- 原産:アルゼンチン/ブラジル/チリ
- 科:イネ(Poaceae)
- 属:シロガネヨシ/コルタデリア(Cortaderia)
- 種:シロガネヨシ/セロアナ(selloana)
- 英名:パンパスグラス(Pampas grass)
- 別名:お化けススキ/コルタデリア・セロアナ
- 品種:ミニパンパス(mini pampas)
- 開花時期:9月~10月
- 花の色:黄色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約75cm
- 誕生花:9月6日/11月25日
- 花言葉:光輝/人気/風格/歳月/雄大な愛/強気な心
- 用途:背が高い花/切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
パンパスグラス(ミニパンパス)とは!?
パンパスグラス(ミニパンパス)は一般的な種と比べて高さが75cmまでと非常に背が低くくコンパクトな草姿をしており、コンテナでも育てやすい園芸品種です。花は秋から中秋に白色からクリーム色のボリューミーな花を咲かせます。
パンパスグラスとは!?
パンパスグラスは学名Cortaderia selloana、別名では「シロガネヨシ」や「コルタデリア・セロアナ」とも呼ばれるアルゼンチン及びブラジル、チリが原産の常緑多年草です。
日本では明治時代中期に渡来しており関東~四国、沖縄等で逸出帰化しています。また生態系への悪影響から「その他の総合対策外来種」にもカテゴリされています。
パンパスグラスの語源(由来)
- 属名のCortaderiaは、リオプラテンセ・スペイン語で「カッター」を意味する「cortadera」からきており、葉のふち部分の鋭さに由来しています。
- 種小名のselloanaはドイツの植物学者で博物学者のFriedrich Sellow(1789–1831)への献名です。
パンパスグラスの特徴(魅力)
- パンパスグラスは秋に開花する花を鑑賞もしくは収穫してドライフラワーとして楽しむ目的で育てられます。
- パンパスグラスの花は長さ30~130cmと非常に大きくふんわりとした外観をしており圧巻される様な美しい景観をつくります。
- 花は乾燥しても形が崩れにくく独特なシルエットを作るためドライフラワーとして高い人気があります。
- 花は雌雄異株のため雄株と雌株で外観が違います。
- 雌株は綿菓子を思わせる様なふんわりした外観をして淡い黄色をしています。
- 雄株はススキの様なスラリとした精悍な外観をしていて赤みがかります。
- パンパスグラスの葉は長さが約100~300cmと非常に長く優雅に広がります。
- 葉のふち部分は鋸の刃のようになっていて素手で触ったり擦ると怪我をする可能性があるため人通りの多い小道には植えない方が良いかもしれません。
- パンパスグラスは侵襲性の高い植物と考えられており逸出すると在来生物等に悪影響を与える可能性があります。
- 成長が早く大株になりやすくこぼれ種から逸出する可能性があります。
- 除草する場合はグリホサート系の除草剤を利用しましょう。
- パンパスグラスは燃えやすいため火元の近くや住居の近くには植えない方がよいかもしれません。
- パンパスグラスは高さ幅ともに非常に大きく成長するためランドスケープとして利用されることもあります。
- パンパスグラスは栄養の乏しい土壌や乾燥した土壌等の悪条件に耐え生き残る事ができる丈夫な植物です。
パンパスグラスの草姿は叢生型(根元から多くの茎が出て茂る)です。稈(イネ科植物を主とした茎)は直立して高さ200(~400)cmの間で成長します。葉序は根生もしくは互生葉序、葉色は緑色もしくは灰緑色、葉身の長さ約100(~300)cm、幅約3(~8)cm、葉身は線形でふち部分に鋸歯を持ちます。花は雌雄異株もしくは雌雄同株(雄株に雌花が生成される事がある)、花序は長さ30(~130)cmの円錐花序、小穂の長さは約0.9(~1.8)cmあり、色は淡い黄色もしくは紫がかる色をしています。
パンパスグラスのドライフラワーの作り方
- パンパスグラスの収穫は乾燥が続く日の朝(朝露が消えた後)もしくは夕方に行いましょう。
- 収穫のタイミングは花の見栄えが良いものを選びます。
- 茎を好みの長さで剪定ハサミで切って収穫して下葉を取り除きましょう。
- 収穫した花はハンギング法で乾燥させます。
- 乾燥させたら型崩れを防止するため専用のスプレーをかけましょう。
ハンギング法
ハンギング法とは、植物を壁や天井等から吊り下げて自然乾燥でドライフラワーをつくる方法です。ハンギング法は最も一般的に利用されるドライフラワーを作る手順で、用意する物も花材以外には殆ど要らず手軽に作れる所が魅力です。手順は花の茎の下部を固定する物(麻紐・洗濯バサミ等)で抑えて、逆さにし壁や天井から吊り下げます。管理する場所は基本的に直射日光の当たらない涼しく乾燥した場所です。乾燥させる時間は2~4週間程度で、自然乾燥させます。
おすすめの型崩れ防止スプレー
パンパスグラスの栽培方法
園芸では、優雅に広がる葉やボリューミーな花を鑑賞する目的だったり、その花を収穫してドライフラワーとして利用する目的で育てらます。高さ幅ともに非常に大きく成長する事から、周囲に十分なスペースがある場所を選びましょう。また葉は擦ると怪我をする恐れがある事から子供が遊ぶ場所や通り道等は避けた方がよいかもしれません。
パンパスグラスを育てる際に注意する事は「極端な寒さ」くらいです。一度活着すれば水やりや肥料を与える事が基本的に不要になるため放ったらかしでも育ちます。
パンパスグラスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
シロガネヨシ(パンパスグラス)の珍しい種類、主な種と園芸品種の紹介【2022】
パンパスグラス(ミニパンパス)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
パンパスグラス(ミニパンパス)は直射日光が6時間以上あたる日向から3時間から5時間の半日陰までで育てる事ができます。
土壌の土質
パンパスグラス(ミニパンパス)は通気性がよく肥沃な土壌を好みますが、基本的には幅広い土壌に耐え、土質をあまり選ばず育てる事が出来ます。植え付けの前に土壌診断を行い通気性がよく肥沃な土壌をつくりましょう。
- ①土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を掘り返し石等を取り除きます。
- 土を適度に濡らして握って土塊を作ってみます。
- バラバラと崩れる場合は保水性がない可能性があります。必要に応じて保水性・保肥力を高める用土(黒土等)を混和しましょう。
- 土の塊が出来ても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- ③肥沃な土の場合は土の色が黒っぽくなるため、土の色が薄い場合は土壌の肥沃さが足りない場合があります。必要に応じて堆肥(腐葉土等)を混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
パンパスグラス(ミニパンパス)は日当り好むため、直射日光が6時間以上当たる日向もしくは、午前中のみ日が当たり午後から日陰になるような半日影で育てましょう。
培養土
パンパスグラス(ミニパンパス)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
パンパスグラス(ミニパンパス)は乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。
鉢植え
パンパスグラス(ミニパンパス)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。基本的には土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
パンパスグラス(ミニパンパス)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。
ただし土壌が風雨などで劣化している場合や、栄養が足りないと感じる場合などは必要に応じて堆肥や肥料を与えましょう。
植え付け時の元肥
植え付け時に肥料を与える場合は、腐葉土等の堆肥を混ぜ込んだ後に、水平型(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型(リン酸が多い)の緩効性肥料を規定量はかり培養土もしくは土壌に均一に混ぜこみ全面施肥しましょう。
植え付け後の元肥(寒肥)
植え付け後の肥料は毎年晩冬から早春に与えます。基本的に肥沃な土壌であれば肥料を必要としないことから、牛糞堆肥や腐葉土等を株から少し離れた場所にマルチングもしくは、穴を掘って埋めると良いです。肥料を与える場合は水平型もしくは山型の配合肥料を選びます。施し方は株元から少し離した場所に何ヶ所か穴を掘り、その中に肥料を施しましょう
剪定のやり方
パンパスグラス(ミニパンパス)の剪定は開花期間中と新しい葉が成長し始める冬の終わりごろに行われます。剪定は「花がら摘み」と「古葉とり」とりです。
また生育旺盛で株が大きくなりやすいため必要に応じて株を掘りあげ削減したり株分けしましょう。
花がら摘み
パンパスグラス(ミニパンパス)は開花期間中の花がら摘みが大切です。何故なら花を残すと種を作り初め、こぼれ種が逸出して生態系を乱す可能性があるからです。
花がら摘みの方法
パンパスグラス(ミニパンパス)の花がら摘みは開花期間中に行います。花をある程度楽しんだら剪定して取り除くか収穫してドライフラワー等にしましょう。
古葉とり
パンパスグラス(ミニパンパス)の古葉とりは冬の終わり(2月~3月頃)に行います。
枯れた葉や古く見た目が悪くなった葉を根元から取り除きましょう。
枯れた葉を取り除く事で見た目が良くなったり、新しい葉が出やすくなったり、病害虫の発生予防にもなります。
夏越しする方法
パンパスグラス(ミニパンパス)は夏の暑さに強く、基本的には夏越し対策不要で育てられます。
冬越しする方法
Hardiness:8a~11a
パンパスグラス(ミニパンパス)は耐寒性が高く、基本的には冬越しの準備は不要です。ただし寒さの厳しい地域では冬越し出来ないため必要に応じて対策をおこないましょう。
パンパスグラスの冬越し対策
- 鉢植えで育てている場合は、日当りのよい室内もしくは温室に入れて管理しましょう。
- 地植えしている場合は株元に腐葉土を盛り、必要に応じて不織布やビニールで植物の周囲を囲ってあげましょう。
挿し木や株分けで増やす
パンパスグラス(ミニパンパス)は株分けによって増やすことが出来ます。
パンパスグラスの株分け手順
- パンパスグラスの株分け時期は早春もしくは秋が最適です。
- 葉で怪我をしないように保護具(手袋等)を着用します。
- 茎葉をある程度の高さまで剪定して株を扱いやすい状態にします。
- スコップを使い株を掘りあげます。
- ナイフやハサミ等を利用して株を幾つかに切り分けましょう。
- 株分けした株は、必要な場所に植え直して水をたっぷり与えます。
播種で増やす
パンパスグラスの種蒔の方法
播種時期:3月~5月
発芽適温:約
発芽日数:約21日
発芽条件:
パンパスグラスの種まき手順
- ポットに種まき用の培養土を準備するか、直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上に薄く土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、必ず土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
パンパスグラスの病気
パンパスグラスの害虫