イタドリ属は属の中に約7種があり東アジアを原産とする多年草です。一般に園芸では、迷惑な雑草として嫌われる事が多いですがイタドリ(虎杖)、オオイタドリ共に春に出てくる若芽が山菜として親しまれており、また花が日本蜜蜂等の蜜源として非常に優秀なためビオトープ等におすすめです。
イタドリは地下茎によって広がり繁茂するため花壇等に植える際は注意(囲いを作る等)と覚悟が必要です。基本的には夏の暑さや冬の寒さに強く育てやすい植物です。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①イタドリ(虎杖) 開花時期:8月~10月 | ②オオイタドリ 開花時期:7月~9月 |
原産:日本/東アジア
学名:Reynoutria japonica
草丈:約100~200cm
分類:多年草(宿根草)
開花時期:8月~10月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●黄色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:10月5日
花言葉:「回復」「見かけによらない」
特徴:イタドリ(虎杖)は学名Reynoutria japonica、別名「スカンポ」とも呼ばれる日本及び東アジアが原産の多年草(冬は地上部が枯れる宿根草)で、日本には北海道から九州まで日当たりの良い山野に自生しています。和名「イタドリ」の由来は、葉を揉んで傷口に付けると止血され痛みを和らげる事から元は「痛み取り」と呼ばれており、徐々に言葉が転訛(訛って変わる)してイタドリと呼ばれる様になったようです。種小名のジャポニカ(japonica)は「日本の」という意味をもちます。
イタドリ(虎杖)の魅力は、春に出てくる竹の子の様な若芽が「スカンポ(折るとポコッと音が鳴り齧ると酸っぱい事から)」と呼ばれ、山菜として炒め物や天ぷら等にして食べられる事にあり、また晩夏から秋に咲く花は日本蜜蜂等の貴重な蜜源になっており養蜂家から高い評価を得ています。園芸では美しい斑入りの品種等もありカラーリーフとしてお庭に利用する事も可能で、また在来種であるイタドリ(虎杖)は沢山の生物が訪れる様なビオトープ等にもおすすめです。
一方で手入れされたお庭や牧草地等ではしばしば迷惑な雑草として嫌われており、世界的に見ると「世界の侵略的外来種ワースト100」にカテゴリされており生態系に悪影響を与える植物として認識されています。イタドリは成長が早くこぼれ種(種の寿命約3年)から容易に増えていき、抜いても抜いても現れる強雑草として嫌われています。駆除する場合は地上部を刈り取っても地下茎より再度芽吹き繁殖するため、土ふるい等を使い地下茎まで完全に除去するか、根まで枯らすグリホサート系の除草剤を使うといいでしょう。
イタドリは地面下で広がる太い地下茎から何本も直立(上部で分枝)する茎を出して群生する様な草姿を作り、葉は大きく(長さ約5~15cm幅は約5~9cm)繁茂して薮の様に茂ります。花は雌雄異株のため雄花しか持たない花を咲かせる株と雌花しか持たない花を咲かせる株に分かれています。
開花時期は晩夏から中秋、花色は白色もしくは黄色(クリーム色)、個々の小花には花弁がなく花弁の様にみえる5裂した萼片があり雄花のみもしくは雌花のみがある、花序は円錐花序で花後は雌花の花被が張出し痩果を包みます。草姿は地下茎により広がり直立する茎が群生する様に何本も出て高さは約100(200)cm × 幅は約100(200)cmまで成長します。葉色は緑色もしくは黄色、葉身は卵形もしくは楕円形で長さ約5(15)cm幅は約5(9)cm、葉序は互生葉序につきます。
イタドリ(虎杖)の収穫時期は4月から5月で、地面から伸びてきた若芽を根元から手で折ったりハサミ等を利用して収穫します。収穫した茎は食べる前に皮を向いたりシュウ酸(大量に摂取するとお腹を下す)を抜く下処理が必要ですが、イタドリの皮は軽くお湯に潜らせると皮が剥きやすくなります。またシュウ酸は1晩冷水にさらすと抜けイタドリ特有の酸っぱさもなくなります。下処理がすんだら天ぷらや炒め物等にしてたべましょう。
イタドリ(虎杖)は通常冬に地上部が枯れた後に根茎を掘りあげ根挿しをして増やされますが、播種や挿し木でも増やす事が可能です。生命力が強く放ったらかしでも育てられますが、根茎でどんどん広がり手に負えなくなる可能性もあるため、植える前にある程度範囲を区切って上げるといいかもしれません。
斑入りイタドリは葉に白色もしくは黄色(クリーム色)の班が入り明るく爽やかな雰囲気をもった園芸品種です。班の入り方は株により様々で網目状に班が入るものや直線的に境界面で色が分かれる切斑などがあります。また多くの場合、芽が出たての小苗の葉は赤色をしていますが成熟すると赤色は消えます。 |
原産:日本
学名:Reynoutria sachalinensis
草丈:約150~400cm
分類:多年草(宿根草)
開花時期:7月~9月
花色:黄色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:オオイタドリは学名Reynoutria sachalinensis、英名「giant knotweed」や「Sakhalin knotweed」とも呼ばれる日本原産の多年草(冬は地上部が枯れる宿根草)で、北海道から中部以北までの日当たりの良い山野に自生しています。
オオイタドリはその名前からも分かる通りイタドリと比べて全体的にとても大きいのが特徴です。イタドリが草丈が2mまでしか伸びず葉の大きさが長さ約5(15)cm × 幅が約5(9)cmなのに対して、オオイタドリは草丈が4m近くまで成長する事があり、また葉も長さ15(40) × 幅が10(25)cmと非常に巨大で葉の基部が凹んでおりハート形をしています。
オオイタドリはイタドリと同様に春に出てくる竹の子の様な若芽が山菜として収穫され、皮を剥きアク取りされた後に炒め物や天ぷら等にして食べられます。また夏から秋にかけて咲く花は花蜂や蝶々等の蜜源となっており、葉は青色の羽が美しいルリシジミの食草です。地下茎で広がり抜いても抜いても現れる強雑草として嫌われる事もありますが、在来種でもあり沢山の生物を呼ぶことからビオトープ等に使うのもおすすめでしょう。
オオイタドリは地面下で広がる太い地下茎から何本も直立(上部で分枝)する茎を出して群生します。葉は長さ15(40) × 幅が10(25)cmと非常に巨大で繁茂するためしばしば薮の様になります。花は雌雄異株ですが、雄株にはしばしば雌花が混じるため雑居性とも言われます。
開花時期は晩夏から中秋、花色は白色もしくは黄色(クリーム色)、個々の小花には花弁がなく花弁の様にみえる5裂した萼片があり雄花のみもしくは雌花のみがある、花序は長さが3~8cmの円錐花序で雌株は花穂が下垂し雄株は立上ります。草姿は地下茎により広がり直立する茎が群生する様に何本も出て高さは約150(400)cm × 幅は約100(300)cmまで成長します。葉色は緑色、葉身は卵形で長さ15(40) × 幅が10(25)cm、葉序は互生葉序につきます。
オオイタドリは通常冬に地上部が枯れた後に根茎を掘りあげ根挿しをして増やされますが、播種や挿し木でも増やす事が可能です。生命力が強く放ったらかしでも育てられますが、根茎でどんどん広がり手に負えなくなる可能性もあるため、植える前にある程度範囲を区切って上げるといいかもしれません。
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