

- 原産:ヨーロッパ/西アジア
- 科:ナデシコ(Caryophyllaceae)
- 属:サポナリア(Saponaria)
- 種:サボンソウ(Saponaria officinalis)
- 別名:シャボンソウ/ソープワート(common soapwort)/バウンシングベット(bouncing-bet)/ワイルドスウィートウィリアム(wild sweet William)/ソープウィード(soapweed)
- 開花時期:6月~9月
- 花の色:桃色・白色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 生活形:多年草
- 草丈:約30~90cm
- 誕生花:7月30日
- 花言葉:清廉/賢明な行動
- 用途:香りが良い/ロックガーデン
- 購入方法:サボンソウを楽天で購入
■サボンソウとは!?
サボンソウ(学名: Saponaria officinalis)は、別名で「シャボンソウ」「ソープワート(common soapwort)」「バウンシングベット(bouncing-bet)」「ワイルドスウィートウィリアム(wild sweet William)」「ソープウィード(soapweed)」とも呼ばれるナデシコ科サポナリア属の多年草です。
サボンソウの原産地はヨーロッパと西アジアで、自生地は野原や河川沿い、また人為的攪乱を受けた道端、牧草地、荒れ地などに見られます。
■サボンソウの語源(由来)
- Saponariaの由来:ラテン語で「石鹸」を意味する「sāpo」と、接尾辞の「-āria」からなり、この植物を水に浸すとサポニンが溶出して泡を立てることに由来します。
- officinalisの由来:ラテン語で「薬用の」を意味しています。
- シャボンソウの由来:その名前が示すとおり本種が石鹸として利用されていたことに由来します。
■サボンソウの特徴(魅力)
- サボンソウの魅力:この植物は、生育型が叢生型で、地中にある根茎から多数の茎が直立し群生を作りながら、開花期の初夏から初秋になると淡い桃色の花を多数咲かせます。本種の際立つ魅力は、香りがよく可憐な見た目をしている淡い桃色の花にあります。この花は、夕暮れ頃から開花が始まるため、基本的に夜間に最も強烈な甘い芳香が漂い、昼頃になると香りはやや薄れます。また花は香りだけでなく鑑賞価値も高く、株を覆うように咲き誇る淡い桃色の花は、お庭で栽培すると可愛らしい印象や可憐な印象を添えることが出来るでしょう。またこの植物にはサポニンが含まれており、葉や根を煮ることで、サポニンが含まれる液体が抽出され、これは油脂を溶かすことが出来るため、ヨーロッパ等では布製品を洗う石鹸として古くから利用されていました。一方で、このサポニンには毒性があるため、食べることが出来ません。間違えて大量に摂取すると嘔吐・下痢・腹痛などを引き起こす可能性があるため食べないよう注意しましょう。
- 草姿:草丈は約30~90cm、生育型は叢生型で、地中にある根茎から複数の直立茎を出し、 草姿は殆ど分枝しない直立茎が何本も伸びる整然とした群生を形成します。
- 花の特徴:開花期は6月~9月頃、花序は2出集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から2本の側枝が発生し、各枝の先端に花を咲かせ、上記を繰り返します。花はナデシコ科の植物でよく見られるナデシコ型花冠になり、長い筒状の萼から5枚の花弁を展開させます。花の色は白色または淡い桃色で、紫色に染まる萼とのコントラストも楽しめます。
■サボンソウの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 草丈:約30~90cm
- 生育型:叢生型
- 叢生型:地際から茎が何本も出て叢生(株立ち)するもの。
- 茎の種類:根茎・直立茎
- 根茎:見た目が根に似ている地中にある茎です。
- 直立茎:茎がほとんど垂直に伸びる。
- 分枝:花序を除いて殆どない。
- 茎の色:緑色・赤紫色・赤褐色
●葉の形態
- 葉序:対生葉序
- 葉柄:無柄またはごく短い葉柄が有る
- 葉身の長さ:約4~12cm
- 葉身の概形:楕円形・狭楕円形・披針形
- 葉の色:緑色
●花の形態
- 花序:2出集散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節から2本の側枝が発生し、各先端に花を咲かせます。
- 花:花托・萼・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 萼:合片萼で、長さ約1.5~2.5cm、形は筒状になり、色は緑色または紫色を呈します。
- 花冠:ナデシコ形花冠で、離弁した花弁の数は5枚、花弁は長い萼筒に収まる細い爪部と、萼筒から開出する舷部からなり、舷部の裂片は平開する。舷部の裂片の形は倒披針形またはヘラ形、花弁の色は桃色または白色です。
- 雄蕊:10本
- 雌蕊:子房は1個、花柱は2本
●果実・種子の形態
- 果実の分類:蒴果
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■サポナリア属の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■サボンソウの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:主に温帯広葉樹林から地中海植生で見られます。
- 原産地:ヨーロッパ/西アジア
- 自生地:野原や河川沿い、また人為的攪乱を受けた道端、牧草地、荒れ地など
- 気候:気温は基本的に温帯に属するため、夏場は温暖で場所によっては高温になり、また冬場も比較的温暖で、最も寒い月の平均気温でも-3℃以上あります。さらに本種は耐寒性が非常に高く、個体差がありますが-30度くらいまでの低温に耐えるため、さらに寒冷な地域でも適応可能です。降水量は西岸海洋性気候に属す地域では一年を通して降水量の変化は殆どなく、地中海性気候に属す地域では夏場の降水量が冬場の3分の1以下になりかなり乾燥します。
- 日照:自生地は開けた場所にあり日向から半日陰を好みます。
- 土壌:土壌は通気性と排水性がよければ幅広い土壌に適応します。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
サボンソウは、日向から半日陰の範囲で育てることが出来ます。基本的に日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、夏場の暑さが厳しい地域では、西日が暑さ・強光・乾燥のストレスを増大させて、生育を悪くする可能性があるため、西日の当たらない半日陰で育てるのが理想です。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に通気性と排水性が十分であれば、栄養の乏しい砂質の土壌からやや粘土質な土壌まで幅広く適応します。ただし、砂壌土や壌土で栽培する方が生育が良くなるため、土壌の診断と改善をしっかり行った方が良いでしょう。
- 肥沃さ:過度な肥沃さは必要ありません。肥沃すぎる土壌は、徒長し草姿が乱れる原因になったり、花数が減る原因になったりします。土壌の状態を見ながら、痩せていると感じる場合は適度に堆肥を入れる位でよいでしょう。
- PH:自生地が石灰岩の岩地などにある事からも分かる通り、PHは中性から弱アルカリ性を好みます。土壌のPHを診断して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてPHを調節しましょう。酸性土壌では微量要素などの栄養吸収が妨げられて生育不良になる場合があります。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
サボンソウは、日向から半日陰の範囲で育てることが出来ます。基本的に日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせますが、夏場の暑さが厳しい地域では、西日が暑さ・強光・乾燥のストレスを増大させて、生育を悪くする可能性があるため、西日の当たらない半日陰で育てるのが理想です。
●培養土
サボンソウの培養土を購入する場合は、通気性・排水性が高い山野草の培養土等がおすすめです。※一般的な培養土に通気性・排水性を高める改良用土を混ぜるのも良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地は野原や人為的攪乱を受けた道端、牧草地、荒れ地などにあり、栄養の乏しい砂質の土壌からやや粘土質な土壌まで幅広く適応します。そのため、一般的な草場な培養土を作成すると良いでしょう。また本種は中性から弱アルカリ性の土壌を好むため、酸性に傾く土壌改良材は控えた方が良いでしょう。
- 土壌改良材(無機質):通気性・排水性・保水性を改善する目的で、赤玉土や日向土や鹿沼土などの土壌改良材を全体の7割~8割を目安に配合します。土粒が大きいと、空隙ができすぎてしまい根が安定せず成長が悪くなったり、保水性も著しく落ちて生育が悪くなる原因となるため、土粒は小粒を選んだ方がよいでしょう。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥を全体の2割~3割を目安に培養土の中に配合すると、土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(細粒・小粒)4割+硬質赤玉土(小粒)3割+ピートモス(調整済)2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト3割+バーミキュライト1割+腐葉土2割+元肥適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHがやや酸性に傾く中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・東洋ラン・盆栽等の育成でよく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴:水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットがあるため、土壌や培養土に5%程度混ぜて使われる事が多いです。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PHが8~10と高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
サボンソウは耐乾性が強い植物です。そのため、地植えで栽培する場合は、基本的に降雨に任せて育てることが出来ます。ただし、雨が全く降らずに土壌が乾燥していたり、極端な暑さで乾燥が早くなっている場合は水やりが必要となります。また鉢植えで育てる場合は、地植えと比べて乾燥がかなり早いため、定期的な水遣りが必要です。培養土の状態を見ながら水やりをする必要があるでしょう。
●水やりの方法
土壌の表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。ただし、頻繁に水やりを行い、ジメジメとした環境を作ると根腐れを引き起こすこともあるため、必ず土壌の状態を確認してから水やりをして下さい。また受皿を利用している場合は、基本的には溜まった水を捨てるようにしましょう。根腐れの原因になります。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
サボンソウは、自生地が野原や人為的攪乱を受けた道端、牧草地、荒れ地などにあり、栄養の少ない痩せた土壌にも生育しています。そのため、腐葉土などの堆肥が配合された土壌であれば、生育に必要な一定の栄養が含まれており、肥料がなくても栽培する事ができます。
過剰な栄養は、茎が徒長し草姿を乱す原因になったり、花数を減らす原因になったり、肥焼けして根腐れを引き起こす原因になったりしますが、適切な量の肥料には生育を促進する働きもあります。そのため、必要に応じて春に株の周りに緩効性肥料を施してあげるのもよいでしょう。
●肥料の与え方
- 芽出し肥:早春から春頃に新芽が動き出す前に、発芽の促進や初期の成長を促す目的で与えられる肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:固形肥料(速効性・緩効性・BB肥料 など)がおすすめです。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量・規定された頻度・規定された方法で施しましょう。
- 施し方(液肥):液肥は規定された分量の半分ほどを使い、水で薄めに希釈する。液肥の回数は約10~14日に1度の頻度で与えます。液肥は1箇所にかけるのではなく、植物の回りにかけて、土全体を湿らせるように与えましょう。
- 施し方(固形肥料):固形肥料の与え方は製品により置き肥タイプ・差し込みタイプ・埋め込みタイプがあります。製品に合わせて、規定された分量の半分を目安に、規定された頻度、規定された方法で施しましょう。
剪定のやり方
サボンソウは剪定せずに育てる事も出来ますが、こぼれ種を防いだり、株の消耗を防いだり、株の概形を整えたりするために、開花後に切り戻されることもあります。切り戻す場合は株の半分程度を目安に市立に剪定すると良いでしょう。
挿し木や株分けで増やす
サボンソウは挿し木や株分けによって増やす事ができます。
●挿し木の方法
- 挿し木時期:発根率の高い晩春から夏頃が適します。
- 培養土の準備:培養土は切り口が腐敗して吸水を阻害しないように、無菌のものを利用します。一般的にはバーミキュライト・赤玉土・パーライト・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂の採取:挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットして利用しましょう。また花芽分化が始まり生殖成長をしている茎は、発根率が極端に下がるため挿し穂に使うのは避けた方がよいでしょう。
- 挿し穂の整形:挿し穂は長さを5~7cm程度にわけて、挿し穂の上部の葉を残して、下部の葉を取り除きます。茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くしておきましょう。
- 培養土に挿し穂を挿す:挿し穂を挿す場所を決めます。培養土の中に、割り箸等を利用して、事前に穴を空けておきます。挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。通常は挿し穂の1/3程度をいれます。
- 管理:明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう。
播種で増やす
サボンソウの種蒔の方法
- 播種時期:3月~5月/9月~10月
- 発芽適温:約15~20度
- 発芽日数:14日~
- 備考:
種まき手順
- 種まきの時期:春撒き・秋撒き
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株どうしの間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株どうしがくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 定植:本葉が2枚以上になったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。一方で、移植が早すぎると低温障害にあったり害虫からの食害に合うリスクが高まります。そのため、バランスを見ながら定植を行いましょう。
※鎮圧は土と種の接着を高め水分の吸収をよくします。