モクセイは属の中に約34種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、秋になると一斉に橙色の花を咲かせ近くを通るだけでもフルーティーな芳香が漂ってくるキンモクセイ、鋭い棘をもつ葉が邪気を払い魔除にもなるとして縁起木として生垣や庭木に利用されるヒイラギ、ヒイラギとキンモクセイの雑種で香りよい大きな花と鋭い棘をもつ葉が魅力的なヒイラギモクセイ等が親しまれています。
モクセイ属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
モクセイの主な種の目次 | |
![]() 開花時期:9月~10月 | ![]() 開花時期:10月~12月 |
![]() 開花時期:10月~12月 | ![]() 開花時期:9月~10月 |
原産:中国
学名:Osmanthus fragrans lour. var. fragrans
草丈:約300~1800cm
分類:常緑高木
開花時期:9月~10月
花色:橙色●
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:普通
誕生花:10月6日/10月7日/11月2日
花言葉:「謙虚」「高潔」「初恋」「気高い人」
特徴:キンモクセイ(金木犀)は学名Osmanthus fragrans lour. var. fragrans、ギンモクセイの変種と考えられており中国原産の常緑高木です。
ギンモクセイ(桂花)の語源(由来)
- 属名のOsmanthusは古代ギリシャ語で「香り」を意味する「ὀσμή(osmḗ)」と「花」を意味する「ἄνθοσ(ánthos)」の2語からきており、花の香りに由来しています。
- 種小名のfragransはラテン語で「匂い/香り」を意味しており花の香りに由来しています。
- 和名のキンモクセイ(金木犀)の由来は、橙色の花を「金」に見たて「木本」で、樹皮がサイ(犀)の足に似ている所からきています。
キンモクセイ(金木犀)の特徴(魅力)
- キンモクセイの花は濃い橙色をしています
- 開花期に近くを通るだけでも非常に強い芳香が漂います
- ↳ギンモクセイと比べて香りが強いと言われています
- ↳香りはフルーティーで蜂蜜や杏子を連想させます
- ↳トイレの芳香剤によく利用されていたためトイレの臭いに感じる人もいます
- キンモクセイの花は茶葉と混ぜて桂花茶として飲まれたり
- ↳砂糖漬けで食べられたりします
- キンモクセイは雌雄異株です
- ↳日本で見られるのは花付きのよい雄株のみです
- ↳雌株は花後に紫色(~黒色)の果実を付けますが日本には雌株がないため中国まで見に行く必要があります
キンモクセイ(金木犀)の茎は木質で樹皮の色は褐色から灰褐色をしており、一般的には高さ約300~600cm(環境の良い場所では1800cmに達する事がある)の間で成長します。葉は濃い緑色で革のような厚みがあり楕円形で縁部分に僅かに鋸葉があり緩やかに波打ちます。開花時期は9月~10月で1度花が散った後に再度花が咲く事もあります。花は雌雄異株のため雄株には雄花(雄蕊2個)が雌株には雌花(雌蕊1個)が咲き、個々の花は橙色で裂片が4個で雄蕊が2個(雄株)あり大きさは直径約4~5mm、葉腋に小花が多数集まり集散花序に花を咲かせます。
キンモクセイ(金木犀)の香りの印象と精油成分
キンモクセイ(金木犀)は花に、「蜂蜜」「杏子」「ベリー」を想像させる様なフルーティーで甘い香りがあり、花の香りを特徴づける精油には「β-イオノン」「リナロール」「ネロール」「γ-デカラクトン」等が含まれています。
- β-イオノンは「スミレ」「ラズベリー」「ウッディ(木の香り)」等に例えられる甘くフルーティーな香りがあり、甘くフルーティーな風味(フレーバー)があります。一般に植物ではラズベリーやバラ等に含まれており、精油は食品や香水等に利用されています。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
- ネロールの香りは「レモン」「ライム」「バラ」「フルーティ」「柑橘系」等に例えられる甘い香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティーで苦味を感じさせます。一般に植物ではレモングラスやカレープラント等に含まれており、精油は香水等に利用されています。
- γ-デカラクトンの香りは「桃」「ココナッツ」「バター」等に例えられる甘くフルーティな香りがあり、風味(フレーバー)はクリーミーで桃のような味を感じさせます。一般に植物ではモクセイ等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。
キンモクセイ(金木犀)の栽培
園芸では、葉が密につき常緑のため生垣として利用されたり、また花の香りを楽しむ目的で育てられたりします。育てる際に注意する事は「冬の寒さ」と「剪定」の2つです。キンモクセイ(金木犀)は軽い霜であれば耐えられますが、強い霜に当たると枯れる可能性のがあるため寒冷地等では鉢植えを屋内や温室に入れたり、不織布で株を囲う等の対策が必要かもしれません。また剪定しないと高さ18m近くまで成長する事もあるため、大きさを制御したい場合等は定期的な剪定が必要になってくるでしょう。
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原産:日本/台湾
学名:Osmanthus heterophyllus
草丈:約400~800cm
分類:常緑高木
開花時期:10月~12月
花色:白色〇
葉色:緑色●黄色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
誕生花:11月8日/12月7日
花言葉:「保護」「歓迎」「先見の明」「用心深さ」
特徴:ヒイラギ(柊)は学名Osmanthus heterophyllus、別名「オニノメツキ(鬼の目突き)」や「ヒヒラギ」等とも呼ばれる日本および台湾原産の常緑高木です。
ヒイラギ(柊)の語源(由来)
- 属名のOsmanthusは古代ギリシャ語で「香り」を意味する「ὀσμή(osmḗ)」と「花」を意味する「ἄνθοσ(ánthos)」の2語からきており、花の香りに由来しています。
- 種小名のheterophyllusは古代ギリシャ語で「異なる」を意味する「ἕτερος(héteros)」と「葉」を意味する「φύλλον(phúllon)」からきており、葉の縁部分にある鋭い棘が老木ではなくなる事に由来するともいわれます。
- 和名のヒイラギ(柊)の由来は、「ヒリヒリ痛む」事を意味している日本語の古語動詞「疼く(ひひらく)・疼ぐ(ひいらぐ)」からきており、葉の棘に触るとヒリヒリ痛む事に由来しています。
ヒイラギ(柊)の特徴(魅力)
- ヒイラギの葉は常緑で縁部分に鋭い棘があります
- その性質から邪気を払い永遠をもたらすと信じられて「魔除の木」や「縁起木」として扱い庭木や生垣等によく植えられています
- ↳またヒイラギの葉の棘が鬼の目をついた昔話から「オニノメツキ(鬼の目突き)」とも呼ばれています。
- ヒイラギは晩秋から初冬にかけて花を咲かせ実が熟すのは翌年の初夏頃です
- ↳クリスマスリース等に利用される実のついたヒイラギはセイヨウヒイラギになります
- ヒイラギの花は白色で枝の頂部付近に控えめに咲きます
- ↳香りは薄くキンモクセイに似たフルーティーな香りです
- ヒイラギは雌雄異株のため花後に果実が出来るのは雌株のみ
ヒイラギ(柊)の茎は木質で樹皮の色は褐色から灰褐色をしており、一般的には高さ約400~800cmの間で成長します。葉は濃い緑色で革のような厚みと光沢があり、形は長さ3(~7)cm × 幅約2(~4)cmの楕円形で縁部分に歯牙(老木になると歯牙はなくなり全円となる)と鋭い棘があります。開花時期は10月~12月、花は雌雄異株のため雄花(雄蕊2個)もしくは雌花(雌蕊1個)がつき、個々の小花は香りがよく白色で裂片が4個と雄花2個もしくは雌花がつき、花序は葉腋から何個かの小花が束生します。
ヒイラギ(柊)の栽培
園芸では、常緑の葉が永遠を意味して、また葉の棘が邪気を払う意味をもつ事から縁起のよい植物として生垣や庭木として親しまれており、また幾つかの品種では葉に班が入るためカラーリーフとして楽しめます。
ヒイラギ(柊)を育てる際に注意する事は殆どなく、環境が合えば放ったらかしでも育ちます。ただし剪定を行わないと、植えている場所によっては枝葉が奔放に伸びて通行人の邪魔になることがあります。大きさを制御したい場合は定期的な剪定が必要になってくるでしょう。
![]() ヒイラギ(柊) | ![]() ヒイラギ(ゴシキ)は一般的な種(4~8m)と比べて高さが1.5m程度と背の低い樹形をしており、また緑色・黄色(クリーム色)・桃色の3色の葉色が魅力的な雰囲気をつくる園芸品種です。桃色とクリーム色(薄黄色)の柔らかな葉色は、果物のクリームやピーチ等を連想させるため甘くロマンチックなお庭等によく合うでしょう。 (´・ω・)p楽天で購入q |
学名:Osmanthus × fortunei
草丈:約400~700cm
分類:常緑高木
開花時期:10月~12月
花色:白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:強い
特徴:ヒイラギモクセイは学名Osmanthus × fortunei、モクセイ(O. fragrans)とヒイラギ(O. heterophyllus)の雑種の常緑高木です。
ヒイラギモクセイの語源(由来)
- 属名のOsmanthusは古代ギリシャ語で「香り」を意味する「ὀσμή(osmḗ)」と「花」を意味する「ἄνθοσ(ánthos)」の2語からきており、花の香りに由来しています。
- 和名ヒイラギモクセイの由来は、ヒイラギとモクセイの雑種である所からきています。
ヒイラギモクセイの特徴(魅力)
- ヒイラギモクセイは花の直径が約0.8~1.0cmあり
- ↳花の直径が約0.5cmのヒイラギやモクセイと比べて大きいです
- ヒイラギモクセイの花は刺激的でフルーティな香りがあります
- 葉はヒイラギと同様に縁部分に鋭い棘があります
- ヒイラギモクセイもヒイラギと同様に庭木や生垣等によく植えられいます
- ヒイラギモクセイは雌雄異株です
- ↳しかし雄株のみが知られており雌株がないため結実しません
ヒイラギモクセイの茎は木質で樹皮の色は灰褐色をしており、一般的には高さ約400~700cmの間で成長します。葉は濃い緑色で革のような厚みと光沢があり、形は長さ4(~9)cm楕円形で縁部分に歯牙と鋭い棘があります。開花時期は10月~12月、花は雌雄異株ですが雄株しか知られておらず、個々の小花は白色で裂片が4個あり雄蕊が2個つき、花序は葉腋から何個かの小花が束生します。
ヒイラギモクセイの栽培
ヒイラギモクセイを育てる際に注意する事は殆どなく、環境が合えば放ったらかしでも育ちます。ただし剪定を行わないと、植えている場所によっては枝葉が奔放に伸びて通行人の邪魔になることがあります。大きさを制御したい場合は定期的な剪定が必要になってくるでしょう。
原産:中国
学名:Osmanthus fragrans lour. var. fragrans
草丈:約300~900cm
分類:常緑高木
開花時期:9月~10月
花色:白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:普通
誕生花:10月25日
花言葉:「初恋」「高潔」
特徴:ギンモクセイ(桂花)は学名Osmanthus fragrans lour. var. fragrans、中国原産の常緑高木です。
ギンモクセイ(桂花)の語源(由来)
- 属名のOsmanthusは古代ギリシャ語で「香り」を意味する「ὀσμή(osmḗ)」と「花」を意味する「ἄνθοσ(ánthos)」の2語からきており、花の香りに由来しています。
- 種小名のfragransはラテン語で「匂い/香り」を意味しており花の香りに由来しています。
ギンモクセイ(桂花)の特徴(魅力)
- ギンモクセイの花は白色から薄黄色です
- 開花期に近くを通るだけでも強い芳香が漂いますが
- ↳キンモクセイと比べると香りがやや弱いと言われます
- ↳香りはフルーティーで蜂蜜や杏子を連想させます
- ギンモクセイは雌雄異株です
- ↳日本で見られるのは花付きのよい雄株のみで雌株はないと言われています
- ↳雌株は花後に直径約1.5cmの黒色の果実をつけます
ギンモクセイ(桂花)の茎は木質で樹皮の色は褐色から灰褐色をしており、一般的には高さ約300~600cm(自生地では900cmに達する事がある)の間で成長します。葉は濃い緑色で革のような厚みがあり楕円形、枝に対して対生葉序に配置されます。花の開花時期は9月~10月、雌雄異株のため雄株には雄花が雌株には雌花が咲き、個々の花は白色(~薄黄色)で裂片が4個で雄蕊が2個(雄株)あり大きさは直径約4mm、葉腋に小花が多数集まり集散花序に花を咲かせます。
ギンモクセイ(桂花)の香りの印象と精油成分
ギンモクセイ(桂花)は花に、「蜂蜜」「杏子」「ベリー」を想像させる様なフルーティーで甘い香りがあり、花の香りを特徴づける精油には「β-イオノン」「リナロール」「ネロール」「γ-デカラクトン」等が含まれています。
- β-イオノンは「スミレ」「ラズベリー」「ウッディ(木の香り)」等に例えられる甘くフルーティーな香りがあり、甘くフルーティーな風味(フレーバー)があります。一般に植物ではラズベリーやバラ等に含まれており、精油は食品や香水等に利用されています。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
- ネロールの香りは「レモン」「ライム」「バラ」「フルーティ」「柑橘系」等に例えられる甘い香りがあり、風味(フレーバー)はフルーティーで苦味を感じさせます。一般に植物ではレモングラスやカレープラント等に含まれており、精油は香水等に利用されています。
- γ-デカラクトンの香りは「桃」「ココナッツ」「バター」等に例えられる甘くフルーティな香りがあり、風味(フレーバー)はクリーミーで桃のような味を感じさせます。一般に植物ではモクセイ等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。
ギンモクセイ(桂花)の栽培
園芸では、葉が密につき常緑のため生垣として利用されたり、また花の香りを楽しむ目的で育てられたりします。育てる際に注意する事は「冬の寒さ」と「剪定」の2つです。ギンモクセイ(桂花)は軽い霜であれば耐えられますが、強い霜に当たると枯れる可能性のがあるため寒冷地等では鉢植えを屋内や温室に入れたり、不織布で株を囲う等の対策が必要かもしれません。また剪定しないと高さ10m近くまで成長する事もあるため、大きさを制御したい場合等は定期的な剪定が必要になってくるでしょう。
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