ハマゴウ属は属の中に約215~250種がある低木もしくは高木です。一般に園芸では、剪定をしなくても美しい樹形を保ち夏から秋にかけボリューミーな青紫色の花を咲かせるセイヨウニンジンボク、園芸品種に葉裏が紫色をした品種のあるミツバハマゴウ等が親しまれます。
ハマゴウは基本的には夏の暑さや冬の寒さに強いですが、種によっては強い霜に耐えられない種等もあるため育てる際は育て方を調べる必要があります。
種毎の育て方は写真か育て方をクリックすると出てくるためそちらで確認して下さい。
このページでは種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を記載しています。
①セイヨウニンジンボク 開花時期:7月~9月 | ②ミツバハマゴウ 開花時期:7月~9月 |
③ハマゴウ |
原産:南ヨーロッパ/中央アジア
学名:Vitex agnus-castus
草丈:約200~300cm
分類:落葉低木
開花時期:7月~9月
花色:青色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:7月22日
花言葉:「思慕」「才能」「純愛」
特徴:セイヨウニンジンボクは学名Vitex agnus-castus、英名「Chaste Tree」とも呼ばれる南ヨーロッパ及び中央アジア原産の落葉低木です。和名「セイヨウニンジンボク」の由来は西洋からきたニンジンボク(中国原産)という意味があるそうです。
セイヨウニンジンボクの花は爽やかでとてもボリューミーな花姿をしており、薄紫色の小花はシソ科によくある輪散花序に集まり、さらに花穂が円錐状に集まる事で巨大で豪華な花穂を作ります。また香りの良い花は高い場所を飛翔するアゲハ等の大型の蝶や花蜂等に蜜源として利用される事が多く、特に蜜蜂が唇形の花に頭を入れて蜜を吸う姿はとても可愛く癒されます。
また花後に出来る種は古くからヨーロッパでハーブとして利用されており、葉等と一緒に煎じて飲まれたり、熟した種を潰してコショウの様に利用されたりしています。主な効果・効能として男女の滋養強壮や女性のホルモンバランスを整える働きがあるとされます。
樹形は枝が逸出する事なく扇状に自然にまとまり自然樹形で美しい事から、基本的に剪定の必要がなく低メンテナンスで育てられます。また冬になると葉は落葉する事から、幹や枝のみの美しいシルエットを楽しむ事も出来るでしょう。
園芸では主に花を観賞する目的で庭木として伸び伸び育てたり、鉢植えでコンパクトに仕立て玄関先等に置かれたり、また底の浅い鉢で根域を制限して盆栽として育てられる事もあります。爽やかで心を落ち着かせる様な薄い青紫色の花を咲かせるセイヨウニンジンボクは清楚で気品のあるお庭等によく合うでしょう。
開花時期は夏から秋、花色は青色もしくは紫色、個々の小花は唇形で上唇が2裂して下唇が3裂し雄蕊と雌蕊が花冠から突出し、花序は輪散花序で円錐状に花穂が並びます。樹形は高さ約200(300)cm × 幅は約150(200)cmまで成長します。葉色は緑色、小葉は披針形で拳状複葉に5枚から7枚つき、葉序は対生葉序につきます。
セイヨウニンジンボクは一般的に挿し木によって増やされますが、種によって増やす事も出来ます。基本的に夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で、また肥料や剪定も殆ど不要なためほったらかしでも育てられます。
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原産:日本/東アジア
学名:Vitex trifolia
草丈:約200~500cm
分類:落葉低木/落葉小高木
開花時期:7月~9月
花色:青色●紫色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:普通
特徴:ミツバハマゴウは学名Vitex trifolia、別名「アラビアン ライラック(Arabian lilac)」とも呼ばれる日本及び東アジアが原産の落葉低木で、日本では奄美大島以南に分布しています。和名「ミツバハマゴウ」の由来は葉の形が3つ葉(3出複葉)でハマゴウと近縁な事からきています。
ミツバハマゴウの特徴(魅力)は丸みを帯びる葉(倒卵形)が3出複葉する所にあり、また葉の裏面は通常白色の毛で覆われますが園芸品種の’プルプレア’では葉裏が紫色をしており、上品な雰囲気が出ます。夏から秋にかけて咲く薄紫色の小花は円錐状に集まり咲き、また花後に出来る球状の果実は蔓荊子(まんけいし)と呼ばれる生薬で、鎮静・鎮痛作用があるとされています。
園芸では主に花や葉を鑑賞する目的で庭木として伸び伸び育てられたり、鉢植えでコンパクトに仕立てて育てられます。また園芸品種では葉裏が紫色をしているミツバハマゴウ(プルプレア)が育てられる事が多く、上品な紫色の葉はエレガントな雰囲気のお庭等によく合います。
開花時期は夏から秋、花色は青色もしくは紫色、個々の小花は唇形で上唇が2裂して下唇が3裂し雄蕊と雌蕊が花冠から突出し、花序は輪散花序で円錐状に花穂が並びます。樹高は約200~500cmまで成長し。葉色は緑色、小葉は楕円形もしくは倒卵形で3出複葉して、葉序は対生葉序につきます。
ミツバハマゴウは一般的に挿し木によって増やされますが、種によって増やす事も出来ます。育てる際は冬の寒さに弱いため強い霜の降りる地域では屋外での越冬が難しいかもしれません。
ミツバハマゴウ(プルプレア)は、葉の裏が一般的な灰白色でなく灰紫色をしているのが特徴の園芸品種です。上品で洗練された魅力をもつ紫色の葉は花のない時期もカラーリーフとして楽しめますが、薄い青紫色の花との相性もよく上品でエレガントなお庭等によく合います。 (´・ω・)p楽天で購入q | 班入りミツバハマゴウ (´・ω・)p楽天で購入q |
原産:日本/中国/朝鮮/東南アジア/ポリネシア/オーストラリア
学名:Vitex rotundifolia
草丈:約30~70cm
分類:落葉低木
開花時期:7月~9月
花色:青色●紫色●
葉色:緑色●白色〇
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:8月3日
花言葉:「愛の喜び」
特徴:ハマゴウは学名Vitex rotundifolia、別名「ハマハイ」や「ハマツバキ」とも呼ばれる日本及び中国、朝鮮、東南アジア、ポリネシア、オーストラリアが原産の落葉低木で、日本では本州から九州(沖縄)まで分布して海岸の砂地等に自生しています。和名「ハマゴウ」の由来は浜に生え花や葉、茎が香る事から浜香(ハマゴウ)と呼ばれる様になったという説や、浜を這う姿からハマホウ(浜這)と呼ばれていたものが転訛してハマゴウと呼ばれる様になったいう説があらはます。種小名の「rotundifolia」はラテン語で円形の葉を意味します。
ハマゴウの茎は匍匐し砂表もしくは砂中を這うように伸び、途中で茎が立ち上がり花期の夏から秋に淡い紫色の小花を円錐状(円錐花序)に咲かせます。また匍匐する茎は不定根を出して無制限に広がり、また直立する茎を出して集まるため大きな群生(群落)が見られます。葉は微毛で覆われるため葉表は灰緑色、葉裏は灰白色をしており、潰すとセージの様なスパイシーな芳香があります。また花後に出来る球状の果実は、ミツバハマゴウの果実と同様に蔓荊子(まんけいし)と呼ばれる生薬で、鎮静・鎮痛作用があるとされています。
開花時期は夏から秋、花色は青色もしくは紫色、個々の小花は唇形で上唇が2裂して下唇が3裂して中央裂片が大きく、花序は円錐花序に咲きます。樹形は匍匐性で地面を這う茎から不定根を出して無制限に広がり高さ約30(70)cm × 幅は約60(500)cmに成長します。葉色は緑色(葉裏は灰白色)、葉身は卵形もしくは楕円形、葉序は対生葉序につきます。
ハマゴウは一般的に挿し木や植え替え時の株分けによって増やされますが、種によって増やす事も出来ます。基本的には夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫で育てやすい植物です。
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