原産: 科:シソ(Lamiaceae) 属:タイム(thymus) 種:レモンタイム/シトリオドラス(citriodorus) 英名:レモンタイム(lemon thyme) 別名:タイム・シトリオドラス/シトラス・タイム(citrus thyme) 品種:ゴールデン・レモンタイム(Thymus citriodorus ‘Aureus’) 開花時期:5月~8月 花の色:紫色● 葉色:緑色●黄色● 分類:常緑多年草/常緑亜低木 草姿:這性/直立 草丈:約10~30cm 誕生日:6月2日 花言葉:「勇気」「活発」「活動力」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ゴールデン・レモンタイムは、葉の縁部分に黄色の覆輪が入る事でお庭の雰囲気を明るくするカラーラーフとしても楽しめて、また一般的なレモンタイムと同様にレモンを連想させる香りのよい葉をもった魅力的な園芸品種です。
開花時期は晩春から夏、花色は紫色、個々の花は唇形で上唇が浅く2裂して下唇が深く3裂します、花序は小花が節を囲うように数個から十数個集まり輪散花序に花を咲かせます。草姿は下部で這うように枝が広がり分枝して直立する枝を高さ約15(40) × 幅は約30(45)cmまで伸ばします。葉色は緑色で縁部分に黄色の覆輪が入り、葉身は卵形もしくは線形をしており、葉序は対生葉序につきます。
レモンタイムは学名Thymus citriodorus、別名では「シトラス・タイム(citrus thyme)」「タイム・シトリオドラス」等とも呼ばれる常緑多年草もしくは常緑亜低木です。レモンタイムは起源が不明で、種間交雑で生まれた雑種とみられる説がある一方で、最近のDNA分析では雑種ではなく別個の種である事も示唆されています。
レモンタイムの語源(由来)
- 属名のthymusの由来は諸説あり、ギリシャ語で「勇気/気概」を意味する「Thymos」から来ているという説、ギリシャ語で「防腐」を意味する「Thymon」から来ているという説、ギリシャ語で「香らせる」を意味する「thyein」から来ているという説、ギリシャ語で「香りを焚く」を意味する「thuo」からきているという説等があります。
- 種小名のシトリオドラス(citriodorus)はラテン語で「レモンの様な香り」を意味しており葉の香りに由来しています。
- 英名のレモンタイム(lemon thyme)の由来はレモンの様な香りがする葉からきています。
レモンタイムの特徴(魅力)
- 葉は「レモン」や「柑橘類」を連想させる爽やかな香りがあり
- ↳料理の「香り付け」や「防腐(保存)処理」を目的として利用されます
- タイムには「抗菌・抗真菌作用」や「抗酸化作用」等の様々な薬効があります
- ↳例えば抗菌・抗真菌作用では口腔内の健康を保ったり料理の中に食中毒の原因となる菌や真菌が増えるのを防ぎます
- 開花期になるとタイムの香りを嗅ぎつけ沢山の蜜蜂が蜜を集めにきます
- レモンタイムは被覆植物として飛び石の間等に利用される事もあります
レモンタイムの茎は白色の毛が生えており、樹形は直立もしくは基部で這い途中で直立して高さが15~30cmまで成長します。葉は香り高く、形は肉厚で線形もしくは楕円形をしています。花は腋生で節を囲うように多数の小花を出して輪生花序をつくり、個々の小花はシソ科に多い唇形で上唇が浅く2裂、下唇が深く3裂しています。
レモンタイムの香りの印象と精油成分
レモンタイムは葉に「レモン」を連想させる爽やかで甘い香りがあり、快い苦味とフルーティーな風味(フレーバー)をもっています。レモンタイムの香りの由来となる精油には「ゲラニオール」を中心に「ネロール」や「3-オクタノン」等が含まれており、これらの精油には「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗炎症作用」「抗がん効果」等の効能があります。
- ゲラニオールは「フローラル」「柑橘系」「甘い」「ローズ」等に例えられるマイルドな香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティーです。一般に植物ではゼラニウムやクチナシ等に含まれており、精油は食品の香料やアロマオイル等に利用されています。ゲラニオールの精油の効果には、まだ研究段階で科学的根拠が不十分なものもありますが「抗菌・抗真菌作用」「抗酸化作用」「抗炎症作用」「抗がん効果」等があります。
- ネロールの香りは「レモン」「ライム」「バラ」「フルーティ」「柑橘系」等に例えられる甘い香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティーで苦味を感じさせます。一般に植物ではレモングラスやカレープラント等に含まれており、精油は香水等に利用されています。
- 3-オクタノンの香りは「ラベンダー」「熟したバナナ」「カビ(キノコ)」等に例えられる甘くフルーティーな香りがあり、キノコやチーズを連想させる風味(フレーバー)があります。一般に植物ではケイガイやポルチーニ(茸)等に含まれており、精油は食品の香料等に利用されています。
レモンタイムの利用方法(食べ方)
レモンタイムは葉や枝を、料理の「香り付け」や「防腐」の目的等で利用します。料理では一般的に新鮮な葉が使われるのが主流ですが、乾燥タイプの葉も使えます。例えば、みじん切りにしたレモンタイムの新鮮な葉を魚に擦りつけて香り付けしたり、ドレッシングの素材として醤油やオリーブオイル等と一緒にみじん切りにしたレモンタイムの新鮮な葉を入れたり、パウンドケーキの生地にレモンタイムの新鮮な葉をみじん切りにして入れてレモンの香りがするケーキを作ったりと様々に利用できます。
レモンタイムをハーブティーとして楽しむ場合は、新鮮な枝葉もしくは乾燥させた葉の粉末を利用します。新鮮な枝葉を利用する場合はタイムの枝2~3個と一杯分のお湯(180~200ml)をポットに入れて5~8分間蒸らします。蒸らす間はポットの蓋をきちんと閉めておかないと香り(揮発性分)が抜けて美味しくなくなるので注意して下さい。蒸らし終わったらポットのハーブティーを茶こしでこしながらカップに注ぎましょう。その際、ハーブティーにお好みで蜂蜜やレモン等を加えるのもいいでしょう。乾燥させた葉を利用する場合は葉を粉末にして、お湯の中に小さじ一杯の葉を入れましょう。スプーンで掻き回しタイムの精油と風味を出してそのまま飲みます。また、粉末にしたタイムの舌触りが気になる場合は茶こしでこして飲むことも出来ます。
レモンタイムの栽培
園芸では、茎葉を料理として利用する目的でハーブガーデンで育てられたり、地面を被覆するグランドカバーとして利用する目的で育てられたり、紫色や桃色等の美しい花を鑑賞する目的で育てられます。
育てる際は、1番に多湿に気をつけないといけません。長雨による浸水やジメジメした夏の高温多湿等が、根腐れや生育不良を引き起こし枯れる原因になります。そのため、土壌の排水性を高めて地面が過湿しないように対策をたてたり、また鉢植えで育てて雨が続く時期は軒下などで管理したりすると良いでしょう。増やし方は挿し木や株分け、播種によって増やす事が出来ます。