- 原産:
- 科:トウダイグサ(Euphorbiaceae)
- 属:ユーフォルビア/トウダイグサ(Euphorbia)
- 種:ユーフォルビア・マティーニ(Euphorbia × martinii)
- 別名:マーチンズ・スパージ(Martin’s spurge)
- 開花時期:4月~6月
- 花の色:緑色・黄緑色・黄色・赤色
- 葉の色:緑色・青緑色・赤色・紫色・黄色
- 分類:常緑低木
- 生育型:
- 草丈:約40~60cm
- 株張り:
- 誕生花:2月19日
- 花言葉:地味・ひかえめ・明るく照らして
- 用途:カラーリーフ/ロックガーデン
- 購入方法:ユーフォルビア・マティーニを楽天で購入
■ユーフォルビア・マティーニとは!?
ユーフォルビア・マティーニの学名は Euphorbia × martinii 、別名では「マーチンズ・スパージ(Martin’s spurge)」等とも呼ばれる常緑低木です。
ユーフォルビア・マティーニは Euphorbia amygdaloides と Euphorbia characias subsp. characias の自然交雑種になり、南フランスのピレネー山脈で野生化しているものが発見されました。
■ユーフォルビア・マティーニの語源(由来)
- 属名のEuphorbiaは、ヌミディア王国の王であるユバ二世に仕えた、ギリシャの医師のEuphorbusへの献名です。
- ギリシアの医師であるEuphorbusは、ユーフォルビアが強力な下剤であると記しており、後にカール・リンネ(Carl Linnaeus)が医師に敬意を示して属全体にユーフォルビアという名前をつけました。
■ユーフォルビア・マティーニの特徴(魅力)
- 主な特徴と魅力
- ユーフォルビア・マティーニの特徴は、樹高が40~60cm程度とコンパクトなため鉢植えやスモールガーデンで楽しみやすい所、樹形はブッシュ状、茎は基本的に上部で分枝しないため行儀よい見た目になる所、葉は茎の周りに非常に密に螺旋状についているため、フサフサした見た目になる所、葉の色が多彩でカラーリーフとして楽しめる所、花はトウダイグサ特有の杯状花序が円筒型に集まりボリュームの良い豪華な花房を楽しめる所、茎を切断すると白色の樹液がでる所、樹液は基本的に有毒で触ると炎症を引き起こしたり目に入ると失明するリスクがある所等にあります。
- ユーフォルビア・マティーニは、ボリューム感と行儀の良さを感じさせる樹形・多彩でカラフルな葉の色・円筒型の豪華な花房を鑑賞する目的で栽培されており、乾燥に強いためロックガーデンで利用されたり、鉢植えの中で成長を制御して狭い空間の中で楽しまれたりしています。
- 外観の特徴
- 樹高は約40~60cm、樹形は中央幹の根元で分枝してブッシュ状になる、茎は直立、茎の上部は基本的に分枝しない、茎の色は緑色・赤色・赤紫色、茎は古くなると木質化する。
- 葉序は互生葉序・輪生葉序、葉身の長さ約4~6cm、葉身の形は狭楕円形・倒披針形、葉には軟毛が生える、葉の色は緑色・青緑色・赤色・紫色・黄色です。
- 花序は杯状花序が総状に集まり円筒型の花房をつくる、杯状花序は総苞・腺体・雄花・雌花で構成されています。※杯状花序の総苞と腺体の間から別の杯状花序が二個出てくる事もある。
- 総苞:総苞は花の基部にある特殊化した葉、形状は円形で皿のように凹んでおり縁部分に切れ込みが入る、色は黄色・黄緑色・緑色をしている。
- 腺体:腺体は分泌物(蜜)を生産・放出する部分、腺体の数は四個で花弁状に並ぶ、形状は台形または半円形で上部の二個の角が突起している、色は赤色・赤褐色をしている。
- 雄花:雄花は雄蕊があり雌蕊がない花、杯状花序の中に雄花の数は数個あり、雄花に雄蕊は一本、雄蕊の葯の色は黄色です。
- 雌花:雌花は雌蕊があり雄蕊がない花、杯状花序の中に雌花の数は一個あり、雌花に雌蕊は一本、雌蕊の色は黄色・緑色です。
- 主な用途
- ユーフォルビア・マティーニは、株がコンパクトで行儀よく成長する事から、鉢植えの中に入れて身近な場所で楽しまれたり、また寄せ植えにして楽しまれたりしています。
- ユーフォルビア・マティーニは葉の色が緑色・青緑色・赤色・紫色・黄色と多彩な所からカラーリーフとしての人気も高いです。例えば、赤色の葉であれば華やかでカラフルなお庭、紫色は上品さなどを感じさせる事からエレガントなお庭、黄色は明るく元気なお庭等によく合うでしょう。
- ユーフォルビア・マティーニは乾燥に強いことから、岩や砂の多いロックガーデンや、サボテンや多肉等の乾燥に強い植物を集めたドライガーデンなどで育てられることが多い植物です。
- 栽培時の注意点
- 栽培する際は「土の通気性」「過湿」「樹液」に注意する必要があります。
- 土の通気性とは、水や空気がしっかりと流れ、根の呼吸や成長を邪魔しないような土です。通気性が悪いと根腐れを引き起こす事もあるため、植物を育てる用土はしっかりと選ぶ必要があります。※詳しくは育て方からご覧下さい。
- 過湿とは、何時までも土壌がジメジメしているような状態です。基本的に他の多肉植物と同様に、乾燥に強いですが、水分が過剰な状態を苦手にしています。そのため、水のやりすぎないこと、長雨に当てないことが大切になるでしょう。
- 樹液は植物が傷ついた時などに流れる液体です。ユーフォルビアの樹液は基本的に有毒で、皮膚に接触すると炎症や水膨れを引き起こしたり、目に入ると充血・痒み・熱をもったり最悪失明する危険があります。皮膚についた場合は直ぐに石鹸で洗い流し、必要に応じて医師に相談しましょう。
■ユーフォルビア・マティーニの園芸品種を紹介
アスコットレインボー
学名:Euphorbia × martinii ‘ascot rainbow’
花(総苞)の色:緑色(中班)・黄緑色
花(腺体)の色:赤色
葉の形:狭楕円形・倒披針形
葉の色:青緑色・黄色~クリーム色(覆輪)・淡い赤色(新葉)
樹高:約30~50cm
備考:葉の縁部分に黄色~クリーム色の覆輪が入るため、明るさや元気の良さを感じさせるカラーリーフとして楽しめる。また低温期になると、新葉の葉全体がほんのりと淡い赤色になるため、緑色・黄色・赤色の三色がカラフルな印象を与える。
■ユーフォルビア(トウダイグサ)の主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
■ユーフォルビア・マティーニの育て方
花壇の土づくり
日当り
ユーフォルビア・マティーニは光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事も出来ます。
- 日向とは、直射日光が6時間以上当たる場所です。
- 半日影とは、直射日光が3時間から5時間程度当たる場所です。また基本的には午前中のみ日が当たり午後から日陰になる場所になります。
- 明るい日陰とは、直射日光が二時間程度まで、または間接光だけが当たるような比較的に明るい場所です。
- 暗い日陰とは、森の中にあるような直射日光も間接光もほとんど当たらないような暗い場所です。
土壌の土質
基本的に岩や砂の多い場所を好み、乾燥気味で栄養の少ない痩せた土地でも育つ植物です。そのため、土質は砂壌土になるようにします。
植え付けの前に土壌診断を行い、土質が悪い場合は、改良用土(日向土・軽石・川砂・パーライト)を使って通気性・排水性を改善しましょう。腐葉土等の有機物は、蒸れる原因にもなるため多くは入れずに少なめに入れます。
土壌診断と改善の行い方
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土やバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
- PHを測る専用の道具を用意して診断します。※詳しくはPHを診断からご覧下さい。
- 酸性土壌を改善して土壌を中性またはアルカリ性にしたい場合は、苦土石灰を利用します。PHを1上げるのに必要な苦土石灰の量は1平方メートルあたり150g程度です。土壌に苦土石灰を撒いた後は、石灰が塊にならないようによく混和します。
- アルカリ性土壌を改善して酸性に傾けたい場合は無調整ピートモス(PH4程度)を利用しましょう。ピートモスを腐葉土のかわり等に利用して、よく混和しましょう。
鉢土づくり
日当り
ユーフォルビア・マティーニは光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。
そのため基本的には日向で育てる方が良いでしょう。また半日影までで育てる事も出来ます。
培養土
培養土を購入する場合は通気性・排水性の高い多肉・サボテン・山野草の培養土などがおすすめになります。
培養土を自作する場合
- 岩や砂の多い場所に自生している事からも分かる通り乾燥に強い植物です。逆に多湿を苦手にしています。そのため、通気性・ 排水性が優れている培養土をつくります。
- 栄養の少ない痩せた土地に自生している事からも分かる通り、肥沃さはあまり求められません。少量の堆肥は生育を促進する働きがありますが、堆肥が多いと夏場に蒸れて根腐れする原因にもなるため注意が必要です。
- 用土は極端に粒子が大きい(粗い)と根の定着が悪くなり、生育にも悪影響を与えるため粒子が大きすぎる用土は避けましょう。
- 水やりの頻度を考えて、保水性のよい用土を増やしたり、通気性・排水性の良い用土を増やし配合する。
培養土の配合例
- 川砂+赤玉土(小粒)+腐葉土+くん炭=3:4:2:1
- 日向土(細粒・小粒)+赤玉土(小粒)+ピートモス(調整済)+竹炭=4:3:2:1
- 赤玉土(小粒)+桐生砂(細粒・小粒)+パーライト+腐葉土+木炭=3:2:2:2:1
培養土は基本用土を単体で使うか、または基本用土をベースにしながら改良用土を組み合わせて作ります。
植物の育ってきた環境、水やりの頻度、用土の費用などを考えて培養土を作ると良いでしょう。
基本用土
- 赤玉土:赤玉土とは関東ローム層の中層にある赤土を乾燥させて、粒の大きさごとに分けた用土です。
- 赤玉土の特徴は、通気性・排水性・保水性のバランスが抜群によく、鹿沼土と比べるとより保水性・保肥力にすぐれている所にあります。ただし、赤玉土は鹿沼土よりも粒が崩れて劣化しやすく、微塵が出ることで通気性・排水性が悪化しやすい傾向にあります。そのため長く使い続けるのには向きません。
- 赤玉土は通気性・排水性・保水性に優れている事から、万能な園芸用土として多くの植物に利用されています。
- 硬質赤玉土:硬質赤玉土は赤玉土を高温で焼いて硬質化したものです。
- 硬質赤玉土は赤玉土と比べて、粒が硬いため砕けて劣化しにくく、通気性・排水性が高くなっています。一方で保水性が悪くなっているため、一般的な草花で使うと土壌が乾きやすくなり水やりの頻度が増えやすいです。そのため、多肉植物・サボテン・山野草などに使われることが多い用土になります。
- 鹿沼土:鹿沼土は栃木県鹿沼地方で産出される、風化した軽石の総称です。
- 鹿沼土の特徴は、軽石と同様に通気性や排水性に優れている所、軽石と比べると保水性に優れている所、赤玉土と比較すると鹿沼土の方が形状が崩れにくい所、酸性度が強めな所などにあります。※ただし赤玉土よりも強度は強めですが、軽石と比べると脆いです。
- 鹿沼土はどの植物にも利用出来ますが、酸性度が強めなため、アルカリ土壌を好む植物を育てる場合は避けた方がよいでしょう。どうしても使う場合はアルカリ性の改良用土を配合します。一般的に酸性度が強めな事から、酸性土壌を好むツツジやサツキ等の植物によく利用されています。
- 硬質鹿沼土:硬質鹿沼土は従来の鹿沼土から硬質なものを選別した用土です。その名前が示すとおり、鹿沼土よりも硬く丈夫で劣化しにくい用土です。
- 日向土(ボラ土):日向土は別名でボラ土とも呼ばれる、宮崎県南部で産出される軽石です。
- 日向土の特徴は、通気性と排水性に非常に優れていいる所、多孔質なため保水性も適度に確保出来る所、鹿沼土と比較すると頑丈で形状が崩れにくく、PHが殆ど中性なため扱いやすい所などにあります。※鹿沼土と比べると保水性は高くありません。
- 日向土はどの植物にも使えますが、一般的な植物を育てる場合は日向土(細粒)を使ったり、腐葉土や改良用土を配合して保水性を高めた方がよいでしょう。形質が硬く繰り返し利用できるため重宝します。また一般的に通気性・排水性が高い事から軽石と同様に多肉・サボテン・山野草などの用土などにもよく利用されます。
- 桐生砂:桐生砂とは群馬県桐生市近辺で産出されるやや風化の進んだ赤褐色の火山礫です。
- 桐生砂の特徴は、通気性と排水性に非常に優れている所、また多孔質なため保水性も適度にある所、鹿沼土と比べると頑丈で形状が崩れにくく保水性はやや劣る所、PHはやや酸性に傾いた中性なため扱いやすい所等にあります。
- 桐生砂は通気性・排水性が高い事から、一般的に多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などによく利用されます。
- 軽石:軽石は溶岩が急冷されガスが吹き出す事で、多孔質で脆く軽くなった火山礫です。
- 軽石の特徴は、通気性と排水性が非常に優れていてまた多孔質なため保水性も適度にある所、鹿沼土と比べると頑丈で形状が崩れにくいため繰り返し利用出来る所、鹿沼土と比べると保水性がやや劣る所などにあります。
- 軽石は通気性・排水性が高い事から、一般的に多肉植物・サボテン・東洋ラン・盆栽・山野草などによく利用されます。
- 川砂:川砂は岩石(花崗岩・石英・長石等)が風化して生じる灰白色をした砂で、採られる場所により富士川砂・矢作砂などと呼ばれたりもしています。
- 川砂の特徴は通気性・排水性が優れている所、保水性と保肥力が殆どない所、比重が大きく安定感がある所などにあります。
- そのため、この用土がよく利用される植物は多肉・サボテン・山野草・盆栽等になります。
改良用土
- 腐葉土:腐葉土は広葉樹の落ち葉を腐熟させた改良用土です。
- 腐葉土を選ぶ基準:腐葉土は完熟していて湿り気のあるものを選びましょう。完熟してる物は見た目が黒っぽくなり、葉の断片が小さくなっています。逆に油脂成分の多い針葉樹の葉が入っていたり、未熟な茶色の葉が混じっていたり、断片が大きく乾燥していたりする腐葉土は、植物の根を傷める原因にもなるため避けた方が良いでしょう。
- 腐葉土の特徴:土壌の膨軟性を高めるため土がふわふわになる所、土壌の通気性・保水性・保肥力を高める働きがある所、PHが中性のため扱いやすい所、腐葉土はピートモスと比べて微生物を活性化する働きがあるため土を肥沃にする所などにあります。
- 腐葉土は用土の通気性・排水性・保水性を改良して肥沃さを増す、万能な園芸用土として多くの植物に利用されています。
- ピートモス:ピートモス は水苔類やヨシ・スゲ等の植物が堆積して腐植し泥炭化した用土です。
- ピートモスは腐葉土の代わりとして用いられることも多いですが、基本的に養分を殆ど含くまないため、腐葉土の様に微生物を活性化する力は弱く、無菌で清潔感があり腐敗しにくいです。そのため、挿し木や種まき用の土として使われたり、また屋内の観葉植物の用土として使われたりします。ただし無調整のピートモスは酸性度が強いため、アルカリ性の用土と組み合わせたり、酸性を好む植物に使ったりすると良いでしょう。
- べラボン:べラボンはヤシの実を特殊加工して作られた園芸資材です。
- べラボンの特徴は、非常に軽く空気を多く含んでいる所、水を含んだ時の膨張と乾燥した時の収縮比率が高いため用土などに混ぜ込むと通気性が改善して根張りがよくなる所、保水性もあるため水もちがよくなる所等にあります。
- べラボンは樹木に着生する植物などによく利用されますが、土の変わりとして普通の植物にも利用されます。比重が小さく軽量のため、ハンギングバスケットの基本用土として使われる事もあります。
- パーライト:パーライトは真珠岩や黒曜石を粉砕して小さくした後に、高温で熱して中に含まれる水分を発泡させ多孔質にした資材です。
- パーライトの特徴は、パーライトの中に真珠岩系と黒曜石系の2タイプがある所、黒曜石系は表面に光沢があり比較的に滑らかで通気性・排水性に非常に優れている所、真珠岩系は表面が粗く多孔質なため保水性も兼ね備えている所、比重が0.1程度と非常に軽いため用土の軽量化が出来る所などにあります。
- パーライトは通気性・排水性・保水性の改善に使われたり、また軽量化が必要なハンギングバスケットの基本用土として使われる事もあります。
- くん炭:くん炭は、もみ殻を炭化させたものです。
- くん炭の特徴は、通気性と透水性が抜群によい所、PH8.0前後の高いアルカリ性を示す所、適度に保水性と保肥力も兼ね備えている所、植物の成長に必要とされるミネラルを含有しているため茎葉が丈夫になる所、菌根菌などの有用微生物を活性化させる所などにあります。またくん炭は木炭と比べると、粒が細かいため扱いやすさがあり、ケイ酸が50%近く含有しているため茎・葉が頑丈になりやすく病害虫に強くなるかもしれません。
- くん炭は、主に根腐れ防止・酸性土壌の改善などに使われる事が多いです。ただしあまり混ぜすぎると土壌がアルカリ性に傾きすぎるため、使う量は培養土の中の10%程度にとどめた方が良いでしょう。
- 木炭(竹炭):木炭(竹炭)は木材または竹材を材料にして低酸素状態で高温に加熱して作られる炭です。
- 木炭(竹炭)の特徴は、通気性と透水性が抜群によい所、PH8.0~10の高いアルカリ性を示す所、適度に保水性と保肥力も兼ね備えている所、植物の成長に必要とされるミネラルを含有しているため茎葉が丈夫になる所、菌根菌などの有用微生物を活性化させる所などにあります。
- 木炭(竹炭)の主な用途としては、根腐れ防止・酸性土壌の改善などに使われる事が多いです。ただしあまり混ぜすぎると土壌がアルカリ性に傾きすぎるため、使う量は培養土の中の10%程度にとどめた方が良いでしょう。
- ゼオライト:ゼオライトは沸石とも呼ばれる鉱物の一種です。
- 特徴は水質浄化・脱臭効果・高い保肥力などにあります。そのため、根腐れ防止や肥料の流失や肥効の継続に効果を発揮します。一方で、入れすぎると肥料が効きにくくなるなどのデメリットもあるため注意が必要です。
植え替え
植物を育てていると、培養土が劣化したり、根詰まりを引き起こす事があります。そのため、成長の早さにも左右されますが数年に一度の頻度で植え替えが必要になります。
根詰まりのサイン
- 成長が悪くなる
- 鉢穴から根が出てきている
- 培養土の乾燥が早い
植え替え方法
- 植え替えに適した時期
- 植え替えの適期は、株の素早い回復が見込める早春が適しています。
- 植え替え手順
- 植え替えの前日にはしっかり水やりをしておきます。
- 根の回り具合に合わせて、そのままの鉢を使用するか、一回り大きな鉢を使います。
- 古い鉢から株を取り出して、根を優しく解すように、風雨で劣化したり、根の侵食で劣化した古い土を軽く落とします。
- 長い根や腐った根がある場合は、必要に応じて軽く剪定して切り詰めます。
- 鉢の中に新しい培養土と株を入れて植え直します。
水やりの仕方
ユーフォルビア・マティーニは耐乾性の高い植物です。そのため、一度根づいてしまえば、水やりがほとんど必要なくなります。しかし水やりの効果で株が大きくなる事もあるため、生育期間中は必要に応じて水やりをしてあげるのもよいでしょう。
注意することは、生育期間以外に頻繁に水遣りをしたり、長期間に渡り過湿状態にしてしまう事です。これらは、病原菌が増えて株が腐敗する原因を作ったり、根の呼吸を邪魔して根腐れを引き起こす原因になったりします。そのため、水やりする季節や頻度には注意が必要となります。
水やりの与え方
- 春・夏・秋:土の表土が乾いたタイミングで水を与えます。乾燥に強い植物ですが、成長期に水を与える事で、株がしっかりと成長します。
- 冬:株は休眠するため、乾燥気味に管理する。水やりの頻度は月に1~2回程度で、土を軽く湿らせる程度に与えます。
水やりのタイミング
- 表土の乾いたタイミング
- 土の表土(表面)の色が、濡れているなら黒っぽく、乾いたら白っぽくなるため、目視で乾いたのを確認する。
- 目視で確認が難しい場合は、表土を触って乾燥を確認する。
- サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
鉢内または表層が乾いたタイミング透明な鉢植えで育てると土の色の変化が分かるため、目視で確認する。鉢植えで育てている場合は、水分量で鉢の重量が変わるため、持ち上げてみて土の乾きを判断する。割り箸・竹串などを用土の中に差してみて、引き上げた時の割り箸・竹串を色と湿り気を見て確認する。- サスティーを鉢土に差して、色の変化を確認してから水やりをする。
※水やりのタイミングに不安がある場合は、サスティーを利用することも出来ます。色の変化を覚えておくだけで簡単に水やりを行うことが可能です。
肥料の与え方
ユーフォルビア・マティーニは、栄養の乏しい土壌でも問題なく育ち、肥料がなくても育てられます。
肥料は、株を大きく成長させたり葉色が良くなるなどの健康な成長を促す効果があります。しかし、肥料を与え過ぎると、株が軟弱に育ち病害虫に弱くなったり、肥焼けする事もあるため、肥料を与える場合は適切な時期に適切な量を与える事が大切です。
肥料の与え方
- 肥料を与える時期
- 緩効性肥料などであれば春に一度だけ与えます。
- 肥料の選び方
- 肥料は多肉植物の専用肥料または成分がバランスよく入る緩効性肥料がおすすめです。
- 肥料の与え方
- 緩効性肥料・化成肥料を与える場合は、規定された分量を与えます。基本的には置き肥のため、株から少し離れた場所に与えるようにしましょう。また、水やりの際に、きちんと肥料が解けるように水を肥料に当ててください。
剪定のやり方
ユーフォルビア・マティーニの剪定は開花後に行います。
基本的に一年目は茎・葉が成長して、二年目の翌年の春から初夏頃に花が咲くため、必ず花が咲いた茎を剪定するようにしましょう。
剪定をする理由
- 古い茎を剪定せずに放置すると、新しく成長する茎・葉に光が当たらずに成長が抑制される事がある。
- 古い茎・葉が原因で風通しが悪くなり多湿環境になり病気や害虫が発生しやすくなる。
- 枯れたり古くなった茎・葉は外観も悪くする。
剪定のやり方
- 剪定の時期
- 開花後の春から初夏に行います。
- 剪定方法
- 株を観察して、開花後の茎と新しく成長し始めている若い茎を探します。
- 開花後の茎を、茎の根元または芽のある部分の上で、強く切り戻し剪定しましょう。
- 花が咲いていない若々しい茎・葉は剪定せずに残します。
※剪定する時に注意することは、茎を切断した時に出る樹液に触れないようにする事です。樹液が肌につくと炎症を起こしたり、目に入ると失明に繋がるリスクがあります。そのため、出来れば手袋・長袖・保護メガネを着用して作業した方が良いでしょう。
夏越しする方法
ユーフォルビア・マティーニの基本的に夏の暑さと乾燥に強いです。
しかし、多湿を苦手にしており、特に高温と多湿が複合する高温多湿を苦手にしています。そのため、適切な夏越し対策が必要です。
夏越しで重要なポイント
- 直射日光がよく当たる場所
- 日向から半日影で管理しましょう。
- 長雨に当たることが少ない場所
- 鉢植えの場合は長雨に当たらない場所に移動すると良いでしょう。
- 地植えの場合は雨の当たりにく場所で育てると良いでしょう。
- 土壌の排水性がよい場所
- 植付けの際に土壌改良をしっかり行い排水性を高めましょう。
- 土壌改良を行っても、周りから水が集まる場所だと意味がありません。苗をレイズベットやロックガーデン等の周りより高い場所に植えたり、傾斜地に植えると、水が下に流れやすくなり、排水性が高まります。
- 空気の流れがあり風通しがいい場所
- 周りが壁に囲まれていたり、草が繁茂してる場所で管理すると空気が停滞して湿気が溜まりやすくなります。改善しましょう。
冬越しする方法
Hardiness:7~10
ユーフォルビア・マティーニは耐寒性が高いため、平地や暖地であれば基本的に冬越しの準備をする必要はありません。
冬越し対策
- 地植えしている場合
- 寒さが厳しい地域で育てている場合は、支柱を立ててビニールを張りトンネルを作ったり、ミニ温室を作って上げるのもひとつの対策になります。
- 鉢植えで管理している場合
- 寒さの厳しい地域であれば、日当たりの良い屋内や、温室に移動して管理しましょう。
挿し木や株分けで増やす
ユーフォルビア・マティーニは挿し木によって増やす事ができます。
挿し木の方法
- 挿し木時期
- 晩春から初夏頃
- 培養土を準備します
- 挿し穂用の培養土は無菌のものを利用して、切り口に雑菌がついて腐敗しないようにしましょう。一般的には赤玉土・日向土・ピートモスなどが利用されていますが、専用の培養土もあるため近くのホームセンターで探すのも良いでしょう。
- 挿し穂を採取する
- 挿し穂は今年に新しく成長を始めた当年枝を利用します。花が咲いた茎は利用しません。
- 挿し穂を整形する
- 挿し穂の長さを7~10cm程度にわけて、挿し穂の上部の2~4枚の葉を残して、下部の葉を取り除きます。
- 培養土に挿し穂を挿す
- 挿し穂を挿す場所を決めて、培養土の中に、事前に穴を空けておきます。※培養土はほんのりと湿らせておきます。
- 挿し穂の切り口を下向きにして、培養土の中に挿し穂を入れましょう。
- 管理
- 明るい日陰で管理しながら、培養土を完全に乾かさないように定期的に水やりを行います。
播種で増やす
ユーフォルビア・マティーニの種蒔の方法
- 播種時期:3月~4月・9~10月
- 発芽適温:約20~25度
- 発芽日数:15日~
- 発芽条件:硬実種子・低温要求性種子
硬実種子
硬実種子とは、種皮が硬かったり、種皮に厚みがあり、種の中に上手く水分を吸収出来ない種子です。
硬実種子は、物理的な休眠状態にあり、そのまま種を撒いても発芽が安定しません。そのため、自家採種された種は、一晩水につけたり、種皮をサンドペーパー等で傷つけてから種まきがされるのが一般的です。
低温要求性種子
低温要求性種子は、一般的に胚に成長を阻害している化学物質があり、低温により分解されて発芽準備が整う種子です。
そのため、屋外に種を撒いて冬の寒さを経験させて自然な発芽を待つか、冷蔵庫等で人工的に寒さを経験させる低温湿層処理を行い種を撒くか、ジベレリンによる発芽促進処理が行い種を撒くかされます。
低温湿層処理を行う場合
- 袋・バーミキュライト・完熟した種を準備する。
- バーミキュライトを水で軽く湿らせてから、袋の中に入れる。
- 袋の中のバーミキュライトの中に種を入れる。
- 袋の中の湿潤を保った状態で冷蔵庫(約0~10度)の中に入れて6週間以上保管します。
- 種を撒くのによい時期(発芽適温)になったら冷蔵庫から種を取り出して種を撒きます。
植物の病気
ユーフォルビア・マティーニの病気
- うどんこ病
- さび病
- 根腐れ病
ユーフォルビア・マティーニの害虫
- カイガラムシ