グラジオラスは属の中に約300種がありますが、一般に園芸で親しまれている種は幾つかの種とその園芸品種です。例えば、直径約5~15cmの大きな花を穂状に咲かせ豊富な花色がある雑種のグラジオラス、その他の原種のグラジオラス等が親しまれています。
グラジオラス属の種ごとの育て方は写真か育て方をクリックすると出てくる為よかったらそちらをご覧下さい!
このページでは主な種の種類と特徴、園芸品種の種類と特徴を紹介しています。
グラジオラスの主な種の目次
![]() 開花時期: | ②その他の種や園芸品種 |
グラジオラスの特徴や園芸品種
グラジオラスの球根
学名:Gladiolus × hybridus
草丈:約30~180cm
分類:多年草
開花時期:6月~9月(7月~8月に最も開花)
花色:赤色●桃色●橙色●黄色●紫色●青色●緑色●白色〇
葉色:緑色●
耐暑性:強い
耐寒性:普通
誕生花:3月23日/6月16日/7月2日/7月8日/7月13日/8月6日/11月26日
花言葉:全体「たゆまぬ努力・ひたむきな愛・満足・勝利・密会・用心」/赤色「堅固・用心深い」/桃色「たゆまぬ努力・ひたむきな愛・満足」/紫色「情熱的な恋」
用途:背が高い花/切り花
グラジオラスとは!?
グラジオラスは学名Gladiolus × hybridus、広義ではグラジオラス属全体をさしますが、一般的には園芸で親しまれる雑種のグラジオラスをさしている事が多く、4~5個の種(G. nanus・G. grandiflorus・G. Primulines等)が交配されて生まれた雑種です。またグラジオラスは別名では「トウショウブ(唐菖蒲)」や「ソードリリィ(sword lily)」等とも呼ばれており、球根をもつ多年草です。
グラジオラスの語源(由来)
- 属名のGladiolusはインド・ヨーロッパ祖語の「kelh₂」に起源があり、後にケルト祖語で「剣」を意味する「kladiwos」になり、幾つかの変化を経てラテン語で「小さな剣」を意味する「gladiolus」になっています。
- ↳Gladiolusの「剣」もしく「小さな剣」の由来は葉の形からきています。
- 種小名のhybridusは「雑種」を意味しています。
グラジオラスの特徴(魅力)
- グラジオラスは直径約5~15cmの大きな花が穂状に並び咲く豪華な花姿が魅力です。
- 花は色鮮やかな花色からパステルカラーまで様々あるためお庭の雰囲気に合わせて品種選びが出来る所も魅力です。
- 草姿は直立して高さ30cm程度の矮性な品種から180cmに達する高性な品種まであります。
- ↳矮性な品種は花壇に並べられて縁取りに利用する事も出来ます。
- ↳高性な品種は花壇に植えて立体感をつくったり収穫されて切り花にされたりします。
- ↳切り花としては管理の仕方にも左右されますが日持ち3~10日程度です。
- 葉は細く長く剣の様な形をしているため英名「ソード・リリィ(sword lily)」の由来にもなります。
- ↳1個の球根から1~9個の葉が出て扇状に広がります。
- 理想的な環境であれば水やりや肥料も殆ど必要なく放ったらかしで育てられます。
グラジオラスは地面下に葉鞘が乾燥し薄皮で包まれた球根(塊茎)をもちます。茎の色は緑色、高さ約30(~180)cmの間で成長します。葉は球根に1(~9)個付き、葉身は剣形をしています。花序は10~(30)個の花が片側に偏り穂状花序に付き、個々の花の大きさは直径約5(~15)cm、花被片は6個(外側3個は大きく内側3個は小さい)あり、雄蕊は3個、雌蕊は1個あります。花後に出来る果実は3室ある球状の蒴果です。
グラジオラスのタイプ別の違い
グラジオラスは主に3つの種(G. nanus・G. grandiflorus・G. Primulines)が使用されて交配されますが、使われる種によってそれぞれ性質が違うため、多くの場合で異なる傾向のグラジオラスになります。
グラジオラス・ナヌス種(G. nanus)
グラジオラス・ナヌス種を由来とする雑種は、高さ約30(~50)cmの細い茎を幾つか伸ばし、直径5cm迄の小さな花を穂状に咲かせます。一般的なグラジオラスと比較してミニチュアになる傾向にあります。
グラジオラス・グランディフロラス種(G. grandiflorus)
グラジオラス・グランディフロラス種を由来とする雑種は、茎が最大180cmまで伸びて非常に背が高くなり、最大15cmに達する大きな花と最大30個の花(芽を含む)を咲かせる事が出来ます。
グラジオラス・プリムリネス種(G. Primulines)
グラジオラス・プリムリネス種を由来とする雑種は、グランディフロラスの花ほど大きくないものの、可憐な花の形をしており複色等の美しい花色があります。
グラジオラスの切り花の楽しみ方

- グラジオラスの収穫は朝の涼しい時間帯もしくは夕方におこないましょう。
- 収穫の前に水を入れたバケツを準備しておきます。
- グラジオラスの収穫は花が1~2個だけ咲いているのを選び収穫しましょう。
- 収穫したら水に漬けた状態で水切りを行います。
- 水切りしたら花瓶に生けて楽しみます。
- ↳日持ちは管理の仕方で変わりますが約3~10日程度です。
- 管理は出来るだけ低温環境(糖の消費や蒸散が抑えられる)で数日(約1~3日)ごとに水切りと水換えを行います。
- ↳また花瓶の水に延命剤(栄養入り)を入れる事でも蕾が開きやすくなるため基本的には延命剤も利用しましょう。
水切り
水切りとは茎の根元を水の中に浸けた状態で、茎の根元から上に約1~5cmの部分でハサミを使い斜めにカットして、吸水面を広げる水揚げ方法です。水切りを行う目的は「細菌」「空気」「その他」が原因で茎が詰まり水揚げが悪くなってる部分を、水の中で切り戻して正常な状態に戻し水揚げを改善する事です。水切りは水の中で茎を切るため導管内に気泡が入りにくいメリットがあります。
おすすめの延命剤
おすすめの延命剤
- 花に十分な栄養を与え、花を大きく咲かせ、蕾をしっかり開かせます。
- 水のみと比べて切り花の日持ちが大幅に長くなります。
- pHを下げて雑菌の増殖を抑制して、水揚げを促進します。
- 萎凋や変色を抑制します。
- 花瓶の中の水のぬめりを抑え水を清潔に保ちます。
- 全ての切り花に利用できます。
グラジオラスの栽培方法
園芸では、色鮮やかで大きく豪華な花を鑑賞する目的や、花を収穫して切り花として利用する目的で育てられます。草丈は最大180cmになる高性な品種から30cm程度の矮性な品種があるため、育てる品種に合わせて花壇の中央や後方等に植えて高さと立体感を出したり、花壇の前方や中央部に並べて縁どりとして楽しんだりすると良いでしょう。またグラジオラスは豊富な花色があるため、赤色や黄色等の色鮮やかな複数の花を組み合わせてカラフルなお庭をつくるのもいいかもしれません。
グラジオラスを育てる際に注意する事は「日向に植える」くらいです。一度活着すれば水やりや肥料を与える事が殆ど不要になるため放ったらかしでも育ちます。