- 原産:北アメリカ
- 科:ハナシノブ(Polemoniaceae)
- 属:フロックス(Phlox)
- 種:キキョウナデシコ/ドラモンディ(Phlox drummondii)
- 別名:フロックス・ドラモンディ/一年草フロックス(annual phlox)/ドラモンズ・フロックス(Drummond’s phlox)
- 品種:シュガー スター(Phlox drummondii ‘sugar star’)
- 開花時期:5月~7月(秋に返り咲く事もある)
- 花の色:紫色・白色
- 葉の色:緑色
- 香り:
- 分類:一年草
- 草丈:約30~50cm
- 誕生花:7月2日
- 花言葉:合意・一致・あなたの望みを受けます
- 用途:切り花/種から育てる植物
- 購入方法:フロックス(シュガー スター)を楽天で購入
■フロックス(シュガー スター)の特徴
- 花の形:花冠の裂片は円形
- 花の色:紫色と白色の複色、花冠の裂片の基部から外側に向かって放射状に白色の班が入る。
- 株のサイズ:下部の高さ約30~50cm
- 備考:紫色と白色は、高貴さや上品さを感じさせるため、格式高く高貴な印象を与えるお庭や、上品さを感じさせるエレガントなお庭などによくあいます。
■キキョウナデシコとは!?
キキョウナデシコの学名はPhlox drummondii、別名では「フロックス・ドラモンディ」や「一年草フロックス(annual phlox)」とも呼ばれる一年草です。
キキョウナデシコの原産地は北アメリカ、自生地は草原や開けた森林地帯等にあります。
■キキョウナデシコの語源(由来)
- 属名のPhloxは古代ギリシア語で「炎」を意味する「φλόξ」からきており、花の色に由来しています。
- 種小名のdrummondiiは、スコットランドの植物学者Thomas Drummond (1793-1835)への献名です。
- キキョウナデシコの由来は、花の形がキキョウやナデシコに似ている所からきています。
■キキョウナデシコの特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- キキョウナデシコの特徴は、花が茎の上部に数個から十数個集まり咲くためボリューム感のある花姿が楽しめる所、花の形や色のバリエーションが豊富にある所、種から育てられるため大量植栽して花壇に並べて楽しみやすい所、一年草で冬になる前に枯れてしまう所などにあります。
- キキョウナデシコは、花を鑑賞する目的・花を収穫して花材として楽しむ目的等で栽培されています。
- 外観の特徴
- 草丈は約10~50cm、茎は直立、分枝は斜上する、茎は有毛で白色の毛が生える、茎の色は緑色です。
- 葉序は株の下部では対生葉序になり上部では互生葉序に変化する、葉柄は無柄で抱茎する、葉身の長さ約3~7.5cm、葉身の幅は約1~2cm、 葉身の形は長楕円形~披針形、葉は基本的に有毛、葉の色は緑色です。
- 花序は円錐花序、花冠は高杯形(高盆形花冠)、高杯形の直径は2~2.5cm程度、高杯形の形状は下部の筒部が細くて長く上部が皿状に開き裂片が5個ある、花の色は赤色・桃色・黄色・紫色・白色・黒色の範囲である。
- 主な用途
- キキョウナデシコは、円錐型に花が数個から十数個集まるためとてもボリュームのある花姿となり、また花の色や形が多彩なため、花を鑑賞する目的で利用されることが多いです。また種から育てられて大量植栽しやすい事から、花壇に並べて縁どりなどにして楽しまれることも多いです。
- キキョウナデシコは花が咲いた後に収穫して、切り花にして楽しむことが出来ます。詳しくは切り花の楽しみ方をご覧下さい。
- 栽培時の注意点
- キキョウナデシコを育てる際に注意することは「高温多湿」などです。
- 高温多湿とは、気温と湿度が高い状態です。植物によっては日本の夏の高温で生育不良を引き起こしたり、高い湿度で根腐れや腐敗等の病気になりやすくなったりする事があります。また高温と多湿が複合すると、より強いストレスを植物に与えるため、深刻なダメージを負いやすいくなります。そのため高温多湿を嫌う植物を育てる場合は夏越し対策に気を付ける必要があります。
■キキョウナデシコの切り花の楽しみ方
- 収穫タイミング
- 朝の涼しい時間帯もしくは夕方に収穫すると花に十分な水分が含まれており水揚げしやすくなります。
- 水揚げ
- 葉は水揚げを悪くするため必要な分を除いて茎から全て取り外しましょう。
- 水揚げの方法は水切りを行います。
- 花瓶に生ける
- 花瓶に水を入れて花を生けましょう。
- 管理
- 直射日光を避けた15~20度の涼しい環境で管理すると日持ちがよくなります。
水切り法
水切り法とは、切り花の切り口を水の中に付けた状態で切り戻しを行い、切り口の更新を行う水揚げ方法です。
水切りは、特定の植物または特定の条件を除いた、殆どの植物に行われている、最も一般的な水揚げ方法になります。
水切りは、水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。また水切りを行うことで「微生物」「空気」「その他」が原因で詰まっている茎を取り除くため、切り口からの水揚げ正常に戻ります。
水切りの方法
切り花の切り口を水の中に浸けます。水の中につけた状態で、切口の根元から上に1~5cm程度を取り除くつもりで、ハサミを使って斜めにカットします。
切り口部分を斜めにすることで、吸水部分が広がり、水揚げの効果が高まります。
■キキョウナデシコの園芸分類
花弁の形
円形
花冠裂片の形が円形をしている。※先端に凸がある事もある。
星形
花冠裂片の形がギザギザとしていて、縁部分に切れ込みが入る。※星咲きとも呼ばれます。
花の色(班の入り方)
アイ(eye)
花冠裂片の弁底に二次色が入る、そのため花の中に目のような模様が出来る。
ピコティ(覆輪)
花冠裂片の縁部分に二次色が入る。
■フロックスの主な原種を紹介
クサキョウチクトウ
学名:Phlox paniculata
分類:多年草
開花時期:6月~9月
花の形:円錐花序
花の色:赤色・桃色・紫色・白色
株のサイズ:40~120cm程度
備考:草丈が高くなる。茎は基本的に分枝せずに直立するため見た目の行儀がよい。花房が巨大でボリューム感がある。
キキョウナデシコ
学名:Phlox drummondii
分類:一年草
開花時期:5月~7月
花の形:円錐花序
花の色:赤色・桃色・黄色・紫色・白色・黒色
株のサイズ:10~50cm程度
備考:花の形や色のバリエーションが豊富にある。種から育てられるため大量植栽しやすい。
ツルハナシノブ
学名:Phlox stolonifera
分類:多年草
開花時期:4月~6月
花の形:集散花序
花の色:桃色・紫色・白色
株のサイズ:約10~25cm
備考:草姿はほふく性でマット状に広がるため地被植物として利用される。花はほふく茎から分枝した茎が直立してその先に咲く。細い茎に緩く花が数個付いて咲くため、可憐な花姿が楽しめる。
■フロックスの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■フロックス(シュガー スター)の育て方
花壇の土づくり
環境
フロックス(シュガー スター)は、草原や開けた森林地帯などに自生しており、排水性の高い砂質の場所などに自生しています。
一方で、地面が湿りすぎていたり高温多湿になったりすると、根腐れを引き起こして生育不良になることもあります。そのため、夏場の暑さが厳しい地域では西日の当たらない環境で育てたり、土壌の排水性などにも気をつける必要があります。
日当り
日当たりは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事も出来ますが、日向と比べると花数が少なくなったり、生育が悪くなったりする傾向があります。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
土壌は、ある程度の肥沃さがある土壌でよく育ちますが、痩せ地でも問題なく育てることができます。
注意することは、雨の後に水がたまるような水捌けの悪い場所で育てたり、ジメジメとした状態が続くような粘土質な土壌で育てる事です。水分が停滞するような土壌で育てると根腐れを引き起こして生育不良になったり、枯れたりすることがあります。
そのため、植え付けの前に土壌診断を行い、土質が悪い場合は土壌改善をします。基本的には砂壌土または壌土になるように土壌を改善すると良いでしょう。有機物の入れすぎは、蒸れる原因にもなりますが、腐葉土等も入れて肥沃さも改善して下さい。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
植付け時の注意点
- 植え付け方法
- 植付け方法は標準植えで行います。苗(根鉢)の1.5~2倍または30cm程度の深さまでスコップを使い穴を掘り、根張りを邪魔したり保水性や栄養の保持を悪くする石やゴミ等を取り除き、標準植えで植え付けを行いましょう。
水やりの仕方
フロックス(シュガー スター)は、基本的には降雨に任せて水やりは不要です。ただし、夏場などの乾燥しやすい季節、雨が長く降らない時、地植えよりも乾燥が早い鉢植えで育てている場合などには、必要に応じて水やりが必要になります。
注意することは、水をやり過ぎて水分の多い過湿状態に長くしない事です。過湿状態が続いてしまうと、根腐れを引き起こして枯れ込む原因にもなります。そのため、水やりの頻度には注意が必要となります。
水やりの頻度と与え方
- 水やりのタイミングは、土壌の表面が2~5cm程度乾いてきたら行うといいでしょう。乾燥の確認方法は、土の色の変化を見たり、土の中に指を入れて確認する方法等があります。不安な場合はサスティーを利用すると良いでしょう。
- 水やりの頻度は季節や気候・周囲の環境・土質によっても左右されるため一概ではありません。土壌の状態をみながら水やりを繰り返して、少しづつ掴んでいくと良いでしょう。
剪定のやり方
フロックス(シュガー スター)は剪定をせずに育てる事もできますが、花がら摘みをして開花期間を伸ばすことができます。
花がら摘みとは!?
花がら摘みとは、色褪せたり外観が崩れたりした咲き終わりの花を摘み取る事です。
花がら摘みをする理由
- 花がら摘みをする事で、種を作るエネルギーが花に向かいます。そのため、脇芽などから小さな花が咲く事もあり、花の数が増えたり、開花期間が伸びたりします。
- 種が作られないため、こぼれ種による雑草化を防ぐ事が出来ます。
- 花にカビ(真菌)等がついて腐敗することを防ぐため、病気の予防に繋がります。
- 花がらはカビが生えたり、褐色になったり、乾燥して縮んだりして外観を悪くするため、花がら摘みを行うことで清潔感を保つことが出来ます。
花がら摘みのやり方
花がら摘みのやり方は、色褪せたり外観が崩れた花房を、花房の下からハサミで剪定して取り除きます。
夏越しする方法
フロックス(シュガー スター)は、原産地が北アメリカ東部・中部の温帯湿潤気候にあり、育っている場所は日本の気候とも似ています。
しかし、高温多湿環境を苦手にしています。そのため育てている環境によっては根腐れを引き起こしたり、うどんこ病などの病気にかかったりして、株が弱りやすいです。
そのため、必要に応じた夏越し対策が必要になるでしょう。
夏越しで重要なポイント
- 西日を避けた場所
- 暑さの厳しい夏場は、高温と日差しの複合ストレスで株が弱りやすいです。そのため、午前中のみ日が当たり午後からは日陰になる場所に移動するか、遮光ネットを利用しましょう。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかり行い排水性を高めましょう。
- 適切な水分管理
- 土壌の状態を見ながら定期的に水やりを行いましょう。
- 半日影などの乾燥しにくい環境で管理するのもひとつの対策になります。
播種で増やす
キキョウナデシコの種蒔の方法
播種時期:2月~5月
発芽適温:約15~20度
発芽日数:
発芽条件:
- 種まきの時期
- 3月~5月
- 土の準備
- ピートバンを準備したり、育苗箱と種まき専用の培養土などを準備して育てると失敗が減るでしょう。
- 種の撒き方
- 種は重ならないように、すじまき or 条まきします。
- 種を指で軽く押し込んで鎮圧して、土を数mm程度うすく被せます。※鎮圧は土と種の接着を高め水分の吸収をよくします。
- 種まき後の管理
- 種が乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理します。