- 原産:南アメリカ
- 科:クマツヅラ(Verbenaceae)
- 属:ビジョザクラ(Glandularia)/バーベナ(Verbena)
- 種:ヒメビジョザクラ/テネラ(tenera)
- 同義語:Verbena tenera
- 別名:バーベナ・テネラ/宿根バーベナ/モス・バーベナ(Moss Verbena)
- 開花時期:4月~10月
- 花の色:赤色●桃色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●黄色●
- 分類:多年草
- 草丈:約10~25cm
- 用途:開花期間長い/カラーリーフ/グランドカバー/ロックガーデン/ロマンチックなお庭/エレガントなお庭/カラフルなお庭
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ヒメビジョザクラとは!?
ヒメビジョザクラは学名Glandularia tenera(syn.Verbena tenera)、別名では「バーベナ・テネラ」や「モス・バーベナ(Moss Verbena)」等とも呼ばれる南アメリカが原産の多年草です。
ヒメビジョザクラの語源(由来)
- 属名のVerbenaは、ラテン語で宗教的な儀式で使用される神聖な植物の「葉」または「小枝」を意味しており、またインド・ヨーロッパ祖語で「回す」「曲げる」を意味する「werb」に由来します。
- 種小名のteneraは「軟弱」「優しい」「細い」などを意味しています。
ヒメビジョザクラの特徴(魅力)
- ヒメビジョザクラは、匍匐するように茎が広がり地面や斜面をカーペットのように覆う草姿からグランドカバーや斜面を覆うロックガーデン等に利用されます。
- 開花期が長く、株いっぱいに次々と花が咲くため、開花期間中はピンクや紫色などの絨毯が敷かれたかのような美しい景観を作り出します。
- 草姿は匍匐性、茎は地面を這うように広がりながら節から不定根を出して無制限に広がり、また茎は匍匐しながら途中で立ち上がり花を咲かせる事もあります。
- 開花期間が非常に長く、殆ど休みなく春頃から秋頃まで咲き続けるため、お庭の印象を決める花として使えます。
- 花序は穂状花序、穂状花序は茎の頂部に密に集まるため、半球状の花姿をつくります。
- 葉の形は、羽状に裂けるため全体的に細くシャープな外観をしており、また葉と葉の間に光を通す均一な空間をつくるため、繊細な印象を与え、雑多な印象を抑えます。
- 葉の色はふつう緑色ですが、幾つかの品種では黄色の葉色もあるため、明るく輝くような印象を与えるイエローリーフとして楽しむ事も出来ます。
- ヒメビジョザクラの仕立て方には「被覆植物(グランドカバー)」「ロックガーデン」等があります。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- ヒメビジョザクラの茎は殆ど立ち上がらずに横へと広がり茎が密に地表面を密に覆います。また多花性で沢山の花が株を覆うため、花の絨毯が敷かれたかのような美しい景観を作り出します。
- ロックガーデンとは、高山や崖地などをイメージしながら岩石や大きめの石などを配置して、植物等も植え付けられて作られる庭園のスタイルのひとつです。
- ヒメビジョザクラは自生地でも岩場や浜辺の砂丘などに自生しており、乾燥に強く丈夫なためロックガーデンに向いています。
- 被覆植物(グランドカバー)とは、地表面を覆う目的で、草丈が低く、茎葉が横へと広がる習慣がある植物を植え付ける事です。
- ヒメビジョザクラは夏の暑さ冬の寒さに強いです。
- また地植えしている場合は水やりも肥料も基本的に不要になるため放ったらかしで育てる事も可能です
ヒメビジョザクラの草丈は10(~25)cm、草姿は匍匐性、茎は匍匐しながら広がり節から不定根を出して無制限に広がり、また茎は匍匐した後に途中で立ち上がる傾状茎の性質ももちます。
葉序は対生葉序、葉色は緑色、葉身の形は羽状全裂、小葉は線形の形をしています。
花序は穂状花序、穂状花序は花が茎にの頂部に密に集まり半球状の外観をつくります。花冠は高杯形、高杯形花冠は花弁が合着しており筒部が長く先端が皿状に開きます。花冠は裂片が5個、花の色は赤色・桃色・紫色・白色があります。
ヒメビジョザクラの園芸品種の紹介
バーベナの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ヒメビジョザクラの育て方
花壇の土づくり
日当り
ヒメビジョザクラは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また、半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事も出来ますが、花数が少なくなります。
土壌の土質
ヒメビジョザクラは基本的に土壌の水はけが良ければ、栄養の乏しい土壌でも、肥沃な土壌でも問題なく育てる事が出来ます。ただし、水分が停滞するようなジメジメした土壌では生育不良を引き起こしたり根腐れする事もあるため粘土質な土壌は避けた方が良いでしょう。植え付けの前に土壌診断を行い、通気性がよく適度に腐葉土等が入った土壌に改良しましょう。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ヒメビジョザクラは、日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。そのため基本的には日向(直射日光が6時間以上)で育てましょう。また、半日影(直射日光3時間~5時間)で育てる事も出来ますが、花数が少なくなります。
培養土
ヒメビジョザクラは、一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性が良く適度に肥沃な培養土で育てましょう。
培養土の配合例
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
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- super grade Ⅱの培養土はサラサラとした粒状の用土のみで構成されており堆肥が使用されていない所が特徴です。
- 堆肥が使われていないため、昆虫や微生物湧きにくく、お部屋でも使いやすいです。
- 堆肥が原因で夏場に蒸れる事がないため、多湿で植物が弱りにくくなります。
- 培養土は擬似団粒構造を形成しており優れた保水性・排水性・通気性・保肥力があります。
- 培養土の中には保水剤(CMC)が配合されているため水持ちがよく管理が楽になります。
- 培養土に含まれる赤玉土は焼きが入り硬質なため、劣化しにくく繰り返して何度でも使えます。
- 赤玉土には肥料も含有しているため植物の成長が良くなります。
- 肥料は3種類配合されており植物の成長段階に応じて非常に長く放出されます。
- 堆肥は入っていませんが、質の良い腐植酸が配合されているため、地力の高い肥沃な培養土となっています。
水やりの仕方
地植え
ヒメビジョザクラは乾燥に強いため、地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。雨が長く降らない場合、指を入れて土壌の表面(2~5cm)が乾燥している場合、葉や茎が萎れている場合などは、必要に応じて水やりを行いましょう。
鉢植え
ヒメビジョザクラを鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ヒメビジョザクラは肥料が無くても育てられます。基本的に多くの肥料を必要とせず、肥料がなくても育てられますが、春からの強い成長を促す目的で、晩冬から早春に一度だけ肥料を与えても問題ありません。
肥料と堆肥の与え方
- 晩冬から早春に与える肥料
- 肥効が必要な栄養成分がしっかりはいっており非常に肥効が長く続く緩効性肥料を選びましょう。
- 肥料の成分は山型肥料(リン成分が多く入る)または水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)を選びましょう。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料は株元から少し離れた場所に置き肥します。置き肥とは地面に埋めずにそのまま地面の上に置く肥料です。
剪定のやり方
ヒメビジョザクラは、基本的に剪定不要です。枯れた茎や生産性が落ちた古い茎、範囲を逸出する茎などの不要な茎を、必要に応じて剪定しましょう。
夏越しする方法
ヒメビジョザクラは夏の暑さに強いため基本的に夏越し対策は不要です。
冬越しする方法
Hardiness:7b~11a
ヒメビジョザクラは、耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。ただし寒さが厳しい地域では、必要に応じて冬越し対策を行いましょう。
- 地植えで育てている場合は、霜対策として腐葉土などでマルチングをしたり、不織布などを被せるとよいでしょう。
- 鉢植えで育てている場合は、霜の当たらない軒下に移動したり、凍結が心配な場合は屋内や温室に移動したりするとよいでしょう。
挿し木や株分けで増やす
ヒメビジョザクラは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- ヒメビジョザクラの挿し木時期は晩春から夏頃が適します。
- 挿し穂の茎は弾力があり健康な部分をカットしましょう。
- 挿し穂 の長さ約7~15cmにわけます。
- 挿し穂の下部の葉を取り除き上部の葉を残します。
- 茎の下部分を斜めにカットして吸水部分を広くします。
- 挿し穂用の無菌の培養土を準備します。
- 切り口を下にして培養土の中に挿し穂を挿します。
- 明るい日陰で土壌が完全に乾燥しない様に水やりを行いながら管理しましょう
播種で増やす
ヒメビジョザクラの種蒔の方法
播種時期:3月~5月・9~10月
発芽適温:約20度
発芽日数:約15日~
光条件:
- 種を撒く前に、ポットに種まき用の培養土を準備します。
- もしくは直播きする場所の土壌を整えます。
- 種を土に置き軽く押し込みます(鎮圧と呼ばれる方法で土と種の接着を高め水分の吸収をよくする)
- 種の上にしっかり土を被せます。
- 播種後は乾燥すると発芽率が落ちるため、基本的に土と種が乾燥しないように水やりを行い管理しましょう。
植物の病気
ヒメビジョザクラの病気
- うどんこ病
- 根腐れ病
ヒメビジョザクラの害虫
- ハダニ