

- 原産:地中海沿岸
- 科:ムラサキ(Boraginaceae)
- 属:キバナルリソウ/セリンセ(Cerinthe)
- 種:マヨール(Cerinthe major)
- 別名:キバナルリソウ/ハニーワート(honeywort)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:青色・紫色
- 葉の色:青緑色・灰緑色
- 香り:
- 生活形:一年草
- 草丈:約20~70cm
- 誕生花:
- 花言葉:優美/母性愛
- 用途:切り花/種から育てる植物
- 購入方法:セリンセ・マヨールを楽天で購入
■セリンセ・マヨールとは!?
セリンセ・マヨール(学名: Cerinthe major)は、別名で「キバナルリソウ」「ハニーワート(honeywort)」とも呼ばれるムラサキ科セリンセ属(キバナルリソウ属)の一年草です。
セリンセ・マヨールの原産地は地中海沿岸で、日当たりの良い草原や岩場などに見られます。
■セリンセ・マヨールの語源(由来)
- Cerintheの由来:古代ギリシア語で「ワックス」「蝋燭」を意味する「κηρίον(kēríon)」と、古代ギリシア語で「花」を意味する「άνθος(ánthos)」の2語の造語で、蜜蜂が巣を作るために、この植物から蝋を集めていたと考えられていたことに由来します。
- majorの由来:ラテン語で「より大きい」を意味しており、本種が近縁種と比較して花が大きいところに由来します。
■セリンセ・マヨールの特徴(魅力)
- セリンセ・マヨールの魅力:この植物は秋に発芽後、秋から春にかけて生育し、春に花を咲かせ結実したら、夏頃に枯れる一年草です。本種の際立つ魅力は、花や苞の色が発光しているような青色・紫色の色彩で美しい点、鱗状に重なる苞と筒状の花が個性的な花姿を形成する点、茎や葉は白粉をおび白緑色や青緑色を呈し柔らかな印象を添えるカラーリーフにもなる点などにあります。園芸では、この上品な花を鑑賞する目的で栽培されており、例えば花壇で栽培するとこの植物がエレガントな雰囲気を添えたり、また収穫して切り花としてお部屋で楽しむことも可能です。
- 草姿:草丈は約20~70cm、生育型は直立型で主軸がハッキリとしていますが、摘芯により分枝型になることもあります。茎は白粉を帯び、白緑色を呈しており、この白粉は太陽光を反射して温度の上昇を抑制したり、水分の蒸発を抑制したりしていると考えられています。
- 葉の特徴:葉の概形は楕円形・卵形・心形で、葉縁部は全縁で、葉表面は白粉を帯び、葉の色は青緑色・白緑色をしています。葉柄は茎下部では有柄ですが、茎上部では無柄で抱茎しており、しばしば葉の基部が完全に茎を囲い貫いているようにも見えます。
- 花の特徴:開花期は4月~6月頃、花序は巻散花序で垂れるように咲く傾向があります。花冠は長さ2~3cmの筒状で、色は青色から紫色を呈します。ただし、この花は大部分が苞に隠れています。苞の形は卵形で、色は灰みを帯びる緑色・紫色・青色をしており、複数の花を保護するように鱗状に重なります。そのため、花姿は非常に個性的な見た目をしており、園芸ではこの装飾的な苞を鑑賞する目的で栽培されています。
- フラワーアレンジメント:セリンセ・マヨールの花は収穫して切り花として楽しんだり、またフラワーアレンジメントの素材として活用できたりします。枝垂れるように咲く、紫色(青色)の花は優美で上品な印象を与えるため、切り花としてお部屋に飾ると高貴な雰囲気を添え、またアレンジメントの中でもエレガントな雰囲気を添えることが出来るでしょう。切り花として用いた場合、花瓶の中での寿命は7~10日ほどになります。
セリンセ・マヨールの切り花の楽しみ方
切り花の作り方
- 収穫:切り花の収穫は花が十分水分を含んでいる朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 水揚げ:葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて茎から全て取り外します。茎の切り口は水切りを行います。
- 花を生ける:花瓶の中に水を入れて花を生けます。
- 管理:直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。また徐々に水揚げが悪くなるため、必要に応じて水切りを再度して水換えをしましょう。管理の方法にも左右されますが日持ちは7~10日程度です。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水中につけた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの切り花で行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切り法は、水中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切り法を行うことで茎が詰まっている原因(微生物・空気・樹液など)を取り除いて、切り口の状態を正常に戻す効果があります。
水切り法のやり方
- 準備:花材と水の入った容器を準備する
- 茎の切断:切り花の切り口を水中に漬けて、その中で切り口の根元から上に約1~5cmの場所で斜めにカットします。※斜めにカットする事で吸水部が増えて水揚げ効率がよくなります。
- 切り花を生ける:切り口を別の容器にいれて水揚げするか、花器に入れて飾ります。
■セリンセ・マヨールの生活形と形態
●生活形・茎の形態
- 生活形:一年草
- ライフサイクル:秋に発芽し、冬から春にかけて生育し、春に開花し結実すると初夏から夏に衰弱し枯れていきます。寒冷な地域では春に発芽することもある。
- 草丈:約20~70cm
- 生育型:直立型
- 直立型:主軸がハッキリとして直立している。
- 茎の毛:無毛
- 茎の色:緑色または白粉を帯びるため灰緑色となります。
●葉の形態
- 葉の位置:茎葉
- 葉序:互生葉序
- 葉柄:茎下部は有柄、茎上部は無柄で抱茎する。
- 葉身の長さ:約2~7cm
- 葉身の概形:楕円形・卵形・心形
- 葉の色:白粉を帯びた青緑色・灰緑色をしており、しばしば若い葉は白粉が斑点状になることがある。
●花の形態
- 花序:巻散花序で、頂花が形成されると軸の成長が止まり、その下の節の遠位側から1個の側枝と花をつけ、これを繰り返しながら渦巻き状の花姿を形成します。
- 苞:花梗の基部にある。
- 苞の形:卵形
- 苞の色:灰緑色・紫色・青色
- 花:花托・萼・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊で構成されています。
- 花托:萼・花冠(花弁)・雄蕊・雌蕊を支えている。
- 萼:離片萼で、萼片は5枚、萼片の形は楕円形・披針形、萼片の色は灰緑色・紫色・青色です。
- 花冠:5枚の花弁が合着する合弁花冠で、長さは約2~3cm、形は管状で裂片の数は5枚あり、色は青色から紫色です。
- 雄蕊:5本
- 雌蕊:1本
●果実・種子の形態
- 果実の分類:分離果で、果実が熟すと心皮ごとに縦に2つに分離します。この分離した各部は分果で、この分果は堅果です。
※植物の形態についてはこちらのページも参考にしてください。
■セリンセ・マヨールの育て方
花壇の土づくり
●バイオーム
- 主なバイオーム:地中海植生
- 原産地:地中海沿岸
- 自生地:日当たりの良い草原や岩場などで見られます。
- 気候:主に地中海性気候に属します。気温は夏場は高温で降水量が少なく乾燥し、冬場は最も寒い月の平均気温でも-3℃以上あり比較的温暖で、夏場の3倍以上の降雨量があり比較的湿潤です。本種は秋・冬・春の生育期に湿潤な環境を好み、休眠期の夏場は乾燥した環境を好みます。
- 日照:草原や林縁などに自生しており日向から半日陰を好みます。
- 土壌:土壌は基本的に砂質で通気性・排水性が高く、比較的痩せた場所にあり、また石灰岩を母材とした土壌にあるため中性から弱アルカリ性土壌によく見られます。
※バイオームについてはこちらのページも参考にしてください。
●日照条件
セリンセ・マヨールは、日向から半日陰の範囲で育てることが出来ます。ただし日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。
日照条件の分類(参考)
- 日向:直射日光が一日を通して6時間以上当たる場所です。一般的に全方位に障害物がない、またはお庭の向きが南向きの場所になります。
- 半日陰:直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。一般的には、午前中のみ日が当たり、午後から日陰になる場所となります。そのため、お庭の向きは東向き、または木漏れ日がはいるような場所です。
- 明るい日陰:直射日光が二時間程度までしか当たらないか、殆ど当たらずに間接光だけで明るい場所です。一般的にお庭の向きが北向き、または建物の影など日差しを遮る障害物が多い環境です。
- 暗い日陰:森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
●土壌の土質
- 土質:基本的に高い通気性と排水性を兼ね備える土壌を好みます。そのため土質は水捌けのよい砂土・砂壌土が適します。水分が停滞してジメジメと湿り過湿になりやすい粘土質の土質は適さず、根腐れを引き起こす原因になるため避けた方が良いでしょう。
- 肥沃さ:過度な肥沃さは必要ありません。土壌の状態を見ながら、痩せていると感じる場合は適度に堆肥を入れるとよいでしょう。肥沃すぎる土壌は、特に夏場に蒸れやすく、根腐れの原因となるため注意が必要です。
- PH:PHは6.0~7.5の弱酸性から弱アルカリ性に適応します。土壌のPHを測定して適正範囲外にある場合は土壌改良材などを用いてPHを調整しましょう。PHが適正範囲から極端に外れた土壌では微量要素などの栄養を上手く吸収出来ずに生育不良になる場合があります。
土壌診断と改善の行い方(参考)
- 排水性の診断:深さ30cm程度・幅30cm程度の穴を掘り、穴の中を水で完全に満たす。一時間あたり約3~10cmの排水があれば、一般的な植物を育てるのに適した排水性になります。※それ以下またはそれ以上である場合は排水が悪い、または排水がよすぎる可能性があります。
- 排水性の改善:花壇を高くしたり、ロックガーデンを作り、植物を植える場所を周囲より高くする。また縦穴暗渠(縦穴排水)や排水溝をつくる。
- 作土層の診断:調べたい箇所の土壌に支柱を出来るだけ深くまでさします。支柱の入った部分が30cm前後あれば一般的な植物であれば、根を張るのに十分な作土層がありますが、それ以下であれば改善が必要です。また土壌を観察して石やゴミがあれば根を伸ばすのに邪魔になるため取り除いた方が良いでしょう。
- 作土層の改善:植物を植える箇所とその周囲をシャベルを使って30cm程度の深さまで掘り起こして解します。また石がある場合は土ふるいを使用して取り除きましょう。
- 土壌(土性)の性質の診断:土壌の通気性・保水性・保肥力を知るために、土壌を砂土・砂壌土・壌土・埴壌土・埴土に分類して、植物に合わせて土壌の改良をしましょう。
- 砂土:排水性と通気性が高く乾燥しやすいため、水分過剰による根腐れを引き起こしにくい。診断は、適度に湿らせた土を触った時にザラザラとした砂の粗い感触がある。手のひらや指で捏ねても全く固まらずに簡単に崩れる。
- 砂壌土:排水性と通気性が高く乾燥しやすい傾向がある、砂土と比べると、保水性と保肥力が少しあるため、乾燥気味の土壌を好む植物などに向いています。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねると、緩く固める事が出来るが崩れやすい。
- 壌土:通気性・保水性・保肥力のバランスが高いため土壌管理がしやすい。診断は、適度に湿らせた土を触った時に砂のザラザラ・粘土のヌルヌルとした感触がある。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、鉛筆程度の太さの棒状まで伸ばすことが出来る。 ただし伸ばした棒を曲げるのは難しい。
- 埴壌土:保水性・保肥力が高いため乾燥しにくい傾向がある。診断は、適度に湿らせた土を触った時に粘土のヌルヌルとした感触があり、砂のザラザラも少し感じる。手のひらや指で捏ねて伸ばすと、マッチ棒程度の太さまで伸ばすことが出来て、輪っかに曲げても切れにくい。
- 土壌(土性)の性質の改善:土壌の診断をしたら、植物が求める環境に合わせて土壌改良材をいれます。
- 通気性・排水性の改善:通気性・排水性の高い土壌改良材(パーライト・日向土・川砂・バーク堆肥 など)を混ぜ込む。
- 保水性の改善:保水性の高い土壌改良材(腐葉土・ピートモス・バーク堆肥・黒土)を混ぜ込む。
- PHの診断:土壌のPHを調べる方法は土壌酸度計を土壌に突き刺すタイプ・リトマス紙を溶液に浸すタイプ・ペーハー測定器を溶液に浸すタイプ・アースチェック液を溶液に垂らすタイプ等があります。製品によって調べ方がことなるため、詳しい手順は製品の取り扱い説明書をご覧下さい。
- PHの改善:PHを診断後に植物の適正なPHに合わせて、土壌改良材を入れてPHの改善をおこないます。
- PHを酸性に改善:ピートモスを使用する場合はPHを1下げるために、1㎡あたり、ピートモスを約1.2kgを入れて混和します。
- PHをアルカリ性に改善:苦土石灰を使用してPH1上げるには、1㎡あたり苦土石灰を約100~200g入れて混和します。
- 肥沃さの診断:肥沃さは土壌の色によりある程度診断できます。土壌の色は成分や状態を示しており、簡易的に植物を育てるのに適しているか調べる事が出来ます。黒色の場合は腐植が多く肥沃な傾向があり、赤色・黄色・白色の場合は腐植が少なく肥沃でない傾向があります。
- 肥沃さの改善:土壌に堆肥または微生物資材を入れます。堆肥を入れる量は土の量に対して二割から三割程度にします。入れ過ぎると通気性・排水性・保水性のバランスが崩れて植物が育つのに不適な環境になりやすいため注意してください。
※詳しい土壌診断と改善方法はこちらのリンクからご覧下さい
鉢土づくり
●日照条件
セリンセ・マヨールは、日向から半日陰の範囲で育てることが出来ます。ただし日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせるため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。
●培養土
セリンセ・マヨールの培養土を購入する場合は、一般的な草花の培養土よりも少し通気性・排水性を高めた培養土がおすすめです。※一般的な培養土に通気性・排水性を高める改良用土を混ぜるのも良いでしょう。
培養土を自作する場合
- 培養土の特性:自生地が地中海沿岸の草原や林縁などにあり、土壌は基本的に栄養が少なめで土質は砂質です。そのため、培養土を作成する場合は、通気性・排水性を重視しながら、水やりの頻度も考えて適度な保水性も確保することが大切です。また堆肥も適度に入れる事で植物の成長がよくなります。
- 土壌改良材(無機質):一般的な植物の培養土よりも、特に通気性と排水性を改善する目的で、赤玉土や日向土などの土壌改良材を7割~8割を目安にして多めに配合します。ただし、通気性・排水性を高めるために、大きすぎる土粒を使うと、培養土の中に空隙ができすぎてしまい根の活着が悪くなったり、保水性も著しく落ちて生育が悪くなる原因となるため避けた方が良いでしょう。基本的には小粒を使用しましょう。
- 土壌改良材(有機質):腐葉土などの堆肥を全体の2割~3割を目安に培養土の中に配合します。堆肥は土壌の物理性・化学性・生物性を改善して、根の活着を高めて根張りをよくしたり、栄養素を含有しており、微生物の働きを促進して土質を改善したり、植物の栄養補給に寄与する働きがあったりします。ただし、堆肥の入れすぎは、夏場に蒸れて過湿状態になり、根腐れを引き起こす原因ともなるため注意が必要です。
培養土の配合例
- 基本の配合:赤玉土(小粒)7割+腐葉土3割+苦土石灰適量+元肥適量
- 培養土が劣化しにくい配合:日向土(細粒・小粒)4割+硬質赤玉土(小粒)3割+腐葉土2割+くん炭1割+元肥適量
- 比重が軽い配合:赤玉土(小粒)4割+パーライト3割+バーミキュライト1割+腐葉土2割+苦土石灰適量+元肥適量
土壌改良材(無機質)
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた土壌改良材です。
- 特徴:赤玉土は通気性・排水性・保水性のバランスが抜群に良いことから擬似団粒構造をした土壌改良材とも呼ばれています。無菌で雑菌が繁殖しにくく、雑草の種も含まれないため挿し木用土やインドアグリーンの土としても使われる。
- 比較:鹿沼土と比べて赤玉土の方が保水性・保肥力に優れており、PHが中性に近い弱酸性のため幅広い植物で利用しやすい。赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすいため、使い続けると微塵が出て通気性・排水性を悪化させる事がある。
- 注意点:赤玉土はリン酸を固定してしまい、植物が吸収出来る状態で無くす事があるため、リン酸の肥料を多めにやる必要がある。赤玉土の粒はやや崩れやすいため再利用出来る割合が少ない傾向があり、微塵は粘土質になり通気性・排水性を悪くする事がある。
- 用途:一般的な草花・花木・多肉・サボテン・山野草・水生植物など幅広い植物の土壌改良材として利用されます。無菌のため挿し木・種まき用土・インドアグリーンの培養土などに利用される。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 比較:硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。
- 用途:多肉植物・サボテン・山野草などに使われる事が多い。
- パーライト:パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- 特徴(真珠岩系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 特徴(黒曜石系):表面に光沢があり滑らか、通気性・排水性に非常に優れている、雑菌が発生しにくく、比重が0.1程度と小さく軽い。
- 用途:土壌の通気性・排水性を改善する目的、真珠岩系では通気性・排水性・保水性をバランスよく改善する目的で利用されます。一般的な草花の育成などでよく利用されており、比重が軽いため培養土の軽量化などに欠かせません。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくいため再利用しやすく、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。草地・岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、一般的な草花から多肉・サボテン・山野草などの育成でも利用されます。す。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 特徴:通気性と排水性に非常に優れており、多孔質なため保水性も適度に確保出来ている、比重は約0.4~0.6とバランスがよい。※鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくい、PHが殆ど中性なため扱いやすい、一方で鹿沼土と比べると保水性がそれほど高くない。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などの育成でよく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 特徴:粒子が大きく通気性・排水性が優れており、保水性と保肥力が殆どない。比重が約2.5~2.6と大きく安定感があるため植物をしっかりと支える事が出来る。
- 用途:土壌の通気性や排水性を改善するのに利用されます。岩場・高山地帯・砂地に自生する植物などを育てるのに向いており、多肉・サボテン・山野草・盆栽等の育成でよく利用されます。
土壌改良材(有機質)
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のある物を選びましょう。完熟していると、見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため空気の通りが良くなり根の成長を助ける。土壌の通気性・保水性・保肥力を高めるため植物が育ちやすい環境となる。腐葉土は微量要素を含んでいるため植物が栄養を補給して健康に成長する助けとなり、また微生物の働きも活性化するため土壌が肥沃になる。PHが中性のため扱いやすい。
- 用途:土壌の保水性・保肥力・通気性を改善したり、微生物を活性化して土壌を肥沃にしたりする働きがあるため、多くの植物を育てる際の改良用土として利用されます。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- 特徴:通気性と排水性が抜群によいため根腐れ防止効果があります。菌根菌などの有用微生物を活性化させる効果があるため、植物が菌根菌と共生して病気に強くなったり水分・栄養を補給しやすくなる事がある。植物の成長に必要とされるミネラルを含有していて、またケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなる傾向がある。PH8前後の高いアルカリ性を示す。
- 用途:根腐れ防止・酸性土壌の改善などのために土壌に10%程度混ぜて使われる事が多いです。
水やりの仕方
セリンセ・マヨールは、秋・冬・春の生育期間中は一定の湿り気がある土壌を好み、夏になると株は衰退し枯れていきます。ただし、生育期間中でも、過湿が続くと病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりするため、水やりする頻度には注意が必要となります。
●水やりの方法
- 生育期(秋~春):株は生育旺盛で、多くの水を必要とします。そのため、土壌の表面または表層が乾燥したタイミングで水をたっぷり与えましょう。ただし、頻繁に水やりを行い、ジメジメとした環境を作ると根腐れを引き起こすこともあるため、必ず土壌の状態を確認してから水やりをして下さい。また受皿を利用している場合は、基本的には溜まった水を捨てるようにしましょう。根腐れの原因になります。
- 夏:生育が緩慢になり徐々に衰退し枯れていきます。
土壌の乾燥の確認方法
- 土壌表面の乾燥:土壌の表面の乾燥とは、土壌の最も上の部分の表面が乾燥している事です。土壌表面の乾燥の確認方法には目視・触感・専用の道具があります。
- 目視で確認:土は濡れているなら色が濃くなったり黒っぽくなったりしていて、乾燥すると色が白っぽくなります。
- 触感で確認:土の表面を指で触ってみてます。土は濡れていると湿り気があり、乾燥しているとサラサラとしています。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
- 土壌の表層の乾燥:土壌の表層の定義は様々ありますが、ここでは土壌の表面より5cm以下にある事にして、また土壌の表層の乾燥とは土壌の表面から5cm以下が乾燥していることになります。
- 目視で確認:透明な植木鉢を使用して植物を育てます。透明で土の色の変化が分かるため、土表面から5cm以下の土の色が白っぽくなってきたら水やりを行います。
- 重量で確認:鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、土が乾燥した時の軽さを覚えておいて土の乾きを判断します。
- 道具で確認:割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串の色と湿り気を見て乾燥具合を確認します。
- 専用の道具:サスティーを土壌にさして使用します。サスティーは土壌が乾くと色が変化して水やりのタイミングを教えてくれます。
肥料の与え方
セリンセ・マヨールは、地が地中海沿岸の栄養の乏しい荒れ地などにもあり、土壌に一定の肥沃さがあれば肥料が無くても育てる事ができます。特に過剰な栄養分は根腐れを引き起こしたり、株が軟弱になり病気や害虫や高温・低温などへの耐性が落ちる原因になるため、適切な時期と頻度で肥料を与える事が大切です。肥料は、生育を促進するために、植え付け時に元肥をあたえることができます。
●肥料の与え方
- 元肥:元肥は植付け前または植付け時に土壌の中に入れて施す肥料です。
- 肥料の成分:窒素・リン酸・カリがバランス良く入る水平型、またはリンが多く入る山型を選びます。
- 肥料の製品:緩効性肥料・配合肥料(BB肥料など)がおすすめです。
- 施し方:基本的に全面施肥です。全面施肥とは、植物を植付ける土壌・培養土の中に、規定の量の元肥を入れて、偏りがないように混和する方法です。※全面施肥は肥料が植物の根に触れて肥焼けを引き起こす可能性があるため、肥効が緩やかに出る肥料を選ぶ。例として緩効性肥料やBB肥料などです。
剪定のやり方
セリンセ・マヨールは基本的に剪定不要ですが、摘芯をして分枝を促し花数を増やす事ができます。
●摘芯方法
- 摘芯:生育初期に、成長点を指で摘み、折るように摘みとります。成長点の付近は柔らかなため、基本的に指で摘みとれますが、難しい場合はハサミを使いましょう。これを行うことで、摘芯した箇所付近の節から分枝が促されて、ボリューム感のある株となります。
冬越しする方法

Hardiness:7~11
セリンセ・マヨールは気候が温帯であれば屋外での越冬が可能です。ただし、亜寒帯や寒帯の地域では寒さで株が枯れる事もあるため、種まきの時期は春にずらした方がよいかもしれません。
播種で増やす
セリンセ・マヨールの種蒔の方法
- 播種時期:3月~5月/9月~11月
- 発芽適温:約15~20度
- 発芽日数:約7~21日
- 備考:
種まき手順
- 種まきの時期:温帯地域では秋撒きします。亜寒帯や寒帯では春撒きします。
- 培養土の準備:直播き・移植栽培※移植栽培はコストや手間が増えますが、苗を病害虫から保護したり、温度・水分の管理が楽になり成功率が高まります。
- 直播き:花壇やプランターの土を整えます。
- 移植栽培:プラグトレー・ピートポット・ポリポット・不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどに種まき用の培養土を入れて栽培できます。おすすめは移植の際に根を傷めにくい不織布育苗ポット・ジフィーセブンなどです。
- 種の撒き方:点撒き・すじ撒き・バラ撒き
- 種まき後の管理:種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。
- 発芽後:発芽が揃ったら、株どうしの間隔を見て、混んでる場所の苗を間引きます。また間引きした苗は別の場所に移植することもできます。※直播きする場合は成長に合わせて株どうしがくっついているものを状態がいい方を残し間引きするとよいでしょう。
- 定植:株がある程度の大きさなったら定植します。定植が遅れると移植時に根を傷付けるリスクが増えると同時に、苗が老化して定植後の成長も悪くなるリスクが高まります。
※鎮圧は土と種の接着を高め水分の吸収をよくします。