
- 原産:ブラジル
- 科:ヒユ(Amaranthaceae)
- 属:イレシネ(Iresine)
- 種:マルバビユ(Iresine herbstii)
- 同義語:Iresine diffusa f herbstii
- 別名:イレシネ・ハーブスティ/ブラッドリーフ(Bloodleaf)/チキンギザードプラント(chicken gizzard plant)/ビーフステーキプラント(beefsteak plant)
- 品種:アウレオレティクラタ(Iresine herbstii ‘Aureoreticulata’)
- 開花時期:夏
- 花の色:緑色・黄色・白色
- 葉の色:緑色・黄色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約50~80cm
- 株張り:
- バイオーム:熱帯雨林・亜熱帯湿林 など
- 誕生花:
- 花言葉:目立たない愛
- 用途:カラーリーフ/グランドカバー/観葉植物/日陰植物
- 購入方法:イレシネ(アウレオレティクラタ)を楽天で購入
■イレシネ(アウレオレティクラタ)の特徴
- 学名:Iresine herbstii ‘Aureoreticulata’
- 葉の形:倒心形・広卵形
- 葉の色:緑色・黄色(葉脈)
- 草丈:約50~80cm
- 備考:葉の形状は広卵形から倒心形(ハート形)まで変化がある。葉の色は緑色・黄色の2色で構成されているため、明るい印象を感じさせるカラーリーフとして楽しめる。
■マルバビユとは!?

マルバビユの学名は Iresine herbstii 、または同義語で Iresine diffusa f herbstii 、別名では「イレシネ・ハーブスティ」「ブラッドリーフ(Bloodleaf)」「チキンギザードプラント(chicken gizzard plant)」「ビーフステーキプラント(beefsteak plant)」等とも呼ばれる多年草です。
マルバビユの原産地はブラジルにあり、熱帯・亜熱帯の湿潤な森林の端や道端などにあります。
■マルバビユの語源(由来)
- Iresineの由来:古代ギリシャ語で「羊毛」を意味する「εριος (erios)」からきており、花が毛で覆われている事に由来します。
- herbstiiの由来:この植物の発見されたHerbst & Stenger nurseries の所有者で植物収集家のHerbst氏への献名です。
- マルバビユの由来:葉の形が丸い所からきています。
■マルバビユの特徴(魅力)
- 近縁種との比較:マルバビユは他の近縁のイレシネの種と比べて幾つかの個性的な特徴をもってます。例えば、葉の形に多様性があり丸みを帯びる傾向がある所、葉先も多様で円形・凹形・微突形などがある所、草姿は直立型・匍匐型の2タイプがある所、葉の色が多様にあり葉脈の色も黄色・赤色・桃色と多彩な所などにあります。
- 花の特徴:花序は円錐花序になり、穂状花序が円錐状に配置されている。花は葉と比べて装飾的な価値がほとんどなく、また茎が徒長したりエネルギーが花の成長に奪われて、茎・葉の成長が抑制されてしまうため、花芽ができる時期に早いタイミングでカットされる事が多いです。
- 葉の特徴:葉の形状は多様で、概形は円形・広卵形・卵形・倒心形の範囲であり、また葉の先端も円形で丸かったり、凹んでいたり、尖っていたりと多様です。葉の色は個体差が大きく緑色・黄色・赤色・桃色・紫色・黒色の範囲で変化があり、また葉脈の色も黄色・赤色・桃色となるため、葉の中で2色のコントラストが浮き出る事が多いです。
- 草姿:草姿は行儀よく成長する直立型と、茎が匍匐して広がる匍匐型の2タイプあります。茎の色は個体差や品種差で緑色・赤色・桃色・紫色の範囲で変化があり、また茎は肉質で光沢があるため、プラスチックの玩具のような見た目をしている。
- カラーリーフ:葉の色は緑色・黄色・赤色・桃色・紫色・黒色とバリエーションが非常に豊富です。そのため、好みの色やお庭の雰囲気などに合わせて葉色の選択が出来るところが魅力です。
- 地被植物:マルバビユは匍匐型の品種を選べば、地面を覆う地被植物(グランドカバー)として利用することが出来ます。
- 寄せ植え:マルバビユの株は行儀よく直立するため、複数の植物とも組み合わせがしやすいです。そのため、花壇・植木鉢の中で形態の異なる様々な植物を組み合わせて美しくデザインしながら楽しむこともできます。
- インドアグリーン:寒さに弱い植物のため、一般的に屋内でインドアグリーンとして楽しまれる事が多い植物です。ただし、日光にしっかり当てる事で、葉の色が綺麗に出たり、株がコンパクトにまとまりよく成長します。
■マルバビユの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約100~200cm
- 生育型:直立型・匍匐型
- 直立型:主軸がハッキリとして直立している。
- 匍匐型:地面を這うように茎が伸びる。
- 茎の種類:直立茎・斜上茎・匍匐茎
- 直立茎:茎がほとんど垂直に伸びる。
- 斜上茎:茎は斜めに伸びる。
- 匍匐茎:茎が地表面を張って伸びる。
- 茎の毛:有毛
- 茎の質感:肉質で光沢がある
- 茎の色:緑色・赤色・桃色・紫色
●葉の形態
- 葉序:対生葉序
- 葉柄:有柄
- 葉柄の長さ:約2~3cm
- 葉身の長さ:約2~6cm
- 葉身の概形:円形・広卵形・卵形・倒心形
- 葉の縁部分:全縁
- 葉の先端:円形・微突形・凹形
- 葉の毛:有毛
- 葉の光沢:有り
- 葉脈:網状脈
- 網状脈の色:黄色・赤色・桃色
- 葉の色:緑色・黄色・赤色・桃色・紫色・黒色
●花の形態
- 花序:円錐花序※穂状花序が円錐状に配置される複合花序です。
- 穂状花序:花序軸の節に花柄のない花を直接つける。
- 円錐花序:複合花序のうち、花序の見た目が円錐状になるものの総称です。
- 苞:苞・小苞
- 苞:花序の基部にある
- 苞の形:卵形
- 小苞:花序の中の単一の花の基部にある。
- 小苞の数:2枚
- 苞の長さ:約0.1cm
- 苞の形:卵形
- 苞の色:緑色・黄色・白色
- 苞:花序の基部にある
- 花:花托・花被片(萼片・花弁)・雄蕊 or 雌蕊で構成されています。※雄花と雌花があるためどちらかの花が咲きます。
- 花被片:萼片と花弁をまとめたものになる。苞の内側にあり雄蕊と雌蕊を囲い保護している。
- 花被片の数:5枚
- 花被片の長さ:約0.1cm
- 花被片の形:卵形
- 花被片の色:緑色・黄色・白色
- 雄蕊:5本
- 雌蕊:1本
- 柱頭:2裂する
- 花被片:萼片と花弁をまとめたものになる。苞の内側にあり雄蕊と雌蕊を囲い保護している。
●果実・種子の形態
- 果実の分類:胞果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■マルバビユの園芸品種を紹介
■イレシネの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■マルバビユの育て方
花壇の土づくり
バイオーム
マルバビユのバイオームは、熱帯雨林・亜熱帯湿林などにあります。
これらのバイオームは、気温が年間を通して暖かであり、降水量が多く、生物の多様性にとみます。ただし、有機物は微生物による分解が早く、また降雨により腐植などが流されやすいため、土壌が肥沃とは限らず、痩せていることも多いです。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
日当り
マルバビユは、日向・半日影・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。
ただし、夏場の日向は葉焼けを引き起こしやすくなったり、乾燥で萎れやすくなりやすいです。また日陰も茎が徒長して節間が長くなりスカスカとした株になったり、倒伏しやすくなります。
そのため、基本的には西日の当たらない半日影で育てる事が理想になります。
日当りの分類
- 日向:直射日光が6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日影:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的にお庭の向きが東向きになる、西向きも半日影になるが西日が当たる環境にもなるため注意が必要です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば幅広い土壌に適応します。そのため土質は砂壌土・壌土あたりにした方が良いでしょう。
- 肥沃さ:適度に肥沃な土壌を好みます。堆肥を入れる事で土壌の物理性・生物性などを改善する働きがあり植物の成長を促進します。そのため、土壌の色などをみて肥沃さが足りないと感じる場合は堆肥をいれましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
日当り
マルバビユは、日向・半日影・明るい日陰の範囲で育てることが出来ます。ただし、理想的な環境は西日の当たらない半日影になります。
屋内で育てる場合
- 照度のレベル:理想は高程度の照度ですが、中程度の照度でも育成できます。
- 屋内の場所:直射日光または間接光が当たる窓辺が理想です。ただし南向きの窓は夏場の直射日光で葉焼けする事もあるため、窓から少し離した場所で管理した方が良いかもしれません。また植物育成ライトを活用すれば窓から離れた場所でも育成可能です。
照度のレベル
- 弱い照度:500~2500lux
- 中程度の照度:2500~10000lux
- 高程度の照度:10000~20000lux
- 強い直射日光:20000~100000lux
※照度(lux)を調べる方法は、携帯のアプリや照度計などがあります。携帯のアプリでも手軽に調べられますが、詳しく調べたい方は楽天に売ってある照度計を利用すると良いでしょう。
※照度が少ない場所で育てたい場合は楽天に売ってある植物育成ライトを利用してみるとよいかもしれません。植物育成ライト以外の人工的な照明の光には光合成に必要な波長が僅かにしか含まれない事があるため、十分の照度あると思っても植物がしっかり育たない事もあるため注意が必要です。
培養土
培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土で良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 植物の好む環境に合わせて通気性・ 排水性・保水性のバランスを考えた用土の構成にする。
- 堆肥は土壌の物理性を改善して根張りをよくするだけでなく、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。そのため、腐葉土などの堆肥をしっかり入れて植物の生育を促進しましょう。
- 鉢植えを移動する場合を考えて比重の軽い用土を利用したり、植物が倒れる可能性も考えて比重の重めの用土を選んだりする。
- 水やりの頻度を考えて保水性のよい用土を利用したり、植物の呼吸や成長を考えて通気性がしっかり保てる用土を選んだりする。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土 +元肥=6:4:適量
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土 +元肥=4:2:4:適量
- 日向土(細粒・小粒)+ピートモス+くん炭 +元肥=5:4:1:適量
鉱石の土壌改良用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 特徴:鹿沼土は通気性・排水性が抜群に優れており保水性・保肥力も高いため、培養土の通気性・保水性・保肥力のバランスをとりたい時に重宝されます。PHが4~5と酸性になります。
- 比較:赤玉土と比べると鹿沼土は粒が頑丈で崩れにくいため再利用しやすく、PHは酸性に強く傾いており、保水性が劣ります。一般的な軽石と比べると鹿沼土は保水性に優れており、やや粒が脆い傾向にあります。
- 注意点:酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよい。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。特にPHが酸性のため酸性土壌を好む植物に利用される事が多いです。
- ☆硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- バーミキュライト:バーミキュライトは、蛭石を高温処理して膨張させた土壌改良用土です。蛭石を膨張させた事で、薄板が層に重なりアコーディオンのような形状をしています。
- 特徴:保水性・保肥力が抜群に優れているため植物が欲しい時に水分や栄養を供給してくれる働きがあります。また何層にも重なり大きな隙間があるため通気性を改善する働きもあり、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 欠点:比重の重い用土と組み合わせると粒が破壊されて通気性が悪くなる事もあるため注意が必要です。
- 用途:土壌の保水性・保肥力を改善するのに利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などでも利用されます。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
有機物の土壌改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- 特徴:腐葉土と比べて養分を殆ど含んでいないため、微生物を活性化する力が弱く無菌で清潔感がある。土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の保水力を高める効果が高く、通気性・保肥力も改善する。PHは基本的に強い酸性になる。
- 注意点:PHが3~4の強い酸性のため、一般的な植物を育てる際は調整済のピートモスを使用するか、アルカリ性の土壌改良材を入れて使用した方がよいでしょう。
- 用途:土壌の膨軟性を高めて、保水性・保肥力・通気性を改善するのに利用されたり、PHを酸性に調節する目的で利用されたり、無菌で雑菌が繁殖しにくいためインドアグリーンの植物の改良用土として利用されたり、挿し木や種まき用の培土として利用されたり、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されたりしています。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
マルバビユは、株が大きくなれば乾燥にも比較的に強くなりますが、基本的に湿潤環境を好みます。そのため、定期的な水やりが必要です。
水やりのタイミングなどは下記を参考にして下さい。
水やりのタイミング
生育期間中は生育旺盛でたくさんの水を必要とするため、土壌の表面が乾燥したタイミングで水を与えます。
冬の期間は生育が緩慢になるため、植物は水をそれほど必要としません。そのため、乾かし気味に管理してあげるとよいでしょう。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
マルバビユは、肥料をしっかり与える事で成長が促進されて株が早く大きくなります。
そのため、株の成長を促進させて美しい株を鑑賞したい場合は肥料が大切になります。また堆肥をしっかり入れる事で、肥料では補えない微量要素を補ったり、肥料の量を節約したり出来るため、定期的に堆肥を入れることも大切です。
堆肥の与え方
- 堆肥を入れる時期:植え付け時、または冬から早春に堆肥を入れます。
- 堆肥の入れ方:堆肥の入れ方は地植えと鉢植えでかわります。
- 地植え:植付けや株分けする時などに土壌改良を行い堆肥をいれて混和する。または株の周囲に堆肥を盛ったり、株の周囲に穴を掘り堆肥を入れます。
- 鉢植え:植え替え時に堆肥がしっかり入った新しい培養土を使う。または古い土に二割から五割ほど新しい土を混ぜて再利用する。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期:生育期間中(春・夏・秋)
- 追肥:植物が生育する途中で施す肥料です。土壌中の栄養素は植物が吸収して減っていくため、追肥を入れる事で補います。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、または窒素が多く入る右下がり型を選びます。
- 肥料の製品:液肥・固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(液肥):液肥を規定された分量の水で希釈して、約10~14日の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の回りにかけて、土全体を湿らせるように与えましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
マルバビユは剪定せずに育てる事も出来ますが、一般的に分枝を促したり、株をコンパクトにしたり、葉の成長を促進する目的などで剪定が行われます。
剪定をするかは剪定理由を見ながら決めるとよいでしょう。
剪定を行う理由
- コンパクト化:コンパクト化は、株のサイズを小さくコンパクトにする事で管理をしやすくする事です。株を剪定して小さくなる事で管理が楽になったり、株がギュッと詰まった見た目になりやすくなります。
- 形を整える:株は剪定しないと茎が徒長して外観が崩れることがあります。剪定をする事で、全体的な形が整い、また分枝する事で回復後はギュッと中身の詰まった株姿になります。
- 茎・葉の数を増やす:剪定をする事で、分枝が促されるため、茎の数が増えて、結果的に葉の数も増えます。
- 開花の抑制:花が咲く前に剪定することで花を咲かせる生殖成長が抑制されて茎・葉が伸びる栄養成長が続きます。そのため、葉をより多くつけることができます。
摘芯
- 剪定の時期:春
- 摘芯:株を観察して、ある程度まで成長したら、成長点を指で摘み、横に折るようにして摘みとります。成長点の付近は柔らかなため、基本的に指で摘みとれますが、難しい場合はハサミを使いましょう。
切り戻し
- 剪定の時期:生育期間中・開花期間中
- 生育期間中の剪定:茎が徒長したり、倒伏したり、株全体の形状が悪くなる場合があります。そういう時は、好みのサイズで、茎を個別に切り戻したり、また株全体を刈り込みして形状を整えるとよいでしょう。
- 開花期間の剪定:生殖成長が始まるとエネルギーが花に取られるため、花芽を取り除いて、茎・葉の栄養成長を促すのが一般的です。花芽が出来たら、その下で切り戻ししましょう。※生殖成長とは、花芽・開花・果実・種子の形成を行う生育過程です。
夏越しする方法
マルバビユは、それほど夏越しが難しい植物ではありません。ただし乾燥を苦手にしているため、乾燥対策をして育てた方がよいでしょう、
夏越しで重要なポイント
- 乾燥の改善:乾燥は水分が不足した状態や湿度が低い状態になることです。植物が乾燥して萎れやすいと感じる場合は、育てている環境や土壌の状態が悪い場合があります。乾燥対策は幾つかあるため下記を参考にして下さい。
- 灌水をする:植物と土壌の状態を見ながら、適切に水やりを行いましょう。
- 土壌の改善:土壌は土質により乾燥のしやすさが変わります。植物の植え付け時や植え替え時に、植物に合わせた土壌の改善をしましょう。詳しくは花壇土からご覧下さい。
- 日差しを避ける:強い日差しの当たらない場所で植物を管理します。植え付け時に日差しの当たる場所を避けたり、夏の期間だけ鉢植えを軒下に移動したりして対策するとよいでしょう。
- 日除けをつくる:植物と太陽の間に遮光ネットを張って強光を遮る方法があります。遮光ネットは雨避けにもなるため病気予防などにもおすすめです。
- マルチング:地面の表面をバークチップや藁などのマルチング資材で覆います。急激な地温の上昇を防ぎ、高温による蒸発、泥はねからの病気の感染なども防いでくれます。
- 切り戻し:植物の葉の量が多いと、蒸散量が増えて乾燥しやすくなったり、風や光の通りが悪くなり病害虫の発生の原因になったりすることがあります。そのため、必要に応じて剪定を行い株をコンパクトにするとよいでしょう。
冬越しする方法

Hardiness:10~12
マルバビユは、基本的に氷点下を下回る地域では、対策を行わないと屋外での越冬はむずかしいです。
そのため、冬越しさせたい場合は、適切な冬越し対策が必要です。
冬越し対策一覧
植物にカバー:植物にビニールや寒冷紗などをかけます。植物を寒風から保護したり、霜から保護したり、昼夜の急激な温度変化を防ぐ働きがあったりします。
- ビニール・寒冷紗:植物の周りに支柱を立てて、ビニールまたは寒冷紗を支柱に巻き付けます。巻き付けたビニールまたは寒冷紗が落ちないように洗濯バサミや紐などを使い固定しましょう。※ビニールを巻く場合は穴を開けて通気性を確保してください。
- 苗キャップ:透明のカバーで苗や小さな植物を保護するための専用の製品です。専用のカバーを苗または小さな植物の上に被せて、風などで飛んでいかないように固定して利用します。
- 植物保護カバー:不織布などの保護カバーで植物を保護するための専用の製品です。大きめの植物や複数の植物を囲うのにも対応しており、専用の製品になるため、チャックなどがついていて扱いやすい所も魅力です。
温室:内部の温度を一定に保てるようにガラスやプラスチックフィルムなどで作られた建物です。植物を温室の中に入れる事で、寒さの軽減や寒風対策、霜・凍結対策ができます。
屋内に取り込む:植物を建物の中になります。冬の屋内は屋外と比べて温度が高く植物が凍結するリスクもありません。ただし屋内は太陽光が当たらないため、明るさなどには注意が必要になります。植物を窓辺で管理したり、植物育成ライトを活用して、植物が弱らないよう管理することが大切になるでしょう。
挿し木や株分けで増やす
マルバビユは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを5~7cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度をいれます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。