- 原産:トルコ
- 科:キジカクシ(Asparagaceae)
- 亜科:リュウゼツラン(Agavoideae)
- 属:ムスカリ(Muscari)
- 種:ラティフォリウム(latifolium)
- 別名:ブロードリーブ・グレープヒヤシンス(broad-leaved grape hyacinth)
- 開花時期:3月~5月
- 花の色:青色●紫色●白色〇
- 葉の色:緑色●
- 分類:多年草
- 草丈:約15~25cm
- 用途:切り花
目次 | ||
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花壇土 | 鉢土 | 水やり |
肥料 | 剪定 | 夏越し |
冬越し | 増やし方 | 病気 |
ムスカリ(ラティフォリウム)とは!?
ムスカリ(ラティフォリウム)は学名Muscari latifolium、別名「ブロードリーブ・グレープヒヤシンス(broad-leaved grape hyacinth)」等とも呼ばれるトルコ原産の多年草です。
ムスカリ(ラティフォリウム)の語源(由来)
- 属名のMuscariはギリシャ語で「麝香」を意味する「musk」からきており、花の香りに由来します。
- 種小名のlatifoliumはラテン語で「広葉樹」を意味しており幅の広い葉に由来しています。
ムスカリ(ラティフォリウム)の特徴(魅力)
- ムスカリ(ラティフォリウム)は球根植物で、球根からふつう1~2個の葉と、花茎が出ます。
- 花は茎の頂部にツボ形の小花が集まり約2~6cmの花穂(総状花序)をつくります。
- 花は頂部だけ不稔性(種を作らない)で、下部の稔性の花と比べて、花の色が僅かに薄くなります。
- ムスカリ(ラティフォリウム)の葉は、他のムスカリの葉と比較しても著しく幅広で大きく存在感が強い所が魅力です。
- 葉は球根から普通1~2個出て茎に沿い立ち上がります。
ムスカリ(ラティフォリウム)の草丈は約15(~25)cmです。地面下に球根があり、球根から葉はふつう約1(~2)個、立ち上がります。葉色は緑色、葉身の長さ約7(~30)cm、幅は約1(~3)cm、葉身の形は線形もしくは狭楕円形です。花序は総状花序、総状花序は長さ約2(~6)cmで花が頂部に密集しており、上部の花が不稔性(種を作らない)で色が僅かに薄くなる傾向があり、下部が稔性(種を作る)で色が濃いです。花冠はツボ形もしくは鐘形(6個の花被片が合着している)をしていて先端の裂片が反る、花被片の色は紫色・青色・白色があり、雄蕊は6個、雌蕊は1個です。果実は蒴果(複数の心皮からなり果皮が裂開して種子を放出する)、蒴果は3つの部屋に分かれ、6個の種子をもちます。
ムスカリ(ラティフォリウム)の園芸品種の紹介
ムスカリの主な種と園芸品種は下のリンクから紹介しています。
ムスカリの珍しい種類、主な種とおすすめの園芸品種の紹介【2022】
ムスカリ(ラティフォリウム)の育て方
花壇の土づくり
日当たり
ムスカリ(ラティフォリウム)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。直射日光が6時間以上当たる日向が理想ですが、午前中のみ日が当たる半日影までで育てられます。
土壌の土質
ムスカリ(ラティフォリウム)は通気性がよく有機物が適度に入る肥沃な砂壌土を好みます。基本的には幅広い土壌で育てる事が出来ますが、雨の後もジメジメした状態が続く排水性の悪い土壌は生育不良を引き起こす原因となるため、水捌けの悪い粘土質な土壌は避けましょう。植え付け前にしっかり土壌診断を行い、水捌けのよい砂壌土から壌土に改善してから植え付けを行いましょう。
- 土を掘る時に土が硬い場合は作土層が十分でない可能性があります。
- スコップで土を深くまで掘り返し石等を取り除きます。
- 適度に濡れた土を、手にとり握って土塊を作り、通気性・保水性などを診断します。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 保水性を改善したい場合は保水性を高める用土(堆肥や黒土など)を入れると良いでしょう。
- 手のひらを開いても土の塊は崩れず、土塊を軽く指で押すと崩れる場合は通気性と保水性のバランスが良い壌土に近い土壌です。幅広い植物に向く土壌です。
- 植物に合わせて保水性を好む植物であれば保水性を高める用土(黒土なバーミキュライト等)を入れたり、乾燥を好む植物であれば排水性や通気性を高める用土(川砂やパーライトなど)を入れましょう。
- 手のひらを開いても土の塊が崩れず、指で押しても崩れる感じがない場合は粘土質で水捌けが悪い土壌の可能性があります。必要に応じて排水性・通気性を高める用土(川砂・パーライト等)を混和しましょう。
- 手のひらを開き土の塊がバラバラと崩れる場合は通気性と排水性の高い砂壌土や砂土に近い土壌です。栄養の乏しい土壌や乾燥に強い植物にむきます。
- 土壌に入る有機物の量を診断しましょう。土の色を見て、有機物が沢山入る肥沃な土の場合は有機物(腐植)が多く含むため土の色が黒っぽくなります。一方で有機物(腐植)が少ない場合は土の色が薄くなります。
- 土壌の状態とバランスを見ながら、2割から3割を目安に堆肥(腐葉土・バーク堆肥等)を土壌に混和しましょう。
植付け方法
- 植え付ける時期は9月~11月です。
- 球根は約10cmの深さに植え付けます。
- 球根の植え付け間隔は約5cmです。
鉢土づくり
日当り
ムスカリ(ラティフォリウム)は日光のよく当たる場所で最もよく成長して沢山の花を咲かせます。直射日光が6時間以上当たる日向が理想ですが、午前中のみ日が当たる半日影までで育てられます。
培養土
ムスカリ(ラティフォリウム)は一般的な草花の培養土で育てられます。自作する場合は通気性と保水性のバランスが良く肥沃な培養土で育てましょう。
- 赤玉土(小粒・中粒)+腐葉土=6:4
- 赤玉土(小粒・中粒)+パーライト+腐葉土=4:2:4
水やりの仕方
地植え
ムスカリ(ラティフォリウム)を地植えしている場合は極端に乾燥する場合を除いて、基本的には降水のみで育てられます。ただし土の中に指を入れて湿り気がない場合、葉が萎れている場合は直ちに水やりを行いましょう。
鉢植え
ムスカリ(ラティフォリウム)を鉢植えで育てる場合は土の乾燥が早くなるため、定期的な水やりが必要になります。ただし水やりを行い過ぎてジメジメとした環境が続くと根腐れしてしまうため、土の表面(数cm)が乾いてきたタイミングで水やりを行うといいでしょう。
肥料の与え方
ムスカリ(ラティフォリウム)はある程度、有機物を含んだ肥沃な土壌であれば肥料を必要としません。必要に応じて、秋の植え付け時に元肥として肥料を施しましょう。
ムスカリ(ラティフォリウム)の元肥の与え方
- 元肥を施す時期は球根を植え付ける秋です。
- 肥料は肥効が長く続く骨粉もしくは配合肥料か緩効性肥料を選び、成分は水平型肥料(肥料成分がバランスよく入る)もしくは山型肥料(リン酸が多い)を選びましょう。
- 元肥の与え方は土壌に均一に混ぜこむ全面施肥で行います。
- 緩効性肥料であれば株元から少し離した場所に置き肥する事も出来ます。
剪定のやり方
ムスカリ(ラティフォリウム)の剪定は基本的に不要です。
外観を整える目的で、古い葉や枯れた葉を取り除いたり、枯れた花を取り除く事が出来ます。
夏越しする方法
ムスカリ(ラティフォリウム)は夏になると地上部が枯れて球根のみが残ります。地上部が枯れた後も、基本的に球根は植えっぱなしのままで夏越し出来ます。
ただし極端な高温多湿で、球根が腐敗する場合もあります。心配な場合は球根を掘りあげて秋まで冷暗所で保管したり、鉢植えで育てている場合は雨の当たらない軒下などに移動して乾燥気味に管理するとよいでしょう。
球根を掘りあげて管理する場合
- 6月頃になると葉が枯れてくるため球根を掘りあげます。
- 球根を掘りあげたら、葉を切り落として、腐敗の原因となる土を水洗いで綺麗に落とします。
- 直射日光の当たらない風通しの良い環境で暫く乾燥させます。
- 古い皮や根は病気の原因となる菌が潜んでおり腐敗の原因となるため取り除きます。
- 球根をネット袋などの中に入れて、風通しがよく雨の当たらない日陰で管理しましょう。
- 秋に植え直します。
冬越しする方法
Hardiness:4b~8a
ムスカリ(ラティフォリウム)は耐寒性が高く冬越しの準備をする必要は基本的にはありません。
挿し木や株分けで増やす
ムスカリ(ラティフォリウム)は分球によって増やす事ができます。
ムスカリ(ラティフォリウム)の分球方法
- ムスカリ(ラティフォリウム)の分球時期は球根を掘りあげて保存する初夏頃が最適です。
- 葉が枯れてきたらスコップを使い球根を掘りあげます。
- 球根は基本的に自然分球(自然に球根が分かれる)のため、それぞれの球根を乾燥させて保管して、秋に植え直しましょう。
- 詳しい保管方法は夏越し方法の所をご覧下さい。
播種で増やす
ムスカリ(ラティフォリウム)の種蒔の方法
播種時期:
発芽適温:約
発芽日数:
発芽条件:
植物の病気
ムスカリ(ラティフォリウム)の病気
- 白絹病
ムスカリ(ラティフォリウム)の害虫