
- 原産:日本/中国
- 科:メギ(Berberidaceae)
- 属:ナンテン(Nandina)
- 種:ナンテン(Nandina domestica)
- 別名:ナンテンショク/ナンテンチク/ヘブンリーバンブー(heavenly bamboo)/セイクリッドバンブー(sacred bamboo)
- 開花時期:5月~7月
- 果実時期:11月~2月
- 花の色:黄色・白色
- 葉の色:緑色・赤色・橙色・桃色・黄色・白色
- 香り:
- 生活形:常緑低木
- 草丈:約100~300cm
- 誕生花:12月5日/12月8日
- 花言葉:福をなす/よい家庭/機知に富む/私の愛は増すばかり
- 用途:カラーリーフ/生垣/切り花/ドライフラワー/プリザーブドフラワー/ 日陰植物
- 購入方法:ナンテンを楽天で購入
■ナンテンとは!?
ナンテン(学名: Nandina domestica)は、別名で「ナンテンショク」「ナンテンチク」「ヘブンリーバンブー(heavenly bamboo)」「セイクリッドバンブー(sacred bamboo)」とも呼ばれメギ科ナンテン属に分類される種です。
ナンテンの原産地は日本や中国で、自生地は森林や林縁などに見られます。
■ナンテンの語源(由来)
- Nandinaの語源:日本の和名の「ナンテン」をラテン語化したものです。
- domesticaの語源:ラテン語で「家庭の」を意味しており、本種が人家でよく栽培されていることに由来します。
■ナンテンの特徴(魅力)
- 形態:樹高は約100~300cm、生育型は叢生型で地際から垂直に伸びる幹(主枝)が多数伸びます。葉は2~3回羽状複葉、花は円錐花序につきます。
- ライフサイクル:春は生育旺盛で新梢や枝が勢いよく伸び早ければ晩春頃から開花が始まります。夏も成長が続き開花が最盛期を迎えます。秋は生育が緩やかになり晩秋頃から果実が見られます。冬は葉を残したまま生育が止まり果実も樹上に多く残ります。
- 花の魅力:本種は白花が円錐状についてボリューム感のある花姿をつくります。そのため、鑑賞価値は高く、お庭に明るさや清潔感を感じさせる色彩効果を生み出すことができます。
- 実の魅力:本種の実は多くの植物が休眠する冬の時期に実が赤く熟し、この実は色鮮やかな赤色で円錐状にたわわに実ります。そのため、冬の寂しい時期のお庭を華やかに彩り、またこの実が野鳥の餌となり、お庭に活気を生み出します。
- 葉の魅力:葉は2~3回羽状複葉で、小葉も細長いため、鳥の羽根やレースの編み物を思わせる繊細な形状をしています。そのため、洗練された見た目をしており、エレガントなお庭にも調和します。またこの葉の色は、一般的に緑色ですが、秋になると赤色・橙色に紅葉します。さらに、園芸品種の中には桃色・黄色・白色も見られるため、品種を選べばカラーリーフが楽しめる点も本種の魅力です。
- フラワーアレンジメント:花や実は収穫して花瓶に生けて切り花として楽しんだり、ドライフラワーやプリザーブドフラワーに加工し、アレンジメントの素材として活用できます。特に、本種の実は、お正月飾りなどによく利用されており、それ以外にもリースやスワッグ等、様々な用途で利用可能です。
- 生垣:本種は生育型が叢生型(株立ち)で、多数の幹(主枝)が直立に伸び、また3回羽状複葉の葉が水平に伸び密生することで、目隠しのような機能性を発揮します。そのため、株を等間隔に並べて、生垣として利用することが可能です。生垣として利用する場合は、品種により変わりますが、株同士の間隔は50cm程にして植栽します。
- シェードガーデン:本種は耐陰性があるため、午前中だけ日光に当たる場所から、日光が当たらず間接光しか入らないような明るい日陰までで栽培が可能です。
- 盆栽:本種は底の浅い盆栽鉢などに植えられ、鉢の中で小さく美しい自然な樹姿が表現されたりします。盆栽仕立てでも、本種の清楚な花、たわわに実る実、美しい紅葉はしっかりと楽しめます。
- 縁起物:和名である「ナンテン」は「難(災難)を転じる」からきています。そのため、縁起物の植物として扱われており、例えば、鬼門や裏鬼門の縁起が悪い場所に植えられたり、正月の縁起物として葉や実が正月飾りに利用されたりしており、さらに福寿草と組み合わせて「災い転じて福となす」といった扱われ方もしています。
■ナンテンの生活形と形態


●生活形・茎の形態
- 生活形:常緑低木
- ライフサイクル:春は生育旺盛で枝が勢いよく伸び早ければ晩春頃から開花が始まります。夏も成長が続き開花が最盛期を迎えます。秋は生育が緩やかになり晩秋頃から果実が見られます。冬は葉を残したまま生育が止まり果実も樹上に多く残ります。
- ラウンケルの生活形:地上植物
- 樹高:約100~300cm
- 生育型:叢生型で、地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するものです。
- 株の概形:地際から複数の主枝が垂直に伸び、コンパクトな樹形になります。
- 茎の毛:無毛
- 茎の色:若い茎は緑色から一般的に緑色から赤紫色で、木質化すると灰色から灰褐色を呈します。
●葉の形態
- 葉序:互生葉序
- 葉の向き:斜上・水平
- 葉柄:有柄
- 葉身の概形:2~3回羽状複葉
- 小葉の概形:披針形
- 小葉の先端:鋭突形
- 小葉の縁部:全縁
- 葉の毛:無毛
- 葉の光沢:有
- 葉の色:一般的に緑色ですが、秋に赤色・橙色に紅葉し、また桃色・黄色・白色の園芸品種も見られます。
●花の形態
- 花序:円錐花序
- 苞:花梗の基部にある。
- 花:花托・萼・花冠・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:萼・花冠・雄蕊・雌蕊を支えています。
- 萼:多数の萼片が重なり離生している離片萼です。
- 花冠:6枚の花弁が離生する離弁花冠です。花弁は平開もしくは反り返り、花弁の形は楕円形、花弁の色は白色です。
- 雄蕊:黄色の雄蕊が6本つきます。
- 雌蕊:子房上位で花中央に1個つきます。
- 備考:蕾の時期は卵形で可愛らしい見た目をしています。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:液果
- 果実の形:球形
- 果実の直径:約0.5~1cm
- 果実の色:赤色
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■ナンテンの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ナンテンの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:温帯広葉樹林
- 原産地:日本、中国
- 自生地:森林や林縁などに見られます。
- 気候:主に温暖湿潤気候に属します。夏の気温は高温になり、冬の気温は比較的温暖です。降水量は中程度です。
- 日照:日向・半日陰・明るい日陰
- 土壌:森林の土壌のような腐植の多い環境から、人家の庭のような比較的痩せた土壌まで幅広い環境に適応します。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
ナンテンは、日向・半日陰・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。日光のよく当たる場所で花や実の数が多くなり、紅葉が最も美しくなりますが、乾燥を苦手にしています。生育環境で、理想とする日当たりは変わりますが、一般的には西日の当たらない半日陰で栽培することが理想とされます。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば幅広い土壌に適応しますが、特に砂壌土や壌土で栽培するのが理想です。
- 肥沃さ:自生地は森林の林床にあり、沢山の落ち葉に囲まれ、動物や昆虫なども多く生息しているため、基本的に土壌もかなり肥沃です。本種は基本的に肥沃な土壌を好むため、土壌の状態を見ながら堆肥(ピートモス・腐葉土など)を入れて土壌の物理性・生物性・化学性などを改善しましょう。
- pH:pHは6.0~7.0の弱酸性から中性を好みます。土壌のpHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてpHを調整しましょう。pHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を全面肥で混和しておきましょう。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
日向から半日影の範囲で育てることが出来ます。ただし日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。
●培養土
ナンテンの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土や庭木の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地は森林の林床などです。そのため、基本的に有機物と腐植に富む肥沃な土壌であり、通気性・ 排水性・保水性が優れており、長く保たれるものを好みます。また本種は弱酸性から中性の土壌を好むため、pHの値にも注意しながら培養土を作成しましょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を6割~7割を目安に配合します。土壌改良材の土粒は小粒・細粒を利用します。大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に大きな空隙が出来て根の活着が悪くなり、保水性も悪くなり植物の生育が悪くなる原因となるため避けてください。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥を全体の3割~4割を目安に培養土の中に配合すると、土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。
- 元肥:本種は栄養がしっかり含まれる土壌を好みます。そのため、植え付け前に緩効性肥料の元肥を全面肥で混和しておきましょう。
培養土の配合例
- 基本配合:赤玉土(小粒)6割+腐葉土4割+元肥適量
- 培養土が長持ちする配合:赤玉土(小粒・中粒)3割+日向土4割+バーク堆肥3割+元肥適量
- 肥沃な配合:赤玉土6割+腐葉土2割+牛糞堆肥2割+元肥適量
水やりの仕方
ナンテンは、自生地が森林や林縁にあり、基本的に一定の湿り気がある環境を好みます。ただし過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因となったり、根の呼吸を妨げて根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりの頻度には十分な注意が必要です。地植えで栽培する場合は、基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、雨が全く降らずに土壌が乾燥していたり、極端な暑さで乾燥が早くなっている場合は水やりが必要となります。一方で、鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて乾燥がかなり早いため、定期的な水やりが必要です。培養土の状態を見ながら水やりをする必要があるでしょう。水やりの方法は下記を参考にしてください。
●水やりの方法
- 春の水やり:株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 夏の水やり:この時期は、特に乾燥しやすいため、水やりの頻度が多くなる傾向があります。ただし、基本的には、多湿にならないよう注意しながら、朝の涼しい時間帯に土壌の表面または表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 秋の水やり:気候が穏やかになり、再び生育が旺盛になります。そのため、土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。
- 冬の水やり:生育が緩慢になる季節で、植物は水をそれほど必要としません。土壌の乾燥も他の季節と比べると緩やかに進み、水やりの頻度も少なくなります。ただし、完全に乾燥すると枯れてしまう事もあるため、土壌の表層が乾燥した数日後に水を与えると良いでしょう。
注意点
- 水やり時間帯:水やりの時間帯は、基本的に植物が水を欲しがりだす朝に与えるのが最適です。昼や夕方に与える事も出来ますが、季節によっては高温で水がお湯のようになり蒸れて根腐れを引き起こす可能性があります。また夕方に水やりを行うと、植物が水分をあまり必要としない夜間にも水がたっぷり残り呼吸を邪魔するなどして根腐れを引き起こす原因になる事があります。そのため、基本的に朝に水をやることが正しいですが、植物が萎れている場合は時間に関係なく直ぐに水やりを行って下さい。
- 水を与える量:1回に与える水の量はたっぷりです。鉢植えで植物を栽培している場合は、鉢底から水がしっかり流れるまで与えます。その際、水を与える場所が1箇所になると水の道が出来てしまい、特定の場所に水が流れないこともあるため水を与える場所を変えながら与えましょう。地植えで水やりを行う場合は、土壌の表面だけでなく奥まで水を染み込ませるつもりでしっかりと水を与えて下さい。
- 水を与える場所:水を与える場所は基本的に株元から少し離れた場所で、植物に直接かけないようにします。植物上に水が溜まると、そこから真菌などが植物の中に侵入し、病気を引き起こし腐敗させる原因になるため注意して下さい。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。※土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土の表面から5cm程度の深さと定義しています。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
ナンテンは土壌が十分に肥沃であれば肥料を施さなくても栽培出来ますが、寒肥とお礼肥を与えることで、生育を促進し開花や結実に好影響を与えることができます。
●堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥を入れて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土を再利用する場合は、日光消毒などをした上で、新しい培養土または腐葉土を2割から3割を混ぜて再利用する。
●肥料の与え方
- 寒肥:寒肥とは、植物が休眠または成長が緩やかになってる冬の時期に与えられる肥料です。春の成長時期に栄養が出てくるように考えられて施されるため、一般的に有機肥料・有機配合肥料・緩効性肥料が使用されることが多いです。
- 肥料を与える時期:晩冬頃
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランスよく入る肥料、または花と実つきに好影響を与えるリン酸・カリが多く入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(有機肥料・有機配合肥料・緩効性 など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
- お礼肥:花や実がなった後に消耗したエネルギーを補う目的や、翌年の開花や結実をよくする目的で、植物に与えられる肥料です。
- 肥料を与える時期:花後に与えます。
- 肥料の成分:花と実つきに好影響を与えるリン酸・カリが多く入る肥料を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(有機肥料・有機配合肥料・緩効性 など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
ナンテンは剪定せずに育てる事も出来ますが、より健康で美しい株を維持するために剪定が推奨されます。例えば、剪定により、幹が混み合うことを抑制し風通しがよくなり病害虫の発生を抑制できたり、樹勢の弱い幹を剪定することで新たに発生する幹に光が当たり株が若返ったり、株が若返ることで花数や実の数が増えたりします。
●剪定方法
- 株立ち仕立て:本種の生育型は叢生型(株立ち)で、その中でも幹(主枝)の寿命が中程度に分類されます。そのため、幹は数年ごとに樹勢が落ち枯れます。そのため、剪定ではこの古い幹を定期的に剪定することが主要な剪定となります。
- 剪定時期:冬から晩冬の時期に剪定するのが最適です。この時期に剪定することで、剪定による強いストレスの影響を最小限にし、また春からの新梢の発生が期待できます。
- 枯れ幹・不要な幹の除去:株を観察し、枯れた幹・折れた幹・病気の幹を探し、地際から剪定して取り除きます。
- 古い幹の除去:株を観察し、数年(約3~5年)成長し樹勢が落ちた古い幹(幹の色が褪せている・幹が太い・幹の丈が高い等)を探し、株全体のバランスを見ながら、不要と感じる古い幹を地際から剪定して取り除きます。
- 剪定時の注意点:本種は幹(主枝)の途中から剪定すると不自然な樹形になりやすいため、基本的に地際から剪定します。
挿し木や株分けで増やす
ナンテンは挿し木によって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 概要:茎を採取して、この茎の長さや葉の数を調節し、切り口を土に挿して繁殖させる無性生殖の1種です。
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から初夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は新梢を利用しましょう。古い枝の挿し穂は発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 水揚げ:整形した挿し穂の切り口をボウルなどに入れた水に約1時間浸し、十分に吸水させます。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を開けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度を入れます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
ナンテンの種蒔の方法
- 播種時期:3月~5月
- 発芽適温:約15~20cm
- 発芽日数:
- 備考:種子の果肉が発芽を抑制しています。発芽の為に低音を要求することがあります。
種まき手順
- 種まきの時期:3月~5月
- 事前準備:種子に果肉がついている場合は、指と流水で果肉を取り除きます。
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株同士の間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株同士がくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 移植:小さなプラグトレーやポットで移植栽培をしている場合は、本葉が2枚以上になったタイミングでポットなどに移植します。出来るだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。
- 定植:株がある程度の大きさになったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の密着度を高め水分の吸収をよくします。










