原産:ヨーロッパ/北アフリカ/中東 科:キク(asteraceae) 属:ヨモギ/アルテミシア(Artemisia) 種:ニガヨモギ(absinthium) 別名:ワームウッド(wormwood)/グランドワームウッド(grand wormwood)/アブシンチウム(absinthium) 開花時期:7月~9月 花の色:黄色● 葉色:緑色●白色〇 分類:多年草 草丈:約30~120cm 誕生花:7月26日 花言葉:「平和」「冗談」「からかい」「愛の離別」 | ||
花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ニガヨモギは学名Artemisia absinthium、別名「ワームウッド(wormwood)」や「アブシンチウム(absinthium)」等とも呼ばれヨーロッパ/北アフリカ/中東を原産とする多年草です。
ニガヨモギの語源(由来)
- 和名「ニガヨモギ」の由来は食べた時の味が苦い事からきています。
- 属名のアルテミシア(Artemisia)はギリシャ神話の月の女神アルテミスを由来にしています。
- 種小名のabsinthiumの由来は古代ギリシャ語の「ἀσπίνθιον」からきています。
ニガヨモギの特徴(魅力)
- ニガヨモギは垂直に高く伸びる茎と灰緑色の葉を鑑賞する目的で育てられます
- 葉は緑色ですが白色の毛状突起が密生するためシルバーリーフの外観をつくります
- ↳また毛状突起には香りの元になる精油が溜まっているため
- ↳葉を潰すとヨモギ特有の良い香りがします
- ニガヨモギは酒やワイン等の風味漬けに利用されており
- ↳また幾つかの薬効もあります
- ↳ただし有毒成分のツジョンを含有しているため多量の摂取は出来ません
ニガヨモギは短い直根とひげ根をもっています。茎は基部が木質化しますが新しく成長した部分は緑色、よく枝分かれして高さ30~120cmの間で成長します。葉は香りがよく、葉色は緑色ですが白色の毛状突起に覆われているため灰緑色の外観をしています。葉の形は羽状複葉で葉先が丸みを帯びており、互生に配置されます。花は小花と花穂が円錐状に並び円錐花序をつくり、個々の花は黄色の筒状花のみで頭花をつくります。
開花時期は夏から秋、花色は黄色、個々の花は筒状花の集まる頭花、花序は円錐花序に花を咲かせます。草姿は直立して高さは約30(120)cm × 幅は約30(90)cmに成長します。葉色は緑色に白色の毛が密生しており、葉身は羽状複葉、葉序は互生葉序につきます。
ニガヨモギの香りの印象と精油成分
ニガヨモギは葉の部分にはヨモギ特有の独特な香りがあり、葉の香りを特徴づける精油には「ミルセン」「サビネン」「シネオール」「ツジョン」等が含まれています。
- ミルセンは「コショウ」「バルサミコ酢」等に例えられる甘酸っぱく爽やかな香りがあり、フルーティでミントを思わせる様な風味(フレーバー)をもっています。植物では月桂樹やホップ等に含まれており、精油は香水等に利用されています。
- サビネンは「木の香り」「柑橘系」「スパイシー」等に例えられる爽やかで優しい香りがあり、風味(フレーバー)はウッディ(木)で辛さを感じさせます。一般に植物ではマジョラム等に含まれており、黒胡椒の絡みに寄与する成分の1つです。
- シネオールは「ユーカリ」「樟脳」「薬」「ミント」等に例えられるスッキリと爽やかな香りがあり、風味(フレーバー)はミントの様なスっとした味があります。一般に植物ではユーカリやローズマリー、月桂樹等に含まれており、精油は食品の香料や化粧品等に利用されています。シネオールの精油の効果には、香りが集中力を高め記憶力を上げる効果があります。また落ち込んだ時には気分を高揚させる働きがあるため、アロマテラピー等にもよく利用されます。
- ツジョンは「メントール」「ウッディ(木の香り)」等に例えられる爽やかな香りがあります。一般に植物ではタンジーやニガヨモギ等に含まれており、精油は有毒です。
- リナロールは「フローラル」「柑橘系(オレンジ)」「ブルーベリー」「ローズ」等に例えられる華やかな香りがあり、風味(フレーバー)は甘くフルーティーです。一般に植物ではイングリッシュラベンダーやスズラン等に豊富に含まれており、精油は化粧品やアロマテラピー等の様々な場面にも使われています。リナロールの香りの効果にはイライラや興奮といった神経系の過活動を抑える働き(鎮静効果)や、不安や緊張を和らげる効果(抗不安効果)があるため、落ち着きたい時や集中したい時などに嗅ぐとよいでしょう。
ニガヨモギの既知の危険性
ニガヨモギは精油に有毒成分のツジョンを含有しています。そのため、人によっては汁を触るだけでも接触性皮膚炎(アレルギー)を引き起こす可能性があります。また多量に摂取すると脳や腎臓、肝臓等にダメージを与え、痙攣を起こし、最悪の場合死亡する事もあります。そのため、ニガヨモギは多量摂取は出来ません。
ニガヨモギの栽培
園芸では、美しいシルバーリーフを鑑賞する目的で育てられる事が多く、他の草花の引き立て役として利用されたりもします。比較的に背が高くなる事から花壇の中央等に植えて高さと立体感を出したり、また鉢植えの中でコンパクトに育てて玄関先に飾ったりして楽しまれたりします。育てる際は夏の高温多湿を苦手にしており、蒸れで枯れ込む事も多いため注意が必要です。一方で寒さには強く管理の心配は殆どありません。増やす方法は挿し木や株分け、種を撒く事で増やせます。