原産:日本 科:マツブサ(Schisandraceae) 属:シキミ(illicium) 種:シキミ(anisatum) 別名:仏前草/シキビ/ハナシバ/ハナバナ/ジャパニーズ・スターアニス(Japanese star anise) 開花時期:3月~5月 花の色:白色〇 葉色:緑色● 香る部位:樹皮・葉・果実 分類:常緑小高木 樹高:約200~1000cm 誕生花: 花言葉:「猛毒」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
シキミは学名illicium anisatum、別名「シキビ」や「ジャパニーズ・スターアニス(Japanese star anise)」等とも呼ばれる常緑小高木です。シキミは日本が原産で、本州(宮城・石川県以西)・四国・九州・沖縄に分布して山地の林内等に自生しています。
シキミの語源(由来)
- 属名のイリシウム(illicium)はラテン語の「誘惑」を意味しており、魅力的な芳香に由来しています。
- 種小名アニサツム(anisatum)は「アニスの香り」を意味します。
- 和名のシキミの由来は諸説あり、実に毒をもつ「悪しき実」から「あ」が抜けて「シキミ」になったという説や、四季を通して美しい姿から「四季美」と呼ばれる説、実の形から「敷き実」と呼ばれる説等があります。
シキミの特徴(魅力)
- シキミの葉や樹皮には甘く快い香りがあります
- ↳葉や樹皮を乾燥させ粉末にしたものは「抹香」と呼ばれるお香の1つです
- ↳シキミが有毒で、また独特な香りがあるため邪気を払う力があると考えられています
- シキミは根や茎、葉や花、果実に至るまで有毒です
- ↳特に果実や種には毒性が強く食用にすると死亡する事もあります
- ↳果実は毒物及び劇物取締法により劇物に指定されています
- シキミは剪定後も劣化しにくいため切り花として魅力的です
- ↳主に仏花として利用されています
シキミは暗褐色の樹皮をもち高さ約200~1000cmの間で成長する常緑小高木です。葉は長さ約4(10)cm × 幅約2(4)cmの長楕円形で、葉色は表面が濃い緑色に光沢があり葉裏は灰緑色をしています。花は葉腋から腋生して直径約2.5~3cmの花被片が10~24個ある花を咲かせます。また花後には8個の袋果が星のように並び、スターアニスを連想させる果実をつけます。
開花時期は3月~5月、花色は白色もしくは薄黄色、個々の花は直径2.5~3cmで花被片が10~24個あり、花序は腋生に葉腋から1個の花をさかせます。樹形は直立で高さ約200~1000cmの間で成長します。葉色は緑色、葉身は長楕円形、葉序は互生葉序につきます。
シキミの香りの印象と精油成分
シキミは樹皮や葉に「抹香」「甘い」「ウッディ(木の香り)」に例えられる香りがあります。シキミの香りの由来となる精油には「シネオール」「リナロール」「メチルオイゲノール」「サフロール」等があり、シキミの甘い香りをつくる元となってます。
- シネオールは「ユーカリ」「樟脳」「薬」「ミント」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした味があります。一般に植物ではユーカリやローズマリー、月桂樹等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。シネオールの精油の効果には、香りが集中力を高め記憶力を上げる効果があります。また落ち込んだ時には気分を高揚させる働きがあるため、アロマテラピー等にもよく利用されます。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
- メチルオイゲノールは「クローブ」「シナモン」「甘い&辛い」等に例えられる香りがあり、一般に植物ではシキミ等に含まれています。
- サフロールは「アニス」「ウッディ(木の香り)」「フローラル」「甘い&辛い」等に例えられるスパイシーな香りがあり、一般に植物ではシキミ等に含まれています。
シキミの栽培
園芸では、シキミの枝葉を花材(切り花)や仏花として利用する目的で庭木として育てられたり、また人の侵入や暴風を遮り道路等からの騒音をやわらげる目的で生垣として植え込みに植えられたり、植木鉢の中でコンパクトに管理して育てられたりします。
シキミを育てる際は、基本的に強い日差しや乾燥を苦手にしているため植え場所や土壌の保水性等に気を使う必要があるでしょう。また比較的に寒さには耐えますが、強い霜の降りる地域では屋外での越冬は難しいかもしれません。そのため寒冷地では管理のしやすい鉢植え等で育てた方がいいでしょう。増やし方は挿し木や播種によって行えます。
シキミの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。