にも香りを届け楽しめるようにすることができます。
- ロックガーデン:ダフネ・クネオルムは自生地が山岳地帯のヒース(荒れ地)や岩場などにあり、乾燥気味の環境に適応する事からも分かる通り、ロックガーデンに利用できます。この植物は樹形が匍匐型のため、ロックガーデンの中では岩肌に沿って覆うように広がったり、垂れ下がる様子が楽しめます。
- 地被植物:ダフネ・クネオルムは、株が匍匐して地表をマット状に広がる性質があるため、特に岩の隙間や斜面などの乾燥しやすい場所などの地被植物(グランドカバー)として利用されることが多いです。
■ダフネ・クネオルムの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 樹高:約20~30cm
- 生育型:匍匐型
- 匍匐型:地面を這うように茎が伸びるもの。
- 茎の色:緑色・淡褐色
●葉の形態
- 葉序:互生葉序
- 葉柄:有柄
- 葉身の概形:線形・長楕円形・倒披針形
- 葉身の長さ:約1~2.5cm
- 葉の縁部分:全縁
- 葉の質感:革質
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:頭状花序
- 頭状花序の概形:半球形
- 花:花托・萼・雄蕊・雌蕊で構成されており、花弁がなく萼が花弁状になっている。
- 萼:萼筒
- 萼筒の形:萼片の基部は合着して筒状になっていて、筒上部の萼裂片が4枚あり、萼裂片の形は楕円形をしている。
- 萼筒の色:赤色・桃色・赤紫色
- 雄蕊:8本
- 雌蕊:1本
- 萼:萼筒
●果実・種子の形態
- 果実の分類:核果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ダフネ・クネオルムの園芸品種を紹介
■ジンチョウゲ(ダフネ)属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ダフネ・クネオルムの育て方
花壇の土づくり
バイオーム
ダフネ・クネオルムの主なバイオームは温帯針葉樹林・温帯広葉樹林です。この植物の原産地はヨーロッパにあり、自生地は針葉樹林の多い山岳地帯の草原やヒース(荒れ地)、岩場や潅木地帯などにあり、主な気候は温帯・冷帯に属します。気温は夏場も比較的に冷涼で、冬場は場所によりますが積雪の伴う寒冷な場所から比較的に穏やか気温の場所まであります。年間降水量は場所により変わり平均的または平均よりも少なめです。土質に関しては基本的に砂礫質で水捌けがよい場所を好んで生息してます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
日当り
ダフネ・クネオルムは、西日の当たらない半日影で育てることが理想です。真夏に日向は、強い日差しで葉焼けを引き起こしたり、乾燥が早まり水分不足で生育不良になる傾向があります。また日陰で栽培すると日照不足で花付きが悪くなり、生育も悪くなります。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂壌土が適します。水分が停滞してジメジメと湿り過湿になりやすい粘土質の土質は許容せず、根腐れを引き起こすため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:過度な肥沃さは必要ありません。土壌の状態を見ながら、痩せていると感じる場合は適度に堆肥を入れるとよいでしょう。肥沃すぎる土壌は、特に夏場に蒸れやすく、根腐れの原因となるため注意が必要です。
- PH:PHは5.5~6.5の弱酸性を好みます。土壌のPHを診断して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてPHを調節しましょう。PHが極端に外れた土壌では微量要素などの栄養補給が上手くいかずに生育不良になる場合があります。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
日当り
ダフネ・クネオルムは、西日の当たらない半日影で育てることが理想です。真夏に日向は、強い日差しで葉焼けを引き起こしたり、乾燥が早まり水分不足で生育不良になる傾向があります。また日陰で栽培すると日照不足で花付きが悪くなり、生育も悪くなります。
培養土
培養土を購入する場合は、酸性の土壌を好むためツツジやサツキの培養土を利用すると良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が山岳地帯の草原やヒース(荒れ地)や岩場や潅木地帯などにあり、水捌けがよく栄養はやや乏しい場所にあります。そのため、培養土を作成する場合も、無機質と有機質の土壌改良材のバランスを考えて、通気性と 排水性が高いものを作りましょう。またPH5.5~ 6.5の弱酸性土壌を好むため、使用する土壌改良材も酸性のものを中心に選ぶとよいでしょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土や鹿沼土などの土壌改良材を8割~7割を目安に配合します。特に鹿沼土などはPHが弱酸性のため、これを利用すると培養土のPHを下げることができます。
- 土壌改良材(有機質):堆肥は2~3割を目安に培養土の中に配合します。堆肥は土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。ただし、有機質の土壌改良材を入れ過ぎると夏場に蒸れて根腐れを引き起こす事もあるため注意が必要です。またピートモスはPHが酸性のため、これを利用すると培養土のPHを下げることができます。
培養土の配合例
- 鹿沼土(小粒・中粒)+腐葉土 + バーク堆肥 + 元肥=5:3:2:適量
- 鹿沼土(小粒・中粒)+日向土+ピートモス +元肥=4:2:4:適量
無機質の土壌改良用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
有機物の土壌改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- バーク堆肥:バーク堆肥は、樹木の樹皮を発酵させて作られた土壌改良材または肥料です。
- 選ぶ基準:バーク堆肥は見た目が黒っぽく、断片が小さくなって、しっかりと発酵しているものを選びましょう。発酵が未熟なものは、株元にマルチして使用した方がよいでしょう。
- 特徴:バーク堆肥は繊維が多く土壌の膨軟性を高める効果が非常に高い、そのため空気の通りが良くなり根の成長を助けます。また土壌の保水性・保肥力を改善する効果も高めです。微量要素を多数含んでいるため、植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。C/N比が高くリグニンを含む難分解性有機物が含まれているため完全な分解まで時間がかかる傾向があり膨軟効果が長く続く。PHは弱酸性から中性です。
- 注意点:C/N比が高いためバーク堆肥を大量に土壌に入れると分解時に微生物が窒素を余計に使い窒素飢餓を引き起こす事がある、そのためバーク堆肥の入れ過ぎには注意です。リグニンが発芽抑制・生育障害等を引き起こす原因になる事があります。
- 用途:土壌の膨軟性を長期間に渡り高めて、保水性・保肥力・通気性を改善する目的、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする目的で、花壇の土壌改良材として利用されたり、またコンテナ栽培の改良用土として利用されたりしています。
水やりの仕方
ダフネ・クネオルムは基本的に耐乾性がとても高い植物となり、ジメジメと湿った土壌よりも、乾燥気味の土壌を好みます。そのため、地植えであれば水やりは殆ど不要で、鉢植えで栽培する場合も水やりの頻度はかなり少なめになります。
注意する事は、極端に過湿状態にしてしまうことです。過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりする頻度には注意が必要となります。
水やりのタイミング
生育期間中は土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えます。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
剪定のやり方
ダフネ・クネオルムは、剪定をすると病気にかかり枯れ込む事が多いため、一般的に剪定せずに栽培されます。剪定しなくても、自然樹形のままで球状の美しい外観となるため問題ありません。剪定を行う場合は開花後の春に行い、枯れ枝を取り除くか、軽い剪定にとどめましょう。
夏越しする方法
ダフネ・クネオルムは、自生地が山岳地帯の草原やヒース(荒れ地)、岩場や潅木地帯などにあり、夏の気温は比較的冷涼で、土壌は比較的に乾燥しています。そのため、この植物は乾燥に強いですが、高温や多湿や過湿を苦手にしています。特に日本の高温多湿で株が蒸れて、根腐れしたり病気にかかったりしやすく、株が衰退して枯れることも多いです。そのため、夏越し対策として高温・多湿・過湿の予防が必要になってくるでしょう。
夏越し対策一覧
- 高温の改善:温度が高いことです。 植物の生育適温は一般的に15~30℃の間であり、それ以上の高温になると高温障害と呼ばれる様々な障害を引き起こします。高温の改善の方法は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- 打ち水:庭や植物を置いているコンクリートの地面などに水を撒いて、水が蒸発する時に気化熱を奪う事を利用して、地面や大気の温度を下げます。
- 葉水:植物の茎や葉に水をかけることです。葉水で植物についた水滴は、蒸発する時に気化熱を奪うため植物の温度を下げる効果があります。※ただし水をかける事が植物が病気にかかる原因になる事もあるため病気にかかりやすい植物には避けた方がよいでしょう。
- 多湿・過湿の改善:空気中・土壌中の湿度が高い状態です。原因は様々で、壁に囲まれて空気の流れや太陽光が遮られている場所、雑草などで太陽光が遮られている場所、雨水が貯まりやすい場所、土壌の土質が悪い場所などでおきやすいです。多湿・過湿の改善の方法は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 植物を移動:植物と育てる場所の相性が悪い場合は、植物を相性の良い場所に移動しましょう。
- 雑草の除去:雑草は風の流れや太陽光を遮り、育てている植物の成長を妨げる原因になると同時に、多湿を生み出す原因にもなります。多様性の一部ではありますが、見た目にも良くないことが多いため定期的に抜きましょう。
- 排水性の改善:雨水などが周囲から集まりやすい環境にあったり、硬盤があったりすると排水が上手くいかない場合があります。対策として排水溝を作ったり、縦穴暗渠(縦穴排水)をつくり雨水が外に流れる仕組みをつくりましょう。
- 花壇を高くする:植物を植える環境を周囲よりも高くして排水性を改善する事も出来ます。花壇をレイズベットにしたり、岩を並べてロックガーデンなどにしたりして、植物を育てるのもよいでしょう。
- 雨避けをつくる:植物の上に雨が当たらないように雨避けを張り、雨から植物を守る方法があります。雨避けの方法は様々ですが、雨避けの製品もあるため探してみるのもよいでしょう。雨避けは病気予防、多湿・過湿の改善にもなります。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。